【ゲーム開発裏話】進捗報告の出し方について改めて考える
こんばんは!
今回もゲーム開発の裏話的な内容で
ゲーム開発の進捗報告の出し方について改めて考えてみた
というような内容になっております。
ゲーム開発をしている方であれば、だいたいどこかで「自分のゲームは今こんな感じだよ!」とみんなに知らせてモチベーションを得るきっかけにしていると思います。
しかし考えてみれば進捗報告って意外と難しいというか、割と色々な課題をはらんでいる可能性もあるので進捗報告の出し方(進捗をどのタイミングで・どの程度・どのように公開するか)ってかなり重要なんじゃないかと思いました。
そこでここではその辺について改めて考えてみたことを書きます。
進捗報告に関する問題色々
まず、進捗報告はモチベーションを保つためにはとても有効な手段ですが、次のような問題をはらんでいる点は無視できません。
- 新しいゲームのアイデアを公開すると後戻りしづらくなる
- ゲーム開発では「進捗報告しづらい進捗」が多い
- 自信満々で出した進捗が受けずガッカリすることがある
- 進捗を公開することでコンテンツの消費が進んでしまう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新しいゲームのアイデアを公開すると後戻りしづらくなる
一つ目の問題は、新しいゲームのアイデアを公開してしまうと後戻りしづらくなることです。
例えば前から温めていたゲームアイデアが複数あり、そのうちの一つを作りはじめてから「次回作はこういうゲームを作ります!」と早めに発表したとしましょう。
もちろんこれ自体は何ら問題ではないのですが、作り始めてから「やっぱ別のゲームを作りたいな」と思った場合は問題が発生します。なんたって一度「これを作ります」と発表した以上は、みんながそのゲームが完成することを多かれ少なかれ期待するわけですから開発者としては心理的に後戻りしづらくなります。これはゲーム開発あるあるではないでしょうか?
このことを考えると、新作の発表はそのゲームに注力することが確定してからの方がいいんじゃないかなと思います。
ゲーム開発では「進捗報告しづらい進捗」が多い
次に二つ目の問題は、ゲーム開発では進捗報告しづらい進捗が多く、継続的に進捗報告するのが意外と難しいという点です。
例えばグラフィックの改善など目に見える部分は進捗として分かりやすく、しかも映えるのでいいねしてもらいやすいです。一方でゲームシステムなどプログラミング的な部分の進捗は他の人にはかなり分かりづらいので共感してもらえず、苦労しても全然反応をもらえないなんてことがあります。
また、ゲーム開発が終盤になると進捗報告するだけでネタバレになっちゃう場合もあるのでそもそも報告できる内容がなくなってしまったりもします。
このような理由から、最初のほうはガンガン進捗報告できるけど後半はだんまりになってしまう…というような竜頭蛇尾な感じになっちゃうのが悲しいところです。
自信満々で出した進捗が受けずガッカリすることがある
三つ目は、自信たっぷりで出した進捗報告が全然ウケず逆にモチベーションを削がれることがある点です。
先ほども書いた通り、ゲーム開発においては他人から見て映える進捗とそうでない進捗があります。ゲーム開発では地味な進捗のほうが大変なことが多く、開発者としては実はそっちのほうを褒めて欲しい場合が多いものです。
しかし他の人は映える進捗にしか良い反応をくれないので、進捗内容が地味だった場合は全くいいねしてもらえずガッカリする結果に終わることがあります。こういう場合は開発者からしたら結構ショックなので、進捗報告でやる気をもらうはずが逆にやる気を削がれるなんてことになりかねません。
進捗を公開することでコンテンツの消費が進んでしまう
四つ目は、進捗を公開し続けることでそのゲームがある程度消費されてしまうということです。
これはどういうことか?例えば見た目のインパクトが特徴のゲームであれば、進捗報告で画像や動画を何度も公開していると皆さん段々慣れてきてしまいます。つまり公開した分だけコンテンツとしての消費が進んでしまうというわけです。
このことを考えると、見た目重視のゲームの場合は画像や動画を慎重に扱ったほうがいいのではないかと思います。
映えない地味な進捗の扱い方について
さて上記では進捗報告にまつわる問題をいくつか取り上げてみました。そこでここからはそれらの問題を回避するにはどうしたらいいかをちょっと考えてみようと思います。
まずは問題となりやすい「地味な進捗」の取り扱いについてです。結論から言うと、地味な進捗はあまり共感してもらえないので反応をアテにしないことが重要だと思います。
特にシステム面などは開発でとても苦労することが多く、その部分の進捗があったときにはみんなに褒めてもらいたいと思うのは当然だと思います。しかしシステム部分は視覚化・言語化するのが難しく、すごいと思ってもらいにくいので進捗報告のメインにするには不向きです。悔しいですがさらっと書く程度に留めておいた方が無難でしょう。
ただまあ地味な進捗でも「こういう部分にこだわっています!」というようなこだわりがあればそれは進捗を楽しみにしてくださっている方々に刺さると思うのでしっかり報告したほうがいいかなと思います。
進捗報告したほうがいいことと秘密にした方がいいこと
次に、問題を避けるためには進捗報告したほうがいいことと秘密にした方がいいことをしっかり整理しておくのが大事だと思います。
例えば見切り発車で新作の発表をするのはやめたほうがいいですし、開発の初期段階からゲームの斬新な要素を惜しげもなく公開するのも避けたほうがいいでしょう。そういうのは確定してから大々的に発表するか、せめて小出しにして聴衆の期待感を煽るくらいがいいと思います。
ゲームを作っているとついついアイデアを公開してしまいたくなりますが、時が満ちるまで我慢するのは重要です(※ちなみにこんなことを偉そうに書いてる私は我慢できず漏らしちゃうタイプです!ダメですね…)。
リリース報告が進捗報告よりも伸びないのはなんで??
さて最後になりますが、ゲーム開発あるあるなこととして
リリース報告に対する反応が進捗報告よりも薄い
というのがあります。これは進捗報告をしたことがある方なら誰しも経験があるのではないでしょうか?
このようなことになる原因は、おそらく先ほど書いた「慣れ」によるものだと思います。やはり進捗報告を続ける中でどうしてもそのゲームの良い部分に皆さんが慣れてしまうので、リリース時には反応が薄くなってしまうのでしょう。
そんなわけで、リリース報告でインパクトを出したりバズらせたりしたい場合はそもそも進捗報告をあんまりしないほうがいいんじゃないかな?というのが私の考えです。
まあそれだと開発のモチベーションが続かないって方もいらっしゃるでしょうけど、その辺はトレードオフですね…。
おわりに
以上、進捗報告にまつわる問題やその回避方法について私なりに考えたことを書いてみました。ご覧いただきありがとうございました。
こうして考えてみると、進捗報告もメリットばかりではないことが分かりなかなか難しいことが見て取れます。進捗報告する場合はその点も踏まえて、自分の開発スタイルに合わせて行いたいものですね。
ではまた何かありましたら投稿します。