涼原 2023/11/30 14:10

ゲセ森制作振り返り

こんにちは!プログラム担当のはらです。


この記事は「すずみちゃんはらちゃんのゲーム制作修行の森」(ゲセ森)の制作振り返り記事です。
せっかく一本の短編ゲームを作り切るという貴重な経験をしたので、制作中のドタバタなスケジュールなどをメモしてみようと思います。
プログラム担当はら目線の話に偏ってますが、シナリオ担当すずみにも確認してもらいながら行きます。
初公開の画像もあるので、ゲームをプレイしてくれた方にはおまけで楽しんでもらえたら嬉しいです!


イベント参加の振り返りはこちらの記事に、攻略情報などはこちらの記事にまとめてあります!
ゲームのプレイは以下から出来ます!フリーゲームです!
1時間くらいでクリアできるので、良かったら覗いてみてください!
DL版(BOOTH)
ブラウザ版(プリシー)


企画の始まり

ゲ制チーム涼原にはすずみちゃんはらちゃんというキャラクターがいます。


簡単に説明すると、涼原の中の人たち、すずみとはらを擬人化したキャラクターです。すずみとはらには似てません。
主にシエンで活躍しているので、この記事を見ている方は結構見たことがあるのではないかなと思います。
結構前にはらの思いつきで生まれたキャラたちで、ゲームには登場する予定さえありませんでした。

そして2023年9月26日。


はら「すずみはらちゃんをメインにして短編ゲーム作れそうだね」
すずみ「私もそう思ってた。今年の文化祭に間に合わせよう!」
(※クリエイターズ文化祭。ゲーム発表の場にもできるオンラインイベント。毎年楽しみ)
はら「新作いいね! 文化祭の開催日はえ~と、10月20日だって」



すずみとはら「…締め切りまで一か月もないけど!!!??



まずは会議

9/26~27
時間が無いので急いで内容を決めます。
テーマはゲーム制作になりました。
クリエイターズ文化祭というイベントで発表するのにぴったりですね!
(こんなお祭りに乗じてでもなきゃ作れないとも言う)



↑初期案たち。

周回物の簡単操作クリックゲームなどの案を経て、「エターナルを倒す」という目的が決まり、ジャンルはRPGに決まりました。


エディタは使い慣れたRPGツクールMV…ではなくMZを使うことにしました。
持ってるけど全然使っていなかったMZに慣れる目的もあり。


シナリオ、必要ステージ数、各マップとボスのテーマ、技、攻略法、入れたい小ネタなどもこの時点で大体決まりました。
シナリオのすずみが世界観、敵、技、マップ、ストーリー展開まですべてをこねてこねてウンウン考えてくれたので、私は壁打ちの壁を頑張りました。


イベント(ピクリエ)用にすずみちゃんはらちゃんの歩行グラを作ってあったので、これをゲームに流用して時短することに。


涼原初の斜めホコグラです。

挑戦1、企画書を書いてみる

制作に携わるのがチーム内のふたりだけなので今まで企画書は用意してこなかったのですが、作れた方がなにかと良いかもね~ということで今回練習で作ってみることにしました。


実際に作成した企画書の一部です。
この時はまだ最初の会議中でシュミレーションゲームの予定になっていますが、色々こねてる間にRPG方向に舵を切ることになりました。早速企画書と違うことをしている。

ゲームの構想はふたりで案を出し合って、すずみの頭の中にまとまったものをはらに伝えてはらが組み立てていく、というのが普段のやり方です。
企画書を作るのもほとんどすずみがやるのですが、頭の整理になるね~とか言ってたと思います。
企画書を通す事で、これから作るゲームのテーマへのはら理解も深まりました。
時間がなかった事もあってあまりしっかりは出来ませんでしたが、まあ練習なので…


コンセプトをハッキリさせた方がいいよね~ということで、以下は制作の全体を通して意識した事などです。


・さっさと作る(時間が無いので)
・短くまとめる(いつも作る作品が長くなりがちなので)
・クリエイターに共感してもらえたり、楽しんでもらえる物を目指す
・凝ったことはしない(時間が無いので)
・新しい事への挑戦もしたいけど控えめに(成長したいけど時間が無い)
・文化祭のテンションでプレイしてもらいたい
・気軽にプレイしてもらうため、まずはブラウザ版で公開、軽い動作を目指す


挑戦2、外部ファイルからテキスト引用したい

新作をやるなら、システム面で何かひとつでも自分たちにとって新しい事をしたいね~という気持ちがあります。


例えば、3作目のいろおにの主人公の色が変わるシステムなんかです。

今回はプレイヤーには見えない部分なんですけど、制作効率を上げる方向での挑戦がありました。


組み込みで最初に取り掛かったのが、テキストを外部ファイルから引用するプラグイン(ExternMessage.js)を使える状態にすることでした。
ゲームからidを指定するだけでcsvファイルから該当のidに登録されているテキストが表示される感じのスーパーすごいプラグインです。
その存在を知ってからドキドキが収まりません。製作者様ありがとうございます…
幸いにもcsvは前々職で勉強させてもらったことがあったので、気持ちのハードルも気持ち低めです。


これまでの涼原の制作は、すずみがセリフなどのテキストをオンライン上のスプレッドシートに入力し、はらがゲーム内にコピペして行く…という方法をとっていました。
でもこれだとすずみがシナリオ全体を見直したり調整したりするのが大変!ということで、先述のプラグインで楽をしよう!みたいな感じになったのでした。


初めて使うのでちょっと大変でしたが、導入だけ頑張ればあとは快適ゲ制生活が待っています。
すずみはオンラインでスプレッドシートに入力するだけで修正も簡単、はらはそれをcsvでダウンロードするだけで良くなりました。
シナリオと組み込みの担当者が分かれている私たちには、かなりありがたい仕組みです。サイコ~



用意したスプレッドシートと、イベントからのセリフ呼び出し。
セリフと発言者と顔グラと声(ポポポSE)の指定をまとめて出来て便利です。

この日(制作2日目)の時点で序盤の大体のセリフはすずみが揃えてくれていたので、すずみはらちゃんの顔グラと表情差分ははらが勝手に描いています。
仮素材のつもりが眠すぎて丁寧に描いてしまったので、そのまま採用してもらいました。


開発記録ダイジェスト

すずみもはらも別件のお仕事と期間が重なってしまったのですが、クリエイターズ文化祭で新作を出したい一心でゲ制マラソン本格スタートです…!


開発初期、スタートダッシュ

9/28~29


ステージ1「企画の森」、ステージ2「シナリオの街」のマップがすずみから上がってきた!

通行判定やキャラの斜め移動など、イラストマップに最低限必要なプラグインを入れる。
本筋ではない補助的なキャラ会話などのテキストもどんどん揃う。



森の入り口のマップ完成、デフォルト素材でいい感じに。

メッセージ周りやフィルタや使いそうなプラグインをどんどん入れていく。
会話やホコグラの動きなど、イベントの組み込みはプロローグまで出来た。ゲームっぽい!
進んでいる!すごい勢いで制作が!!


9/30~10/7
用事がいくつか重なって1週間くらいほとんど進みませんでした。
締め切りまであと2週間もない。


開発中期

10/8~10
ゲーム作らなきゃ…!各マップのイベントをコツコツ組み込み。
すずみがセリフと一緒に演出メモ(ここではらちゃんがぴょんぴょんする、など)も用意してくれているので、組み込みはかなりスムーズです。


10/11~12
シナリオが一通り完成!順調!



各ステージのボス、ラスボスのエターナルのイラスト完成!


ステージ3のボス、進行不能バグに表示するエラー内容相談の様子。


真のラスボスのエターナルすずみはらちゃんのデザイン第一稿完成!


ステージ3「??の森?」、進行不能バグのマップ作成。見えない壁、クリスタルギミックの案出し。


ステージ2の作りこみ、落とし穴などを機能させる。

シンボルエンカウント作成。テンプレートプラグインの練習に…
BGMの選定開始。ツクールMZのデフォルトBGMからすずみが選定。
オートセーブ中に画面の隅に画像を表示するやつ作成。
地域の放送でサル出現の情報、緊張が走る。


10/13


エターナルすずみはらちゃん、清書完成!強そう!

開発後期

10/14


ステージ3の作りこみ、フィルタでバグ表現作成。つぶつぶ。

戦闘周りの調整もやっと開始。
ツクール戦闘標準機能の勉強。基礎が分からないといじるにいじれないので…


10/15~16


タイトル画面イラスト完成! ロゴもすずみが作ってくれました。

タイトルを仮題の「ゲ制ドリーム」から「すずみちゃんはらちゃんのゲーム制作修行の森」に変更。(さすがにタイトルから内容が伝わらなすぎるという理由)


10/17


ステージ4「試練の森」のマップ作成、ツクールに元々入っているサンプルマップを微調整して使用。

ステージ4の謎解きを実装。
まだ全然できてないけどテストプレイしてくれそうな友人に約束を取り付ける。
クリエイターズ文化祭のお品書き作成。開催まであと3日!
友人テストプレイ(一回目)、途中までしか出来てないけど見てもらった。
感想を聞いて謎解き難易度やテキスト、マップの構造を調整。


10/18


ボスステージのマップ作成。ツクールに元々入っているサンプルマップを使用。

エンドカード作成。
エピローグ作成。


10/19
ステージ4のボス戦の作りこみ。
敵にHPゲージ表示を追加。



はなくそちゃん&愛車のドット作成(ゲーム内では顔しか登場しないはなくそちゃんですが実は全身ドットがあります)


エンドロール作成。曲にあわせて景色が夕暮れの海沿いに決まりました。

なんとか全マップが揃って最後までプレイできるようにはなった!(バグがすごい)
テストプレイ(二回目)、友人ふたりに協力してもらう。
すずみ、テストプレイの直前までスチル清書。
分かりやすさや、チカチカした演出が目の負担にならないかなどを教えてもらう。
テストプレイのフィードバックを反映。
ちなみに、テストプレイ自体は開発期間全体ですずみが担当してくれました。一番たくさんの調整箇所を見つけてくれた人です。
はらはテストプレイまで手が回せなかったのであんまりプレイの記憶がないです。


10/20、夕方まで
イベント当日なのにまだ全然整ってないけどイベントは夕方からだからまだ作業できる…!
すずみのママのフィードバックを反映。
さまざまなバグを直す、戦闘バランスの調整。
公開に向けてプリシーに載せる紹介文などを大急ぎで用意する。
調整したい所が山ほどあるけど一応プレイできる状態にはしてなんとか公開へ…


イベント!

10/20夕方~10/23
クリエイターズ文化祭開催!
イベント中にバグ報告もいただけたのでもりもり修正!
(参加者もゲームクリエイターさんが多いので、バグ発見スキルやお心遣いがありがたすぎました…)



修正ついでに戦闘中のカットインを追加。イラストがすごい速さで描き下ろされた。


すずみが某RPGファンなのでカットインの絵柄がパロディになりました。

カットインはすずみちゃん単体、はらちゃん単体、すずみはらちゃん協力技で全3種類です。(使用イラストは単体も協力技も同じ)


セーブファイル一覧にマップ名の表示を追加。せめてものユーザビリティ…
ゲームのヒントやアイテムや戦闘の調整も。
エンドカード表示中にオルゴールBGMを追加。いろんなクラシックが候補に挙がるも無難かわいい「大きな古時計」に。
4日間開催だったので、最終日はのんびり見てまわれました!
イベント開催中の事はイベント参加の振り返り記事の方でしっかり振り返ってます。


まとめ

ゲーム内容の最後の山場が「締め切りの力を味方にして勝つ」だったので、なにがなんでも締め切りまでに公開しないと恰好がつかないという状況になっていたりしました。これは、頑張れた。


RPG自体はポチポチしてればなんとなく作れる! これがRPGツクール。
好みやストーリーにあわせて色々仕様を調整するのも楽しかったです。
ほんの一部ですが何が標準機能で何がプラグインなどを使わないとできない事なのかが少し分かったので、他所のRPGのこだわりにも気づきやすくなったと思います。
ゲームとしての戦闘が特別楽しいようなレベルはさすがに最初から諦めていたので、さくさく戦ってさくさく進む、無難な所に出来たのではないかなと思います。


あと、振り返りは早めにやらないと記憶があやふやで苦労しますね…イベントから1か月も経ってしまった…
次もやることがあったら振り返りにも締め切りを設けた方が良いかもしれない…


ここまで読んでいただきありがとうございました!
最後にすずみにインタビューしてきました。


はら「ゲ制1か月マラソンについて一言おねがいします」

すずみ「はらにすずみちゃんはらちゃんのゲーム作りたいって言われた時クリエイターズ文化祭に間に合わなかったらお蔵入りだなと思ったから形になってよかったです」


ね~。

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