【感謝祭】道草恋歌アワード2023【ノミネート】
どうも、ごきげんよう。いらにかです。
まさか多忙と疲労で、道草恋歌アワード2023の記事投稿が感謝祭最終日になるとは想定外でした。
道草恋歌アワード2023では、2023年に投稿された道草恋歌の作品から、いらにかの選出した作品をノミネート(入選)作品として表彰します。
今回は大賞などの区分はありません。批評コメントも野暮なので一部以外は無しです。
(来年は一般投票で大賞選ぶとかやりたいなと思いました)
それでは、ノミネート作品の発表です!
暮れ方の 蛙と野鳥鳴く中に 湿る風吹く 田舎の暇(いとま)
作者:くぁ
まどろみと 寝息ふたつの 布団から 去ぬ猪の子や 温さのこして
作者不詳
アイス殻 ペコペコしない まねしない
作者不詳
快速が職場の最寄駅を越え道草屋まで行けばいいのに
【作者】
黒縁ナイロールのお客様
イタズラじゃないと気づいて葉っぱより重い届けを受理してしまう
作者:黒縁ナイロールのお客様
眠るまで君が宿っていたはずの耳のこんなに浅い空洞
作者:黒縁ナイロールのお客様
春の夜に 繋いだ指先 擦り上げて 微睡む顔は 子供の様で
作者:ちめ
振り向けば 短かったと 言えるのに 明日が遠い そんな冬の日
作者:ちめ
紧落雪 夜半思故人 叶归根
作者:johnsmith
※一般人には解読困難だと思うので、いらにかによる注釈
日本人が読みやすいように日本の漢字にしてみました。
緊落雪 夜半思故人 叶帰根
私なりの意訳ですが、(かなりの)雪が降る夜半(0時前後)に遠い人(故人)を思っている歌だと解釈しています。
誤解だと恥ずかしいんですが、おそらく落葉帰根に掛けた歌だと思います。
落葉帰根は樹木の葉が落ちて根に帰る様子から、輪廻や循環や原点回帰などの例えとして使われるのですが、「人は死後に故郷へと戻る=故郷への哀愁」という解釈もあります。
落葉のさらに先の季節。
激しい雪が降る中、故人を思い、根に帰ることを願う様子が歌からも想像できますが、土地に根ざした樹木の葉ではなく、雲として遠くから運ばれてその地に降りた雪に焦点を当てていることで「異邦の故郷、第二の故郷への哀愁」という表現が非常に深まって解釈できるなと思いました。
まさに、落雪帰根。
遠い地から来た雲が雪となり、異邦の地の根に帰する様は国内外を問わず、多くの道草屋の旦那様に通じる情景と心情なのではないでしょうか。
P.S.
故人が根に帰ることを祈った鎮魂の歌として解釈しても素晴らしい歌だと思いました。
中華圏の文化にあるか不明ですが、0時頃の描写になっているのも黙祷を正午に捧げる様子と繋がっていて情緒ポイントが高いと思います。
雪解雨 更ける夜長に 通る波 微かな息が 此方に揺れる
作者:いらにか
あとがき
芹さんと
連れて往く道
帰り道
2019年10月。
ふいに脳裏に浮かんだこの句と脳内の情景に思わず涙が零れそうになり、
道草屋と詩歌の融和性と可能性を感じて#道草恋歌 を公開する場所を作りました。
道草恋歌は当初から「自由に詠むこと」「自分のペースで詠むこと」を大切にしてきました。
そんな道草恋歌が、2023年も歌人の旦那様たちのおかげで続いていて嬉しい限りです。
特に海外旦那様の道草恋歌も嬉しい出来事でした。
道草恋歌のシステムが海外旦那様に優しいかどうか不明なので、このあたりは改善しなきゃなぁとか思ってたりします。
まだ道草恋歌を詠んだことがない人はデビューお待ちしております!
https://michikusa-renka.glideapp.io/
匿名性も大事にしている道草恋歌!!
新作の感想などを川柳や短歌の形式で表現して投稿するだけでもOKです。
とにかく自由なので!!
それでは、また来年!