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初めての交通事故

初めての交通事故――の思い出の話です。
あれは去年の暑い真夏、オリンピック開会式前日のことでした。首都高は1,000円値上げ。下道は阿鼻叫喚の渋滞地獄。そんな中、里帰り先から元の家に戻るため、レンタカーを借りて半年ぶりの運転で県境を四つ跨いでの移動を敢行したのでした。

荷物と子供を積んでエンジンかけたら、開始1kmで事故りました。

停車中のもらい事故です。厳密には、私も少し動いてましたが。
原因は私の前方不注意、そして相手方の後方不注意(未確認?)。

信号のない交差点の手前にランクルが停まっていたので私もその後ろに並ぼうと車をつけたら、なんとランクルは右折待ちなどで停車していたのではなく、自宅に車庫入れしようとバックしてきたのです。

もちろんハザードなんか焚いてません。

乗り慣れていないレンタカーのぎこちないブレーキで車間距離が短かったのが運の尽き。私一人なら一秒間に16回クラクションを連打しながら猛スピードでバックして衝突を回避できたかもしれませんが、首のすわっていない7週齢の赤子の存在が私の心に「待った」をかけます。シフトレバーが思った場所に入れやすいギザギザ軌道のゲート式ではなく、ストレート型だったのも不運でした。DからRへ切り替えてバックし始めたもののこちらの存在に全く気づいていないランクルはもはやこのときの私にとってお尻から地べたに座り込もうとする巨象そのもの。ここに私がいるとも知らずに。

「ちょwwwwおまwwwwっうぇwwww」

車内で絶叫。肉薄するランクルのお尻。あー、これはぶつかりましたわ。衝突の音や衝撃は感じなかったけど、幾度となく車を壁や縁石や鉄柵にぶつけてきた私だから分かる。これは衝突事故ですわ。
前方の車から運転手のおじさんが降りてきて、私も一縷の望みを抱きながらバンパーを確認。

あー。

前方の車後部のトレーラーヒッチ接続部分の真四角の形がそのままハンコみたいにバンパーにくっきりと。おまけにナンバープレートもめくれてました。

「なんで後ろに停まってたんですか???」
「いや、交差点曲がろうと思って並んで待ってたんですが」
「ここ僕の家なんですよ。車庫入れしようとしてたんです」

左を見るとシャッターの開いたガレージが。
あー、ほんとですね。全然気づきませんでしたわ。

曰く、いつもなら車庫入れのために停車してたら後続車はみんな横をすり抜けて通過してくれるので、まさか並んで後ろにつく車がいるとは思わず普通にバックしたとのこと。
私の車は「見えなかった」らしいです。

警察がきて、「停車中でしたか?」と聞かれたので「停車中でしたね。まぁ避けるためにバックはしたので衝突の瞬間は私も動いてましたけど」と答えたら「あっ……(察し)」みたいなリアクションだったので「(もしかしてこれ動いてた判定で過失割合10:0にならない!?)」と内心ドキドキでした。

でも結果的に私の費用負担は0円でした。
レンタカー運営会社のコールセンターに電話したら(車のリアガラスに貼ってあるシールの電話番号と、出発前に営業店で渡された書類に記されてる電話番号が違っててワロレタリア文学でしたが、特に問題なくすぐに繋がりました)、「標準補償プランにご加入のようですね」と言われて「(あれ? 補償なんて入ってたっけ?)」と訝りました。
「事故らなければどうということはない」という精神で補償のために費用を割いた覚えはなかったからです。

しかし店に車を戻して納得。
書類を見ると「標準補償プラン:0円」と記されていたのです。

神か!?
タイムズカーレンタルは神か!?

しかし実際のところその標準補償プランでどこまでまかなえるかは事故直後の時点では不透明だったので、利用者(私)の費用負担については車を返したあと店で話しましょうということになったのです。
バンパーは研いで塗り直せばワンチャン交換しなくてもいけるか……? という感じで傷は浅かったのですが見た目はクッキリなので直さず放置ってわけにはいかないだろうし(軽微な傷はあちこち放置されてましたが)、ナンバープレートについては曲がったのをどうやって直すのか見当もつきませんでした。

「これはやってしまいましたなぁ……」という気持ちで車を店に戻し、屈強な強面のお兄さんに詰問されるかと思いきや、若くて美人のお姉さん(ビューラーのフレームがそのまま目蓋にくっついたようなまつエクガチ勢。どこのまつげサロン通ってんのか教えてほしい)に「お怪我はされませんでしたか?」などと言われ優しくご対応いただき、「もらい事故なのでお客様の費用負担はありません」とのことでした。

いやー借りた車凹ませて返したら殺されるかと思いますよね普通。
それどころかレモンティーまでごちそうになっちゃいましたよ。
カーディーラーの中に入っているレンタカー屋さんは最高ですね。何しろ店員さんのレベルが高い(まつげ的な意味で)。

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長距離トラックドライバーのおトイレ事情

南船橋という駅があります。
それはもう素晴らしい景色なんですよ。見渡す限りの草原です。



風にそよぐ緑一色の風景を目にすると、なんだか癒される気分です。

しかし季節は移ろい、冬になると……





夏の景色が嘘のような高原です。

そして道路には点々と、淡黄色の液体に満たされたペットボトルが落ちています。



お分かりいただけますでしょうか? これ、全部おしっこです……







長距離運送屋の彼らはトイレにも行けず、こうしてペットボトルを尿瓶代わりに排尿するしかないのです。
物流業界、恐ろしい世界です。

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かつて存在した私のPCとモニター

時は遡ること12年。あれは2009年のことでした。
大学へ進学し、「憧れのデスクトップPCをゲットしたい!」と喜び勇んでヨドバシカメラへ直行した私は、当時まだあまりPCの知識がなかったため、見事に販売員のカモとなり、モニターと一体型のデスクトップPC(いやもうそれデスクトップPCじゃねぇじゃん)を買わされてしまったのです。
予算も豊富ではなかったので仕方ありませんでしたが、ノートPCとパーツを共有しているために低廉化を実現した一体型デスクトップPCという代物、はっきり言ってノートとデスクトップのそれぞれのデメリットを併せ持つ誰も得しない物体です。一体どんな層に向けて売り出しているんだ……情弱か? はい。見事に騙されて買いました。

HDD、CPU、電源、メモリなどの搭載されたマザーボードとモニターとが同じ一枚の板の中にあり、まさに「モニターと本体が一体化」したPCです。キーボードは別ですが。つまり重いのでノートのように持ち運びはできません。
そしてデスクトップと異なりモニターやHDD、電源などどこか一つが故障すれば全部おじゃん。パーツ単位での互換性も拡張性もありません。ほんと誰が得するんだこれ。スペックの割に値段は安いということくらいでしょうか。言うほどスペックも高くありませんでしたけどね。OSもVistaだったし……

時は流れ、2014年。
社会人となった私は満を持して今度こそ本物のデスクトップPCを得るために、再びヨドバシカメラへと言ったのです。
ノートや一体型を勧めてくる店員を蹴散らして、フロアで一番スペックの高いハイエンドモデルのPCを買ったのです。いやもうそこまでするなら自作すればいいじゃんと当時散々言われました。まぁいいじゃないですか、前回と比べたら随分な進歩です。でもメーカー品はやはりメモリとかが高くて、予算オーバーだったのでモニターは秋葉原のラジオ会館だか何だか忘れましたがラジオ無線の部品を売る怪しいジャンクショップで買いました。6,000円でした。

大手量販店と違ってこの状態で渡されるのは驚きでした。持って帰るの大変でしたよ。防具はプチプチ一枚です。ぶつけたら一巻の終わり。

店のおっちゃんが「あぁこれいらないんだよねこの部分」とか言いながらプラグのアースの部分をぶちってもぎ取ってましたが、家に帰ってセッティングすると普通に接続部分に穴が3つあって「いやあれもぎ取らなくてもよかったんじゃ……」と愕然としたのはいい思い出です。

やはりジャンク品なだけあって画面左下の端っこの部分にドットが一列、5mmくらいの長さにわたって欠けていましたが、それ以外は特に問題なく、7年間元気に動いてくれました。6,000円で7年活躍してくれた最高のモニターでした。最後はリサイクルのためメーカーのDELLに返却しました。タダで持って行ってくれました。胡散臭い廃品回収の業者に任せたら3,000円くらいぼったくられるところでした。しかもあいつら最初は8,000円とか吹っかけてくるんですよ。舐めんじゃねーよって話です。

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AGFは、かつて存在した日米合弁の食品メーカー

AGFは、かつては味の素とアメリカのゼネラルフーヅとの合弁会社で、味の素ゼネラルフーヅ株式会社と呼ばれていましたが、2015年に味の素の100%子会社となり、2017年に味の素AGF株式会社となりました。

上の写真の「ブレンディ大人のほろにが焙煎」というのは、かつて存在した商品です。
AGFのインスタントコーヒー、「ブレンディ」シリーズは赤色と緑色と茶色の銘柄があり、この茶色は現在「エスプレッソ」という名前でリニューアルされています。
しかしながら、今も当時も赤色・緑色の品と比べてこの茶色の商品群が非常にマイナー製品であることは変わっていません。

一般の小売店では、まず見かけません。
スティックタイプのミルクの入ったカフェオレの奴はよく見るんですけど……仕方がないのでAmazonやLOHACOで購入するも、こちらも取り扱いが安定しません。不人気商品なのでしょうね、きっと……

そもそもAGFのブレンディはネスカフェのゴールドブレンドなどと比べてコクが深いのが特徴ですが、ブレンディシリーズでもこの茶色の「エスプレッソ」(旧ほろにが焙煎)は特にそれが強いのです。おいしいのに、なぜみんな買い支えてくれないんでしょう……

なので皆さんも、見かけたら買ってください。

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かつて存在した私の家

あれは今から22年前、私が進学を機に9年ぶりに関東へ出戻りしたときのことでした。
思えばそれまで「神奈川県」という土地に住んだことはなく、なんとなく憧れだったのを覚えています。『湘南純愛組』でも辻堂、藤沢、鎌倉、横浜などが舞台になりましたしね。

あの、『NHKにようこそ!』でもロケ地となった某所には、その地名がそのまま社名になったE不動産(※仮名)という不動産屋がありました。
まぁよくある地元の不動産って奴です。今でも駅前に事務所を構えているのだから驚きですが、入学後に大学の先輩からは「あの地雷物件ばかり紹介してくるという悪名高い……」とおののかれたものです。

私が入居する予定の部屋にはそれまで別の大学の院生が6年間暮らしていたらしく、「6年も暮らせるなんて居心地のいいところなんだなぁ」などと親は呑気に言っていました。学生専用のアパートで、入居当時は8部屋全室埋まってました。

このアパートはちょっと面白い造りをしていて、1フロア2部屋の建物が2棟あり、物件情報では「全室角部屋!」という謳い文句でした。草生えますよね。

木造で、築30年以上経っていて、駅からは遠く、大学へも自転車がないと行けない距離ですが、坂を上り下りしないと辿り着けない。
そんなことより、私はユニットバス(※ここでいうのは、お風呂とトイレが一体型の浴室のこと)が何よりも嫌だったのですが、当時は親がスポンサーだったので、選択の余地なくそこに住まわされることになってしまいました。

本当に色々なことがありました。その家では、ありとあらゆる生き物が出没しました。コバエ、ネズミ、ゴキブリ、ナメクジ、クロアリ、シロアリ……中でも一番大変だったのは6月のヤマトシロアリの群飛でした。ほんと6月ってカラスには襲われるしシロアリの大群は出現するしでろくでもない月ですね。祝日は一個もないし。梅雨だし。

その木造のアパートには、シロアリがたかっていたのです。
私の家では、6月の梅雨時、激しい雷雨の夕暮れにヤマトシロアリの大群が巣立ちました。彼らは水辺をめがけて着地、いえ着水します。帰宅したときまず私の目に入ったのは台所のシンクに降り積もったおびただしい数の彼らの死骸でした。
それまでシロアリのことなど何も知らなかった私の目には、「流しに高菜でも捨てたのかな?」と思いました。
電気をつけると、惨劇が明るみにさらされました。何千、何万という数のシロアリがお風呂とトイレと洗面所とキッチンで羽を落として死んでいたのです。
もちろん被害は水辺だけに限ったものではありません。家中、そこら中にシロアリの落とした羽が散乱していました。タンスの中の衣類まで羽だらけ。地獄です。はっきり言って地獄です。木造家屋になど住んではいけません。
タンスの中にまで入り込んだシロアリの羽は当時十分に掃除したつもりでしたが、それでも何匹分かの羽は残ったまま引っ越し先へ持ち込まれ、その後の私の人生にも長いこと付きまとい続ける結果となりました。
本当にシロアリは恐ろしい害虫です。ゴキブリとかまだ可愛いもんです。ゴキブリは一匹見つけたら三十匹いるものだと思えと言われていますが、シロアリは一匹いたらその家には十万匹いるもんだと思ってください。数が違います。ゴキブリは一個小隊、シロアリは十個師団です。

木造家屋ってひどいんですよ。一階だと湿気がたまるからカビは生えるし、遮音性がないから隣の部屋のセックスの喘ぎ声は筒抜けだし、朝の6時からパコパコアンアンやり散らかしたり、洗濯機は共同のものが室外に一つあるだけで、物干し場も共同だったのでスイカみたいな大きさのデカいブラが干してあったりと、もう何でもありの無法地帯です。

しかもその洗濯機、コイン式だったのですがあるときから壊れて以降直してもらえず、そのまま放置されていたのです。私はあのアパートで5年暮らしましたが5年後には私以外の住民は誰一人残っておらず、不動産屋も管理する気がなかったのです。なので最後の半年はずっとコインランドリー通いでしたし(洗濯機の脱水機能が壊れてしまっていたので、乾燥だけでなく洗濯するところからコインランドリーのお世話になっていました)、夏場は庭の草もボーボーの冬になって勝手に枯れるまで放置されていました。そりゃあ虫も出ますよねって話です。

そんな私の家は退去後に売地となり、更地となり、今では別の一軒家が建っています。

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