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2019年 10月の記事 (9)

何歳から錠剤をのめるようになったか覚えていますか?


私はとても頭が固く、幼い頃から非常に頑固で思い込みの激しい子供でした。

いわゆる「素朴概念」と呼ばれる強固な固定観念をいくつか有していました。
例えば自転車の練習をしているとき、「動いている自転車に乗れるようになるためには、まず止まってる自転車に乗れるようにならなくては!」と思って停止したまま二輪車でバランスを取ろうとしていたことがありました。
二輪車は前方へ進むことによって左右に倒れずバランスを保つことができるという物理学の概念を持っていなかった当時の私は、止まっている二輪車に乗ってバランスを保つことのほうが遥かに簡単だと確信していたのです。

同様に、錠剤やカプセル剤についても素朴概念を持っていました。
「重力は上から下に働くのだから、錠剤をのむときは上を向いていたほうが飲み込みやすいに決まっている」と確信していたのです。
これを疑うことなく信じていました。実際には下を向いたほうが飲みやすいです。

小学校の頃、クラスで「錠剤飲める?」という話になったとき「下を向いたほうが飲みやすいんだよ」と聞いて「マジかよ」と愕然としたのを覚えています。それを聞いたその日から私は錠剤が飲めるようになりました。
知識を身につけるだけで一つことが成せるようになるなんて現世は複雑怪奇です。

本棚を金属製にして変わったこと

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筆を折って小説を書くのを辞めた人を見て思うこと


私がCi-enを始めるきかっけになった人のパトロンサイトを見に行ったら、とっくの昔に更新が途絶えていて支援の受付が停止されていました。あまつさえ、筆を折って小説を書くのを辞めていました。

衝撃でした。
人はなぜ小説を書くのだろう? そして、どういうときに書くのを辞めてしまうのだろう?
今まで深く考えたことのない疑問が、私の中で沸き上がりました。自分自身に当てはめて考えてみたとき、私はうまく説明することができません。たぶん、言語化できない動機っていっぱいあるんだと思います。

小説を書くのが好きで書く人

いわゆる、内発的動機づけ。
たぶん、一次創作小説を書いてる人たちって、このタイプが多いと思います。
確たる自分の世界を持っていて、何なら他人にあんまり興味がなくて、自分の好きな世界観、キャラクター、設定、ストーリーを具現化するために小説を書く。自分の「好き」を形にするためにものを作る。
そしてあくまでもそのついでのように、書いた同人誌を頒布する。商売っ気に薄く、野心も野望もそれほどない。
コミケで創作文芸の島を見ているとそんな印象を受けます。最近はしっかり周りのサークルをチェックしていないので確かなことは言えませんが、少なくとも私がコミケで小説を出すことを志して島中を見て回った10年前は、そんなサークルが多かったのを覚えています。
今でも、投稿サイトなどで小説を書いている人には、そういうタイプの人が多いのではないでしょうか? あくまで私の観測範囲の印象ですが。

評価がほしくて小説を書く人

外発的動機づけその1。
あんまりイメージできないのですが、上記の反例としてはこうなるかなと思います。
すっごく極論すると、モチベーションの最上位に自己承認欲求を満たすためというのが来てる構造です。うん、やっぱり想像できないな。
でもこれって明確に分かれた二元論ではなく、シームレスなグラデーションとなって人それぞれ異なる比重でどちらも持っているものだと思います。
なのでここで述べるのは自己承認欲求の比重が比較的高め、ということです。仮にそういう構造の動機づけだとした場合、書いたものが自分の期待していたほどの評価を受けなかったらやる気をなくしてしまう、というのはいかにもありそうなことだと思いませんか? 一次創作界隈ではあまり耳にすることのない話だと思いますけど。ただ、私の大学の文芸サークルでも「恋人ができたら小説を書かなくなる」という俗説は冗談まじりに囁かれていました。私は、別にそんなことはないと思いますが。
ただ逆に言うと、この仮説に基づけば、小説を書く以外のことで満たされると、もう書く必要がなくなってしまう、ということです。私はそんなことないと思いますけど(大事なことなので二回言いました)。

お金がほしくて小説を書く人

外発的動機づけその2。
大抵の趣味にはお金がかかります。でも創作活動においては、投資した金額を回収することが、やり方次第で可能です。
好きなことをしてお金がもらえる。原価があるから実質的には0円としても、作品の対価を得られる。それって嬉しい。客観的にはどちらも同じなのに値引きよりもキャッシュバッグのほうが嬉しく感じる、あの法則です。
まぁこれでお金稼ごうっていうのを第一の目的にする人はあまりいないと思いますけど、動機づけの一つですね。

結局バランスが大事って話

どの動機にもそれぞれ一長一短あると思います。内発的動機づけっていうのはいかにも理想的なモチベーションに見えますが、思うに、そうとは限りません。
短所として、世間の需要に無関心というのがあると思います。いや、ただ作るのが好きで作っているだけのことなら、外野がどうこう言う筋合いはないのですが。

ちょっと話それますが、創作者が思う作りたいものと世間のニーズとの乖離にについて語らせてください。
たぶん、私を含めて多くの創作者が当てはまることだと思うのですが、私たちは自分が幼い頃、若い頃に触れてきた創作物に強く影響を受けています。そして、それらから得たものを糧に昇華させて、作品をつくろうとします。ですから、普通にやれば、出来上がるのは「既存のもの」です。今の世の中のどこかにすでに存在しているのと同じもの、です。
ところが世間に求められているのは常に「新しいもの」です。だから深く考えずに自分の思う「好き」を形にすると、世間のニーズからは必ず少し外れたものが出来上がるのです。何らかの形でエッセンスを加えて新鮮味を持たせない限りは。

上述の短所っていうのは、詳しく語るとこういうことです。
それに対して長所は、やる気を失って筆を折るという事態はまぁないだろうということです。なぜなら、この動機を持つ人にとって、小説を書くというのは、粘土をこねたり積み木を組んだりするのと同じ行いだからです。

今の自分は

こうして改めて書いてみると、今の自分を動かすものはこれら全部かなと思います。
まず書きたい! っていう気持ちがあるから新しい小説を作れるし、負けたくない! って思いがあるからよそのサークルに追いつけるように小説を書く以外のことも頑張れるし、お金ほしい! って欲求があるから一冊でも多く売るためにはどうすればいいか一生懸命考えられるんだと思います。
自分のことについてはこのあとの2つ下の見出しでもう少し詳しく語ります。

Ci-en活動の現状と今後について


私には今、ありがたいことに有料プランでご支援いただいている方が、この下書きをしたためている時点で少なくとも一人いらっしゃいます。
なので一人でも有料プランでご支援いただいている方がいる限り、Ci-enの活動を続けようと思います。

現時点では、各プランごと月2回の頻度で更新するようにしています。
でも、それは難しいことかもしれません。もしかしたら今後プランの統廃合をしたり、金額や更新頻度の見直しを行うかもしれません。
例えば、加入者が一人もいないプランは廃止したりとか。

なぜなら、あんまりこういう言い方はしたくないのですが、採算性を考えるとそこに労力を費やすくらいなら作品を量産することにリソースを割いたほうがいいという話になってしまうからです。
お金がほしければエッチな本をいっぱい書けばいいということなのです。
ですが、私のCi-enアカウントが全年齢向けに開設されている通り、それが第一の目的ではないということは、どうかご理解いただきたいと思います。

重ねて申し上げますが、一人でも有料プランでご支援いただいている方がいる限り、Ci-enを続けようと思っています。

ではなぜ今このようなことを話そうと思ったのか?
それはCi-enというかパトロンサイトのありかたについて、思うところがあったからなのです。

パトロンサイトについて思うこと

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これがパトロンサイトを継続させるために必要なことだと思う

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新卒の頃の給与明細出てきた

最近、車に乗っているとラジオで高橋みなみが喋っています。
AKB時代は全く注目していなかったけれど、ラジオを聞いてみて気づいたことがあります。

高橋みなみは 声 が 低 い。

声が低い女の子は可愛いって話。よきですね。
調べたら2016年から放送してるそうですが全然知りませんでした。平日の昼間しかやってないから、今まで聞いたことがなかったわけですね。


新卒の頃の給与明細が出てきた話


※続きをクリックすると無修正の画像が見られます。

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今より高い新卒初任給の可処分所得

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結局、キャラの魅力が全てって話(その2)

前回、同じタイトルの記事(結局、キャラの魅力が全てって話)で述べたことをおさらいします。

その作品が読む人、見る人に取って胸打つものであるかどうかは、主人公に感情移入できるかどうか次第。

結局、これに尽きる。そういう話です。

近い将来、私は自分が何歳のときに錠剤をのめるようになったかという記事を書くことになるのですが、その下書きをしたためているときに小学校低学年の頃に想いを馳せていたのです。
そうしたら、思い出したことがありました。

私は小学校低学年から高学年の境目の時期に、関東から関西へ転校しました。
日本の東と西は、言語も、文化も、風土も、何もかも違う国でした。もしも私があのときあのまま転校せずに元の学校で暮らし続けることになったら……? そう考えただけで、えもいわれぬ感慨が込み上げできます。

そんな私に秒殺でヒットしたのがこの小説でした。

新潮社から発刊される文庫版5Pから16Pまでの序章を経て、第一章の17Pから18Pにかけて、こんなパラグラフがあります。

転校間もないころは、誰もが親切だった。なのに誰もが親しくうちとけてこない。新入りが歯を剥いたら、すかさずコテンパンにやっつけてしまおうと狙っている猿の群れさながらに、みんなが私を遠巻きに眺めた。

お分かりいただけるでしょうか。エヴァンゲリオンの碇シンジを髣髴とさせるこの描写。
これは転校を経験したことのある人なら誰もが共感するところだと思います。
ただ、「転校を経験したことのある人」というと、かなり数は限られてくると思います。

この小説の恐ろしいところは、冒頭の一文を上述のエピソードよりもさらに強烈なパワーを持ったセンテンスを持ってきているところです。

世の中には「コールド・リーディング」と呼ばれる話術があり、占いの現場などで用いられます。その中の一つに「ショットガンニング」というスキルがあります。
「お前、モテないだろ?」とかそういう奴です。大抵の人はモテモテ~ってことはないから、多くの人に当てはまる問いかけなのです。こういう投網のような語りかけを幾重にも行い、相手の反応を探りながら少しずつ照準を絞っていきます。それが占いやセールスの現場で行われる「コールド・リーディング」という技術です。

これと同じように、『無伴奏』の冒頭はこんな一文から始まります。

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小説に応用される「コールド・リーディング」の一端とは

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