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2023年 02月の記事 (2)

花粉によるアレルギー症状(目のかゆみ) 薬の効き目の違いと目薬の一般的な使い方

花粉によるアレルギーの薬の選び方 目のかゆみ編 薬の効き目の違いと目薬の一般的な使い方



花粉によるアレルギー症状(目のかゆみ) 薬の効き目の違いと目薬の一般的な使い方

動画用の覚書です


主な成分(参天製薬参照)
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/products/otc/ingredient.jsp


消炎・収れん成分
イプシロン-アミノカプロン酸
アラントイン
グリチルリチン酸二カリウム
硫酸亜鉛水和物
炎症を抑える(=かゆみも抑える)


抗ヒスタミン成分 クロルフェニラミンマレイン酸塩
ヒスタミンの働きを抑制する


抗アレルギー成分 クロモグリク酸ナトリウム
ヒスタミンやロイコトリエンC4・D4などのケミカルメディエーターの遊離を抑制する
(痒みを直接抑えるのではなく、痒くならないようにする)

Santenの商品では未使用(2023年2月11日現在)
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
ヒスタミンあるいはヒスタミン様物質の遊離を抑制するので局所適用により強い抗炎症作用、抗アレルギー作用、組織再生促進作用をあらわす。

プラノプロフェン(Nsaids)
プロスタグランジン生合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制することにより、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用をあらわす。




目薬を使うときの注意点
目薬は自作しない

pH・浸透圧・滅菌の管理をされているため、物を加えない・水などに溶かして使わない

目薬を皮膚に付けて点眼しない

目薬を点し終わった後は目を閉じて目頭を押さえる(目をパチパチする(瞬きをする)と薬剤が流れ出る

目薬は一滴で十分

開封後、二か月以上経過した目薬は使わない

他の人と使いまわさない




異物が目に入った時は
・多目の水または人工涙液で洗い流す(点眼の量は多い方が良い)



ベンザルコニウム(保存料)がソフトコンタクトレンズに吸着してしまうため、ソフトコンタクトレンズは外して使うのが無難
ソフトコンタクトレンズを着用している人は必ず使えるか確認してから使ってください
(ベンザルコニウムが含まれていない商品もあります)


l-メントール(スーッとする成分)の長期使用はドライアイを助長する場合がある
http://www.yamaguchi.med.or.jp/g-med/ube/consultation/048.html


目薬が上手く点せない→
目薬以外の方法(内服薬など)を使いましょう


市販薬は同じような名前でも成分が全然違うことが多い

市販の目薬は基本的に妊娠・授乳中でも使って問題は無い

医療用医薬品の目薬は相互作用が出る薬が知られているので、目薬を使っている場合も医者に報告すること


アイボンってどうなの?

眼科の言い分
https://iwasaki.or.jp/faq
アイカップで洗うため、眼の周りで一番汚れやすいまぶたの汚れや雑菌が眼の中に入ってしまいます。またアイカップ自体が汚染されている可能性もあります。健康の目には問題ないことも多いのですが、角膜障害などを起こしている患者さんが何回も使用することに問題があります。眼科ではお勧めしていません。


人工涙液と呼ばれる目薬を使うことを推奨します


小林製薬の言い分
https://www.kobayashi.co.jp/brand/eyebon/faq/
>洗眼液のカップは清潔に保って下さい。カップの汚れを目に入れてしまっては逆効果です。目の周りの汚れを取ってから洗眼しましょう。


メーカーの主張は一旦冷静になって判断すること
特に生活雑貨や所謂健康食品
例:クレベリンのウイルス除去効果

大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/028385/

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2023年2月5日 花粉によるアレルギー症状対策 鼻炎編

動画用のメモ書きです

どういう仕組みで起こるのかは
はたらく細胞1巻 第2話 「スギ花粉アレルギー」
https://comic-days.com/episode/10834108156632709172
を見てください


鼻水
鼻づまり
くしゃみ



抗ヒスタミン薬
第一世代
マレイン酸クロルフェニラミンなど
速効性あり
眠気・口喝の副作用が強い
前立腺肥大の人には禁忌


第二世代
フェキソフェナジン
継続服用で効果が出る
副作用は弱いが定期的に飲まないと効果が分かりにくい
(成分により副作用の強さや飲み方が違うので、自分の体質に合った物を選ぼう)



抗ヒスタミン薬を飲んでいる時は車の運転や精密作業は避ける




鼻づまり(鼻閉)には抗ロイコトリエン薬(モンテルカストなど)





α刺激薬(エフェドリン・ナファゾリンなど)
エフェドリンはマオウ(麻黄)の主成分。漢方薬にも入っている物が多い
ナファゾリンは点鼻

ドーピングに引っかかるため、アスリートには禁忌


フェキソフェナジンとエフェドリン(正確にはプソイドエフェドリン)が含まれているのがディレグラ
長期使用はせず、2週間程度の使用に留める





ステロイド
抗炎症効果が高い
市販薬では内服薬は存在しない(2023年1月末現在)

昔は第一世代ヒスタミンとステロイドを合わせた「セレスタミン」が頻繁に出ていた(眠気を訴える人がメチャクチャ多かった)

医者の指示通り飲む。自分の判断で飲むのを辞めない。気になることがあったら医者に報告する




フルナーゼ点鼻薬
抗炎症作用が強く、鼻づまりに特効
他のステロイド点鼻薬の使用期間も合わせて、1年間に3ヵ月を超えて使用しないこと


点鼻薬の使い方
最初は薬剤が出にくいので出るのを確認する
薬剤が出る穴を針などで突かない
一回に一噴霧で十分
開封後、一か月以上経った物は使わない

薬剤性鼻炎
ナファゾリンに多い

ナファゾリン(α刺激薬)
鼻閉に最適だが長期使用は避ける

クロモグリク酸ナトリウム
抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンC4・D4などのケミカルメディエーターの遊離を抑制することによって、アレルギー症状を緩和する
点鼻薬の第一選択



ヒスタミンの出るマストセル(肥満細胞)をレーザーで焼く外科的治療法も・・・


シダトレン(アレルゲン免疫療法)
専門の医療機関で医者の指導の下、治療を受けてください



ここまでは西洋医学

東洋医学(漢方薬)では

小青竜湯(虚証の人の透明な鼻水に使う)
マオウ・シャクヤク・カンキョウ・カンゾウ・ケイヒ・サイシン・ゴミシ各1.5g、ハンゲ3g


葛根湯加辛夷川芎(実証の人の鼻づまり・蓄膿症に使う
カッコン・マオウ各2.0g、タイソウ・センキュウ・シンイ各1.5g、ケイヒ・シャクヤク・カンゾウ各1.0g、ショウキョウ0.5gより抽出
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/kakkontokasenkyusini.html


十味敗毒湯(アレルギー症状全般に使う)
サイコ・キキョウ・センキュウ・ブクリョウ・レンギョウ・オウヒ各1.5g、ボウフウ・ドクカツ各1.0g、カンゾウ・ケイガイ各0.5g、ショウキョウ0.16gより抽出
単味では鼻炎に効果は取れていない

抗ヒスタミン薬を使っていないので、眠気が少ない
子供も飲める
メーカーにより生薬やビタミン剤などを加えて独自性を出している商品が多い→同じ漢方薬を使っていても、効き目が違うことが多々ある



スギ花粉症患者は QOL(生活の質) や労働生産性など多くの面で影響を受けている
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/49/4/49_4_481/_pdf


パナソニックは2020年1月に「社会人の花粉症に関する調査」を行いました(回答者1324人)。その結果、79%の人が花粉症の症状が自分のコンディションに影響を与えていると回答し、仕事のパフォーマンスが低下していると感じる時間は1日あたり平均2.8時間でした。
https://weathernews.jp/s/topics/202002/270095/

毎日お金を支払ってでも、生活の質や労働生産性を高めれるのであれば、むしろ安いのではないか?



日常的な対策
・マスクの着用
・メガネの着用
・花粉が付着しにくい服装
・うがい
・洗顔
・こまめな掃除
・規則正しい生活習慣
・適度な運動
・バランスのいい食事




参考図書
薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758109390/

OTC医薬品の比較と使い分け
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758109437/

治療薬マニュアル
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/112135

フリガナ付傷寒論・金匱要略(朴庵塾のテキスト)
https://bokuanjyuku.com/


政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201102/2.html#section003

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