Muu Dogg Studio 2022/02/11 12:00

【無料公開】Steam版発売記念、Case-3の楽曲を語る

どうもMuu Doggです。

全年齢版白昼夢の青写真がSteamで販売開始しましたので、感謝を込めて普段のコラムとは別に4日間連続で白昼夢のサウンドについての改稿記事を更新していきます。
今回元となっている記事は2021年9月24日に公開した発売一周年の記事の改稿版です。


今日も今日とて発売一周年記念、四日連続白昼夢の青写真の音楽を語り尽くす会です。

三日目の今日はCase-3の音楽について語っていきます。

Case-3は設定やストーリーが完全に決まりきるのが一番最後だったため、全Caseのなかで制作の着手が体験版を出すかなりぎりぎりになってしまったCaseでもあります。

これはどのセクションの誰の責任でもなくて、世界観を4つもつくるというマラソンのような怒涛のスケジュールの歪みが来てしまったといえます。
「もしかして、これ、過去最大規模の作品になるな……」と身をもって痛感したのもこの辺りだったと記憶しています(このあとCase-0の幼年期青年期の制作が始まって、それをもう一度痛感することになる)

ただ、Case-3と時代設定を同じくする3作目「未来ラジオと人工鳩」は、Muu Doggがサウンドディレクターとしても作品に参加し始めた最初の作品であります。
BGM制作も僕が管理したため、かなりバランスよく出そろっていた感があり、追加の新規BGM数をピンポイントで3曲に抑えることでネックだったスケジュールを乗り越えることが出来たと思っています。

修羅場のなかで、世界設定が決まり切る前にBGMを作り始められるのは内部にいるムサシの役目だと思っていて、使命感に燃えてCase-3の新たな日常ソングとしてつくったのが
「Come to my garage」(URL 1:46:15)
https://youtu.be/nBxSYC9DN04

未来ラジオのジャズメインの楽曲群と大きく乖離せず、新しさを感じるものにしたかったのでシティポップテイストにしています。

僕が一番得意な曲調ですね。自分の土俵まで持ち込みました。

この曲が決まったことで、西村さんによる梓姫のテーマがカウンター的に決まりました。
「No scrap, No life」(1:47:50)

こちらもリズムとシンセベースがシティポップ的なアーバンなテイストを感じさせつつもエレピでジャッジーさを持たせています。

時を同じくして今ではお馴染みの名曲がmomoちゃんの手によって爆誕します。
「恋するキリギリス」
https://youtu.be/G21T4EDXuHU

爆誕といいましたが、当時momoちゃんがコンペで作って燻っていた大量の曲をデモとしてもらっていて、Case-2とCase-3のOPとして2曲選定したうちの一曲だったりします。
選定したものをさらにキラキラとしたアレンジにして、緒乃がすももの気持ちに寄り添った歌詞を書くことで完成しました。
ちなみにCase-2用に選定した一曲はmomoちゃんにこちらから連絡する直前に他の案件で決まってしまって寸出のところで売れてしまいました。
売れっ子だなあ。
(しかし恋キリほどの名曲を持て余す楽曲コンペというシステムには疑問を抱かざるを得ないですね……)

「恋するキリギリス」の特筆すべき最大の特徴は二つあって、
1つ目は印象的なサビメロとリフ。これは4度と7度を抜いたヨナ抜き音階なんて言い方をしますが、和音階ともいわれる日本の童謡などで多用される音階です。

最近だと米津玄師や星野源なんかが現代の洋楽由来のサウンドにヨナ抜き音階を混ぜることで、新しい音楽を生み出しています。

2つ目はFuture BassやEDMのようなシンセやシンセドラムを多用したテクノ的な音色使い。
この楽曲で聴こえる生楽器の音はギターとベースだけ、驚くほどエレクトロなサウンドです。生楽器でライブでやるときは選択肢が多すぎて悩むこと必至です。

エンディング曲は「夏のタイムカプセル」23:31

編曲は私、ムサシでございます。
原曲はXelferyくんによる未来ラジオのかぐやエンディング「Wish You Were There」ですね。

この一曲目です。
https://www.youtube.com/watch?v=HFGcqGEoVnw

原曲のMamiさんの歌収録の際に彼がたまたま丁寧なコード譜を作ってくれていて、それが残っていたのでコードのリハーモナイズの役にたちました。

Case-3の明るく活発な雰囲気に寄り添わせるため、短調だった原曲を明るく聴かせる手法は譜面があったおかげである程度固まったので、次はリズム。

シンセ感はこれくらいという指定が緒乃から最初にあり、
スーパーカー「夢際ラストボーイ」
https://www.youtube.com/watch?v=F8RrddJgA7g

生楽器の絡み合い方や、ビートのエッセンスはこの2曲を目標にしました。
TENDRE「DOCUMENT」
https://www.youtube.com/watch?v=ufPJo1eCW2c

サカナクション「ネイティブダンサー」
https://www.youtube.com/watch?v=IiqfKF9BlcI

見せどころの間奏からのギターソロは、岡村靖幸の楽曲やギタリストichikaなどいろいろと参考にしています。

とりわけギターソロは当時タッピングにハマっていたので、勢いで弾いてしまいましたが、今となっては難しすぎてほぼ弾けないんですよね。
ライブでこれまた困るやつ。

さて、最終日となる明日はCase-0です。
お楽しみに。

今日はこの辺で。

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