吾神発行所 2013/03/07 23:57

公開シナリオ:『歯害』

探索者一人用のミニシナリオ『歯害』を公開いたします。コピーしてお使いください。

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CoCシナリオ『歯害』

※このシナリオはフィクションです。実在の人物、団体、事件、その他とは一切関係ありません
◇はじめに
これはCoC用のシナリオである。 人数は1~2人用でかつ短いシナリオとなっている。
時代設定は特にしていない。現代でも1920年代でも1890年代でもいずれでも使えるだろう。
元ネタは【魔女の家の夢】である。

[推奨スキル] 特になし。ただし、以下の技能があれば多少楽かもしれない。
・<目星> <母国語>
◇シナリオの概略
探索者が引っ越してくる。
→鼠が住んでいるようだ。持ち物や食料が異様に荒らされている。駆除したい。
→罠が効かない。どうやら通常の鼠とは違うようだ。
→悪夢に魘されるようになったり、気が付いたら自分自身の手で仕事の書類やレポートなど滅茶苦茶にしていた。明らかにおかしい。
→家の前の持ち主が手記を残している。どうやら先々代の持ち主はオカルト趣味があった様だ
→地下室への隠し扉を発見。
→鼠人間との対決。
◇シナリオの背景
探索者が購入した中古住宅は元々魔術師が住んでいたものだった。
魔術師は死んだがその使い魔であった鼠怪物が生き残っていた。(自然死しないため)
彼も元々邪悪な魔術師であり、醜悪な性根の持ち主だった。
そんな怪物は、家を買った持ち主に不幸をまき散らしていた。
◇シナリオへの導入方法
探索者が家を買った。
空き家の管理や、友人から頼まれて数日家で過ごすことにしてもよい。
◇シナリオ
◇導入[引っ越し]
『…○○(探索者名)は、一件の家を買った。郊外にある、森が近い中古住宅である。
古い建物であり、また、少々不便である という理由から、格安で販売していたのだ。
『家は二階のない戸建てである。リビングとキッチン、トイレなどが東側に、西側に部屋が3部屋ある。
『最北西の部屋には前の家主が残していった家具がある。タンス、本棚である。
『家の周りは雑草が生い茂っており、裏側が森状となっている。そちら側は他人の土地らしい
『○○は、ようやく引っ越しを終え、今日から生活を始めた』
※一時的に泊まりに来た、あるいは家の調査を頼まれている場合は、ここで探索させ、いきなり天井とタンス調べられるとシナリオ終了になりかねないので、『その日は疲れて寝てしまった』などして3日目以降の『悪夢、もしくは仕事道具の破壊』『食料が荒らされている』などの異変を起こしてください。

◇事件発生[家の中の異変]
一日目の朝、クローズドダイスで<目星>。成功すると、免許証や名刺など自分の名前がわかるものが不自然の中などに落ちていることに気付く。
(鼠怪物が悪夢の呪文をかけるため、名前がわかるものを探した痕跡である)

『引っ越しが終わってから日目、異変が起きた。(翌日でも構いません)
キッチンに置いてあった食料が荒らされているのである。
どうやら、ネズミの仕業らしかった。
(クローズダイスで<目星>や<生物学>など→だが、食糧についた歯型が鼠のそれではない。まるで、小さな人間の歯型のようであった。これに気付いた探索者は0/1D3の正気度を失う。)
※更に、次のどちらかの事が起きる。毎晩起きるのか、数日に一度起きるのかはKPの裁量による(探索者の現在正気度などと相談してください)
・夜中に飛び起きる。冷や汗をびっしりとかいているが、夢の内容については覚えていない。
探索者は1D3の正気度を喪失する。
病院などで精神分析を受けると、『大切な人間を殺してしまう』などの悪夢を見ていることが判明する。
悪夢について思い出すと、更に1の正気度を喪失する。
・探索者のPOWとPOW10で対抗ロール。失敗すると、気が付くと社会人なら仕事道具や書類、学生ならレポートなどが滅茶苦茶になっており、自分が壊した跡がある。ただし、自分がやったとは一切覚えていない。
この恐ろしい体験をすると、1D3の正気度を喪失する。
これも病院で精神分析を受けると『何者かの声で、「すべて滅茶苦茶にしろ…」と命令された』という記憶がよみがえる。
これについて思い出した場合も、1の正気度を喪失する。

◇探索
[鼠退治]
・鼠について退治しようとしても、全て失敗する。
例えば、粘着系の罠はタオルの布やティッシュペーパーが被せられ無効化される。
檻などの罠は全て引っかからない。
毒入りの餌も全て無視される。
家の至る所に鼠が侵入できるサイズの穴が開いている。これらを塞いでも次の日にはまた同じ穴が空いている。
[家の恐るべき真実]
・近所の人間に対して聞き込みするには<信用>かKPが適切だと思う内容で<言いくるめ>する必要がある。
成功すると、あの家は元々オカルト趣味の男性が建てたものであり、毎夜おぞましい儀式を行っていたらしいことが判明する。
・前の家主が残していったタンスについて調べると、二段目の棚がうまく閉まらないことが判明する。
棚を外すと、裏側に折りたたまれたメモが張り付けてあることがわかる。
情報【家の真実】
・西側の真ん中の部屋の天井を調べるか<目星>に成功すると、一か所色が違う板があることが判明する。
長い柄のついた棒で突くか梯子を使って外すことで、上から一冊のノートが出てくる。
情報【魔術師の残したノート】
◇終盤[隠し地下室]
・メモにあった通り、家の裏の土を掘っていくと一部分、まるで石か何かが埋まっているような部分がある。
そこの部分を掘り返すと、石でできた蓋が出てくる。これをどかすと、地下室への隠し通路が出てくる。
内部は真っ暗なので何か灯りが必要だろう。
・地下室へ降りると、突如けたたましい笑い声が響く
キイキイした甲高い声がする。
「おいおい。よく見つけたなあ。けどまあ見つかっちまったもんはしょうがねえなあ!
ここでお前はオサラバだ!」
そちらの方にライトを照らすと、人面の鼠がいる。
正気度喪失ロール後、戦闘。ただし暗闇なので更に命中率は半減する。
もし「鼠怪物を支配する呪文」を知っていれば彼は動きを止め、命中率半減&鼠怪物自体の命中率減少が無くなる。
◇エピローグ[その後]
無事、あのおぞましい怪物を倒すことで家の中の異変は収まった。
だが、果たしておぞましい魔術師の残した悪夢はあれだけなのだろうか…?
◇クリーチャーデータ

鼠怪物【醜悪な使い魔】
STR=1 CON=8 SIZ=1 INT=17 POW=10 DEX=10 移動=9 耐久力=5
ダメージボーナス:-1D6
武器 噛みつき 35% ダメージ 1D3
装甲 なし ただし、『走っている鼠怪物』に対しては-40%、『誰かに取りついた鼠怪物』に対しては20%の命中率補正がかかる。
呪文 ・悪夢
・記憶を曇らせる
・支配
技能 <回避>:95% <隠れる>:80% <忍び歩き>:65%
正気度喪失 0/1D6
描写文
『…そいつは、一見するとネズミであった。だが、その指は人間のものであり、顔もまた人間のものであった。汚らしい笑顔でニタニタを笑うそれは、まさしく吐き気を催すような不浄さに満ち溢れていた!』

◇情報
【家の真実】
『この家に引っ越してきてから、悪夢が続く。
それに、気が付いたら自分の大事な仕事の書類が、自分自身の手で滅茶苦茶にしていた。
明らかにおかしくなっている。
どうにも、調べてみるとこの家の元々の持ち主は魔術師だったらしい。
そして、自身が打ち負かした魔術師をおぞましい儀式によって鼠怪物に変え、使い魔として使役していたようだ…
どうにも、家の裏の石版。あの下に、秘密の地下室があるらしいが…。
もうだめだ。私はこの家から逃げ出す。もし、後に来た人間が同じような目に遭ったのなら、君も逃げ出すと良い…』
同時に、鼠怪物の本名も記されており、その横に『こいつがその使い魔の名前だ。ああ、確かにこいつも魔術師として有名だったはずだが、一時期から姿を消した。まさか、あんなおぞましい姿になってるなんて…』と書いてある。
(名前に関しては舞台・時代などによってKPが適宜設定してください。)
【魔術師のノート】
読み解くためには1時間かけて<母国語>に成功する必要がある。
オカルト等があればその分丸々技能値に+して構わない。
そこには、おぞましい生きた人間をそのまま鼠のような姿に変え従属させる儀式について書かれていた。
このノートを読んだ探索者は冒涜的な内容に対し1D3の正気度を喪失し、3%の<クトゥルフ技能>を得る。
同時に、『鼠怪物を支配する呪文』を習得する。
・『鼠怪物を支配する呪文』
この呪文は鼠怪物と化した相手を拘束・支配する呪文である。
この呪文をかけるには、1ラウンドかかり、1D3のマジックポイントを消費する。
更に、鼠怪物の本名を知らないとならない。
本名を知っており、呪文をかけると鼠怪物は呪文をかけた人間の完全な言いなりとなってしまう。

◇クリアボーナス
この恐ろしい体験をした探索者は1%の<クトゥルフ技能>を得る。
また、以下の通り正気度を獲得する。
A.鼠怪物を退治できずに家をまた売った なし
B.鼠怪物を退治した。 +1D6
C.鼠怪物の正体や情報【家の真実】を入手している。 +1D6
(最高値はB+Cで2D6)となる。

制作:吾神発行所
2013年3月7日 作成
2013年3月28日 修正
インターネット上での二次配布等を禁止致します。

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