黒田杏子句集「花下草上」を読む。
「一匹の蝉全島の石焼」黒田杏子
蝉の震えを地震のように捉え石が焼ける災い。蝉の声はここでは自然災害を超える架空。
「秋声の壺ころがって山に満つ」黒田杏子
壺には立派な秋がある。山に満つほど。山を越えた架空。作者の声は内側に進むフラグ。
「花の木の火柱となることごとく」黒田杏子
この架空は全部という風呂敷。作者の風呂敷は広い。桜の燃え上がる色素の架空。
「お遍路にふくろふの子落ちてくる」黒田杏子
腐女子がお遍路でどんどん空から降ってくる架空。「ふ」の韻律が限りなく優しい架空。
作者は花を観て草を踏んづける句集として永遠の「生」を与えた。「句集」の逃れなき性(さが)
僕の句集シリーズはこちら。
↓
https://www.dlsite.com/maniax/fsr/=/keyword/句集 SRI0000015528/order/release_d/from/maker_profile.series