2作目の振り返り

前回までのあらすじ

【クロネコの三角】ヘタレOLと同人音声オフ会帰りのほろ酔いがっかり初体験

7/11(木)（大安）発売、税込880円！
やたらに長い、総再生時間3時間越え！

売り上げについて語るときに我々の語ること

7/18時点での販売本数は27本。
うち1本は確認用に自分で購入しているため、実質26本です。発売1週間で総評めいたことを書くのもなんですが、よほどのことが無い限り、大きな変化はなさそうです。お気に入りが180個となっているので、大型セール時にもう少し動くかもしれません。

制作する中で得た楽しみはともかくとして、数字として見ると、あまり芳しいものではありません。せっかくの経験ですので軽く要因らしきものを考えてみました。

1. 値段が不安
2. キャッチーさが不足している
3. 存在感が強くない

以上の3点です。

1. 値段が不安

値段が"高い"ではなく"不安"とは、これいかに。
本作の価格は税込880円、初月セールで792円となっています。
人気サークルの作品や、自分で習慣的に追っているサークルの作品であれば、リターンはそれなりに期待できるため、価格そのものへの目はさほど厳しくなりません。

ところが、実績の少ないサークルの場合は、ユーザー自身にとってどの程度の価値のものを作るか判別しづらく、高い安い以前に、お金を払って大丈夫なのか、という不安が生まれやすくなります。

1作目を220円という価格にしたのは、小品であったり、AI使用であったりということもありますが、値段に相応するものを作るサークルであるか、自己紹介としての意味合いがあります。

個人的にはワンコイン程度に収まるのが理想的ですが、作品自体のボリュームとかけ離れた低価格に設定することは、プラットフォーム内、あるいは同人音声界隈での価格設定のあり方に、不健全な影響を及ぼす可能性もあります。

結果的に、ある程度穏当なラインに置いたつもりですが、やはりユーザー視点では、ちょっと試してみるか、と買える値段ではなかったのではないか、という印象です。

2. キャッチーさが不足している

お金を払って大丈夫なのかという不安は、サークルの実績以前に、そもそも作品自体がわかりやすいものになっているか、という部分が大きいです。

全部が全部そうとは言えないのですが、基本的に人気の高いR18作品は、過激な単語を前面に押し出している印象です。露悪的な言葉で煽情を誘う力もありますが、食べ慣れた味を提供してくれる定食のような頼もしさもありそうです。

本作のタイトルは「【クロネコの三角】ヘタレOLと同人音声オフ会帰りのほろ酔いがっかり初体験」 です。ワードこそ多いですが、煽情的な要素を持つものは、"初体験"くらいのもので、それでもだいぶ淡いですね。

いわゆる、股間が反応する単語がタイトルに含まれていないぶん、時間とお金を消費するための感覚的な担保が不足していた可能性があります。

3. 存在感が強くない

これは作品そのものより、"甘口文庫"というサークル、さらに言えばXアカウントの存在感です。

1作目を発売してから1年の間、サークル自体が気になったり、応援しよう、追いかけようと思ってもらえる人を、あまり積極的に増やそうという努力はしていませんでした。これは結果的に、単純接触効果によって「作品を好きになってみよう」と思える人を増やせなかった ということになります。

自身の傾向として、タイムライン上のツイートに、何となく何かを思いついてリプライしてみようかと思っても、「誰だよこいつは」「返信考えるの面倒だな」と感じられるのではないか、と二の足を踏むばかりで、遠巻きに引用リツイートするのが精一杯でした。コミュ障がそのままサークル主をやるとこうなる、という順当な結果でもありますが……。

●●反省点●●

上記3点は、単独の問題ではありません。雑にくくってしまうと、強大な存在になれば、強気な値段や茫洋とした企画の作品でも、安定した購買層を得られるかもしれません。

可処分所得、可処分時間という言葉をよく目にしますが、仕事や家庭の問題を除く、自分の自由な趣味の世界で何かに抱く、興味・関心の量もまた限られたものなので、ほんのり好意的に感じてもらい続けることへの努力が重要だったのではないかと思います。

終わりに

売り上げそのものはともかく、今回ご協力いただいた方々のお仕事に、より広く触れていただく機会を生かせなかった、という点に関しては残念なところです。

さて、次回は、もう少しヒロインのことや、ご協力いただいた方々のお話をしたいと思います。 と前回書いていたのですが、前置きの振り返りであまりにも長くなってしまったため、改めて次回に、今度こそ……。