eieio 2023/10/20 19:00

【フリー台本】知らないお姉さんの実験体になる話【シチュボ】

10月15日 BOOTHにて発売したシチュエーションボイスの台本を、
フリー台本として公開いたします。

商用を除き、自由に使っていただいて問題ございません。
一人称、話し方等、改変も可。
一部抜粋してボイスサンプルの台本としていただいてもOKです。

そのほか、用途についてご相談があれば
コメント等からお気軽にお問合せください。


おや、お目覚めかな?
ふっふふ。状況が、よく分かっていないようだね。

君は今日、外出中に見知らぬ女性から…まぁ、私のことなんだけど、
聞いたことのないメーカーの飲み物を渡された。
そこまでは思い出せそうかな?

うん、良かった。
で、その飲み物を飲んだところ、強烈な眠気に襲われて…目が覚めたのが、今。
どうかな、君の認識と、相違なさそうかな?

ふむふむ…オーケー、記憶障害は起きていないと。
ほかには?
頭が痛いとか、息苦しいとか…そういったことはない?

いいね、おおむね思っていた通り。
では、純粋に、強めの睡眠薬のような効果があるだけだと見てよさそうだね。

ありがとう、君が人を疑うことを知らないおかげで、十分なデータが取れそうだよ。
…ふふ、こんな状況でも、君はずいぶんと落ち着いているんだね。
私に対して、怒ったり、状況について問い詰めたり、そういったことはしないんだ。

私、今日は、街中で実験体になってくれる人を探していたんだ。
それで、ふと目に留まった君のことを、しばらく観察していたんだけど、
落し物は交番に届ける…困っているおばあさんを助けてあげる…
声をかけてくるキャッチには、懇切丁寧に断りを入れて、
美容師のカットモデルも、二つ返事で快諾していたり。

君なら、私みたいに素性も知れない人間から
ポケットティッシュよろしく、手渡された謎の飲み物を、
特にためらわずに飲んでくれるんじゃないかなって思ったんだ。
予想以上に、思った通りことが進んだから、正直驚いちゃったけど。

っと、こんなことをした理由…だよね。
まぁ…端的に言えば、私は、人助けになるような『薬』を、
『個人的に』開発しているんだけど、
試しに服用してみてくれる…なんて人、そうそう見つからなくてね。

それで君に飲んでもらって、こうして、私の隠れ家まで来てもらったわけ。
来てもらった、っていうか、タクシーで拉致しちゃっただけなんだけど。

私が言うのもなんだけど、都会で生きていくなら
もう少し、人を疑うことも覚えた方がいいんじゃないかな。

ふふ…もう、知らない女の言うこと、そんなに真面目に聞く人いるのね。

それから、安心して。
帰りのタクシー代はきちんと渡すし、事前の承諾なしで申し訳ないけど、
それなりの報酬は支払うから。

あっ……と。(よろけたところを受け止める)(胸で)
大丈夫…?

さすがに、急に立ち上がったら目がくらんだみたいだね。
目覚めすっきり…とはいかないか。

ン…もしかして、身体の感覚が鈍っているのかしら…
今も、私が触れている感覚、あまりないんじゃない?

ふむ…なるほど…
ごめんなさい、一度座らせるわね。
よいしょ…っと。

効果はすぐに抜けるよう作ったから、時間経過で感覚も戻ってくると思うけど、
少し身体を触らせてもらうわね。

まずは手。
どう?
…ん、よく分からなさそうね。
握り返すことはできる?

わかった、足はどうかしら。
…うん、やっぱりそうね、自分で力を入れることは難しいんだ。

胸のあたりは…どう?
ふむ…心拍数は…、少し早いかな?
大きな問題はなさそうだけど。

あとは、顔、触るわよ。
…あは、ほっぺたもちもち。
あ…ごめんなさい、それどころじゃなかったわね。

ん~…呼吸も、瞳孔も…問題ないかな。

…え?
あ、ごめんね、さすがに恥ずかしかったか。

うん、しばらく横になっててくれれば大丈夫だと思う。
心配かけちゃって悪いけど、もう少し休んでいってくれる?

…さっきもだけど、自分を眠らせて拉致した人間と、
どうしてそんなに素直に話せるの?

わるい人には見えない…って。
あははっ、まあ…私には、君のその性格は都合がいいからいいんだけど。

人助けをする薬だから大丈夫…?
そう…君は、底なしにやさしいんだね。

…助けてあげたい人がいるんだ。
よかったら、また付き合ってくれないかな。

実験体として、だけど。

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