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2024年 06月の記事 (5)

上顎 2024/06/29 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その64- 昔好きだったデザインのお話

第64回目の記事は好みのデザインのお話です。

ゲームやイラストなど創作を行っていると
色々なキャラクターや背景をデザインすることがあります。

デザインすること自体は好きなのですが
何もないところからデザインを考えるのはかなり大変です。

なので今日は過去に好きだったもののデザインを見て
色々考えるお話です。


まず何でこんな話になったかと言いますと
最近作ったキャラクターのデザインを見ていて

こいつ、発想が「XYZドラゴンキャノン」の影響受けているなぁ…
と思ったからです。
(そのデザイン自体はそのキャラがそこそこ重要キャラのため
 ネタバレ防止でお見せできません…)

軽く説明するとXYZドラゴンキャノンは遊戯王のモンスターで
3体の機械が合体して戦ったり

分裂して強力なモンスターの生贄になるというデザインでした。

ストーリーとの噛み合いだけでなくそのデザインの秀逸さから
続編で再登場したり、
何度もリメイクが生まれる人気のモンスターでした。


こうした子どものころにワクワクしたデザインって
大人になってから見ると印象が変わったりします。

「子供向けのインパクト重視なデザインかと思ったら
 意外と細かいところにこだわりを感じた」
「配色が綺麗で覚えやすい」
「時代が変わっても通用する良いデザインだ」
etc…

過去に惹かれたということは何かしら魅力があるはずです。

そういう魅力を紐解くという意味でも
好きだったものを見て懐かしい気持ちになれるという意味でも

過去のデザインから学ぶのは
デザインに行き詰ったときに有効だと思います。


そんなこんなで過去のデザイン…
ついでに今作っているゲームに影響を与えそうなもの…

と考えて思いついたのが
ターミネーター2の敵キャラ「T-1000型」です。

かなり古い映画で自分もリアルタイムではなく
金曜ロードショーなどで見たため軽く説明

ターミネーター2は未来から送り込まれてきたロボットが
敵だったり味方だったりするアクション映画なのですが、

この敵のT-1000型がとにかく怖いです。

このT-1000型は
液体金属でできていてドロドロに溶けて姿かたちを変えられます。

なので銃などで攻撃を受けてもすぐに再生でき、
好きな見た目に変身できるため警察や身内さえ信用できません。
どろりと溶けて鉄格子なんかもすり抜けてくるので逃げるのも大変です。


↑これでノーダメージです

そんな恐ろしい液体金属ロボットなのですが
デザインとしては1984年に放送された映画とは思えないほど素晴らしいです。

ここまで無敵の敵にするわけではありませんが、
本ゲームに落とし込むと

・他のキャラクターに見た目が化けれるため
 サスペンス重視なストーリーで一役買ってくれそう
(立ち絵も使い回せる!)

・打撃は全然効かないけど炎にはすごく弱い
 みたいな得意・不得意が分かりやすい良いキャラになりそう

などとても有用な設定に感じます。


昔好きだったデザインの話、いかがでしたか?

最近は結構重要ストーリーを書いているため
あんまりネタバレになることは書けないなぁ…など思いつつ、

今後もサボらずににゲーム制作をつづけるためにも
何か進捗的な話を書けるように頑張ってゲームを作っていきます!

それでは、また次回!

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上顎 2024/06/22 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その63- 国境を超えたバグ

第63回目の記事は変わったバグがあったお話です。

先週はSteamNextフェスにて、
多くの方にプレイしていただき本当にありがとうございました。

ウィッシュリスト登録してくださった方も多く、とても嬉しかったです!

そしてデモ版を遊んでいただいた事で不具合報告もいただけました。
とてもありがたい事です。

そんな中でちょっと面白い(面白くない)不具合があったのでそのお話です。


まずその不具合なのですが、最初の報告から不穏でした。

「起動→Unityロゴから真っ暗になって進まない」

これの何が恐ろしいかと言いますと、
例えば
「装備画面で特定の操作をしたら、外せない装備が外せてしまった」
という不具合なら
不具合の発生方法、具体的な症状が分かるため修正がしやすいです。

ですがこの不具合は起動すらしていないのです。

しかも一部の数少ないプレイヤーにしか起こっていないようで、当然私の手元でも起こりませんでした。

再現不能…これ以上に恐ろしい不具合はありません。


そこでこの不具合に対して最初に行った対応は
「外部ファイルにエラーログを出力する仕組みを組みこむ事」
でした。

ゲーム画面が真っ暗でも
ゲーム内部では何かが起こっているはずです。

その何かをテキストで出力する仕組みを作ることで
今後同じような進行不能エラーが起こっても

「とりあえずログを確認しよう」

と対応できるようになります。


これによってどのようなエラーが起こっているか分かりました。

それが
「FormatException: Input string was not in a correct format.
 System.Number.ParseSingle 」
というエラーです。

エラーから検索して原因を調査したところ
要は文字列→数値への変換がうまくいっていない様でした。

これ自体はそんなに珍しいエラーではありません。
ちょっとした入力ミスで起こりうるエラーです。

問題は「起こるプレイヤー」と「起こらないプレイヤー」がいる事です。

数値入力のミスならプレイヤー全員に起こらないとおかしいのです。


では今回の不具合の原因は何だったのか?

答えは
「国によって少数の表し方が異なる」事です。

日本では1の半分を少数にすると
「0.5」と表記します。

ところが国によっては
「0,5」と表記します。

何が違うの?と思うかもしれませんが、
0と5の間の点が異なります。

たったこれだけの違いです。

プログラムはたったこれだけの違いでエラーを起こして動かなくなってしまうのです。


いやーこの不具合の存在自体は知っていたのですが、
実際に自分のゲームで起こしてしまうとは思いもしませんでした。

今回、SteamNextフェスで
海外ユーザー含む多くの人に遊んでいただいた事で気づくことができました。

様々な環境でのテストプレイの重要性…それを学ぶことができて本当に良かったです。

そして海外から遊んで、
不具合報告までして下さったプレイヤーさんには感謝です。

不具合はどこから出てくるか分かりません。

今後も多くの方に遊んでいただけるよう
頑張ってゲームを作っていきたいです。

それでは、また次回!

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上顎 2024/06/15 18:00

雑談回 本ゲームでの恋愛描写について

今回は雑談回、恋愛描写のお話です。

最近はストーリーばかり書いているのですが、
ゲームの方向性が
人間とロボットが共存する特殊な世界観を自由に楽しむ
であり、

システム的に親愛度が存在して
それを上げることでシナリオ分岐だけでなく能力の向上にもつながるため
キャラ同士が仲良くなる描写が多いです。

で…そうなってくると必然的に「恋愛描写」も増えてきます。
今回はそんな恋愛描写について色々書き綴ります。


恋愛と言えばずーっと昔からあるジャンルです。
恋愛と飯の話は永遠に廃れないなんて昔どこかで聞いた気がします。

ですが本作の恋愛事情は少し特殊です。

原因は以下の2つ
・自分が女性キャラが大好きでたくさん出したい事
・主人公が女性…の見た目をしたロボットである事

基本的に私は女の子のキャラが好きなので
沢山女の子を出したいのですが、
そうなると女性同士で好感度を上げて仲良くなるのは同性愛になるのでは?
という疑問が出てきます。

一方、主人公はロボットであり
人間の同姓愛とも微妙に事情が変わってきます。


似たような事例として
かの有名な「UNDERTALE」では同性愛の描写は結構多いのですが
登場キャラが人間ではなくモンスターが大半で、
人間とは価値観が異なるため受け入れやすい感じがしました。

あと同性愛とは異なるのですが
おそらく日本で一番有名なロボットの「ドラえもん」では
ごく自然にドラえもんが近所の猫に恋する描写が受け入れられていたりします。

これらから察するに

人外のキャラクターだと恋愛に関しては寛容なことが多いため
多分本作で同性愛表現が出てきてもそこまで問題にならないかな?と考えています。

人外設定…便利だなぁ。

その分、人間と常識の違いとかを描写する必要があるので
それはそれで苦労もあるのですが…


そんなこんなで本題に戻り恋愛描写の話

ここまで話しておいてアレですが
自分はあんまり激しい恋愛描写が好きではありません。

すごく仲良し!親友!…くらいの距離感が好きなんですよね。

そもそも多くのラブコメでも
付き合うまでの恋愛の駆け引きや仲良くなる過程を楽しむのが大半です。

ですので沢山の人と仲良くする…
その中で特に仲良くなったキャラと特殊なエンディングを迎える…
みたいな感じで物語を着地させるのが良いと考えています。


あとはせっかくゲームなのですから

特定のキャラ2人と親しくなっていると取り合われたり

特定のキャラに惚れるのが本筋なのを
条件や選択肢によって主人公に惚れてしまうように分岐したり

こういうプレイヤーの進め方次第でお話が分岐するのは
ゲームにしかできないシナリオなので凄く作りたいです。


というわけで恋愛に関するシナリオを書くのが大変だなー…
というお話いかがでしたか?

実際のお話として書き始めると
マルチ進行するゲームに恋愛による分岐を仕込むのは
想像以上に大変で作業量がどんどん膨らんでいます。

ですがせっかく好きなように作れるインディーゲームなのですから
多少苦労してでも作りたい要素を詰め込みたいですね!

それでは、また次回!

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上顎 2024/06/08 18:00

お知らせ 来週からSteamNextフェス!!

今週はお知らせになります。

来週の 6/10~6/17 の間、
Steam のサイト上で行われるオンラインイベント

Steam Next フェスにて体験版を期間限定で公開します!

今まではイベント会場のみで体験版を公開していたので
オンラインでの公開は初めてです。

より多くの人に遊んでいただけたら嬉しいです。


お知らせだけだと短いのでちょっとしたお話

体験版の公開について
なぜイベントに合わせて期間限定で公開するのか?
ストアページにて常時公開にしないのか?
というお話です。


まず体験版を常時公開する利点について以下が挙げられます。

①購入前に動作確認ができる
②ユーザーが自分に合うか確認できる

この2つはとても魅力的なのですが、
Steam では購入から1週間以内であれば「返金」ができます。

これによって①②の利点は体験版を用意しなくても達成できます。

さらに Steam のデモ版を配信するためには
紐づいた新規アプリとしてSteamの審査を通す必要があり結構面倒です。

というわけで常時公開の体験版はSteamの配信では効果は薄いです。


では何故、期間限定の体験版を公開するのか?
理由は大きく以下の2つです。

①宣伝のため
②実際のプレイからゲームの問題・修正点を見つけるため

①の宣伝はとても大事です。

常に体験版を配信し続けるよりも
「会場限定でゲームを公開しました!」「期間限定で体験版を公開しました!」
と限定にした方がユーザーの興味を惹きやすいです。

さらに体験版公開を1つのイベントにすることで
ゲームメディアさんへプレスリリースを送るネタにもなります。

②のプレイしてもらうことで
ゲームの問題点や修正が必要そうな箇所を見つけることもとても重要です。

特にゲームのチュートリアルが十分か?を確認するのは
ずっと開発に携わっているメンバーでは見つけにくく、
イベント会場で初めて触ったプレイヤーの操作を見た方が改善案が見つけやすいです。

さらに期間を区切ることでそのたびにバージョンを上げ、
バージョン毎にユーザーの反応を見れるのも良いです。

常時体験版を公開していると
アップデート毎にプレイヤーに遊びなおしてもらう…というのは難しいです。


というわけでお知らせと体験版のお話でした。

Steam にはアーリーアクセスという仕組みもあり、
デモ版を常に配信する必要性はかなり薄いです。

Steamという市場でゲームを売るためには
その市場に合わせた知識や売り方を学ぶ必要があるので
今後も勉強していきたいと思います。

それでは、また次回!

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上顎 2024/06/01 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その62- 設定の説明

第62回目の記事は設定の説明のお話です。

ゲームで設定というとオプション設定の事かな…?
と思うかもしれませんが、
今回はストーリーの設定のお話です。

ゲームの開発も長くなり、
作り初めの頃よりも世界観とかキャラ設定が鮮明になってきました。

そこで初見のプレイヤーがすっ…と世界観に入り込めるように
ゲームを見直したかったのでそんなお話です。


まず本でも漫画でもゲームでも
ストーリーものの細かい設定は説明しにくいです。

ゲームのストアページにあらすじなど書いてありますが、
これも読まれている保証はなく、
ゲームをプレイし始めたプレイヤーは分からないことだらけです。

本ゲームは主人公が記憶喪失で
プレイヤーも主人公と一緒に世界観を知っていくため
設定の小出しはしやすいのですが、

ストーリーがマルチに分岐するため
場合によってはゲームクリアしても明かされない設定も出てきます。


というわけでゲームを分かりやすくするために
くどくならない程度に設定の説明を追加しましょう。

今回ゲームに説明を追加したのは

なんでこの世界のロボットは感情を持っているの?」です。

ぶっちゃけ説明しなくても
「なんか科学技術がすごく進歩したから」とプレイヤーは納得しそうです。

実際、作り始めのころは
明確な説明はストーリー中でちょこちょこ触れるくらいでいいかな?
と考えていました。

ですがストーリーを書き進めていくと
この辺りを明確にしていないと違和感が出てきそう…と思い、
ゲーム序盤に説明を入れようとなりました。


ではロボットが感情を持つようになった設定について

ある日地球に謎の隕石が飛来した。
その隕石は地球上のあらゆる物質と異なる性質を持つ金属だった。

商業的に利用しようとその物質を研究する中で
ロボットに感情を持たせることに成功した…みたいな設定です。

隕石自体はその後の地球に何度か飛来し、
その度にロボットの数は増えていき

・無尽蔵にロボットは増やせないけど数はそこそこいる
・未知の物質なので研究が進んでいる途中
・ギリギリありえないフィクションではない

と設定としては悪くないと思うのですが…

ちょっとややこしいうえに
序盤のストーリー展開に必須ではないので
今まで説明を入れていませんでした。


というわけで説明の実装

こういう実装を分かりやすくしたいとき、
私はたいてい似たような方法で実装します。

それはイラスト主体で文字数を減らす方法です。

文字が多いと大抵の人は嫌がります。

さらによくやるのが
上の動画のようにゲーム本編とは絵のテイストを変えて

・プレイヤーを退屈させない
・話にメリハリをつける

のような効果を期待します。

とても便利で前作のライサント島でも昔話をこんな感じの絵本風にしていました。

ただ今回はこれをゲーム冒頭に追加しました。

現在ゲーム冒頭には
・ロボットが感情を持つ理由
・舞台となる街の説明
・主人公の目覚め
・目標(ラスボス)のお披露目
とがっつりお話が詰め込まれています。

いくらプレイヤーの退屈間を緩和するために
イラストのテイストを替えるなどの工夫をしても
さすがに詰め込みすぎているので
ちょっと調整を考えた方が良いかもしれません。


設定の説明のお話いかがでしたか?

以前の記事で
・チュートリアルをイラストにする。
・戦闘UIに絵のアイコンを増やす

などゲームの改修にイラストを使いがちですが、
手間がかかる分効果的なので多用しちゃうんですよね。

ただそれでも序盤の説明が多すぎ問題が解決しきれていないので
今後も改善をしていきたいです。

それでは、また次回!

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