プロジェクト:K 2023/05/28 12:58

RPG Maker Unite 用の素材について

RPG Maker Unite 発売されましたね。
自分も発売日に早速購入しました。

自分の場合はゲーム制作という観点ではなくて、あくまでも素材制作の観点からいろいろ検証してました。
ただ、これはそれ以前の問題ですが…

重いです。

あと、けっこうな確率でライセンス認証が通らなかったりする。

ほかにも進化というより退化では?と思うようなこともありますが、そのあたりの操作の快適性は、今後のアップデートに期待するとしまして、

やはりUnityと連携しているという点で可能性は感じますね!
僕は、アセットストアにいくつか素材を出品している関係で多少はエディタも触ってはいますが、全然ゲーム制作の経験はないので、Unityとの連携による具体的なメリットはわからないですけど、Unityを普段から使いこなしている人にとっては、RPG Maker Uniteはなかなか魅力的なツールなのでは?と思います。

RPGのシステム構築のめんどくさい部分だけUniteの機能を使って、自分のオリジナルにやりたいことはUnityで1から作る、なんてこともできるのだろうか?

ただ、プログラムとかは出来なくて、趣味でオーソドックスな昔ながらのRPGを作りたい、とかであれば、間違いなくこれまでのRPGツクールで作ったほうがいいでしょうね。


…と、批評めいたことはこれくらいにしまして、自分がUniteでまず最初に気になっていたのは、「モンスターの拡縮をエディタ上で変えられる」という機能です。


これです。

自分が今回発売しました「MFピクセルモンスターパック」には、さまざまなツールで使いやすいようにいくつものサイズが用意してあります。
「size_x6」というのがUnite用に最適化したものですが、もしもエディタ上で自由に拡縮を変えられるなら、「「size_x1」であっても使えるのでは?もしかしたら「size_x6」いらないかも?」と思ったわけです。

…で早速触ってみましたが、「size_x1」は無理でした。
エディタ上で拡大できるのは、200%までです。
しかし、それなら「size_x3」を200%表示にすれば「size_x6」と同じだと思い、やってみました。

それがこの画像です。

おおむねいい感じだとは思います。
ただ、画面キャプチャがあんまり綺麗にできてないのでわかりづらくても申し訳ないのですが、よーく見ると、MV,MZ用に作成した「size_x3」のほうの画像はほんのわずかにぼやけているのが分かりますでしょうか?

「なんだ、やっぱり完全に綺麗な拡大はできないのか。それならこだわる人用に「size_x6」は必要だな」
という結論で終わらせることも考えましたが、RPG Maker Unite はUnity エディタ上で動いている、ということを考えると、「画像を拡大するときの画像補間方法は、Unity エディタではどうなってるんだろう?」と思い、Unity エディタで適当なプロジェクトを作って検証してみました。

それがこの画像です。


 
単純に比べたい画像をエディタにドラッグ&ドロップしてUnite用の画像を基準の大きさとして、他の画像をその大きさに引き伸ばしました。画像そのものの設定は何もいじってなくてシーン上でscaleの値だけをいじっています。

結果を見れば一目瞭然ですが、オリジナルのピクセル等倍で作成した原画は6倍に引き伸ばした結果盛大にぼやけました。
MV,MZ用のほうはRPG Maker Unite 上で確認したものとそっくりです。
ただこれは何も設定を触らずにやった結果で、UnityはInspectorウィンドウでいろんな設定ができるので、ドット絵をくっきり表示させるための設定というものもあるのです。それで、そのあたりデフォルトだとどうなってるのかInspectorを確認してみました。

ネットでもいろいろ調べた結果、注目すべきは以下の項目

・Pixels Per Unit 「ppiみたいな感じ?1単位の中に何ピクセル表示させるかという項目で、値を少なくするほど画像が荒くなり、けっかとして画像は大きく表示される(デフォルト:100)」

・Mesh Type 「生成するスプライトメッシュの種類…て何のことかよく分かりませんが、画像の余分な部分をカットすることとかんけいがあるらしい。(デフォルト:Tight)」

・Filter Mode 「まさにこれが画像の補間に関する項目。(デフォルト:Bilinear)」

・Compression 「画像の圧縮に関する項目。(デフォルト:Normal Quality)」

で、ここがデフォルトままだとまずいので、次のように変えます。

・Pixels Per Unit は100のままになってますが、これはここで数値を変えて大きさを調整してもいいし、シーン上で大きさを調整してもどちらでもいいということです。

・Mesh Type は「Tight」と「Full Rect」を選べますが、ドット絵はまさに全て四角形でこうせいされたFull Rectな絵なので「Full Rect」を選びます。(ネットで得た情報ではこのほうがいいらしいのですが、自分が行った範囲の検証では正直違いが分かりませんでした。)

・Filter Mode がおそらくもっとも画像がぼやけることと関係があるんじゃないかと思うのですが、余計なフィルターをかけずに「Point(no filter)」にします。

・Compressionは圧縮の項目ですが、余計な圧縮をかけると画像が弱冠乱れるので「None」にする。

その結果、このようになりました。

すべて元の大きさは違うのですが、全く同じ画像であるかのように表示されています。

であるなら、RPG Maker Uniteには「RPG Maker + Unity Editor モード」でUnity エディタも一緒にひらけるので、使われてる画像のInspectorの設定をいじればおなじようにできるのではないか、と思いやってみました。

どうでしょう?いい感じではないでしょうか?!
ただ、オリジナルの「size_x1」はUnite用の6分の1なので、Pixels Per Unitの値を100÷6の値にすれば同じ大きさになりますが、あいにく割り切れないため、Pixels Per Unitの値を25(元画像の4倍)の大きさにし、RPG Maker Uniteのほうの設定で大きさを150%にすることで、Unite用と同じ大きさにしてあります。正直、算数は苦手なのでこのやり方がベストかどうかは全然自信ないです…。
そして、よーく見てみるとドットの形がどのモンスターも所々微妙にいびつになってるような気もします。
いちおうプレビュー用のゲームウィンドウの倍率は「1x」となっていてキリの良い倍率で表示しているのですが、そういう問題ではないのかな…?
画像補間をしてないので、Bilinearのようにぼやかしてごまかすということをやってないため起こっていることかもしれません。

そういうわけで、結論としましてはなんだかんだ「size_x6」を使えばあんまり余計な設定をしなくても、そこそこいい感じに表示される、ということです。

ただ利用する人の要望によってUnite用であっても、他のサイズの画像も使用する意義はあります。例えばこんな感じです。

<とにかく手間をかけたくない>
画像は「size_x6」を使う。以上。

<容量を気にしなくて画質を気にする場合>
画像は「size_x6」を使う。Compression(圧縮)を「None」にすれば、画質が乱れない。Filter Mode は「Bilinear」のままでいい。ドットの形のいびつさを抑えられるし、ぼやけもほとんど目立たない。

<ある程度容量は抑えたいが、Unity エディタで面倒なことはしたくない>
画像は「size_x3」を使う。Unite上で拡縮を200%にする。

<極限まで容量を抑えたい>
画像は「size_x1」を使う。Pixels Per Unit →25、Mesh Type →Full Rect、Filter Mode →Point(no filter)、Compression →Noneにし、Unite上で拡縮を150%にする。

長くなりましたが、こうしてみると、RPG Maker Uniteはこれまでのツクールと違って、いろんな要望に対応できることが分かります。
そんなわけで、そのすべてを台無しにするほどの動作の重さと不安定さの改善を切に望みつつ、終わろうと思います!!

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