さとうたくや / n-s-lab 2024/01/10 23:46

ギターにおけるピッキングダイナミクスについて

久々にポエム寄りな記事を書き記します。
本来はこういうことをどんどん書くつもりでCi-enを始めたんだった。

ちなみに、「ピッキングの仕方」みたいな技術的な話ではなく
「ピッキングって何」みたいな概念的な話です。

はじめに

本記事の内容は個人的所感をまとめたものなので、
話題に上げている記事や他社の発言についても、記憶を元に書いているため必ずしも正確な内容とは限りません。

事実情報の部分に間違いがあったら指摘いただけると助かります。

ピッキングのダイナミクスについて

ギターやっていると、まぁまぁよく聞く話として
「この歪みはピッキングのダイナミクスへの追従が良い!」
みたいな話ありますよね。

そもそも、ピッキングのダイナミクスってなんじゃ?

って話ですよ。

いまこの記事を書きながらぱっと調べてみたんですが
https://www.fretjam.com/pick-angle-and-picking-dynamics.html

英語のサイトもヒットしたので
よくある和製英語みたいな話ではなさそう。

というわけで、基本的に日本はギター後進国なので
元来の意味を知るべく、「Dynamics」という英単語じたいの意味を調べてみましょう。

https://ejje.weblio.jp/content/dynamics

dynamicsとは
力学、動力学、(物理的・精神的な)原動力、活動力、エネルギー、迫力、変遷(過程)

要するに、ピッキングダイナミクスとは
ピッキングにおける力学的要素全般を示す用語ですね


そうなってくると、
物理学を大学の必修で齧った程度の理系男子にはなんだか荷が重いテーマに聞こえてきました。

まあ、こういう言葉の定義から解説を始めたくなるのは
良くも悪くも理系オタクの癖みたいなものです。

言いたかったのは
ピッキングの強弱≒ピッキングダイナミクス という式は
ちょっとDynamicsという単語の意味を狭く括りすぎなんじゃないか、ということを考えて欲しかったのです。

ピッキングの強弱と音量

ピッキングダイナミクスとはピッキングの強弱のみにあらず
と前章で締めたにもかかわらず、ピッキングの強弱の話をします。

エレキギターにおけるピッキングの強弱は
すなわちギターから出力される音量に大きく反映されます。

強く弾けば、大きな音量で鳴り
弱く弾けば、小さな音量で鳴る

簡単ですね。
これがオーケストラのように生楽器でそのまま鳴りを聞くならそれだけで良いんですが
エレキギターにおいては、多くの場合「歪み」という厄介な存在があるため
音量の大小は、音質にまで大きく関わってきてしまいます。

エレキギターにおける、ピッキングの強弱というのは
音量だけではなく音質にまで大きく関わってきてしまう。

これこそが、
エレキギターのピッキングがギタリストのトークテーマのTOP3に入り続ける大きな理由だと思います。
(ほかのTOP3は酒と機材の話です)

「歪み」とはなにかを把握しておく

「理解する」というとなんかおこがましいので「把握」程度にしておきました。
そもそもエレキギターでよく言われる「ひずみ」って何という話です。

なんか格好いい音色に変わるエフェクトのことでしょ?
みたいな平たい認識だと、ピッキングと音質の関係を理解するにはちょっと厳しいと思います。

それで、ちゃんとした説明をするとなると図を出してこなきゃ多分説明が難しそうなので
https://info.shimamura.co.jp/digital/knowledge/2014/02/19471
島村楽器の解説サイトには波形の図があってわかりやすそうだったので紹介しておきます。

覚えておきたいポイントとしては

  • 機材の許容音量を超えた音量で出力した際の「クリッピング」が生じている状態が「歪んだ」状態。
  • それを電気回路で擬似的に再現したりして、一定以上の音量で「クリッピング」を発生させるエフェクターがいわゆる「歪み」系のエフェクター
  • 歪んだ波形は倍音をよく含むので音の厚みが増したように感じる場合がある

この3点をなんとなく把握しておくと、
このあとのピッキングと歪みの話を筋を通して理解しやすくなります。

音量と歪み

歪みエフェクターは一定以上の音量で「クリッピング」を発生させるエフェクターです。

これを聞いた時点でピンと来る人は、勘がいいか理系かのどちらかだと思います。

例えば、音量が50を超えたらクリッピングして歪むエフェクターがあったとします。
そこに、全力で弾いたら100の音量を出すギターで演奏した音を通せば
音量が50を超えているのでクリッピングが発生し、エフェクターを通した後の音は歪んだサウンドとなります。

じゃあ、そのセッティングのまま全力ではなく1/3の力で弾いて33の音量しか出さなかったらどうなるか。
50を超えていないので、歪んでいないサウンドになります。

セッティングは一切変えていませんが、演奏の強弱で音質が変わったということになります。

実際の歪みエフェクターやギターアンプは、「音量20dB以上はクリッピングしますよ」みたいなデジタルな境界線が設定されているわけではなく、
複雑な回路や、各パーツの電気的特性によって非常にアナログでカオスな変化をするわけですが、音量が大きければ歪みも増えるという基本的な考え方はおんなじです。


ピッキングの強弱と音量と歪み

ここまでの話から
ピッキングで音量が変わり、音量で歪みの音色も変化するということは
ピッキングで歪みの音色が変化するということです。

ギターの上手い人の演奏と下手な人の演奏がすぐにわかるのは
右手のピッキングの強弱が不自然だと
演奏される音量の大小もそうですが、音質的な変化も大きいからだと思います。

さらに表現力を身につけるとなると
強弱を音楽的にコントロールすることで、歪みを含めた音質までもコントロールできることになります。

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