【フリー台本】過激派山上砦攻略戦　序幕

～　騎士団　本軍拠点　～

団長クレス
「敵の様子はどうなっているんだい？」

騎士シスカー
「敵は、山上の砦を中心に部隊を展開してます。その数200……」

団長クレス
「なるほど、大軍だね…真正面からではこちらも大損害を出しそうだよ。」

騎士シスカー
「ここは、この本隊からは魔導師隊よりの魔法で砲撃を仕掛けつつ……」

（敵左翼を見据える）

騎士シスカー
「あの位置から別動隊を突入させる必要はあるでしょう。」

副長ラスタ
「だが、問題はそこではありません。」

団長クレス
「他にも不安要素があるのかい？」

副長ラスタ
「はい、砦の裏手に冒険者部隊が布陣しています。その数120……」

騎士シスカー
「……！指揮している冒険者はわかりますか！？」

副長ラスタ
「ソード・アロウェイと報告が来ているが…」

騎士シスカー
「……！？」（間を置く）

騎士シスカー
「団長、冒険者部隊は味方ではありません。恐らく漁夫の利を狙ってくるはずです」

団長クレス
「ソード…あの子は母親に似て、知略にたけているからね。」

騎士シスカー
「ここは、彼らに先に砦内部を攻撃させる必要はあるでしょう。」

団長クレス
「つまり、我々が漁夫の利を得る方になれ…そういうつもりかい？シスカー」

副長ラスタ
「シスカー、わかっているのか。我ら騎士は正々堂々と構えてこそ…」

騎士シスカー
「個々の戦闘力なら、冒険者の方が上です。それに…」

騎士シスカー
「我々騎士の本分は護る事…時に駆け引きを行い、損害を減らすのもそれに繋がりませんか？」

団長クレス
「………」

騎士シスカー
「私は、彼女ら冒険者からそれを学びました。団長！」

団長クレス
「シスカーの意見を容れよう。具体的にはどう攻めるべきかな。」

騎士シスカー
「出来るだけ派手な魔法を魔導師隊に使わせましょう。」

副長ラスタ
「魔法だけでは足りません。山の下に布陣している敵前衛を崩す必要もありましょう。」

（考え込むように空を仰ぎ見るクレス）

団長クレス
「左翼、右翼に展開している連絡！敵前衛部隊を突撃にて打ち破る！」

副長ラスタ
「承知致しました、すぐに伝達を……伝令！！」

団長クレス
「我々本軍は、魔導師隊を魔法の射程範囲まで送り届ける！」

騎士シスカー
「承知致しました！」

団長クレス
「魔導師隊、左翼及び右翼が敗退すれば我々の敗北だ。頼んだよ、みんな！」

＊

冒険者ソード
「フィレス…見て！騎士団側の方から煙が出てる。」

冒険者フィレス
「つまり、騎士団が動くってことか？随分早く動くなぁ。」

冒険者ソード
「こっちはそれでも構わない…生きて戻らないと報酬がもらえないからね。」

冒険者フィレス
「向こうにはシスカーがいるかもしれないんだぜ？それを…」

冒険者ソード
「わかってるよ…それに、シスカーだってわかってるはずだよ。」

（騎士団部隊のいる方向を見据えて）

冒険者ソード
「お互いの立場としてなら、きっと手を抜かないだろうってね。」

冒険者フィレス
「そういうもんかよ…」

冒険者ソード
「さて、いつ動くか…だね。」

＊

～　勝利条件　～

冒険者部隊より先に砦を制圧せよ。

～　敗北条件　～

クレス、右翼部隊長、左翼部隊長、魔導師部隊長の撤退。

冒険者部隊が砦を先に制圧する。