投稿記事

シユカ 2023/04/24 11:47

OBSの「アプリケーション音声キャプチャ」を使わずに特定アプリの音だけをキャプチャする

先日に投稿した「VDO.Ninjaの音声を聴きながらゲーム等の音声をキャプチャする」という記事では、特定アプリケーションの音声だけをキャプチャする方法として アプリケーション音声キャプチャ 機能を紹介しています。

が、この機能は少なくとも執筆時点の最新版である v29.0.2 時点では未だBeta版とされており、実際に一部環境では「長時間利用すると1分ほどノイズが入る」「1分ほど経過すると元に戻る」という不具合が報告されています。

必ずしも発生するものではない為、設定や依存するソフトウェアのシンプルさを勘案し、不具合が発生する可能性を理解した上で利用する選択も十分に取れます。が、やはり一時的とはいえノイズが乗る可能性を知りながら当該機能を利用するのは気持ちが悪いとも言えます。

この記事では、当該機能を使わずに特定アプリケーションの音声のみをOBSへ取り込む設定のリファレンスとしてまとめを書いていきます。

前提

1. 仮想オーディオデバイスを導入する

仮想オーディオデバイス、Virtual Audio Device、VAD、などと呼ばれるソフトウェアがあります。これは通常、仮想音声入力デバイス、仮想音声出力デバイス を対としたものであり、

  • 仮想音声出力デバイスをスピーカーに見立て、アプリケーションの出力先に設定する
  • 上記で出力された音声が、仮想音声入力デバイスから取り込める

という仕組みのものです。
様々な開発者がリリースしていますから、既にお使いのもの、自身の要件に合うものを探してみてください。下記は一例であり、(必ずしも)前提とするものではありません。

2. 「音声出力キャプチャ」 を削除する

もし既に 音声出力キャプチャ をソースとして追加している場合、これを削除してください。既にない場合は作業不要です。


🔊のアイコンが目印

3. アプリから音声を流す

キャプチャしたいアプリから音声を出力してください。

4. 「音量ミキサー」を開く

Windowsの 音量ミキサー を開きます。


🔊のコンテキストメニューから呼び出すと早い

アプリ 内に取り込みたいアプリが表示されていることを確認してください。


今回はChromeを例に取る

5. 出力先をVADに変える

当該アプリの設定を展開し、出力デバイス のドロップダウンから、お使いのVADを選択してください。


用事が済んだら元に戻しておくことを強く推奨します

6. OBSでVADの入力をキャプチャする

OBS上でソースとして 音声入力キャプチャ を追加します。


「音声 出力 キャプチャ」ではない点に注意

デバイスとして、お使いのVADを選択してください。

7. 音声をモニターする

特定アプリの音声のみをキャプチャする設定は完了したので、これを自身がモニターできるようにします。

オーディオの詳細プロパティ を開きます。

当該ソースについて、音声モニタリングモニターと出力 へ変更します。

おわり

以上のように設定することで、アプリケーション音声キャプチャ 機能を使わずに特定アプリケーションの音声のみをOBSで取り込むことが可能です。参考にしてください。

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シユカ 2023/04/23 12:40

VDO.Ninjaの音声を聴きながらゲーム等の音声をキャプチャする

はじめに

VDO.Ninja(旧OBS.Ninja)というアプリがあります。

先日 OBSでリモートVTubingをする using VDO.Ninja という記事を公開したのですが、実際にこの手順を元に配信用の接続テストを行ったところ、使い慣れない故にゲームキャプチャが上手くいかない方がおりました。具体的には、音声が2重に聞こえてしまうという問題が起きた感じです。

次回の接続テストをスムーズに行うため、また当該記事を参考にした方が困らないよう、この記事ではリファレンスとなる設定のまとめを書いていきます。

あわせて読みたい

前提

この記事に記す手法は特定プラットフォーム向け機能に依存しています。他のプラットフォームでは利用できない可能性があるので注意してください。

https://twitter.com/shiyuka_dayo/status/1650295766945251330

なお、この記事では配信をホストする側の設定を取り扱います。

手順

この作業は

  • VDO.Ninja経由のボイスチャットを直接Chromeからモニター用デバイスで聴いている
  • それと別途、OBS上では solo view として各ゲストの音声を OBSで音声を制御する にてキャプチャしている

という状況にも関わらず、

  • ゲームの音声をキャプチャする為、PC全体の音声出力をOBSでキャプチャしている

故に、ゲストの音声が2重に聞こえている、という状態であると推測し、これを解消するものです。

1. 基本的なVDO.Ninja配信環境を作っておく

前回記事と同等の配信設定を済ませてください。

2. 「音声出力キャプチャ」 を削除する

もし既に 音声出力キャプチャ をソースとして追加している場合、これを削除してください。

🔊のアイコンが目印

既にない場合は作業不要ですが、その場合はこの記事で想定する状況とは異なる可能性があります。

※ ここから分岐

以降、配信のネタにより作業が 🅰️ or 🅱️ へ分岐します。

🅰️. アプリケーション型ゲームの出力をキャプチャする場合

Steam等でダウンロードしたアプリケーション型ゲームの音声を配信に利用したい場合があります。この場合はこちらの手順を参考にしてください。

3. ゲームの音声をキャプチャ

最後に、ゲーム等から出力される音を取り込めるようにします。
ソースに アプリケーション音声キャプチャ を追加します。

今回は特定アプリケーションの音声を取り込みたいので、そのウィンドウ名を選べばよいはずです。

※ 今回は例として Petal Crash を選んでいますが、適宜読み替えてください

🅱️. ブラウザゲーム等、ブラウザの出力をキャプチャする場合

ブラウザ上で動作するゲームを配信する場合など、ブラウザの音声を配信に利用したい場合があります。この場合はこちらの手順を参考にしてください。

3. VDO.Ninjaのコントロールセンターでスピーカーをミュートにする

ホスト側が触るVDO.Ninjaの画面は Control center = コントロールセンター といいます。現状はこの画面から各ゲストのボイスを聴いている状況です。これをミュートにしてください。

🔊から🔇へ変更

4. OBS上で各ゲストの音声をモニター

手順2 でPC全体の音声をキャプチャしないよう変更済なので、OBSからモニター設定を行ってもよい状態です。

オーディオの詳細プロパティ から、各ゲスト(のブラウザソース)について 音声モニタリングモニターと出力 に変更してください。

5. ブラウザ音声をキャプチャ

最後に、ゲーム等が動作するブラウザから音を取り込めるようにします。
ソースに アプリケーション音声キャプチャ を追加します。

今回はブラウザの音声を取り込みたいので、[chrome.exe] から始まるウィンドウ名を選べばよいはずです。

おわり

以上のように設定することで、VDO.Ninja経由でゲスト音声を聴取しながらゲーム等の音声をキャプチャ可能です。参考にしてください。

以後の部分にコンテンツはありませんが、有料プランに加入するとシユカが昨日食べたごはん(約10文字)を知ることができます。

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シユカ 2023/04/16 22:46

OBSでリモートVTubingをする using VDO.Ninja

はじめに

遠隔地に居るバーチャルタレントとコラボ配信(収録)を行うにあたって、WebRTCを使った映像伝送の仕組みでも作ろうかなと思ったのですが、調べてみると既に「VDO.Ninja」(旧OBS.Ninja)というちょうどいいアプリが世の中には存在するようです。

それなりに多機能なので、そのようなユースケース向けの定型化された使い方まとめを作っておこうと思い、今回は記事を書いています。

透過が雑ながら、ざっくりリモートの人とこういうコラボ画面を実現する記事です。
右の人は高葦ねを

あわせて読みたい

VDO.Ninja の優位性

遠隔地のタレントとコラボレーションをする手段はいくつもあり、特に日常的なタレント間のコミュニケーションで利用しているツールにビデオチャットの機能があるならば、これで十分に実現可能であると考えられます。

そのような場合でも VDO.Ninja を選ぶ優位性はいくつか考えられます。

  • 無償で利用できる
  • ブラウザ以外の追加アプリケーションやユーザ登録が不要
  • P2Pでの低遅延伝送
  • OBSでの利用が想定された設計
  • どのようなトラッキングソフトウェアとも連携できる
  • オープンソースである

無償で提供されているソフトウェアは将来に渡って利用できる可能性が必ずしも高くないところ、VDO.Ninja はソースコードを取得し自身でホスティングするという選択肢も選べる為、バックアップ手段があるという点も実は強力です。

もちろん、無償で提供される製品にも開発や運用のコストが掛かっていますから、財政的支援を行うことができるなら検討すべきでしょう。

想定する利用者構成

今回は下記のような利用者構成を想定します。

  • 配信ホスト
    • 1名
    • タレント自身がストリーミング配信をホストする想定です
    • 今回は取り扱いませんが、複数ホスト(各視点で枠を開く)で配信したり、配信の操作のみを行うスタッフを別で置くことも十分に可能です
  • 配信ゲスト
    • 1名またはそれ以上
    • ホストから見て「コラボ相手」にあたります

上記について、以降は ホスト, ゲスト と読み替えます。

ホストが行う作業

ホストが行う作業を記していきます。

1. ブラウザを最新にしておく

VDO.Ninja はブラウザを利用するので、十分に新しいバージョンであることが望ましいでしょう。なお多くの機能を安定的に利用できる為、Chromeブラウザの利用を強く推奨します

2. OBSで配信画面をつくる

いわゆる "配信画面" の準備を行ってください。たとえば、

  • 背景、タイトル、チャットオーバーレイ等を配置
  • 配信プラットフォームとの接続設定
  • 自分自身のアバターとボイスを設定
  • ゲーム配信なら、自分視点のキャプチャとオーディオを設定

などの一般的な準備を完了しておいてください。

3. ルームを作る

VDO.Ninja にアクセスし、Create a Room というボタンから作成します。

表示される画面にてルームの設定をします。この内容を元にゲストは入室します。

それぞれこんな感じです。

  • Room Name
    • 部屋のIDのようなもの
    • これがわかれば第三者が同室を試みることができるので、続くパスワードの設定を推奨します
  • Password
  • The guests can see the director, but not other guests' videos
    • OFF
    • 今回は不要です
  • The director will be performing as well, appearing in group scenes
    • ON
    • 今回はホスト自身も演者として参加するので、チェックを入れてください
  • Preferred Video Codec
    • Default のままでOK
    • 通信が不安定な場合や処理が重たくなる場合に適宜変えます

上記設定後、Enter the room's Control Center in the director's role で入室してください。

4. ホスト自身の音声設定

コラボするにあたってはホストとゲスト間で音声が聞こえる必要があると思うので、VDO.Ninja経由でゲストにも聞こえる状態を作ります。

ルーム作成時の設定が正しければ、下部のバーに enable director's microphone or video というボタンが表示されているはずです。ここをクリックします。

歯車のボタンが出現するので、これをクリック。

右側に画面が表示されることを確認してください。ここで設定をします。

下記のような感じです。

  • Audio Source(s)
    • ホスト(= あなた)自身がゲストへ送る音声の入力デバイスです
  • Audio Output Destination
    • ホスト(= あなた)がゲストの音声を聴くデバイスです
    • 配信中にモニター用として使うヘッドホン等を選択してください

自分自身の音声を実際にゲストへ送るには、下部バーにあるマイクボタンの有効/無効を切り替えればOKです。
また、ゲストの音声を聴くには上記隣のスピーカーボタンの切替をしてください。

Optional: カメラの設定をOFFにする

ゲストにカメラの映像を見せる必要がない場合がほとんどだと思うので、ここで Video Source の項目を Disable Video に設定しておくと良いでしょう。

5. ゲストを招待し、入室を待つ

INVITE A GUEST に記されているURLをゲストへ送ります。 Guest hear others はONにしたままにしましょう。

なお、ゲストは入室に際しルーム作成時に設定したパスワードを要求されますので、併せて送ることを忘れずに。

6. OBSにゲストのアバターを追加する

ゲストが入室し、アバターが正常に表示され、音声が正常に聞こえることの確認を済ませたら、そのゲストをOBSのシーン内に追加します。

当該ゲストの copy solo view link をクリックし、クリップボードにURLをコピーします。

OBSで ブラウザ ソースを追加します。

設定はこんな感じです:

  • URL
    • さきほどコピーされたURLを入力してください
  • OBSを介して音声を制御する
    • ON。このブラウザソース経由でゲストの音声を取得します。

7. 透過設定をする

当該ソースの フィルタ をクリックします。

ゲストに伺いながら、エフェクトフィルタ として カラーキー を選択し、適切な透過設定を行ってください。

8. 動作確認をする

設定は以上です。ひととおり接続テスト等として必要なことを行ってください。

また、ゲストが利用しているトラッキングアプリによってはUI等が表示されている可能性がありますので、必要に応じてトリム等を行ってください(Alt キーを押下したままハンドルをドラッグすればやれたと思う)。

ゲストが行う作業

ゲストが行う作業を記していきます。

1. ブラウザを最新にしておく

VDO.Ninja はブラウザを利用するので、十分に新しいバージョンであることが望ましいでしょう。なお多くの機能を安定的に利用できる為、Chromeブラウザの利用を強く推奨します

2. ホストからルームへの招待URLを受け取る

通常、https://vdo.ninja から始まるものです。

Please enter the password below: と表示された場合、併せてホストから送られたパスワードを入力してください。

3. VDO.Ninja の設定をする

今回はリモートVTubingなので、実際のカメラではなくアバターの動きを映像としてキャプチャするのが望ましいでしょう。Screenshare with Room というボタンをクリックします。

いくつかの設定項目が表示されるので、必要に応じて変更してください。

こんな感じです:

  • Audio Sources
    • ホストに送る音声の入力デバイスです
    • デフォルトの Screen Share Audio (Default) は、キャプチャする画面(Chromeタブや特定ウィンドウ)と対応した音声を取得するものなので、今回多くの場合適切ではないでしょう
    • デフォルト以外の項目は Other Audio Sources をクリックすると選択可能になります
  • Audio Output Destination
    • あなたがホストの音声を聴くデバイスです
    • モニター用として使うヘッドホン等を選択してください
  • 1080p (hi-def) | 720p (balanced) | 360p (smooth)
    • 送信する映像の解像度設定です
    • ホストの指示やインターネット回線速度を参考に設定してください

4. トラッキングアプリでアバターを表示する

まだ準備していなければ、普段お使いのアバター表示アプリを起動してください。要考慮事項は下記です:

  • ウィンドウ内の映像を配信可能な状態にする
    • UIの非表示等を行う、あるいはアバターの表示領域にUIが被らないようにしてください
  • 透過可能な背景を設定する(ホストと相談し背景を設定する)
    • 多くの場合ホストはアバターの背景を透過したいと考えているはずなので、OBSのカラーキー等において透過に利用できる色を設定してください

5. 入室する

VDO.Ninja に戻り、SELECT SCREEN TO SHARE ボタンをクリックします。

トラッキングアプリのウィンドウを選択し、共有 をクリックすると、入室しホストや他のゲストと接続されます。

6. 動作確認をする

設定は以上です。ひととおり接続テスト等として必要なことを行ってください。

おわり

以上のように設定することで、遠隔地のバーチャルタレントとコラボが可能です。参考にしてください。


高葦さんのOBSに置いてもらって動作検証した際のスクショ

以後の部分にコンテンツはありませんが、有料プランに加入するとシユカが今日食べたおやつ(約3文字)を知ることができます。

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