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製作者の方へお願いの記事 (3)

攻略サイト運営記 2023/02/14 19:00

Vampire Survivorsは何が素晴らしかったのか?

メインサイトの方に書いていたものですが、
こちらに載せたほうが良いだろうと思い、
こちらに記事を移動することにしました。

今回は[Vampire Survivors]に関してです。

https://yuruminmemo.livedoor.blog/archives/cat_55616.html


そもそも、今回のことを書こうと思った理由に関してですが、
それはあまりにこの作品を真似する製作者が多すぎるからです。
steamを見れば、色々と真似ているのを見かけます。

じゃあ、ああいったのがヒットしているかといったら、
そうではないわけです。

では、なぜ本家はヒットしたのか、そこの部分に関しての話です。

[Vampire Survivors]は何が優れているのか?

皆さんは、攻撃ボタンを押さずに、
移動だけで戦い続けるという、
このデザインが凄いと思っている人が多くないですか?

実は見るべき箇所はそこではないです。

この作品の優れているところは、
プレイヤーを誘導する力です。


まず、この動画を見てみてください。

この動画の2:40あたりからの話。

「プレイヤーは『こういうゲームなんだ』と理解したら、
後はその人のものになって、自分で遊び始めていく」
この部分が重要です。


マリオとかで言えば、
「あ、敵を踏みつけたらやっつけられるんだ」
と理解したり、その延長上でカメを踏みつけたときに
「なんだ?こいつ、甲羅になったぞ」
という状態から、
甲羅に触れてみて、その甲羅が蹴飛ばされて
他の敵に当たった時に、
「ああ、これでもやっつけられるんだ」
と理解したり。

でも、甲羅は調子に乗っていると
自分に跳ね返ってきて
「ぎゃ~」っとなったりもする。

その人が理解していって、自分でそのキャラクターのアクションを
楽しみ始める。

その人のものになっていくということですね。

そのキャラクターを動かすことが面白くて、
そこに期待するものや裏切るものを投入する。
それをプレイヤーがどんどんクリアしていく。

プレイヤーが楽しんでいるところに、
どんどん投入していくということです。


ゲームというのは、表面的にはしっかりできているように見えて、
プレイヤーからすると面白く感じられないことがあります。

そういった場合に陥りやすいのが、
ステージの方をガチガチに作ってしまうというものです。

プレイヤーからしたら苦行だから、
プレイヤー側がもっと手札が欲しいとなっても、
「それだとこのステージが壊れる。
このステージは、このくらいの苦労を体験しないといけません」
とステージの擁護が続いて窮屈なままということがあります。

これを突破するヒントになる言葉というのが、
↓この参考記事の3ページ目にある言葉。
https://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/momotetsu

「ゲーム画面の中を作るな。ゲーム画面の前を作れ」

という言葉です。


画面の中を必死に作って、
「俺はこういったステージを作ったんだ」
と緻密さを主張しても、
それは画面の中を必死に作っただけではないのですか?
という可能性がある。

コントローラーを握ったその人は楽しんでいますか?
[画面の前]の人の表情はどうなんですか?
ということです。

ステージだけを「はい、ガン」と押し付けてしまうと
「このステージをやれ」
「嫌だ、調整しろ」
「それだと、ステージが壊れる、ダメだ、これをやれ」
「嫌だ、じゃあ、こんなゲームなんかやらねえ」
と、なってしまいやすいわけです。

「ステージを消化しろ」に終始して、
プレイヤーはキャラクターを動かすアクションとして
楽しんでいない。

プレイヤーがキャラクターのアクションを理解して、
そのアクションをを楽しんでいる人に
どういうものを投入するか、どうステップアップしていってもらうか、
という作り方の方が制御しやすいということです。


それではヴァンパイアサバイバーズの話に戻しますが、
この作品[次の課題への誘導]が非常に上手いです。

最初は、金貨で強化していって、
次のステージを目指していく。

金貨での強化が揃ってきて感触がわかってきたら、
地図とアルカナが登場して、
地図を利用した過去ステージの攻略が行われる。

そしてアルカナが登場したことにより、
キャラクターごとの初期武器の個性を強めることができ、
キャラクターごとに生き延びる方法を考えていくことができる。
しかも、アルカナの解放条件自体が
色々なキャラクターで生き延びることだから、
プレイの仕方をどんどん覚えていく。

ステージをなんとかしてクリアしろではなく、
キャラクターを動かすことが先で、
キャラクターの手札をどんどん解放していって、
「じゃあ、このキャラクターでクリアするには、
どういった装備の組み合わせがいい?」
と、プレイヤーが自分で動かしていく事を促している。


特に上手いのがアンロック(実績解除)の使い方です。
アンロックで、それぞれのキャラクターで生き延びることに挑戦させて、
アルカナを解放させていっている。

金貨で鍛えていって、
「生き延びるだけなら、簡単になってきたなあ」
という時に、別のキャラを使ってみたりすることを誘導している。

これは、[UNSIGHTED]という作品のレビューの時にも書いたのですが、
海外の優れた作品の中には、実績・トロフィーを利用して、
ゲームを多角的にプレイするということを促すのが上手い作品があります。

https://yuruminmemo.livedoor.blog/archives/cat_55605.html

この[Vampire Survivors]も実績(アンロック)の使い方が非常に上手いです。
(筆者の中では、
[UNSIGHTED][Vampire Survivors]がアンロックの使い方が
上手かった作品の筆頭ですね)


[UNSIGHTED]のレビューで書いたことですが、
アンロックの使い方が上手いとはどういうことかというと、
筆者は、[ベスト・キッド]という映画のミヤギさんみたいに
相手を自然と導いてあげることと捉えています。

主人公が、ワックス掛けやペンキ塗りをやらされて
「こんなもの役に立つのかよ」
と思っていたら、それが戦いでの受け(ガード)の動作に
つながっていたというもの。

やっている内に会得している状態、
アンロックを通して、同じような状態に持っていききるのが、
上手いアンロックの設定の仕方だと考えています。


例えば、[UNSIGHTED]という作品は
スーパーファミコンの頃のゼルダ系に
ソウルライクのパリィ動作が加わっている作品ですが、
一番難しい難易度の攻略に、それまでのアンロックが全て活かされる
という造りをしていました。

ボスの攻略順を逆さまにするとか、
オープニング中に倒せるだけボスを倒すとか、
1時間以内にクリアとか、
ボスラッシュモードを10分以内にクリアとか。

その最後にあるのが、主人公たちにも寿命が設定されていて、
そのカウントダウンも高速で、敵の耐久力、敵の攻撃力も高い、
ハードモードのクリア。

あのゲームのハードモードというのは、
敵が強いだけでなく、カウントダウンも速いので
[真・タイムアタック]という感じになっているのですが、
それをクリアするために、今までのアンロックが全て活かされる。

順番逆に倒したり、ノーマルモードでタイムアタックしたり、
ボスラッシュで速攻で撃破していったり、
そういったノウハウが全て活かされる。

あの作品をやり通したときに、筆者は脱帽しました。

攻略して良かったと思っている作品の一つです。


[Vampire Survivors]も、ゲームに慣れてきたら
「このキャラクターでスタートして、こういった装備を揃えれば
30分は生き残れるようになったなあ、これだけのゲームなの?」
というところに、アルカナが解放されて、
色々なキャラで生き延びてみろ、というアンロックが並ぶようになってくる。

「え、このキャラで生き延びるの?
あの武器でスタートってつらくない?」
と思うところに、アルカナとかを使い始めたら
「あ、でも、アルカナ使えばいけるかも」
となってきて、
「ああ、そうか、そうか、アルカナ使えば、
色々なプレイスタイルでプレイできるじゃん、
こうやっていけということなのね」
とプレイヤーが気付いていく。

単純にプレイするだけだったらできるようになったところに、
「いや、こういう遊び方もできるんだよ」
と提唱してくれているわけです。


[UNSIGHTED]も、ただゼルダ系としてクリアするだけだったら、
そこで終わってしまう。

それに加えて、タイムアタックとかの要素を誘導して、
順番をひっくり返してクリアしたりの楽しみ方を誘導する。

本来、そういったプレイは、マニアックなプレイヤーが
勝手にやったりするものだったけど、
それをアンロックで誘導して、作品の奥深さ、ゲームの寿命を延ばすのに
貢献することになる。

アンロックがただ単に課題なだけでなく、
やっている内に「あ、この遊び方もあるんだ」
とプレイヤーが理解して遊んでいく、その人のものになっていく、
という手助けとしての基礎にもなっているわけです。


対して、アンロックの活用がわかっていない作者は、
ただ単にゲームを隅々までやれという[指令]として活用するだけ。

ゲームとしてプレイヤーに理解していってもらうのではない。
「これだけ?」
と思ったところに
「いや、こういう遊び方もあるんだよ」
と気付かせる誘導では無く、
自分のゲームで時間を奪い続ければ勝ちと考えているだけ。

「プレイした以上は『ゲームをした』ってことだろ」
と隅々までやらせるようにトロフィーを設定し、
「はい、お前、俺のゲームを隅々までプレイしたね。
それはそこまでプレイする中身があったゲームということだよね。
だから、俺のゲームは名作ね。」
と、それがゲームとしての楽しみにつながっているのか無視して、
作業として指令を出すだけ。

要は、上から目線で見下して
「ゲームをやれ」と課題を押し付けているアンロックの出し方です。


ただ、アンロックでの誘導が絶対に必要というわけでは無く、
昔のゲームはアンロックとか無かったわけですから、
アンロックでの誘導が無いと絶対に面白くないわけではない。

でも、アンロックでの誘導がやっていることも
本質的には同じなのです。

その人がゲームを手に取ってみて、
「こうしよう」と自分で遊び始めること。
そこに要素を投入していって、その人が対処していく。
それが、画面の前の人が楽しんでいる姿になる。
画面の中を作るのではなく、画面の前を作る。

アンロックでの誘導もやっていることはそこなんです。
「あ、このキャラで生き延びるには、
このアルカナを使って・・・」
と気付いて遊んでいく。

その人がどんどんプレイしていくでしょ、ということです。
理解を促す手法の一つとしてアンロックでの誘導もあるよ、ということです。


こういった部分が、[Vampire Survivors]を
猿真似で作っているだけの作品に欠けているものです。

「攻撃ボタンを押さずにずっと動き回って、
どんどん来る敵を倒せばいいんでしょ」
と解釈して、ガワだけ真似たものを作る。

でも、それはプレイヤーがアクションを理解していって、
そこに次の課題を投入していくというステップアップの仕組みが、
ちゃんと成り立っている設計なのですか?
その部分が抜け落ちている。

画面の中だけを作ってしまっている。
ステージだけそれっぽいものを作る。
アクション(動かす側)としてどう楽しんでいって、何を投入していくかの視点がない。


よく考えてみてください。
それっぽいジャンルを作っただけで名作になるのなら、
マリオメーカーで作られたステージは、
すべてマリオ原作に匹敵するほど名作なんですか?

それっぽいものでいいなら、
マリオメーカーで作れば全て名作じゃん、となってしまいます。
それが答えです。

[Vampire Survivors]を真似た作品は、
ツールが無いから作るまでの労力がそれだけ必要になるだけで、
それがマリオメーカーで作った面白くないステージと
同じつまらなさになる可能性もあるわけです。
というか、それを本当にやってしまっているから面白くないのです。

逆に、ちゃんとわかっている人が作れば、
マリオメーカーでも面白いステージは作れるでしょ、ということです。


ですから、[Vampire Survivors]を
攻撃ボタンを押さなくて移動するだけで戦っていくという
[お手軽な見栄え]で売れるゲームを作りきったと思う人、
そう解釈して真似るだけの人は本質が何もわかってないです。


ややこしいというのなら、
まず今から言うことから考えてみてください。

マリオならマリオのアクション、
ジャンプして敵を踏んで、甲羅とかを蹴ったりするアクション部分。

ロックマンならロックマンのアクション、
ショットを撃って、移動して、ジャンプして、
武器を変更して別のショットを撃って、というアクション部分。

そこが先で、そこに課題を投入する。

そして、プレイヤーはそのアクションを理解することで、
「このアクションを利用してこうやってみよう」
と考え始める。

「よ~し、この部分から切り崩してやるぞ~」
とプレイヤー側が、自分でニヤリとして攻撃を組み立てていく、
ここが先。

プレイヤーが理解したところに何を投入するか、
マリオで亀を踏みつけたところで、
「あ、これで他の敵を倒せる」
と思って、ニヤリとして倒していくけど、調子に乗り過ぎると
自分に跳ね返ってきて「ギャ~」っとなるわけです。


「このショットおもしれ~」
「この攻撃おもしれ~」
とアクションを楽しんでいる。

画面の前のプレイヤーがそのアクションを理解して楽しんでいる。

そこに期待するものや裏切るものを投入する。


Hadesとかも、剣を振る動作に電撃や吹き飛ばしが加わって、
「おお~」となって、凄いように感じるけど、
電撃は周囲の敵にバウンドするから、単体のボスとかでいまいちで、
「ああ、これだったら、別の取ってきたら良かった~」
となったりする。

そういった部分がちゃんと成り立っているからヒットしているわけです。

https://yuruminmemo.livedoor.blog/archives/cat_55604.html


対して、悪いパターンというのは、形から入って並べただけのもの。
「マリオって、足場があって、敵が配置されていればいいんでしょ」
と表面的な見栄えから入って、
プレイヤーがプレイしていく上での配置になっていない。

その中でも危険なのが、
自分はゲーム製作者という立場になったんだぜ、へへん。
と思って、プレイヤーにとってマウントを取ろうと考えるパターンです。

今、世の中に浸透しているテレビゲーム、
あのテレビゲームを作る側に立ったんだぜ。
と偉い側の象徴として考える。

特に、相手を否定することでマウントを取り、
他の人間がやっていることを見下していて、
「自分は他人とは違う生き方をしてやる。
他の奴の生き方は全てくだらない。
自分は特殊な生き方をしてやる。」
と考えている人間が作者という立場になって、
その見下しの延長上で作品を作る。

とにかく否定から入るしか思考パターンにない人間が
その他者への否定を実現する場所として、
苦行をさせないと気が済まないような設計にする。

そういう人間は、
「俺の作るゲームが簡単にクリア出来たらいけない。
抜け道なんて全部潰してやる、
このステージは、これだけの試練をお前らは味わわなければいけないんだ」
と、苦しみを与えることで、
他者に現実の厳しさを教えている側、他者を「坊や」、「ガキ」扱いしている、
「俺って大人側」と考えて、ただ単に苦しみを与えることを目的で、
設計を固めていく作り方をしたりします。

「俺はゲーム製作者になるんだ」
と形から入って並べていって、並べる技術がわかってくるほど、
苦しめるための配置ばかりやっていく。

プレイヤーが文句を言うと、
「それはお前が軟弱なだけだ」
と全て切り捨てる。

プレイヤーがなんとかして抜け道を見つけると、
「このステージがそんな方法でクリアできるとは許せん、修正だ」
と下方修正は速攻でおこなう。

それで不満が出てきたら、
「作る側じゃない奴が文句を言うな。
作る側というのはそれだけ偉いんだ、作ることもできない奴は黙って崇めていろ」
と上下関係を構築しようとしてくる。


それは、画面の中を作っているだけです。
画面の前(のプレイヤーの表情)を見ていません。

その人が楽しむ設計、
その人がゲームをしていくという設計になってないです。

ゲームを作るというのは、マウントを取るための道具じゃないんだよ、
ということです。

パソコンの授業だけイキるオタクの延長上で作っても、
それは人の前に出せるものとは言えなかったりするよ、ということです。


結局、創作物というのはその人の根っこが反映されるものです。

悪意を持っていたり、いたぶることが目的の人は、
それがそのまま出てきます。

形を真似さえすれば、その形がイメージするものが保証されて、
そういった根っこの部分を隠してくれるわけではありません。

むしろ、根っこの方が一番反映されるものであって、
どの形を真似ても、作品の質というのは根っこに左右されます。


[Vampire Survivors]に関しても、
プレイヤーがプレイしていくものと考えた上での、
課題の投入の仕方、ゲームを理解させる誘導が上手いです。
設計をちゃんとできているからヒットしたのです。

この作品の事を、
インディーによる簡素なものを出したら偶然にそれがヒットした
と考えるのは危険です。

この人たちは、何かしら理論を学んだ上で作っているような作り方、
そういう作り方をしているように感じます。

そのくらい、ちゃんと作っています。


これからの製作者の方たちへお願いしたいのは、
ガワを真似たら、俺だって売れる作者の仲間入りができる、
と安直に飛びつくような作り方はしないで下さい。

(参考にしたらいけないわけではなく、中身をわかった上でアレンジしたりする。
例えば、[UNSIGHTED]とかはゼルダやソウル系から来ているわけですから、
参考にしたものをアレンジして独自のものにしているわけです)

そして、物事を見つめる時も、
いきなり肯定か否定かではなく、
それを[知の領域]で見つめてみてください。

なぜなら、物事の改善や考え方のレベルアップは
態度が解決してくれるものでは無く、
知性が解決するものだからです。

自分が
「ああ、ここでプレイヤーはこう考えて
こうプレイしてしまうようなものを与えてしまったことになるのか、
じゃあ、構造的にこうしないと」
と、目の前の物事を、知で見つめてみる。

手に取った人たちはどうプレイしてしまっているんだ?と考える。

相手から不満をぶつけられて、
「黙れ、俺は作者様なんだぞ、作れもしないのに口答えするな」
とシャットアウトして、態度を追いかけるだけだと、
物事の本質は何も見えないままになる。

態度に対して、すぐに態度を作るのではなく、
その態度を生み出す前に、
知の方で見つめる作業をする。

「これは何が起きているんだ?」
と知の方で構造を考えてみる。

手に取っている人はどうプレイしてしまっているのかを
先に考えてみる。
「ああ、こういう解釈やこういう間違った誘導が生じてしまっているんだな」
と、手に取っている側に何が起きているのかを考えてみる。

そういうのが湧くには、形だけ真似て
「はい、私、作者です」
で片付けてしまう考え方から抜け出さないといけない。

「はい、私、作者です」だけだと、
そこから先がない。

手に取ったプレイヤーにとって、どういう設計ものを提供できるかという
デザインの領域には踏み込めていない。

表面的に作者になって満足して、
そこにしがみついているだけです。


自分で考えて出力して、
その結果を見つめて、また出力して知性を深めていく。

知力をつけましょうということです。
記憶しているだけだったり、形をなぞっているだけなのは、
知力じゃないです。

むしろ、知力で見るようになれば、
他人のやっていることも形ではなく知力で見るようになる。

他人の形というのは、他人の知の出力にしか過ぎない。
自分も知を持ち始めたら、
「自分が持っている知を、この人もなんか持っているんだな」
と、形を見ながら、その奥に潜んでいる知がどうなっているのかを見るようになってくる。
出力の意図の世界を見るようになる。
その人の知は何なのかに目が行くようになる。

裏を返せば、凄い人たちのやっていることも知があったりするから、
そこを考えずに形を見ていても(なぞるだけでは)、
[形に下駄を履かせてもらっているだけ]で、
自分の思考力が深まっているわけじゃないんだよ、ということです。


もう、世の中を見渡してみても、
ゲーム先進国とか後進国とか言い合っている状態ではありません。

インディー界隈を見ても、海外は企業とかが普通に参入して、
インディーという言葉ではあるけど、
組織だよねという製作集団も多いです。

人が多いということは分担作業もやりやすいわけで、
参考にしたものを真似てどんどん作るだけなら、
人が多ければ、その地点までは追い付いてくるのです。

でも、そこから先、独自のものを編み出していくには、
文化としての理解力・応用力が重要になってきます。

日本がグローバルの波に負けずに渡り合っていくには、
ちゃんと知っている製作者が増えてこないと
潰されてしまうと思います。

海外が猿真似している、この状況の間に、
自分たちはしっかりしておかないと危ないのではないのか?

そういう意味でも、デザインを組み立てきる思考力を大切にしてください。
ゲーム製作の[強豪国]であって欲しいのです。

攻略サイト運営記 2023/01/21 19:00

体験版や紹介動画の必要性

DLsiteで出すのなら体験版は付けておきましょう

今回も製作者の方へのお願いの話になります。

この記事のタイトルにもあるように、ゲームの体験版は必要かどうか、
紹介動画(PVなど)は必要かどうかという話です。

攻略サイト・レビューサイトの視点からいいますと
DLsiteで出すのなら、体験版は絶対にあったほうがいいです。

なぜかと言いますと、DLsiteには返金システムが無いからです。

買ってしまったら、内容が酷くてもそのお金は取り戻せません。
DLsiteで販売しているものをでたらめに片っ端から買ったら、
財布なんてすぐに底を尽きてしまいます。

では、購入者たちは何で見極めているか?
体験版です。

体験版でちゃんと作品を作っているかどうか、そこを確認しているのです。

体験版というと動作確認という意味合いもありますが、
一番の目的は「騙そうとしていないかどうか」を見極めるためです。

これをわかっていない人が多いです。
購入者はいつもDLsiteで買っているわけですから、
いわゆる[粗製乱造]、[パッケージ詐欺]、[ゲー無]、といわれるものの可能性もあるので、
それを見極めようとしているのです。

DLsiteで購入していれば、
中身のない作品を掴まされることも結構あります。

それを経験すれば、自然と体験版のないものはスルーし始めます。
「買わせれば勝ちと思ってんだろ」
という感情を持つようになるからです。

そういった人たちに対して
「ちゃんと中身がある作品ですよ」
と警戒心を解くという意味でも、体験版はあった方がいいです。

筆者も、体験版がないものは、相当な理由がない限り、手を出しません。

他サイトに無料版があっても、DLsiteでも体験版は登録した方がいいです

時々あるのですが、[フリーゲーム 夢現]、[ふりーむ]などで
無料版を体験版として置いてあるから、「それが体験版です」と考えて、
DLsiteの製品ページでは体験版を登録しないという人を時々見かけたりします。

無料版をガンガン更新するのなら、
DLsiteの体験版もその都度更新する必要が出てくるので面倒かもしれませんが、
基本は無料版があるのなら、DLsiteにも体験版として登録しておいたほうがいいです。

なぜかと言いますと、DLsiteの作品ページを開いた瞬間に
[体験版ダウンロード]のボタンが見えますから
「あ、この製作者はちゃんと体験版を用意しているぞ」
と見る側がすぐにわかるからです。


そして、仮に、DLsiteに体験版を置かず、
[夢現]や[ふりーむ]だけに置いておくとしても、
DLsiteの作品説明文に、夢現やふりーむへのリンクは貼っておいてください。

夢現やふりーむに無料版があって、
そちらの作品紹介では「これは体験版になります。」と書かれてはいますが、
DLsiteからそこへ飛べないようにしておいて、
何が体験版なんだ、という話です。

DLsiteで製品版を見かけた人が、
わざわざブラウザでその作品のタイトルを打ち込んで検索し、
無料版の方を見つけて「あ、こちらに体験版があるんだ」
と探しに行くのですか?

普通、DLsiteの予告ページを開いて、
体験版ダウンロードのボタンがなく、作品説明文の中にもリンクがないのなら、
その時点でそれを見ている人は
「あ、この作品、体験版が無いんだな。
じゃあ、これ、売り抜けしようとしているだけの作品の可能性もあるな。」
と考えます。

その時点で、その人は離れていったりするわけです。

だから、最低限、他のサイトに無料版を置いている場合は、
DLsiteの作品紹介文の中に、他のサイトのリンクを入れておくこと。
そして、それよりも手っ取り早いのはDLsiteにも体験版を置くことです。

フリーゲームから有料ゲームに挑戦しようとしている人が勘違いしているもの

特に、フリーゲーム製作から
有料ゲーム製作に挑戦しようとしている人が勘違いしている点ですが、
フリーゲームの客層に宣伝すれば、
その人達が有料版も買ってくれている考えている人がいます。

残酷な話ですが、
フリーゲームに集まっている層というのは、
表ではそういう振る舞いはしませんが
「タダでゲームができるんだぜ、ゲヘヘ」
という人間が結構います。

そうでないのなら、フリーゲームの製作者が有料ゲームを作った時に、
フリーゲームのプレイヤー層がそのまま流れてきてくるはずです。

そして、そういう流れが存在するのなら、
注目の地点はフリーゲームのニュースサイトとかになるはずです。
フリーゲームの流行をチェックすることが、
DLsiteやSteamで次に来る人を探すことにつながってくるからです。


でも、実際はそうではなく、DLsiteの購入層は、
DLsiteの購入層なんです。

フリーゲームの層では無いのです。

DLsiteで有料販売したら、
そこにもフリーゲームの層が来てくれるわけではないのです。

DLsiteの購入層という、
既にいる層に新たに訴えかけないといけないということです。

そもそもの話、フリーゲームをプレイしている人たちは、
みんなDLsiteでゲームを買ったことがあるのでしょうか?

お金を払う勇気がある層は、
既にDLsiteで購入することに慣れている人達じゃありませんか?

DLsiteやSteamでお金を使っている人は、
ゲームはお金を使って買えばいいという習慣があるから、
わざわざフリーゲームをプレイする時間がなくなってくる。
性質は逆になってきます。

まず、その人達に手に取ってもらえるように、
プロモーションをしっかりし、作品の質もしっかりしたものを提供した時に、
その人達から好評価を得たら、段々とクチコミになって広がっていく。


例えば、ドラゴノーカとかは1万本以上売れているわけですが、
もしも、あの作品からPV(動画)が無くて、体験版も無かったらどうでしょうか?

「ドラゴノーカって良いみたいだよ」
とクチコミで耳にした人は、まず製品ページを見に行くわけです。

そこで動画も無ければ、体験版も無かったらどうですか?
新しく興味を持ってくれた人はストップしてしまいませんか?

[ドラゴノーカ]の作者さんは[巡り廻る。]の作者さんでもありますが、
クチコミで新しく「ドラゴノーカ良いよ」と聞いた人が、
わざわざ[巡り廻る。]のほうをプレイしに行くのですか?

ドラゴノーカが良いと言われているのだから、
まずドラゴノーカの製品ページを見て、
「ドラゴノーカの体験版があるなら、ドラゴノーカの体験版をすればいいじゃん」
という話です。

確かに、フリーゲームで名が知れている人は、
そのネームバリューに引っ張ってもらえる部分はあります。

でもそれは、後押しになるものであって、
新規の人には、その作品の体験版や動画とかの方が訴求力はあるよ、ということです。


ドラゴノーカはその部分もしっかりしていました。

ドラゴノーカが売れたことに関して
「やっぱり[巡り廻る。]の作者さんだもんなあ」
としか考えない人は、わかってないです。

クチコミが出来てきたら、
その後は新規をさらに獲得できるかどうかなのですから、
その時に重要になってくるのは[入りやすさ]なのです。

最初に少し前評判があったり、手に取ってもらえても、
[入りやすさ]が無かったら、その後は伸びにくいです。

これまでがどれだけ人気だろうと、
その作品はその作品で、新規を獲得していけるケアをしておけないと
伸びていくわけはないでしょ、ということです。

最後はクチコミから新規が連続で入ってくる流れになるのですから。

体験版やサンプル画像、動画もあるのに売れない場合

但し、体験版や動画もあって、しっかりした作品っぽいのに
売り上げが伸びないことがあります。

この場合は、何が理由か?

これは簡単です。
体験版をプレイして、逆に「このゲーム、面白くない」と思われていることがほとんどです。

体験版をプレイできるのに、それでも買われないのですから、
そういうことじゃないんですか、ということです。

体験版で逆にトドメが刺さってしまっているケースとしてよくあるのが、
プレイヤーにとってのゲームでは無く、
「ゲームをしているプレイヤーを、ゲームをわかっている作者が処刑しているだけのゲームになっている」
というものです。

例えば、スーパーマリオで2つのルートから攻略できるコースがあったとします。
上ルートと下ルート、道が分かれていて、
下手な人は人はこっちから行けばいいよ、自信がある人はこっちから行ってみればいいよ、
と分かれているとします。

そういった設計の場合、
最初は下手な人に向けたルートでやってみて、
段々と上級者向けのルートに挑戦していくものです。

つまり、[ゲームができるようになっていくのはプレイヤー側なんです]
段々と「ああ、こういうゲームなんだな」とわかってやっていくのはプレイヤーなんです。


ところが人が離れていく作り方をする製作者というのは、
プレイヤーが甘かったら片っ端から狩るだけのゲームを作ることが多いです。

「はい、これ、君、甘~い」
「はい、これ、君、ダメ~」
という感じで、いきなりギチギチのものを要求する。

それは「俺はこのゲームをちゃんとわかっているんだぜ」
というCPUの挙動を見せつけて、CPUの行動自慢をしているだけのゲームです。

人間にとっての課題を投入しているわけじゃない。
「俺のAI(CPU)すげえだろ」とプレイヤーを狩っているだけです。

そういうゲームになると、プレイヤー側も
「あなたはこうじゃないと気が済まないんでしょ、
こういう風にプレイして、こういうことができないといけないんでしょ、
はいはい、わかった、わかった。
誰が買うか。
となるわけです。


ゲームをするのはプレイヤーなんですから、
プレイヤーがゲームをわかって、上達して、楽しんでいかないと意味がないじゃないですか。

なのに、プレイヤーを潰すゲームを作る人というのは、
上達をしてもらうのではなく、プレイヤーは下手な存在で
それを叱ってマウントを取っていないと気が済まない。

叱れるように、閉じ込めて強○することが目的の、
窮屈な作品を作る。

だから、
「体験版も用意して、しっかり作り込んだのですが、
何で売れ行きやクチコミが伸びないのでしょうか?」
という場合、まず真っ先に考えてみたほうが良いのは、
プレイヤーがそのゲームを上手くなっていくことが楽しいのかどうか、
その部分です。

プレイヤーが上手くなったら気が済まない、
プレイヤーは常にしんどくないとダメ、
そんなゲームはどれだけプレイしても達成感が無いです。


対して、逆に達成感を上手く利用しきった作品の例が、
Vampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ)とかです。

攻撃ボタンをプレイヤーが押さずに、攻撃は一定間隔で勝手に発射され、
プレイヤーは十字キーで逃げ回るだけなのに、
何で、あんなにヒットしたのとかというと、
ヴァンパイアサバイバーズは、プレイヤーがちゃんとできるようになると、
終盤は無双になってきて、プレイヤー側が
「グワッハッハッハ」となるようになっている、達成感があります。

同じようなシステムでも、達成感を用意できなかったら、
しんどいだけのゲームになります。

システムだけでなく、そのさじ加減のセンスというのも重要です。

しかも、ヴァンパイアサバイバーズは、
アンロック(実績、トロフィー)で、
段々とゲームが分かっていくように、理解していくように誘導もしっかりしている。

プレイヤーがわかりきって、つまんなく思い始めるだろうな、
というところで、次のものを解放するのが上手い。

どういうシステムが受けるかだけでなく、そのシステムならそのシステムなりに、
[プレイヤーがゲームをわかっていって、楽しんでいく設計]を組み込んでいる。
ただ単にアイディアだけでヒットしたという作品では無いと思います。


重要な事は何なのかと言ったら、勝手に外から輪郭を押し付けない事です。
「こいつは下手だから」とか
「こいつはバカだから」とか
外から輪郭を作ってはダメです。

ゲームをわかっていくのはその人です。
そこの部分がダメだったら、難易度的に簡単だろうが、難しかろうが、
結局は、慇懃無礼(いんぎんぶれい)な作品になるだけです。

「はいはい、仕方ないでちゅね~、楽にしてあげますよ」
という作り方をしている場合も、すぐにプレイヤーはわかります。
プレイヤーが理解していくということを考えている設計では無いですから。

「わかっていく」ということを考えてごらん、
ということです。

「わかっていく」ということを気に喰わないと思っていないですか?
ゲームというものを、人生の先輩ヅラするための道具と思っていないですか?
大体、そこらへんに帰結することが多いです。


そもそもの話をすると、ゲームって
その人がわかってやっていくもの、それの方が先なんじゃないのですか?

製作者の人は、[表現]とか[思想]とかで考えるのかもしれませんが、
そもそもこっち(その人がやっていくもの、その人がわかってどんどん楽しんでいくもの)が
先なんじゃないのですか?

それを踏まえた上で、表現とかも思想も込めたいのなら、
どういう風に[ゲーム]の中に組み込んでいくのかという
加工とセットじゃありませんか?

思想の延長上でプレイヤーとの距離を作り、
それを偉さと信じ込んで振り回すことが目的でゲームを作るという人を
結構見かけたりします。

そうじゃなくて、ゲームはまず、その人がやっていくもの、
そのやっていくものとして、どういう理解の促しや課題を提供できるかという、
設計をちゃんと考えて提供するのがゲームじゃないのですか、ということです。

動画を作るときは、何をするゲームなのかを理解できるようにしよう

結局のところ、体験版や動画とかがあっても、
肝心のゲーム自体がつまらなかったらダメだということです。

ゲーム自体がつまらないのに、それを体験版でやらせたら、
そりゃあ、逆に買わなくなりますよ、ということです。

やっぱり、一番重要なのは実(じつ)なんです。
体験版も動画も、その実(じつ)への誘導にしか過ぎないのであって、
まず、実(じつ)の部分で、「これ、どうですか?」と勝負できる意欲がないとダメです。


そこで動画に関しての話に移りますが、
動画とかでも、誇大に表現しても、実(じつ)が伴ってなかったら、
最初は手に取らせることができても、そこからクチコミが出てこないから、
結局は広がりません。

ドラゴノーカのPVでも上手かったのは、
「何をするゲームなのかを示し、
何をできるのかを手本で示している」
という点です。

無理に言葉で大きく表現していない。
何をするのかを説明し、
結果、こういうこともできますよ、
という具体例を後半で見せている。

そして、当然ながらゲームの中身の部分ができていないといけない。

いくら動画で綺麗に見せても、中身が無かったらダメですから、
ちゃんと中身を作っている必要がある。

裏を返せば、中身をしっかり作っていれば、
下手に小細工をしなくても、その中身を説明して
実例を示すだけで十分だよ、ということでもあります。

動画を登録する時は、なるべくYouTubeに登録した方が使いやすいです

そして、動画を登録する場所に関してですが、
これはできることならYouTubeにも登録してください。

DLsite側に動画(chobit)を登録していれば、
作品ページでも動画が表示されるようになります。
(ドラゴノーカとかも作品ページで動画表示されていますよね)

あの登録もしておいたほうが良いのですが、
YouTubeでも登録してくれていたほうが、ブログなどを運営している側としては助かります。

なぜかと言いますと、
chobitの動画を貼りつけることも可能ですが、
chobitの場合、動画の右上のchobitのアイコンを押せば、chobitに飛びますが、
chobitって18歳未満に対しての警告が出てきます。

あれが筆者はあまり好きでは無いです。


それと、chobitの動画プレイヤーは、
下の再生ボタンやシークバーの部分が動画の寸法の外についているので、
その分、付け足して計算しないといけません。
(確か32ピクセルくらいかな、ピクセル定規で適当に測っただけなので、
違っているかもしれませんが)

chobitを貼る場合、いつも縦に32ピクセル足して書き込んでいます。

そして、一番重要なのが、
jqueryなどがほとんどYouTubeに対応しているものばかりというのが、
YouTubeにも投稿して欲しい理由です。

※YouTubeに投稿している場合は、
[作品名 PV]とか[作品名 trailer]とかでYouTube内を検索をかけて探しますが、
誘導したい場合は、DLsiteの作品紹介文にもリンクを貼っておいてもいいかもしれません。
(音楽素材系の方のDLsiteの製品ページでよく見かける形式です。
[もぜ園]さんとか[SOUND AIRYLUVS]さんとかの製品ページがわかりやすいでしょうか)


一番困るのが、ツイッターに動画をアップして、
それをSteamにも登録しているけど、YouTubeとかに何にもないパターン。

これはどうやって宣伝しろって言うんだよ、
となってしまいます。

良さそうなゲームに思えて、せっかく貼ってあげようと思っても、
貼りやすい場所に提供されていないから、
発売までに動画を貼れずに、加速をかけられなかった作品とかもあったりします。

それと、これは筆者の方針ですが、
動画を貼るときは、なるべく製作者さんのIDの動画を貼るようにしています。
ニンテンドー(switch)やPlayStation Japanが投稿しているPVとか
その他にもPV専用の大きなサイトのPVは
基本的に貼らないようにしています。

これはそういったところと、いざこざが発生すると面倒ですし、
もしも、そういったところと作者さん、2箇所でPVがある場合、
製作者さんの動画の再生数が高くなれば、
製作者さん自身が動画に、グーグルアドセンスを貼れる可能性が出てきます。

製作者さんに還元できる可能性もあるという意味で、
基本は作者さんのIDで貼りつけられているPVを使うようにしています。
(もちろん、作者さんはニンテンドーやPlayStation Japanに貼ってもらう機会があるなら、
そちらでも貼ってもらっていたほうがいいでしょう)


但し、これまでも何度も言っていますが、
中身が無いとダメですからね。

一番重要なのは中身であって、
それをどういう風に伝えていくかです。

動画も体験版もそうです。

一番重要なのは中身

重要なのは、「お金を使ってくださいね」ではなく、
「お金を使ってくれる人にちゃんと満足のいくものを提供できるか」
という部分なんです。

自分が売れなかったら怖いから[お金を使ってもらおう]と考えがちですが、
実際は、お金を使ったことに対する中身が重要なのです。

製作者は、お金を使ってもらうという保障ばかり確保したがるのですが、
それだと「ね、ね、君、お金使ってくれるよね?」
と引っかかってくれる人を探し続けるのですか?
となってきます。

そこで守りに入ると、そういった層だけを見て、
収益を維持したいから
中身を考えるのではなく値段を釣り上げて、
段々と中身はいまいちだけと値段が高い、
ガワだけが豪華になっている作品を作るようになっていったりします。

お金を使った後には、お金を使ってみてどうだったかが待っているんだよ、
というのはちゃんと考えてみたほうがいい部分だと思います。

一番最初に買ってくれる勇気を出した人に中身を届けて、
その人達がクチコミをしていって作品は広がるのです。

どれだけ最初に誘導できても、
そこからはゲームをプレイした人のクチコミになっていくのですから、
「何をするゲームなのか?」
「上達した後に何ができるようになるゲームなのか?」
そこの中身ができていないとダメです。

プレイヤーがそのゲームをわかっていったら
どういうことができるようになるゲームなのか?
そこの満足感が次のクチコミにつながっていく。

そして、一人の意見だけでなく、そこから波及して、
何層にも感想が揃ってきて、大体、この作品はこうなんだな、
という印象が出来上がるわけです。


でたらめに作って、
「お前らはおめでたさに浮かれて、
俺のゲームを買って賞賛していればいいんだよ」
というのは、自分が買われてさえいればいい、という発想にしかすぎない。

買ってみてどうだったかの質で勝負しないといけない。
自分の作りたいジャンル、ストーリーとかこだわりがあるとしても、
ゲームとしてどう設計して落としこめているかが重要だよ、ということです。

その上で、DLsiteみたいに返金ができない販売サイトで、
体験版とか何も見せずに、買わせようとする場合、
「それ、買わせたら勝ちと思っていないか?」
という警戒心が働く。

でも、体験版を作っても、ゲーム部分が面白く無かったら、
それを体験させてしまうことになり、買われなくなる。

じゃあ、体験版を出さなくて、購入者を引っ掛けて買えばいいのか、というと、
それをやっても、買った人がクチコミで悪く言って、
どの道、潰されるだけです。

だから、中身を作る必要がある。
あくまで体験版も動画も、中身への誘導です。

中身に期待させて、中身で応えることができれば、
購入者たちは味方になります。


わかりやすく例えるなら、
スーパーの試食コーナーと同じと考えてみてください。

試食で美味しく無かったら結局は買いません。

試食なしでCMをガンガン垂れ流しても、
買ってみて美味しく無かったら、結局はそれ以上は伸びません。


でも、美味しいものをポツンと置いて、
試食もCMも無しだったら、売れ行きは伸びにくいですよね。

それと同じです。

美味しいものだというのなら、試食やCMは相乗効果になる。
但し、美味しくなかったらトドメを刺す事にもなる。


そして、一度、DLsiteの全年齢のコーナーで
[ロールプレイング]とかの[シミュレーション]とかの売り場を見てみてください。

そこで人気どころを片っ端からクリックして、
製品ページがどうなっているか観察してみてください。

体験版のボタンがあるか無いかで、
どれだけ印象の差があるか。

チェックポイントとしては、
[体験版の有無]、[動画]、[販売数]、[五段階評価]、
この4つです。
(販売からどれだけ月日が経っているかも見たほうがいいかもしれません。
そこそこ売れていても10年前の作品とかは、それだけ販売期間が長いですから)


良い作品というのは、5段階評価で4.5~4.75くらいで、
体験版と動画があって、その上で販売数も伸びている。

一番綺麗なパターンはそれです。

[ドラゴノーカ]がまさにそのパターンです。
ページを開いた瞬間に綺麗ですから。

体験版、動画、販売数、五段階評価、
綺麗に整っている。

・料理が美味しくて(作品自体がしっかりした出来で)
・試食コーナーがあって(体験版があって)
・CMも流れている(動画もある)

そりゃあ、伸びていきますよ、ということです。


対して、体験版のない作品とかを開いたら
「ああ」と感じませんか?

そして、そこからそのタイトルを検索をかけたら、
ひょっとしたら[ふりーむ]とかに置いていないか?

さらに言えば、前回の記事で触れましたが、
唯一無二の検索しやすいタイトルですか?


体験版がある作品でも、
売り上げが伸びていない作品は、5段階評価と
体験版を実際にプレイしてみたら「ああ」
という部分がある可能性が高い。

そういう部分をこちらは全部見ていますよということです。

やっぱり、スーパーの試食コーナーで考えるのが一番早いでしょうか。

ちゃんと美味しい商品を作って、それの試食やCMでさらに伸びる。
美味しいものがちゃんと売れるのが一番良いということです。
それが一番綺麗に商売も回っていくことでもあるのですから。
(食品の場合は、健康問題とかもありますが)

ただ、だからと言って、売れ筋に媚を売れとは言いません。
でも、自分が作ったものは作ったものなりに、
手に取ってもらうためのケアがあるか無いかで差が出てくる可能性はあるでしょう。
そこはよく考えられてください。

※Steamは体験版なしのものが多いですが、
Steamは返金システムがあるので、出来の悪いゲームを出しても
返金された上で酷評されるだけです。

体験版や動画でケアをしっかりし、作品の中身も良くて、
購入層にも噛み合うのなら、DLsiteでも売れるものは売れると思います。

但し、勢いが付くまでにしばらく時間がかかるかもしれません。

覚えておいて欲しいのは、マーケットというのも育てる必要があるものです。
1つの商品が売れた、売れなかったという話では無い。

マーケットに良いものが並び始めれば、
クチコミを待たずとも、自分からマーケットを見に行く人も増えます。

良い商品が並んでいる店には、
評判を待たずに自分から訪れる客が増えてくるのと同じです。

一人の作者が売れただけではなく、良い作者が揃うことで
相乗効果で1つ1つの作品の売れ具合も伸びるということも起きてくる。

マーケット自体の活気、作品の一つ一つの出来、
紹介するブロガーや動画投稿者、ツイッターでクチコミを書く人達、
色々な要素が重なり合って、人気というのは変化していきます。

単純な話では無いということです。


そして、絶対に陥って欲しくないのは、一度売れたからと言って、
「売れた俺が作れば、次も売れるに違いないだろう」
と手抜きをし始める状態。
これにならないように気を付けてください。

次の作品は次の作品で、
「手に取ってみてどうだったか」は常に問われているよ。
「手に取ってくれるに違いない」ではない。

仮に、ネームバリューで手に取ってくれる人が増えてきても、
中身が伴わなくなれば、
買ってみけどダメだったになってくる。

それは最初はネームバリューに甘えてなくても、
後から甘えるようになり始めている状態です。

次の作品は次の作品で、どうだったかは問われる、
それは忘れないでください。

そして、やってみてどうだったかは次に活かしていけばいい。
イチローさんの言うところの無駄の重要性ですね。

その上で、次は相手をうならさせてやろう、
次はこういったものを用意してやるぞ、
その用意したものに導線も引いて勝負できるようになっていくのが、
その道を面白いと思えて歩み始めている状態ではないでしょうか。

攻略サイト運営記 2023/01/16 19:30

ゲームタイトルの重要性

今回の話は、製作者の方に気を付けておいて欲しいことです。

ゲーム内容とかゲームバランスに関しては、
製作者ごとに個性がありますので個人差があると思いますが、
今回の話はGoogleの検索の性質とかの話になりますので
こういう側面もあるんだよ、というのは知っておいてください。

ありきたりな英単語のタイトルとかはなるべく避けてください

これが一番お願いしたいことですが、
ゲームのタイトルに、簡単な英単語1つとか、英単語2つくらいで
他にサブタイトルも何もないようなタイトル名は避けたほうがいいです。

なぜかと言いますと、Googleの検索で
そのワードを入れても、そのゲームが出てくるとは限らないからです。

例えば、[マジックキングダム]というタイトルのゲームを作ったとしましょう。

でも、よく使われるフレーズですから
既に[マジックキングダム]というゲームを誰かが作っている可能性もある。

それに、サガフロンティアのブルー編とかでも
マジックキングダムという場所があります。

Googleに[マジックキングダム 攻略]と打ち込んでも、
「どれだよ?」となるわけです。
(というか、マジックキングダムにすると、
どえらいのを相手にしないといけなくなりますが)

ですから、今の時代、検索で探すことがほとんどですから
できるだけ唯一無二のタイトルにしてください。
「このワードを打ったら、まず俺の作品しか出てこねえから」
というタイトルの方が検索には強いんだ、ということは知っておいてください。

攻略サイト側としてやっている対策

もしも、そういった部分を知らずに、
紛らわしいタイトルのゲームの攻略を扱う場合、
攻略サイト側としてはどういったことをやっているのか?

対策としては、次に使われやすい単語を見つけて、
引っ付けておくというやり方があります。

例えば、先ほどの[マジックキングダム]というタイトルで
そのままゲームを出してしまった場合、
その作品が同人やインディーゲームなら
(同人ゲーム)とかのワードをタイトルの後ろに付けて記事を書きます。

[マジックキングダム(同人ゲーム) 攻略]とかですね。

なぜかと言いますと、検索する側も
タイトル+攻略だけで検索しても出て来てくれなかったら、
区別するための言葉を何か考えて、さらに検索をかけるからです。

その2回目の検索で、真っ先に思い浮かびそうなワードも一緒に引っ付けておけば、
2回目の検索では見つかってくれる可能性がある。

ただ、それでも2回目にそういう検索をかけてくれるという保証もないので、
ある程度こぼれちゃっている可能性はあります。
やっぱり、1回目でパッと検索にかかるタイトルの方が望ましいです。


そして、こういったケースで一番怖いのは、
最初の内は検索順位一位でも
後から有名タイトルのフレーズに使われたりした場合です。

例えば、ガンダムの後ろに
[ガンダム 〇〇]と付いたりすることがあります。

それこそ、ガンダムSEEDってありますよね。
仮にSEEDというタイトルで地味に人気が出ていても、
ガンダムSEEDが後から出てきたら
[SEED 攻略]とGoogleに打ち込んでも、
ガンダムSEED関連のゲームの攻略が出始めるようになったりする。

実際、筆者が扱ったことのあるゲームタイトルで、
それと同じような事象が起きて、検索の順位が落ちたことがあります。

筆者はサーチコンソールで順位とか確認していますから、
検索の順位が落ちたときに、
「何でこれ、検索の順位が一気に落ちているの?」
と気付いたりしますけど、
そうじゃない場合、そのまま順位が落ちて埋もれていく可能性があります。


一応、[Hades]級まで地位を確立したら、
[Hades]と打ち込めばそのゲームが検索に出てくるようになりますけど、
普通はそこまで人気を勝ち取れることはないですし、
競合ワードは少ない方が検索での地位は確立しやすいです。

ですから、本当に、英単語1つとか2つとか、
どこでも使われそうなワードをゲームのタイトルにするのは、やめてください。

例え、良いゲームに思えても、
よりしっかりプレイしてみようとゲームの攻略を検索かけて
「なんだ、検索に出てこないのかよ」
で離れていっていることもあったりするのです。

皆さんも自分の立場で考えてみてください。
「あ、これ、良さそう」
と思ったゲームをプレイしてみて、検索をかけて何も出てこなかったら、
「攻略する価値が無いくらいの作品でしかないのかな?」
となってしまいませんか?

実際に攻略を見るか見ないかは別として、
攻略サイトとかが存在するというだけで
「そうだよね、そうそう、攻略したくなるゲームだよね」
という感覚を抱く。

検索に上手く乗らないせいで、
「その程度のゲームなんだ」という感覚になって
埋もれて行ったりすることもある、というのは気を付けておいてください。

サブタイトルでわかりやすくする

タイトルというのは、サブタイトルをつけるだけでも区別しやすくなるので、
既に紛らわしいタイトルを付けている人は、
サブタイトルを付けることを考えるのもいいかもしれません。

後は、メインタイトルとサブタイトル、
逆でも別にいいんじゃないのか、どっちの方が語呂がいいのか、
というのを考えてみるのも重要です。

そういった時に参考になるのが、既存の作品のタイトルをいじってみたらどうなるのか、
そこから考えてみるという方法があります。

例えば、[タクティクスオウガ 運命の輪]というゲームがあります。
元々は[タクティクスオウガ]ですが、それのリメイク作品です。

そして、[タクティクスオウガ 運命の輪]と
[運命の輪 タクティクスオウガ]、どっちがいいですか、とかも考えてみる。


それにサブタイトルだけだったらどうなるのかも考えてみる。

[運命の輪]というタイトルだけの作品だったらどうですか?
「なんじゃこりゃ?」となりませんか?
(タクティクスオウガの場合は、
タクティクスオウガというタイトルが先にありましたから、
そこで地位は確立できているのですが)

ついでに言いますと、[運命の輪]というのは大体がタロットカードの
ホイール・オブ・フォーチュン(Wheel of Fortune)を指すことが多いです。

じゃあ、響きがカッコいいからと言って、
[Wheel of Fortune]とゲームタイトルにつけても、
これまた、「どれだよ」となってしまうわけです。
(そういう言葉は、大抵、みんな使っています)

そこで[Wheel of Fortune 〇〇の戦い]みたいなタイトルにしたら
[〇〇の戦い]の方で検索かけてくれたら、
そっちの方で出てくれる可能性はあるよね、となってきます。

そして、これもまた、[〇〇の戦い]の方が前で、
[Wheel of Fortune]が後ろでも良くない?
という可能性もある。

どちらが前の方がいいかというのは、言葉同士の力関係も影響してくると思います。
(ただ、[Wheel of Fortune]とかは、嫌というほど使われているので、
なるべくなら別のもののほうがいいでしょうけど)


その上で、細かいの単語の調整も考えてみるのも重要になってくるでしょう。
例えば、[運命の車輪]と[運命の輪]、どちらがいいですか?
とかですね。

タクティクスオウガとかも[運命の車輪]だと、
「はいはい、タロットカードね」
となってしまいますけど、[運命の輪]だと、
人同士の巡り合い、自業自得という意味の業(ごう)のニュアンスも含まれて来る。

有名な作品のタイトルを分解して考えてみるというのも
色々と勉強になる部分があると思います。


後は、サブタイトルで言えば、意味を含ませておくとか。

例えば[ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…]とかは、
プレイして行ったら「ああ、そうか、[そして伝説へ…]だよな」となってくる。

そういった[エモい]つけ方もありますが、
それは言い始めたらきりがないですし、ゲームのタイトルを決めるというのも
それだけ奥が深いということになってきます。

※エモく考えるなら、その物語自体をどういう詩と考えるか、
何を表現した詩や物語なのか、何が刻まれているストーリーなのか、
そういった部分から考えてみるのもあります。


とは言え、サブタイトルが無くても、わかるタイトルはわかったりします。
[ドラゴノーカ]とか、サブタイトルとか無くても一発でわかるじゃんという話ですから。

ただ、同じ作者さんの[巡り廻る。]とかは、
サブタイトルとか無いですけど、深いですよね。

人が巡って、時代が廻って、サイクルになっているから
最後に。も付いているんだよな、ということですから。

サブタイトルなしでも、そういう含ませたタイトルは付けることができますから、
やっぱりゲームのタイトルをつけるというのも奥が深い、ということです。

タイトルを長くする場合は、略称も公式で考えたほうが浸透しやすいです

唯一無二のタイトルをつけるのが望ましいのですが、
タイトルが長すぎるというのも扱いに困る可能性があります。

長いタイトルなどを付ける場合は、
略称がどこになるかも考えたほうがいいでしょう。

検索をする人は、長いタイトルをすべて打ち込んで検索したりはしません。
使いやすい(フレーズ)部分を打ち込んで検索します。

どの略称になるのかわかりにくい場合は、
公式(製作者)で指定しておくという方法もあります。

複数の略称が飛び交う可能性があったり、
略称が他のタイトルと区別がつきそうにない場合は、
区別のつく形の略称を先に提示しておいてもいいでしょう。

また、略称というのは必ずしも単語の一部分を取るというやり方だけでなく、
[魔王物語物語]が[まもも]と略されたりしたように、
特定の部分の頭文字を取って作るケースもあります。

つまり、ゲームのタイトルというのは、

  • Googleで検索をかけたときに、他のワードに流れないように唯一無二の方がいい。
  • 簡単な英単語とかは、有名タイトルの続編で後ろに付けられたりすることがあるのでさらに埋もれやすい。
  • 単体でタイトルにするのが弱い語句の場合は、サブタイトルで補う方法もある。
  • メインタイトルとサブタイトル、どちらが前の方が語呂がいいのかも考えてみる。
    (どちらかは検索にかかりやすいフレーズの方がいいでしょう)
  • 略称を考える場合は、日常会話とかで使いやすいフレーズを考える。

ということを考慮していくといいでしょう。

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