ロボット少女は夢を見る - 制作記その3- 多言語対応について
ロボット少女は夢を見る の3回目の記事は多言語対応についてです。
「多言語対応」というのは言葉通りの意味で
オプションなどから日本語以外の言語に切り替えることができる機能です。
■多言語対応の理由
多言語対応のうまみはもちろん売上アップです!
Steamは様々な国で買われ、日本なんて全体の1~2%くらいです。
2022年の記事では、
1位 中国 約1兆3,272億円、2位 アメリカ約4,232億円の中で
日本は約440億円みたいです。(*参照1)
あとこれは琴葉姉妹のゲーム(日本語対応のみ)を発売した実体験なのですが、
メール、SNS、Steamのフォーラムで結構
「絵が好みです。○○語対応しますか?」って質問されました。
そのゲームに関して多言語対応できるようにゲームを作っていなかったため、
こういうメッセージをもらうたびに申し訳ない気持ちになりました‥‥
というわけで「多言語対応」はたとえ個人製作であってもするべきです!
■多言語対応の準備
さて多言語対応、今どきの会社が出すちゃんとしたゲームでは
当然のように対応されていますが‥‥
めっっっっっっっっちゃめんどくさいです。
というよりも最初から多言語対応しやすいように作っていなければ
非常にめんどくさいです。
では、どのように対応しておくと後々対応が楽になるのでしょう?
おそらく最も簡単な方法が、ゲーム画面に表示する言葉のすべてを
エクセルorその他のゲーム外のファイル
にまとめておく事です。
■エクセルにまとめる
例えば、先ほど張ったUIの文字列は
こんな感じでゲーム内データに変換されています。
ゲーム内の UI には画像右列の textID が設定されていて、
オプションで設定された言語に合わせて対応した文字を引っ張ってくる感じです。
これなら、このエクセルファイルを翻訳してくれる会社に渡し、
対応する言葉を埋めてさえもらえれば、すぐにゲームに反映することができます。
■その他のゲーム外のファイルにまとめる
しかし、これにも問題と言いますか…
UI なら良いのですが会話パートはこの対応が結構めんどくさいです。
なぜなら会話パートは途中で絵を表示したり、演出を入れたり、
文字以外の情報が多くなってしまうからです。
ということでこのゲームでは、
会話パートのテキストはエクセルではなくてこういうデータで保存しています。
これを見た大半の人は
「プログラムのソースコード?」
「これでは他人が文章を翻訳するときに面倒では?」
「そもそもこの形式で会話パートを作るのが大変なのでは?」
と思うでしょう。
しかしこの会話データは画像のようなエディタで作成されています。
これであれば使い方さえわかれば他人でも編集できそうですよね?
このエディタはUnity上でしか動かない開発専用のものですが、
これとは別に翻訳用会話エディタを作成する予定で、
翻訳を外注する際には会話データ + 翻訳用エディタを渡して翻訳してもらう予定です。
翻訳の話をたくさんしましたが、多言語対応は本当に大変でめんどくさいです。
しかもここに書いた内容はあくまでゲーム開発の際の対応で、
実際にはゲーム完成後に翻訳会社にお金を払って翻訳してもらう作業もあります。
ほんと、キャラクターボイスまで対応してあるゲームってどうなっているんでしょうね?
といったところで今回はここまでです。
もしゲーム開発者の方が見ていましたら、
早めに多言語対応をしながらゲームを作りましょう!
参照1 Game*Spark様
https://www.gamespark.jp/article/2022/04/18/117852.html