アニメ『ちょろぴゅあ』制作秘話

こんにちは!ちょろぴゅあスタッフです。

ずっと「スタッフ」というのも味気ないですが、
特に気の利いた名前を思いつけるセンスもなく…
なにか良いアイデアがあればぜひ頂きたいです;;

それはそれとして。

アニメ『ちょろぴゅあ』が始動してから、大体3ヶ月ちょっと。
この3ヶ月の歩みをざっくりまとめました。

2024年
1/12 情報解禁、YouTube・初代Xアカウント始動
2/3 第1話投稿・メロンブックスさんでPR開始
2/21 YouTubeチャンネル収益化
2/25 第3話が10万再生突破
3/8 チャンネル登録者7,777人
3/12 チャンネル登録者10,000人
3/18 再生数100万回
3/19 初代Xアカウント凍結(@choropure)
4/15 再生数200万回

この企画、実は2022年夏から動き始めていました。

そこから投稿開始にこぎつけるまでは本当にギリギリで、プロジェクト崩壊寸前の大ピンチが2回ほどありました。そんな中でも色々な人に助けていただいて、奇跡的に世に出すことができた作品です。

今回は、ちょろぴゅあが世に出るまでの紆余曲折、1年半に何があったかお話していきたいと思います。

なぜYouTubeアニメ(漫画動画)なのか

そもそも、アニメビジネスというのは非常にお金がかかります。

数年前はTVアニメ1話あたり1,500~2,000万円とか言われていましたが、
最近では3,000万円、多いと4,000~5,000万円なんて話も?

1話3,000万円とすると、1クール(12話)の制作費が3.6億円。
そこに宣伝費と、TVアニメなら放送枠の費用が乗ってきて…。
必要なお金は、だいたい4~5億円というところでしょうか。

しかも、アニメは正直「出してみないと成功するか分からない」ものです。
なくても死ぬわけじゃないので…エンタメの宿命ですね。

だからこそ、製作委員会という仕組みででリスクを分散します。
複数の会社が1つの作品に出資し、その割合に応じて利益を分け合うのです。
万が一失敗しても、一社あたりの損失を押さえることができます。
もちろん成功時の利益も減ってしまいますが…リスクを重く見るわけですね。

そしてお金を出した会社は、プロジェクトへの発言権も持ちます。
作品の方向性、スタッフ・キャスト選定、宣伝、その他…。
あらゆることが、製作委員会に参加した全会社の合意で決まります。

その良し悪しはネットで色々言われていますが、正直場合によります。

こと「ちょろぴゅあ」については、

尖ったもの、世にないものを作りたい!

という思いがあります。

であれば、複数の関係者が意見を調整しながら制作するよりも、
なるべく単独で制作できる体制の方が望ましい…と判断しました。

しかし、単独で数億円のお金を突っ込むのが難しいのも事実…。

そこで、TVアニメよりは制作費が低く、放送枠のお金もかからず、アルゴリズムが宣伝を手伝ってくれる、YouTubeアニメというジャンルに注目しました。

いかにして差別化するか

YouTubeアニメでも、既に登録者100万超の素晴らしい先達が沢山います。

その中で作品を広めるためには、差別化ポイントの明確化が不可欠です。

そこで、「ちょっとエッチなハイテンションラブコメ」をコンセプトに、可愛い女の子を魅力的に描くことに重点を置きました。


※ちょっとというより、だいぶエッチかもしれません。(YouTubeで初めて年齢制限されたイラストです…)

確かにYouTubeではセンシティブBANなど、この手のチャンネルへの風当たりは強めです。実際に年齢制限された動画もあり、その都度対応を余儀なくされることは事実です。

しかしそれ故に、却って競合も少ないだろうという考えました。

おいそれと手を出しづらいジャンルだからこそ、競合の参入ハードルも必然的に高くなるだろう、という狙いもあります。(参入が簡単なようで難しい、というのはそれだけで競争力に繋がるはずです)

また、YouTubeアニメは漫画的なビジュアルの作品が多いです。そこでも差別化するため、TVアニメ作品をベンチマークとしてキャラデザ・イラストを制作しました。

更に、女の子をはじめキャラクターを可愛く描くためには、魅力的なボイスも必要不可欠です。そこで、今回は人気アニメに多数ご出演されている、素晴らしい声優陣の皆さまにお力添えいただきました。

正直、初めはお受けいただけるわけないだろう、とダメ元でしたが…(笑)
皆さまとても可愛くカッコよく、キャラに魂を吹き込んでいただきました。

▼カウントダウンボイス再生リスト
https://www.youtube.com/watch?v=IkyeLhchSdc&list=PLIg5GB_C7YxApF2UpueYuW2t_nu0NsBN7

キャラクターデザインの色彩設計

そんなこんなで企画の方向性が固まり、2023年1月に制作がスタート。

シナリオやキャラクターデザインの制作に取り掛かりましたが、ここで早速、最初のピンチが訪れます。

キャラデザは、基本は原作に忠実に。一方でYouTubeアニメとして「どうYouTubeで注目してもらうか」も考えながら、konomi先生の完全監修のもと新たに制作していきました。

最初は原作に近い色彩(一番左)で制作を進めていました。しかし、沢山のコンテンツがあるYouTubeで見つけてもらうためには、「一秒で印象に残る」ことが必要です。

とはいえ、一般的な制服でそこまで強烈な印象を残すのは困難…。
そこで、アニメ・ゲームの最新の流行を分析していったところ、

①ビビッドな明るい色彩(パステル調)
②特徴的な色が1つある

の2点が重要だという結論に至りました。

分析にあたり、「Lab色空間」という概念を用いて色彩を数値化しています。

こちらは初期のあきらのキャラデザを解析した結果です。
Lab色空間では、「赤・緑・黄・青」の4色に、それらの明るさを加えた三次元空間に、分析するイラストで用いられている色をプロットしていきます。

初期のロゴ案を解析した結果がこちら。
(元のサブタイは「ちょろすぎTS君とピュアすぎギャルの学園生活」でした)

上述のあきらと比べると、明らかに「色が明るい」ことが分かります。

以上の分析を踏まえて、今回は「印象に残るキャラデザ」の定義を、「"この作品といえばこの色!"という共通認識を持てるキャラデザ」としました。

具体的にどの色をイメージカラーとするかですが、ちょろぴゅあの「ちょっとエッチな」というコンセプトからすれば、やっぱりピンクでしょ!ということでピンクに。

ちなみにピンク色は、動画サムネイルや公式サイトなど、様々な場面でイメージカラーとして意識的に使用しています。(サムネや告知スライドのグラフィックデザインの多くは、ロゴと同じく玉野ハヅキさんに制作いただいてます)


▲サムネもめっかわでございます。

全身ピンクの制服にするわけにもいかないので、

①ネクタイの紅色を明るくして、差し色としてピンク色にする
②スカートはネクタイピンクの補色で、緑色にする
③ついでに、ゆいなの個性を出すためにネクタイからリボンに変更

この方向性で、一度キャラデザをゼロからやり直すことを決断しました。


▲ネクタイの色味を明るくするイメージ

やり直しを決めたのが、2023年3月のこと。
そこから3ヶ月ほどかけて、現在のキャラデザを完成させていきました。

正直、制作スタッフさんには大きなご迷惑をおかけしてしまいましたが…。結果的に、とても印象に残る可愛いキャラデザを作ることができました。


▲ゆいなのキャラデザも、当初からだいぶ変わっていきました。胸あたりのシワ具合はかなり調整しました。ネクタイからリボンに変わったのも大きな変化です。

難航した拓也のキャラデザ

そんなこんなでキャラデザの方向性が決まっていきましたが、朗の親友・拓也のデザインが特に難航しました。初期のキャラデザがこちら。

ここから調整を重ね、原作者のkonomi先生にも何度もチェックいただきながら、アニメならではの拓也デザインを探っていきます。

しかし、朗・ゆいなは比較的スムーズでしたが、男子キャラは本当に難航しました。

「よりカッコよくなるはず」という感覚はあるものの、恥ずかしながらその詳細を言語化できずに着地点が見つからず…。

この時点で2023年3月。あまりにもゴールが見えず、流石に拓也を出さないわけにはいかないので、このままではプロジェクトの中止も視野に…というほど行き詰っていました。

そこで改めて、古今東西の色々なイケメンキャラを、二次元・三次元問わず研究。

拓也に関しては、色彩だけでなく服装・体格・顔の作りなど、全体的に大幅な変更を加えることとなりました。原作でつけているネクタイを外して、胸元を少し見せて男性的なセクシーさを出したり、頭身を更に高くしたり…。

途中経過がこちらです。ただ、なおも理想には近づかず…。

この時点で2023年6月。
当時は2023年夏の配信開始を目指しており、もはやタイムリミット目前…。

そこで、konomi先生にも改めて相談させていただいた結果、拓也はkonomi先生にキャラデザのラフを制作いただけることになりました。

そのラフが上記です。こちらをもとに、最終的にできあがったキャラデザが…

かっこい~~~~~~~~~

ということで、結果的に丸ごと半年かけて拓也キャラデザが完成しました!

プロジェクト崩壊の危機

こうして、2023年6月にギリギリでキャラデザが完成。

並行して制作していたシナリオは完成済。
2023年夏、本格的な映像制作に入り始めたところで…。

制作が完全にストップしました。

色々ありました。本当に色々ありました。

配信予定は夏。目前。ほとんど致命傷でした。

「目の前がまっくらになる」とはこのことか…と。

ちなみに具体的なことは全く書けません(笑)

SHIROBAKOってアニメが昔ありましたが、ああ、ああいうのフィクションじゃないんだ…と実感するハメになりました;;


▲当時の自分ずっとこんな感じ

毎晩のように、露頭に迷う夢でうなされていたのが懐かしいです。

流石に今度こそプロジェクト頓挫を覚悟しました。

そこへ手を差し伸べてくださったのが、現在の制作スタッフの皆さまです。
捨てる神あれば拾う神ありと申しますか…本当に足を向けて寝られません。

そんなこんなで制作体制が完全に一新され、キャラデザやシナリオなど残ったものはあるものの、限りなくゼロから再スタートを切ることになりました。

再スタートが、2023年8月~9月頃。
もともと夏からだった配信予定を、2024年冬に変更しました。

余談ですが配信時期は、同人原作ということもあり、コミケ(夏コミ・冬コミ)の直後を意識して設定しています。

ここまで何度も崩壊しかかるのは、明らかに自分の能力不足を痛感するところですが…。助けていただいた皆さん、根気強く付き合っていただいたkonomi先生には、本当に感謝しきれません。

再出発・シナリオの全話見直し

ここから先は、それまでのことが嘘のようにスムーズに事が運びます。

2024年1月の情報解禁、同2月の配信開始を目指して制作を進めました。

ただ、制作ストップの影響で色々あり、制作費が半分になってしまいました。

はっきり言ってメチャクチャです。
どう考えても、当初の内容のまま制作することは現実的ではありません。

そこで、改めて全話の台本を見直して再構成し、エピソード数を減らすことを決定。

実は元々ちょろぴゅあは、1分程度の短尺アニメを100本ほど制作して、本編が毎日更新される予定でした。

100本というのは適当な数字ではなく、既存のYouTubeアニメのチャンネルを色々と研究した結果です。「3ヶ月間、1日2本ペースで投稿する」というのが当初の戦略でした。

しかし、100本もの映像を半減した予算で制作することは、どう試算しても不可能です。実現のためには、本数を大幅に減らすしかありません。

そこで元のシナリオを再構成し、エピソード数を半分以下にすることに。

更に、当初の戦略をなるべく崩さないよう、本編以外にショート動画を強化して投稿ペースがなるべく上がるようにしました。

▼ショート動画
https://youtu.be/ZkqvQ9kF1Cs

https://youtu.be/huZGorsZXW4

ひーひー言いながらシナリオの再構成を行い、更に何本か新たなシナリオも制作。

予算・スケジュールとにらめっこしながら、どうにか2023年の年末、全体のシリーズ構成を完成させました。こう見ると本当にギリギリの戦いを続けている…。

閑話休題:スタッフの話

制作スタッフと言えば。

以下、公式サイトやYouTube概要欄に記載しているスタッフクレジットです。

💼STAFF(敬称略)
原作:konomi(きのこのみ)
キャラクターデザイン:100studio
キャラクター色彩設計:大塚眞純
アートディレクション:greemie inc.
絵コンテ:海野なまこ(株式会社エッジワークス)、株式会社雄プロダクション
映像編集:株式会社ビジョンワンコミュニケーション、AA MOVIE株式会社、Ami Okuyama
音響監督:森圭輔
音響効果:新居亮佑(株式会社AUDIO TRYSE)
タイトルロゴデザイン:玉野ハヅキ
制作:株式会社HIKE

アニメのクレジットとかをよく見る方であれば、何か違和感があるかもしれません。








…お気づきでしょうか?

よくいる「プロデューサー」「ディレクター(監督)」的な名前がありません。

あとは「宣伝」「営業」「シナリオ制作」など、色々と必要なことはたくさんあるのですが…。今回、このあたりは全てスタッフの自分1人で担当しています。

厳密には、本編シナリオは元々ライターさんに制作いただいたものがあり、それを再構成して完成版にしています。(ただし一部シナリオは自分がゼロから書いています)

本来は、各領域のプロにお任せしたい部分がたくさんあるのですが…。お金的にそんな余裕もなく、どうにかこうにか回しております。

情報解禁!!!!!

話を戻しましょう。

どうにかこうにか制作を続け、ついに訪れた2024年1月12日。

ついに予定どおり、情報解禁することができました!

その後のことは、皆さんにもご覧いただけているとおりです。

▼ティザーPV
https://youtu.be/uG_KplkkFNA

キャスト様からもコメントも頂いております。

▼キャストコメント再生リスト
https://www.youtube.com/watch?v=xDKk_ITzsD8&list=PLIg5GB_C7YxB0m5DB7obJaC1z0lk6_bsT

そして、2月3日に記念すべき第1話を投稿!

そこからは予定どおり、本編を週2本+ショートを不定期で更新中です。

配信日から、メロンブックスさま全店でフライヤー配布・ポスター掲示していただきました


▲秋葉原一号店さんの入り口。現在こちらの店舗様での掲示は終了しています。

スタート後も色々と悩みは尽きず、「どうすればYouTubeのおすすめに乗るのか?」「年齢制限の基準はどこなのか?」など、YouTubeのアルゴリズムと日々格闘する毎日です。

YouTubeでは、各動画の状況をアナリティクスで詳細に確認できます。そのデータを見ながら、動画内容・タイトル・サムネイル等の改善を、日・時間単位で細かく繰り返しています。(PDCAを高速で回す、というやつです)

「3ヶ月間、1日2本ペースで投稿する」という当初の戦略も、データを見て早々に切り替えました。配信曜日・時間帯も、データを見ながら細かな調整を繰り返しています。

※余談ながら、ゴールデンウイーク明けから本編更新を【火・土】に戻す予定です。詳細は後日改めてお知らせします。

ASMR発売

先日4/15、ちょろぴゅあ初のASMR音声作品を発売しました。

『元男子の巨乳JKとドキドキ♡密着看護』
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01175035.html

「ちょろぴゅあ」はYouTubeアニメを自称していますが、その割にYouTube広告の収益のことはほとんど考えていません。


※広告収益がことごとく剥がされている様子

笑ってしまう話ですが、伸びている動画ほど広告が制限されています。

むしろ「広告が制限される方が、動画としては魅力的なのでは」と、逆のベンチマークになっているフシすらあります(笑)

広告収益を気にして動画に手心を加えるより、まず皆さんにキャラを好きになっていただき、そのうえでASMR音声作品やグッズをお手に取っていただければ…という思想です。

特に今回のプロジェクトの行く末は、ASMRの売上に左右される…と言っても過言ではありません!(ダイレクトマーケティング)

今回なんと、DLsite様のご厚意で特設サイトまで作っていただきました!


https://www.dlsite.com/modpub/lp/home/choropure/

今回のあきらASMRは、トータル60分超、全編KU100でバイノーラル収録!
囁きあり、耳かきあり、吐息あり、ぱふぱふあり(!?)

キャストはもちろん三上枝織さんです!

全年齢で許される範囲で、沢山ドキドキしていただけるよう制作しました。
だいぶギリギリを攻めているかもしれません!

DLsiteの販売ページでご試聴いただけます。
YouTubeにも試聴動画があるので、ぜひ聴いてみてください♬

https://youtu.be/GR7R6XFOwMs

スタッフ個人的には、トラック6「保健室のベッドではぁはぁ」がヤバいです。

何とは言いませんがヤバいです。ぜひご自身の耳でお確かめください…!

4/29(月)23:59まで、定価の25%オフ(1,072円)でお買い求めいただけます!
DLsiteクーポンも使うと、1,000円以下で更にお得に。

加えて、購入・レビューいただくと抽選でAmazonギフト券1,000円分が当たります!当選すると実質無料、クーポンを使えばちょっとお釣りがくるかも!?

期間限定で、購入特典として高解像度の壁紙イラスト・台本PDFもついてきます!

ナースコスの谷間から除くブラがとってもセクシー💖

ぜひこの機会をお見逃しなく~~~!!!!

おわりに

ということで、最後は華麗にASMRの宣伝になってしまいましたが…。

作品内容はだいぶ肌色ピンクですが、どうすれば皆さんに喜んでいただけるか真剣に議論しながら、大真面目に制作しています。

あまりこうお気持ちを表明するというか、感情に訴えかけるようとするのも微妙だと思うのですが、そんな過程も含めて「ちょろぴゅあ」をお楽しみいただければ幸いです。

こんな長文を最後まで読んでいただいた方へ、お礼の動画を公開します。以前YouTubeに投稿した動画の「湯気なし版」です。

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索