ほそかわ/デフロスト 2024/01/02 19:33

横浜89スクランブル_企画紹介【全体公開】

横浜89スクランブル(よこはま はちきゅうー)

  • 企画意図

前作『古代戦殻ジェノサイダー』は自分の大学生時代の知見に基づいてキャラクターデザイン等を行った作品であったため、公開後に一部から「キャラが80年代っぽくない」「90年代っぽい」といった意見を散見しており、また自分自身も10年近い製作期間の中で80年代のアニメ・カルチャーに対する知見が広がる程キャラクター等がそれっぽくないという点が気になるようになっておりました。
また、10年近い製作期間中にこの手のレトロ風アニメ・80年代風映像が良くも悪くも流行ってしまい『ジェノサイダー』の鮮度が落ちてしまった点も悔しい点であると同時に、巷に溢れる安直なレトロ風作品全体に対する憤りも感じるようになりました。(もちろん1部には自分以上の時代再現を実現する高クオリティな作品もあり、それは素直に素晴らしく感じると同時に率直悔しいと感じてます)
また、自分の進路に関しても考えるところがあり、もし仮に映像作家の道を目指すのであればレトロ風アニメ・レトロ風映像の制作力をしっかりと身に着けておきたいと思い、30年で蓄積した80年代カルチャーの見識を活かしたアニメの制作に再挑戦したいと考えました。
それが2021年の1月でした。
その後、やりたいことの方向性や転職等々で制作活動が後手後手に回ってしまい、この支援ブログも公開まで半年程の時間を費やしてしまいました。
今後のことを考えると、自分のアニメの自主制作はこれが最後になると思います。やっぱりアニメーション制作の手間は中々しんどい物もあります。
そうは言いつつも数年後「また作ることにしました!」…なんて続いたら良いんですけどね…


  • 企画概要

今作『横浜89スクランブル』を作る上で、まず自分が80年代の作品に求めてる魅力が何か、改めて考えることにしました。

まず80年代後半はパワードスーツものがにわかに流行しておりました。
スペースオペラブームからSFブームに続き、リアルロボットブームやメタルヒーローの登場と連動するように等身大のパワードスーツが流行り、非SFでも聖闘士星矢のような装着ものが流行した時代でもあります。実は自分はロボット物よりもこの手の等身大装着変身ものが好きなので、この手の作品を探求しようとすると自然とこの時代に行きつくことになりました。そうして次回作も何某かパワードスーツものにしようと考えた時に、ふと目に付いたのがくりいむレモンシリーズの1作である『なりすスクランブル』というコメディでした。この作品を土台にして作品を組み上げようと考えまして『横浜89スクランブル』というタイトルは後述の理由と『なりすスクランブル』へのオマージュであることを示すべく名付けました。


次に80年代というと、地方博ブームが挙げられます。
90年代後半から00年代にかけてはエコロジーブームが巻き起こりましたが、小学生時代の自分にとってはいささか退屈なものでもありました。そんな中でTVで知ったつくば万博は純粋に科学技術をアピールする祭典であった様子で大きな興味を惹かれました。社会人になってからつくば万博について資料を収集し探求していると、当時の展示や催事は後追いの立場だと余計に魅力的に移りました。
80年代は1981年のポートピア'81を筆頭に地方博ブームが巻き起こった時代でもありました。つくば万博をはじめ80年代の地方博について調べていくと、自分の地元である横浜でも1989年に地方博が開催されていたことを知りました。それがYES'89(YOKOHAMA EXOTIC SHOWCACE'89)横浜博覧会です。地元・横浜で開催された地方博という点に加え、1989年という開催年にも惹かれました。1989年は元号が昭和から平成に変わった絶妙なタイミングで、80年代である一方で昭和ではない時代です。元来の平成レトロという言葉はこの1989年頃を指すべく考案された1面もありました。
(現在の平成レトロは概ね「90年代」と言ってしまえば済むものが大半になってしまい、仕方がないとはいえ少々残念です)
この横浜博はつくば万博に比べると鑑みられることも少ないですし、これは多少こじつけでもこの時代と舞台を利用したいなと思い立ちました。『横浜89スクランブル』というタイトルも、英語表記の際(YOKOHAMA Eighty-nine Scramble)の単語の頭文字が横浜博同様YESになるように付けました。
そうして企画しているさなかに2025年大阪万博の開催が発表されました。今作の公開を2025年に間に合わすことができれば、わずかに時流に乗ることもできます。これはこの企画にとって追い風となる出来事でした。

最後に80年代といえば、DAICON FILMのようなパロディ・ブームがあります。
当時は公認・非公認問わず、あらゆる業界でパロデイが流行りました。雑誌上で大きな嘘企画記事を作ったり、80年代の自主制作アニメではあらゆる作品のキャラクター達が入り混じる作品も多く作られ、テレビアニメでモブや通行人に他作品のキャラをこっそり描くというのもざらでした。ある意味現在のMADに近い物も少なからずあったと思われます。
現在ではMADムービーが一定の地位を確立したのもあり、自主制作アニメはかつてのようなオタクのお祭り騒ぎのような空気感が影を潜め、良く悪くも高尚なものになりつつあります。そこで「どうせならい自主制作アニメでしか制作に至れないものを作ろう」と思案して、当時活躍したクリエイター諸氏をネタにした作品を作れないかと思い至りました。
次項以降のキャラクター紹介やプロット(脚本)の記事をみればハッキリわかりますが、登場人物のデザインや名前は各有名クリエイター諸氏の絵柄と名前をもじったものになってます。実際に制作し公開したら炎上するかもしれません。もし燃えるようなことがあっても、作品を公開し世に放ってから燃えて欲しいと思います。これからの制作記が有料なのはこの作品が世に出るまでこの作品を極力公にしないという意味合いが大きいです。
今作は自分自身も「見る分には面白いだろうけど、果たして本当に作って良い物なのか」という感情が現在も少なからずあります。

有料記事等を見て「これはよくないんじゃないかな?」と感じた方は退会していただいて、何も見なかったことにしていただきたいと存じます。



長々とお読みいただき、ありがとうございました。

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