水無川旅館 Sep/21/2023 01:28

完成させる習慣

 こんにちは。今日は、ゲームに限らず作品を完成させる上で超重要な「完成させる習慣」について書いてみます。

思考は行動に、行動は習慣になる

 思考は行動になる。行動は習慣になる。習慣は性格に、そして運命になる。かの有名なマザー・テレサの言葉です。

 私は以前、ゲームを完成させるのに必要なものは技術なのだと思っていました。プログラムやイラスト、音楽といったものです。ですから、技術を磨けばゲームがいつか完成する……そう思っていました。

 結論から言うと、これは大きな間違いでした。

技術があっても、習慣がなければ作品は完成しない

 作品制作には、多くの場合長い時間が必要です。ゲームだけではありません。漫画や長編小説を書くのにも、早くても数ヶ月は必要でしょう。

 そして、その間欠かさず作業しなければ、残念ながらどんなに絵がうまかろうと漫画は描けませんし、どんなに文才があっても小説は完成しません。

 完成するまで毎日欠かさず作業する習慣をつける。要するに、これが超重要なのですが、なかなか稀有な能力です。

 この習慣というのは、「作品制作特有のもの」ではないんですよ。普段の生活。毎日お風呂に入る習慣とか、そういうレベルの習慣です。

 小学生の時、夏休みの宿題とかはどうやっていました? ……もし、夏休み最終日にまとめて片付けていたとしたら、おそらく黄色信号です。幼少期からの生活習慣がしみついて、まさに性格や運命になってしまっているのだと思います。

 性格というとまるで本人の問題に聞こえますが、類は友を呼ぶと言って、周りにも似た性格の人が大勢いることも珍しくありません。そうなると、雰囲気に流されてしまってますます習慣を変えることは困難になります。まさに運命です。

 このように完成させる習慣を大人になってからつけるというのは本当に難しいことなのですが、実際にやってみるまでは、多くの場合「やればできる」と思いがちです。

 絵が描けるのに漫画が描けないとしたら、おそらくはこの習慣がないからです。プログラムが書けるのにゲームが完成しないとしたら、やはりこの習慣がないからでしょう。

習慣はしばしば狂気に見える

 毎日毎日作業する様は、しばしば狂気にたとえられます。

 ただ、個人的には、やっている本人は狂気だと思っていないと思います。むしろ呼吸のように「やって当然」のレベルまで習慣化しているので、もはや日常になっていることもあると思います。

 さらに類友理論で、本人だけでなく、周囲でもやって当然みたいな雰囲気になっていることが少なくありません。そうなると、ますます習慣化します。まさに運命です。

 狂気というのは、外野からの評価です。本人も使うかもしれませんが、ネタ半分だと思います。特にSNSでは、まったく異なる習慣で生活している人も簡単に観測できるので、どこか「狂っている」感じがするのでしょう。

締切駆動は対症療法

 習慣がない人が唯一手を動かす方法。それは締切を設定することです。

 夏休みの宿題と同じです。タイムリミットがあれば、どんなに習慣のないひとでも8/31には徹夜で手を動かします。

 ……ただ、この話は何度もしているのですが、これは対症療法に過ぎないので個人的にはおすすめしていません。それより、締切があろうとなかろうと、きちんと完成させる習慣をつけましょう。

 たしかに、締切駆動は一定の効果はあるのですが……やはり、根本原因は完成させる習慣がないことです。根本原因に対処したほうが絶対にいいと思います。

習慣をつけるには

 さて。先に「習慣は作品制作特有のものではない」と書きました。幼少期から染みついた性格なら、今更変えられないのでは……? と思うかもしれません。

 これに関しては、正直なところ至難の業だと思います。本当に何作品も何十作品も、何年にも渡って出し続けるしかないと思います。

 冒頭にマザー・テレサの言葉を引用しましたが、小さなことから、思考や行動から変えていくしかないです。それを何年も何年も続けることで、習慣が変わり、性格が変わり、運命が変わるのだともいます。

 特に「自分はだめだ」とか思い込んだり、「進捗だめです」といった芸風になっていくのは本当によくない。まさにそれが行動に、習慣に、性格に、そして運命になりますから。思考だけでも自信を持ち、前に進みましょう。

完成させる習慣のある友人から刺激を受けること

 類友理論で、これはなかなか難しいですが……作品を完成させる習慣のある友人から刺激を受けるのも重要だと思います。

 ただ、これができるパターンはかなり限られていると思います。そういう友人をつくるのって、想像する以上に難しいですから。「雲の上の人」を見てもそうそう刺激にはなりません。「自分も頑張らなくちゃな……」と思えるくらいのレベル感の友人をつくるのはかなり難しいです。

 もし、なにかのきっかけでそういう友人ができたとしたら、本当に幸運なことです。そのご縁を大切にして、やっていきましょう。

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