ウスバー 2024/02/07 22:15

巨大モンスター!!

完成度vs独自性

ゲームの画像素材に何を重視するか、というのは人それぞれです。
その中で、特に重要な軸となるのが絵の「完成度」と「独自性」だと思います。



絵の出来はもちろん大事になるんですが、でもどこかで見たキャラデザや絵柄だと遊んだ人の意識には残らない。

具体的な話をすると、SRPG Studioのデフォルト素材はクオリティ寄りの選択肢です。
公式が出したものなので一定の絵の出来は保証されていますが、SRPG Studio作品のほとんどで使われているため「また君かぁ」ってなります。


じゃあオリジナリティ寄りの絵はと言われると、NAROUファンタジーをやった人はグリくんを思い浮かべてもらうといいと思います。

……はい、ci-enのアイコンとして用いられているあの謎の鳥です。
これは完全に子供の落書きですが、たぶんほかとかぶることは一切ないですし、言われると高確率で「あっ、あれかぁ」となります。




クオリティと、オリジナリティ、どっちを選ぶ?



もちろんそこを両立して、クオリティ100点、かつオリジナリティ100点の絵が用意出来ればいいんですけど、素人製作じゃそううまくはいきません。
なので、特にフリーや同人のゲーム製作において、「クオリティ重視」派か「オリジナリティ重視」派に大きく分かれると思うんです!


フリゲ界隈における正解は「オリジナリティ重視」派だと思っていて、クオリティ高くても記憶に残らない絵柄よりは、多少完成度に劣っていてもほかで見ない味のある素材の方が最終的には遊んでくれた人に強い印象を与えるし、手に取ってもらいやすいと思っています。


ただ、実を言うと自分はクオリティ低い素材絶対許せないマンなので、うちはもうゴリッゴリのクオリティ派なんですよね!!




実際の素材選び

とは言っても「限られたリソースをどっちに多く振るか」というだけの話なので、別にオリジナリティを大事にしてない訳じゃないですし、常に最大クオリティの素材しか使わないって意味じゃないです。

「クオリティもオリジナリティもよい方がいいけど、どっちか選ぶならクオリティの方だよね」ということで、要するに「クオリティ70 オリジナリティ30」の素材と「クオリティ30 オリジナリティ70」の素材があったらどっちを好むか、という話ですね。

さらに細かく言うと、「クオリティが一定以上の素材しかゲームに使いたくない」っていうワガママな性質を持っているだけで、必ずしもクオリティを優先する訳じゃない(例えば「クオリティ100、オリジナリティ30」の素材よりも、「クオリティ60、オリジナリティ60」の素材を好んだりもする)のであくまで「クオリティ重視の傾向がある」とだけ理解しててください。



そして、実際の素材で考えると、この傾向の時点で「完全自作素材を使う」という線はほぼなくなります。

まあグリくん使ってますが、前も言った通りああいうのは「クオリティ0 オリジナリティ100」の素材で、こちらの好みからは外れます。
(もちろん絵がうまくなれば自作が最適ですが、ちょっと現実的ではないので……)


じゃあ公式素材だけでやるか、というと、それも問題があります。
流石に誰もが使いすぎててクオリティ派の自分でもオリジナリティの問題が気になりますし、公式素材が全て最高クオリティという訳でもない。

となると、「多少ほかとかぶったりしてもいいから、完成度の高い素材を使いたい」というのが望む素材の現実的なラインになる訳です!




AI生成画像

その解答の一つが、「AI生成」です。

同じモデルを使用すると似たような絵柄になるので、「完全に独自性がある」とは言い難いですが、シード値によるランダム性があるため、「ほかと全く同じ絵」が出現する可能性はほぼありません。
クオリティも分野によってまちまちですが、こと「キャラクター絵」や「背景」についていえば、総合的に「クオリティ80 オリジナリティ50」くらいの素材が出来るのではないかなと思っています。





最近AIで作ったゲームにも使えそうな画像
この程度の画像なら、ちょっと工夫するだけで簡単に生成出来る




ただ、もちろん問題もあります。
AI生成絵に関する著作権や倫理的な問題がかなり不透明ということ。
AI生成絵に対する拒否反応、嫌悪感を示す層が一定数いる、ということです。

この問題は、時代が進むごとに整理されて解決の方向に向かうと思いますが、現状気がねなく使用するという訳にもいきません。

そして何より、キャラ絵には強いAI生成ですが、「モーション画像」や「キャラチップ画像」の生成は難しいという根本的な問題があります。


もう少し妥協してもいいから、リスクなく使える素材が欲しい!
顔絵よりもキャラチップやモーションで使える素材が欲しい!

そんなわがままなニーズに合致するものを探す必要があるのです!


RPG用素材の流用

そこで目をつけたのは、「RPGツクール用の素材」です!!

SRPG Studioよりも市場規模が大きいために素材が豊富で、かつSRPG Studioでは使われていないものがたくさんあります!


SRPG Studioではあまり使われていないけれど、工夫すればSRPG Studioでも使えそうなRPG用の素材はないか。
そうしてネットの海をさまよい続けた結果見つけたのが、これ!

Aekashics Librarium

です!




前置きが長くなりました!
今回の本題はこのAekashics Librariumで、これが何かというと、Ækashicsという人が作った一連のモンスター素材群です。

海外の方なので日本での知名度はいまいちですが、継続的にずっと高クオリティのモンスター素材を作っている方で、特にツクール海外pluginで有名なYanflyさんと連携して、「アニメーションするモンスター素材」にも取り組んでいます!


……そう、アニメーションする素材、なんです!
SRPG Studioの画像が用意しにくい一番の問題は、モーション画像が用意しにくいこと。

まず、これを見てください!





公式のモーション画像の一例



モンスター画像を実際にSRPG Studioで使うなら、こんなモーション画像が必要です。
ただ、通常のRPGのモンスター画像は「一枚」かつ「フロントビュー」です。

アニメーションを想定」した「サイドビュー」の画像、となると、RPG用素材の流用は、途端にハードルが上がってしまうのです!


もうお分かりですね?
Aekashics LibrariumはRPG用素材でありながら、アニメーション対応!
つまり、SRPG Studioのモーション素材に流用するのに、最適な素材なんです!


Aekashics Librariumの侍モンスターのアニメーションの一部
SRPG Studioのモーションと親和性が高い



絵柄の質感がデフォルト素材とは違い、画像のサイズがそもそもかなり大きいため、通常のキャラと併用するのはちょっと無理がありますが、大型のボスモンスターとして使えばある程度その問題は解決出来ます!



百聞は一見に如かず!
最近作った侍ボスとの戦闘画面を見てもらいましょう。

※画像は開発中のものです



どうでしょうか?
もちろんデフォのSRPG Studio規格のキャラと戦わせても全く違和感がない……とはいきませんが、戦闘画面が豪華になるのは間違いないと思います!



どうしようもない弱点

ただ、この素材、実は弱点もあるんですよね!


Aekashics Librariumのモンスターはすごい素材ですし、その完成度も年を追うごとに上がってきています。

ただ、戦闘モーションが素晴らしい一方、マップ上のキャラ、いわゆるキャラチップのクオリティが若干そこに追いついていないんです!





キャラチップサンプル 十分ハイクオリティだが、クオリティ重視派としてはモーションの神懸かった出来には及んでいないようにも感じてしまう

ついでに顔画像まで用意してくれている
こちらはかなり高品質で至れり尽くせりといったところ



また、クオリティ云々という前に、やはりRPGツクール用の素材なので、若干SRPG Studioの規格とは合っていないという問題もあります。

それを解決するため、上の侍動画のようにそれっぽい公式キャラチップを改造したり、似た素材を流用したり、というのもありますが、個人的に可能性を感じているのが「マップ上でもモーション画像を用いる」という手法!

これはかなり掟破りではあるんですが、素材の質を低下せずに使えますし、マップ上でそのモンスターの巨大さを実感出来る、という視覚効果がでかいかなと思っています。


というのも、こういう巨大なモンスターというのは、人同士の戦争を描く硬派なSRPGには実装不可能!

一方で、ブレブレやNAROUのような、魔王や勇者が出てくる現代ラノベ的な世界観にはピッタリなので、これをほかのSRPG Studio製のゲームにはない売りにしていきたいな、と思っているからです!



デカァァァァァいッ説明不要!!

今後について

Aekashics Librariumの敵はこれ以前にもすでに何個か実装済み。
さらには将来的に実装を予定している敵もいます。




今後の実装を検討しているAekashics Librariumの精鋭たち


ということで、今回はずっと書きたいと思っていたモンスター素材の話でした!

このAekashics Librariumという素材、めちゃくちゃ高品質なのにあまり話題になっていない気がしたので、ちょっと布教したかったんですよね!

……いえ、実際のとこ布教して人気出ちゃうと、こっちの作品のオリジナリティポイントが下がっちゃうので困っちゃったりするのですが、でもほんとすごい素材なので。


まあ何はともあれ、そんな感じで製作は進めています。
最終的な完成にはまだまだ時間がかかりそうですが、楽しみに待っていただけると嬉しいです!!

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