異世界のヘリオン製作記① 企画と声優キャスティング編

異世界のヘリオン製作記① 企画・キャスティング編

Locatone creator contest 2022コンテストが終了しました。
参加作品『異世界のヘリオン』は特別賞オーディエンス賞を頂きました。

(※流行病の体調不良にてご報告が遅れました。そして流行病で記憶が曖昧で過去に書いた内容と重複部分も多いかと思いますがご了承ください。また流行病の後遺症で一ヶ月ほど諸々遅れていて申し訳ありません)

↓表彰式(自分は流行病で出席できず)
https://robotstart.info/2022/11/12/locatone-creator-contest-2022.html


ファイナリスト発表から完成まで二ヶ月間(翌日稼働開始)というタイトすぎるスケジュールの中で、実質の開発期間一ヶ月でやりたいことをやれるだけ詰め込みはできました。
作り込みの部分は全てにおいてもっとやらなくちゃと思うのですが、それでも頑張って作り上げたと思えるものになりました。

いろいろな順序は変わってしまい、この異世界のヘリオンが自分が直接作る永遠神剣シリーズの最新ゲームとなりました。15年ぶりです。まさかヘリオン主人公のものが先に出るとは……。

このゲームはソニー株式会社の位置情報を利用したサウンドARアプリ Locatone 上で稼働するコンテンツです。

前にもお話し致しましたが、ソニーミュージック(当時はソニー企業株式会社運営)が展開する聖地巡礼アプリ『舞台めぐり』にて、位置情報オリジナルコンテンツ『Wake Up' Girls! Another Real』『うぇいくあっぷがーるZOO!あなざーりある』『ガールズ&パンツァーうぉーく!』のゲームデザインなどをさせていただきました。
位置情報ゲームでやってみたいことや、自分のコンテンツで作ってみたいという想いもありLocatone Creator Contest 2022に応募しました。

↓Wake Up' Girls! Another Real(サービス終了)
https://www.butaimeguri.com/event/miyagi/wug-ar/

https://youtu.be/eycSDzdNZsI

↓ガールズ&パンツァーうぉーく!(サービス終了)
https://event.butaimeguri.com/girls-und-panzer-walk/

タイトルである『異世界のヘリオン』は、少し前から「現代日本を舞台にした永遠神剣作品を作ろう」という考えがあり、また「ナンバリングタイトル続編である『悠久のユーフォリア』とは異なる、前提設定をあまり知る必要がない新規のファンが入りやすい実験的な作品」作りをしたいと企画していました。

位置情報サウンドARアドベンチャー、アプリケーション上での実装、コンテスト出品と新しいことだらけのLocatone Creator Contestにはピッタリじゃないか!と、異世界のヘリオンでの開発を決めたのです。

ファンタズマゴリアに残されたヘリオンたちの次の冒険として、同人誌でも描いた王獣戦争に向かった物語(スピたんとの連結)とは別の、ある意味パラレル的とも言える世界観がこの「異世界のヘリオン」となります。
分岐点(というのが正確とはいえない)があってのヘリオンであるため、羽黒ヘリオンは剣聖ヘリオンとは別のヘリオンとなります。別という言葉が定義的に正しいかはこの時点ではあんまり話せないですが、大体そんな感じです。なので「一応、別人」と解釈を現状ではしておいてもらえたら嬉しいです。


今作は刑事ドラマ的な雰囲気の現代世界を舞台に、これからヘリオンたちの活躍を描く物語となっています。理由としては自分が刑事ドラマ系が好きだからなのと、位置情報作品を作っている時から現代日本をメインの舞台にした作品も作りたいと思っていたからです。
「ディファレント」と呼ばれる異界から現れた存在たちから、ディファレントでありながら人々を守る役割を果たすヘリオンのひとつの事件がLocatone版では描かれています。Locatone版はどうしても渋谷の現地に来ないと遊べないため今後、PCゲーム版などで遊べるようにしたいなと考えております。

さてコンセプト的な部分はここまでにして開発面の話でも……。
この『異世界のヘリオン』はLocatone Stadio(一般公開前)というLocatone専用開発環境で制作されています。

これがなかなか優れもので、現実のMAP上にイベントをマッピングできる仕組みで、これゲームマップのイベントマッピングでも使えたらいいなと思いました。
元々がゲーム開発に特化したシステムではないため、複雑なフラグ管理などはできません。今回の異世界のヘリオンくらいのゲーム内容は実装できる優れものでありました。
他のストーリーも現実世界にマッピングできたら面白いなと思いつつも、どうしても東京近辺の方しか遊べない問題は聖地巡礼系(というのが正しいかは微妙です)の最大な難点ですね。同時に魅力の部分でもあるのですが。

今回の作品コンセプトは「プレイしてくれる人数の多さを目標値にする」というのを企画当初から立てていました。
聖地巡礼系の最大の難しさは「人を現地に運ぶこと」です。前に商売では二階と一階では同じ店舗だとしても集客が段違いになると聞きました。階段を上がるという行為だけで高いモチベーションが必要とされることから、特定の地域に時間をかけて移動することの難易度は容易に想像ができました。

地域によって集客は異なるため渋谷は微妙にゲームファン・アニメファンが訪れるスポットが少ない……。そこでどうしようと考えました。
以前製作に参加させていただいた、舞台めぐりさんのWake Up' Girls! Another Realでは宮城県全域スポット踏破がクリア条件でした。かなりの難易度でしたがクリアー人数がとても多くびっくりした経験があります。ワグナーさん強い!と頼もしさを感じました。

また最近営業関係の方に「まったく別ジャンルの方とコラボすることは、まったく新しい人たちに作品を知ってもらう機会がある。ひとりでも普段なら絶対に届かない人に届くならばとても価値がある」と聞きました。

それならば、渋谷によく行き、新しいものに抵抗がなく、位置情報ゲームのようなアクティブなゲーム性に興味を持ってもらえそうなオタク層は……と経験値的に繋がったのがアイドルファン層です。
最近はセカンドキャリアで声優さんになるアイドルさんも増えてきています。
ならばアイドルキャラを実際のアイドルに演じて貰えば完全新規層に遊んでもらえるのでは?

ユーフォリアでは若手声優さんたちを起用してきた経験を活かして、適切な人選をすれば声優の技術的に未熟でも、才能とこちらの台本、キャラ設計次第とキャスティング次第では作品に取り込めるはずと考えました。
とにかく新しいチャレンジでドキドキしたい自分は「やってみたらいけるかも?」と思うと行動に移してしまいます。


我らが主役・羽黒ヘリオンのキャストです。

今後「異世界のヘリオン」もシリーズ化が可能ならやっていきたいと考え始めていて、ユーフォリアのキャスティングと同じく「人気は関係なく、真面目に作品に取り組んでくれて才能ある方」を探すことになります。ただコンテストの期間が極めて短いため本当に緊急キャスティングでした。
思い描いている羽黒ヘリオンのキャラクター性と、お芝居の雰囲気が合う声優さんでボイスサンプルなどを聴いて「この方が羽黒ヘリオンと合う」と感じたのが前田佳織里さんでした。
色んなご縁もあり前田佳織里さんに出演していただけることも確定しました。
実はこの時点で大人気の方と知らず、そのことを収録二日前に知るのですが……。

https://twitter.com/ES03_Euphoria/status/1584135878800089090?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw

https://twitter.com/kaor1n_n/status/1584155187307982849?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw


今作のヒロイン・上杉ヨスガのキャスト。

別件でユーフォリア楽曲とエノン楽曲でお世話になっている音楽製作会社のプロデューサーに相談させて頂き、声優経験ゼロでも声質が個性があってかなり良いこと、配信番組で見たナレーションがとても良かったことから#ババババンビの岸みゆさんに、新人アイドルの上杉ヨスガ役で出演をお願いしました。

https://twitter.com/ES03_Euphoria/status/1584136515797458944?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw

https://twitter.com/miyu_kishi0213/status/1584832255494885377?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw


オペレーター・根津辰彦のキャスト。

『異世界のヘリオン』は特に永遠神剣の若返りも裏テーマにしているため、オペレーター的な役回りの男性キャラ根津も20代前半の若手男性波多野翔さんにお願いしました。
声が若いけれど主人公やヘリオンに先輩風吹かす感じがピッタリと考えました。

https://twitter.com/ES03_Euphoria/status/1584136887865729024?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw

https://twitter.com/hatakake_0506/status/1584132190991896576?s=20&t=K_Tamz2k24poWAC8GMEcmw

音響チームも20代でスタッフを固めて、もうおっさんは自分だけという盤石の体制になりました。

なんとか台本を完成させいよいよ収録になります。

収録編と編集編につづく

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索