折尾楽太郎 2022/04/30 17:00

(0007)RPGツクールMVツール「SAKAN - タイルセットビルダー -」について

概要

RPGツクールの公式ツール「SAKAN - タイルセットビルダー -」(以下SAKAN)が気に入ったのですが、ネット上での情報がかなり少なく、若干癖のある操作感だったので、使い方を書き書きしておこうかと思います。

前置き

RPGツクールMZでゲーム制作をしていますが、タイルセットがA~Eまでしか設定できないのって不便に思ったことありませんか?私の場合、基本的にファンタジー世界観なのですが、ATMと自販機が存在する感じなので、ファンタジー関連のタイルセットとSF内装のタイルセットを併用しなければならず、そこに採集用の草やら石やらのタイルセットも配置したいとなると、A~Eの5つでは足りなくなってくるんです。

ただ、SF内装のタイルセットで必要なのはATMの2マスと自販機の2マスの計4マスだけ…。であれば必要な分だけ集めて一枚のタイルセットにすればいいんじゃない?というお話になります。

Photoshopを持っているのでそれをやってみたんですが、如何せん仕事で使っているわけではなく、使いこなせていないこともあり、凄く時間がかかった上にうまくできませんでした。

具体的には…

  • タイルをちゃんと並べたつもりなのにどこかでずれてしまう
  • 背景が透明のタイルの場合、画像を真ん中に配置しようとしても寄ってしまう

という感じでした。恐らくちゃんと調べたら解決するツールとかあるんだろうなと思いますが…。

で、SAKANを導入してみたんですが、正直?????でした。説明書読まない人間なので、取り敢えず触ってみたところよく解らず…。

ネットで検索してみても使ってる人が少ないのか、情報がほとんど落ちてない…。

というわけで、慣れれば結構いいツールだと思ったので、勝手におすすめするとともに、ざっくり自分が困ったところと使い方を書き残そうと思います。

あ、因みにTwitter等でもときどきおすすめしていて回し者感が出てますが、SAKANの売り上げが伸びても私には1円も入らないので悪しからず。

※公式さんの許諾等も取らずに勝手に書いているので問題があれば教えてください。必要に応じて修正/削除いたします。

SAKANのマイナスポイント

回し者感を希釈するために先にネガティブなポイントを挙げておきます。


・ツクールMV本体が必要
SAKANは「RPGツクールMVツール」なのでMV本体が必要です。私のようにMZから入った方には「え?」と思われるポイントだと思います。MVのプロジェクトを読み込み、MVのプロジェクトで書き出す方式なのでMZで代用…ということもできません。MVとMZは画像系素材の規格が共通なので、素材集という意味合いでMV本体を購入することも個人的には良いと思いますが、皆さんの予算感次第というところですね。


・操作感に癖がある
SAKANはタイルセットだけでなくタイルも自作できます。素材となる画像がスタンプのように使え、それを組み合わせたり、ペンで線を書き加えたり、色調を変えたりできます。が、例えばスタンプで画像を置き、ペンツールに切り替えると画像が消えます。作成した画像を保存しようとしてフロッピーのアイコンをクリックし、保存先のフォルダーを指定すると「エクスポートが失敗しました。」と出ます。タイルセットにタイルを配置し、その隣に次のタイルを置こうとすると前のタイルが消えます。

どゆこと?????(後ほど解説します)


・何の画像か解らないのがちょこちょこある
これはRPGツクール全般に言えることですが、タイルパレットの画像が小さいので、正直何の画像か解らないのが結構あります。作成している画像の方は拡大できますが、元になる画像はできないので、別途Windows標準搭載の画像表示アプリ等で開いて拡大して確認する必要があります。(マウスポインターを当てても名前は表示されませんw)


・重ねる順番の概念が無さそう
これを書くのはちょっと酷かもしれませんが、レイヤーや重ねる順番の概念が(私の知る限り)ありません。なので、何か図形を描いた後に、その下に画像や図形を重ね合わせようと思っても(たぶん)できません。重ねるときは下から順番に描くしかない(と思われる)のが難儀ですね。

SAKANの良いところ

じゃあ何が良いのさ?ということで良いところを。


・タイルを並べるのが楽
タイルのサイズが48px×48pxが基本単位(だったかな?)ですが、それで固定されているので、画像編集ソフトで調整するときにマウスのドラッグで細かい微調整をしたり、ミスって隣のタイルの画像が微妙に見切れたり…といったことは起こりません。


・タイルの素材集として
公式さん曰く、組み合わせて使えるパーツデータが1000種類以上同梱されているということで、ドット絵描けない勢の私としてはありがたかったです。勿論組み合わせたり、更に描き加えたりできるツールなんですが、そのパーツそのものをタイルとして書き出しても充分使えるものが多いです。


・安い
これをおすすめポイントに書いていいのか悩ましいですが、当記事執筆時点で定価1518円、GWセールで455円で販売されています。前述のパーツデータが入っていてこの価格はお買い得じゃないかと思います。MV本体持っていない方はセール期間外だとMV本体が…ですが、セール期間内であれば検討の余地ありかと…。これまた前述の通り素材集としても有用ですからね。

SAKANの使い方

①MVプロジェクトを開く

起動するとこんな画面が開きます。

まずはMVのプロジェクトを読み込みます。画面左上の「ファイル」から「MVプロジェクトを開く...」をクリックしMVのプロジェクトを開きます。



②タイルを描く

左にあるタイルパレットみたいな部分がパーツです。使いたいパーツをクリックすると中央の枠(以下キャンバス)に表示されます。

この状態で画像をドラッグアンドドロップすることで画像の位置を調整できます。
↓こんな感じ

で、この位置を調整した状態で隣に別の画像を置いてやろうとパレットをクリックすると…

Oh, my goodness! せっかく調整した画像が消えてしまいました。

実はパーツの配置を定めた後、確定操作をしなければならなかったんですね。(私はこれに気付くのに結構時間がかかりました)

やり方は簡単。位置を定めた後Enterを押すかクリックでOKです。

確定してもキャンバス上は特に見た目が変化しませんが、パーツ画像を動かしてみると、キャンバスに画像が反映されていることが解ります。(なのでパーツ画像のことをスタンプみたいなものだと思ってます)

この状態であれば別のパーツを選択したりペンツールに切り替えても大丈夫なので、これを繰り返してお好みのタイルを作成しましょう。

尚、パレット上部の「インポート...」ボタンをクリックすることで画像ファイルを読み込んだり、「MV」タブをクリックすることで読み込んでいるMVプロジェクトに含まれるタイルセットをパレットに呼び出すことができるので、MVやMZのタイルセット、その他無料、有料素材もスタンプとして使用することができます(素材については必ず規約を確認し、許可されている範囲で使用してください)。

↓Photoshopで色調を変えたMZのタイルセット画像をインポートした図

因みに色調変更はタイルセット単位で行うならPhotoshop等の画像編集ソフトで一気にやった方が早いですが、タイルチップ単体ならSAKANの右下の色合いと明るさボタンから調整することも可能です。



③タイルを書き出す

さて、タイルができました。ではこれを保存しましょう。ちょうど右下にそれっぽいフロッピーアイコンがあるのでクリックしてみると、「エクスポートフォルダーの選択」というウインドウが表示され、書き出し先を指定できるようです。

解りやすく「sakan」というフォルダーを作ってそこを指定してみました。

……は?( ゚Д゚)

何度やっても同じ結果。画面上部の「ファイル」→「ユーザーパレットをエクスポート...」からやっても同じ結果。保存先が悪いのかと別の場所を指定しても同じ結果。

保存できんやん。どゆこと?しかも何がダメなのか、何ならツール側のバグなのか操作ミスor使い方が間違ってるのかも、どうしたらいいのかも全く解らない。

私はここで挫折して数ヶ月放置しました。おかげでツールを購入してから活用できるようになるまでに結構な時間(期間)が…。

実はこの問題の解決策はこの記事執筆中に発見しましたw
じゃあこれまでどうしてたのか?についても後述します。

画面左上の「ユーザー」タブをクリックして「追加」ボタンをクリックすると、パレットに作った画像が登録されます。

これを行った後に上記の保存手順を実行すると…

できたし。マジか。


ではこれまでどうやってたかも説明しておくと、画面右上に「書き出す」というタブがあるのでそれをクリックします。

するとこんな画面に切り替わります。

キャンバス側には読み込んでいるMVプロジェクトのタイルセットが出現し、その左上に選択中のタイルが。「タイルセットを選択」の枠内のプルダウン2か所を切り替えることで表示するタイルセットを切り替えることができます。

つまりはMVプロジェクトのデータベースにて、タイルセットとして設定されている画像が表示されているわけです。

ここにパレットで選択されている画像を載せて置換するわけですね。で、一つ目を置換するために配置を定めてEnterを押して(orクリックして)次の画像をパレットで選択すると…

ふぁっ!?( ゚Д゚)

そうなんです。さっきのEnter(orクリック)は全くの無意味で、一旦画面下部の「名前を付けて保存...」をクリックし、画像を書き出さないと置換が反映されないんですね。

え?じゃあどうやって作ってたのかって?そうですよ!一枚一枚書き出し→読み込みを繰り返して作ってましたよw

そんな面倒なことをしなくてもいいことを今日知りましたwww

ふぅ(-_-)

え、じゃあもしかしてMVのプロジェクト無くても動く?と疑問が湧きましたが、流石にアンインストール→インストールしてまで試す元気はありません…。知見をお持ちの方は教えていただけると幸いです。

まとめ

というわけで、文句もいろいろ書いてしまいましたが、使いこなせれば凄くいいツールだと思ってます。SAKANにもたくさん素材が入ってますし、無料/有料素材を含めると数えきれないほどの素材があるわけですが、1つのタイルセットに読み込めるのは5つまで…。集約したい!という場合や、ドット絵は描けないけどマップチップにこだわってみたいという方にはおすすめできるんじゃないかと思っています。

特に、タイルによっては、カップが右上にしかなく、キャラを向かい合って座らせても片方しかカップが無いみたいなことが起こったりするので、そういう場合に同じ画像を左下に追加配置するみたいな感じであればSAKANでお手軽にできます。

本当は使い方動画みたいなのを作りたかったんですが、現状動画を作ったことが無く、編集ソフトも未インストールな上、GWはゲーム制作に充てようと決めていたのでCienの記事にさせていただきました。これから動画編集に手を付けるとなると、GWそのものを持っていかれそうな気がしますから…。

それではそろそろ制作に戻りたいと思います。夏ぐらいには完成させたいなぁ(-ω-)

今回はこの辺で。ではでは。

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