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ゲームの記事 (70)

流れ雪月花 2022/09/14 20:00

嫌われるヒロイン論

https://www.youtube.com/watch?v=PsV4oNZ6MDg
FE新作発表されましたね!楽しみだ!自分は昔のFEも好きですが、新しいチャレンジも好きなので大変歓迎しています。特に今回キャラデザインが素晴らしい、多分mikapikazoさんだと思うんですが、ドンピシャで好みです。DSあたりからあんまり萌えっぽくない、オシャレで大人な感じが続いていたのでこれだけキャッチーに仕上げてきたのは挑戦的だな、とワクワクするのだ。

嫌われるヒロイン論

こんなめでたいニュースの後に今回のテーマはこんなんです。不吉だ
本作のストーリーは、「ヒロインを助ける為に戦う」と言うマリオや初代ドラクエ並みにシンプルな軸で物語が展開していきます。これはプレイヤーが主人公に感情移入するのに分かりやすく強い理由になると考えたからです。


ただし、それはヒロインが魅力的である事が前提となります。ヒロインが嫌なヤツだと「なんでこんなヤツ助けなきゃならんのだ」と感じて物語に入り込めなくなる大きな要因となってしまいます。守られる対象ではありませんが、近年では俺屍2の夜鳥子テイルズのロゼなんかが不幸にもプレイヤーに嫌われてしまった可哀想なヒロインです。


ここは気になるポイントで、今作のメインヒロインは結構鬱陶しい性格をしています。これは作劇上の都合で、「受動的な主人公」のバディとして「能動的なヒロイン」をあてがっている為です。つまり主人公を動かす為に、ヒロインが積極的にトラブルに突っ込んでいく話の設計になっている訳ですね。

こういうトラブルメーカーのヒロインは嫌われやすいです。

これはあらゆる作品でそうです。現在α2を目指してシナリオを整えている最中なのですが、ヒロインの悪い部分がちょっとだけ目立ってしまっている気がする。そこで、少しヘイトのコントロールをしようと思っています。折角のヒロインなんだから、作者だけではなくプレイヤーにも可愛がって貰える様にしたい。

ヘイトコントロール論

意図せぬヘイトを貯めてしまう事は、プロのクリエイターもやってしまう事です。ただ、これは後から改善できる要素でもあります。例えば三国志の劉備の賄賂を取る役人を棒で殴ったエピソードは配下の張飛がやった事に置き換えられました。ゲームでも、ペルソナ3伊織順平ペルソナ5坂本竜司なんかが無印で若者らしい青臭い言動を取って不評を買ったのを、P3Pやロイヤルではいい所を描写したり、反省して電話で謝ってきたりとフォローする描写を増やしてカバーしています。先述したロゼもアニメ版ではとても魅力的に改善されたそうで、ヘイトコントロールの重要性を感じます。


近年は「犯した失態が許されない」風潮があります。失敗や挫折を経験して成長する、と言う流れがウケません。この失敗が単純なミスではなく、傲慢な考えや軽挙妄動による物であるほど顕著です。現状ちょっとヒロインはそのケが強い気がする……

ただ嫌いなポイントとかを聞くと制作のモチベーションに打撃が入ってゲームの完成にとてつもなくマイナス補正がかかるので、逆にヒロインの好きになれそうな部分を3つピックアップしてアンケートを取ってみたいと思います。何が嫌いかより何が好きかで自分を語れとルフィも言ってた。(言ってない)


A-オバカなワンコ系ヒロイン
現状この要素が一番強いです。キャアキャア騒いで失敗して主人公にくっついてくるイメージ。主人公への依存が高めです。


B-真面目で正義感の強いヒロイン
この要素も結構強めです。本家FEに多いタイプですね、ヒロインの正義感を原動力に物語が動いていきます。今作だと暴走する仲間のフォローに回る感じになると思われます。


C-甘々デレデレ系ヒロイン
本人が隠している要素です。現状そこまで好き好き言わない感じですが、より好意が漏れ出す感じになります。多分ラムちゃんみたいになる

アンケートを見て、ちょっとだけそっちに寄せたりします。他にもこんなのが好き、みたいなのがあったらコメントして貰えると参考にします!

ヘイトの分散

ヒロインの性格を丸めると共に、ストーリーの都合上起こす行動に必然性を作っていこうと思います。この状況じゃこういう行動を取るしかない、という言い訳となるシチュエーションを作る訳です。


そんな訳でNPCのお姫様をササっと描いたのであった。荒すぎてデッサンがやばいな……クオリティから分かるくらいにはチョイ役です。α2のメインとなる三、四部でも欲しかったので作りました。


こっちが差分で用意したヒロインのママ。これも四部で一瞬出る際に絵が無かったので、描きました。服装がピッタリしてるんですが、これは省エネです!身体のラインが出る方が作画コストが低いのです。本当はスカート膨らませたかったけど、そうするとそれに見合った装飾が無いと画面が埋まらんのだ。

色々調整はしますが、印象はそれほど変わらないと思われます。本当に合わなかったらそれはもうごめんなさいなんだよな。

ライバルキャラクター

前回の記事で紹介したフィリップくん(仮)ですが、実際にキャラクター絵を入れて動かしてみると思った様に動かなかったので描き直しました。イケイケのバカ殿みたいにしようと思ってたんですが、立場を考えるとこうじゃないな、もっとコンプレックスの塊の繊細な男だな、と感じたのだった。という訳でこちら。


そこそこ作画コストかけています。思ったより面白いキャラクターにできそうな気がしてるんですね……綺麗に主人公の対比になっていると言うか、作品のテーマに合ったキャラクターな気がする。彼の為に話の筋を逸らすほど深掘りするつもりは無いんですが、貴様が今作のアルヴィスになるのだ、と言う気持ちでデザインし直しました。

寄せすぎか?

やっぱりこのくらいイイ男がいるとFE感出ますね、需要は無いとは思うんですが、ちょっとづつ整備していきたいな。


これどうしよう……

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流れ雪月花 2022/09/09 23:28

イケメンとブラッシュアップ及び新シナリオのちょっとした話

今回はシンプルに制作日誌であります。色素の薄いキャラって使える色幅が少なくて滅茶苦茶難しい……影の色が全然納得いかないのだ。


前回、亜種聖戦を作っているんだよ、と言う話をして自分でもちょっと気づいた事があります。それはFEっぽさの不足。勿論クローンゲームを作ってる訳じゃないので、問題無い話ではあるんですが、あの独特の戦記感が無いのはちょっと理想と違う部分です。本家FEは銀河英雄伝説やアルスラーン戦記、つまり田中芳樹さんの影響を多大に受けている印象があります。その世界観に女性のイラストを当ててる感じ。暗黒竜はアリオンだけど……
https://www.youtube.com/watch?v=wGWh2zs_Mqg

何が言いたいかと言うと本来はカッコイイ男たちの話でもあるんですよ。という訳でイケメン成分を少し増量しようと思っています。そこで問題になってくるのが「どのタイミングで追加するか」です。

イケメン追加場所の話

まず、本作で最高にイケメンが足りないタイミングは序盤です。中盤以降はなんだかんだでそれなりの顔が入ってきています。イケメンらしいイケメンは2話で加入するシャモンくらいで、それ以降は5話になってきます。その間に入れたい!
現状イケメン使いたいな~ってタイプのプレイヤーに多大な我慢を強いると言うか、多分そういう人は5話まで行かずに脱落する。別にイケメン売りしたい訳じゃないんですが、ハーレムのムードに食傷気味になられるのがちょっとイヤなんですよね。二話時点で男女比最大1:5とかだからな……


そんな訳でソシアルナイト(仮)のフリードリヒくん。リコッタの騎士の生き残りで、リビやレビとは別部隊の騎士です。彼女らがアベルカインなら、フリードリヒくんはノア殿くらいの性能になります。リコッタの騎士は平和ボケが過ぎてナイトキラーを持った山賊に壊滅させられたと言う、とてつもなく情けない設定を背負っておりまして、フリードリヒくんは戦わずに逃げたか、敗走して囚われていた、みたいな境遇にしようかな。ソシアルが大分過多なので、愛馬を失って歩兵やってる、とかになる可能性もあります。

そんな訳でイケメンを用意した訳ですが、ここで問題となってくるのが序盤のボリュームの超過です。


ボリュームが大きすぎる問題

これは今まで目を瞑ってきていた部分なんですが、必ず何とかしないとならない部分です。何でもそうですが、ブラッシュアップの際に無駄な部分をどんどん削いでいく必要があります。α版はとんでもなく肥大化していて、分かっている自分がやっても14話で7時間かかっていました。ここの短縮は急務で、本来キャラを追加している場合ではありません。ではどうやって短縮していくか。

まず、今作の序盤のステージ組みはほぼチュートリアルとして作ってあります。

・1話……基本操作と村の訪問、飛行兵とシスターの操作、城の制圧
・2話……特効と騎兵の操作、三すくみ
・3話……会話と鍵の使用、アイテム交換、2射程ユニットの操作
・4話……敵飛行兵への対応、増援への対応
・5話……ターン制限
・6話……決戦マップ(今までの応用)
・7話……アーチへの対応(α2ではさらに新要素追加予定)
・8話……特に無し(シナリオ都合のマップ)
・9話……決戦マップ、盗む、特殊ボスへの対応

こんな感じ。
こうしてみると結構詰め込んでいるんですよね。特に1~3話はこれ以上刈るのは厳しいかもしれない。5~8話あたりがボリュームを減らせそう。尺取ってる割に内容はちょっと薄めなので……フリードリヒくんは2話のクリア後あたりに強○加入させようかな?と思ったりしてます。ちょうどイケそうな会話シーンもあるので、そこに差し込もうかな。

またボリュームを下げるにあたって、なるべくゲームオーバーを減らしたい、と言うのもあります。二度同じステージをやらせるのは最大のストレスなのである。9話まででゲームオーバーになりやすいのは3話と5話だと思っています。


3話は味方ユニットが一人でも落ちるとゲームオーバーで、さらに柔らかいユニットばかりです。ここは狙わないとゲームオーバーになりづらいくらい難易度を下げようと思っています。紋章でナバールとかマチスを仲間にした時の苦労って自分の中ではいい思い出なんですが、それをプレイヤーに押し付けるのは違う気がする。


5話はプレイヤーを焦らせるステージでラフなプレイになりやすいです。コンセプトが意地悪で、本当は令和にやるべきじゃない事ばっかりやってるステージですが……イベント的には荒唐無稽かつ凝ってて好きなので、難易度とボリュームをグッと落としてプレイしやすくしたい。

この辺の調整は既に着手が始まってまして、大分遊びやすくなるんじゃないかな、と思ったり。でも前にも言った様に、全体的には少し難しくなる予定です。ずっと苦労するんじゃなくて、要所で苦労して欲しい。

新シナリオの話

徐々に構築が進んでいます。SRPGstudioの新素材がシナリオにピンズドでハマってて、詰まっていた部分がかなり解消されたのである。凄く暗い話になりそうで手が止まっていたんですが、ちょっと面白い感じに昇華できそうで自分的には好きな展開にできそうです。そんな訳で新シナリオのちょっとした話をば。


彼はイケメン増量キャンペーン要員の一人である自称獅子心王フィリップくん(仮)です。プロセス王国の皇太子で、王位継承権二位を持っています。王家の次男坊な訳ですね。今作の国の関係は聖戦とはちょっと違っておりまして、どっちかと言うと徳川家と各地の大名たちみたいな関係にあります。


プロセス王によって天下統一されている世界で、他10国の主たちは領地を預かる立場な訳です。敵役であるエメンタール帝国もその一つで、基本的には全部内戦なんですね。これ絶対ゲーム内で伝わってないだろうな……と思うんだけど、こういうの語って楽しいのは製作者だけだとも思うので、作中ではほとんど説明してません。


味方の諸侯たちの目的はそれぞれ異なります。プロセスに忠誠を誓っている領主もいれば、ひそかに野心を持つ領主もいます。次男坊くんは反帝国で結束していた連合軍にヒビを入れる様なキャラクターにしたい。彼は能力がありますが、その能力ゆえに傲慢で、傲慢ゆえに判断が悪い。判断が悪い上に主人公よりも発言力がある……獅子心王と言いながら、実態は獅子身中の虫な訳ですね。モデルとなっているのは信勝、忠長、馬謖の3人です。あんまりダラダラ足を引っ張るとプレイヤーがイヤになるので、その辺注意しながら動かしたいキャラクターです。


ジブリとか世界名作劇場の王子様みたいなイメージで塗ったせいか、画面からの浮きが激しい。結構明確にヘイト買うタイプにしようと考えています。本作のヒロインはスペックはリリーナなんですが、立ち位置はディアドラなのである。

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流れ雪月花 2022/08/31 22:00

デートイベントとAI背景の話

いかん、八月が終わってしまう!今月ライブアライブの話しかしてないぞ!
という訳で久々の更新であります。結構色々やってました。


一番メインでやってるのは肌の塗りの練習!難しいんだこれが……

デートイベントの方向性の模索

これが最近のメイン作業ですね。もともと今作十二兵装物語は、スイッチョのアーカイヴで聖戦の系譜をやった際に、「面白い!でもここちょっと惜しいな、こうした方が自分好みだな」と言う所から始まった亜種聖戦であります。特に惜しいと思ったのは難易度とカップリング回り。

  • ・今から何も知らない、見ないでやるには何もかもが不親切すぎる
  • ・カップリング作ってもほとんどイベントが無いのは寂しい

大きく分ければこの二つになります。恋愛要素はGBAと違って子供まで作りますからね。これ結構無茶な要素だとは思うんだよな……覚醒IFにもありましたが、時間を超えるとか時空を超えるとかで、実はそれはちょっと好きな要素じゃなかったりします。同い年になっちゃったら親子の関係性がおかしくなる気がする。

ちょっと脱線しましたが、妙にデートイベントを捏ねまわしてるのはその為です。元々本作の本命要素だったんですね。さらに、これは自分一人で作ってるゲームなので多少エグい要素も自分の裁量で入れられます。入れられるからにはやる。倫理の軽視はインディーズの大きな武器なのである。



最近描いていた事後のイメージスチル。全年齢ブログなので、ギリギリとか攻めずに思いっきり消す。ヒロインごとにちょっとちょっとこういうの入れていきたいな、と思っています。ただ、これ一週間くらいやってたのに、なんか納得いかないのである。こういうのに慣れてなさすぎてポーズがちょっと硬かったな……枕に頭が乗ってない感じ。あと肉感を出したかったんだけど、どっちかって言うと良くない立体感が出ちゃって腹回りとかゴツゴツしちゃってる。表情ももっとトロンとしたかったな……まだ試作品です。


こんなのも用意してます。キスのコマとかあったらいいかな、と思ったんだけど、なんか男を描くの微妙にイヤだな……と思って主人公の後ろ姿を消して暫定的にぬいぐるみに。多分見る方も結構イヤだと思う。主人公とプレイヤーの乖離が起きると言うか……女の子しか映らないか、もしくは口元だけみたいな感じにしようかな。


自分は主人公=プレイヤー派です。今作の主人公はドラクエみたいな無口なタイプじゃなくて割と個性のあるキャラクターなんですが、それでも彼はこの世界のキミなんだ!と言う気で作っています。酒が苦手だったり、女の尻に敷かれていたり、プレイヤーとはちょっと違う部分もあるかもしれないけど……国を救ってゲームをクリアするぞ、と言う点は一致していると思うのである。できれば君の中の一部分だと思ってくれると嬉しい。いわゆるアバターですね。

背景の話

これはまだ考え中の要素です。背景が足りない話は前にもしましたが、どこかで調達しなければならないとは考えていました。ランタイムはなるべく減らしたい!森とか城であっても、です。「あっ、これどっかで見た事ある」と気づいた時、人間はなんだかんだ言ってガッカリする物なんですよ。でも背景には意外とコストがかかります。大体人と被らない背景素材なんて、有料であってもある訳が無いのだ……


そんな事で悩んでいた際に出てきたのが某Midjourney。例のキカイが勝手に画像作るアレです。

……背景くらいはいけそうじゃない?
欲しいのは森、草原、洞窟、城、海、SF!みたいな感じなので、滅茶苦茶キカイの得意分野だと思うのです。数千円支払えば商用利用もできるそうなので、これは……イケるのでは……!ちょっと画策中です。油絵みたいなタッチなので、コミカルな今作とは合わない可能性もあるんですが、まあとりあえず試すだけ試してみようかな、という所で。今回まだやってないのはディスコードの仕組みがなんだかよく分かってないからです。ややこしいと後回しにしちゃうよね……トホホ。

オマケ


ヒロインズ。夏もそろそろ終わりですね。

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流れ雪月花 2022/08/03 20:00

ライブアライブリメイク感想回

そんな訳で、今回はライブアライブの感想を語ります。大きなネタバレはありませんが、多少ゲーム内のイベントに触れる事もあるので、嫌な方は回避して貰えると嬉しいです!


制作と関係の薄い話題なので、絵をちょっと多めに入れます。
誤魔化しである。

ライブアライブの話

始めます。
結論から言うと、原典のファンからすると大満足のリメイクでした!おれのかんがえたさいきょうのリメイクに近いモノがあります。そんな訳で、今作の感動ポイントをゲーム制作目線でブツクサ呟いていきたいと思います。スーファミの頃のあやふやな記憶で語るので、正確さは保証しません。


実はHD2Dと言う概念、LALをプレイするまでそこまで評価していませんでした。HD2Dはオクトパストラベラーで生まれた言葉なんですが、自分的にはそこまで刺さりきらなかった作品だったのです。理由も書こうかと思ったけど、なんかダラダラしたうっすら悪口みたいな文章になったので消す。要約すると中身は全く今風で、コストが抑えられたこじんまりとした作りの佳作でした。なので、「今時ドットゲームってどうなの?」と感じていたんですが、その偏見はLALリメイクで打ち崩される事になります。

自分が今回語る評価軸はこの4つです。

  • 骨組みは完成されたスーファミ末期の傑作
  • LALは当時(1994年)よりむしろ現代(2022年)の価値観とマッチしている
  • ドットの技術が凄い
  • 声優の選択がパーフェクト

理由を順に説明していきたいと思います。

骨組みは完成されたスーファミ末期の傑作

まず、基本的にレトロゲームは新しい物に劣っています。これは某ゲームセンターCXの有野課長がインタビューで語っていた事です。ファミコンではなくスーファミであっても、今遊んで心から面白いゲームと言うのはほとんどありません。楽しむには思い出と言う名の緩衝材がいる、それがレトロゲームです。


ただ、一切合切新しい物がいいか、と言われるとそうでもなく、要所要所では現代のゲームが(大抵はコスト削減やライトプレイヤーの為に) 削ぎ落してしまった光る部分があったりします。このゲームは当時覇権を取っていたスクウェアのRPGの文脈を色濃く引き継いでおり、同じ時期のゲームと比べてもかなり遊べる方の部類です。そして、今回のリメイクは当時のプレイ感をほぼほぼそのまま引き継いだ形のリメイクとなっています。良くも悪くも。次の項目で、LALの何が優れているのかを解説したいと思います。

LALは当時(1994年)よりむしろ現代(2022年)の価値観とマッチしている

スーファミ時代のRPGは、基本的には街、イベント、ダンジョン、イベント、街……と繰り返す仕組みになっています。船だ飛空艇だ新世界だと色々フレーバーは挟まりますが、余分な物を削ぎ落すとこういう形です。そしてプレイ体験を水増しする為、主にワールドマップとダンジョン……つまり探索と戦闘に時間を割きます。レトロRPGが遊びにくい大きな要因の一つです


高いエンカウント率、手ごわい雑魚敵、きちんとレベリングをしないと詰むボス……これらははっきり欠点です。これに入り組んだダンジョンとか、シナリオの導線があやふやでどこに行っていいか分からない……とかが付くと、ストレス値も跳ね上がっていきます。これは自分の考えですが、戦闘には必要以上に時間を割いてはいけないのです。自分で作ってるゲームで一番ままならぬ所もここです。戦闘パートをもう少し縮めたいけど、なんか一切手ごたえの無いカスカスの歯ごたえになっちゃって調整出来ない……

名作と言われる作品ほど戦闘由来のストレス値が低めです。マザー2が凄いのはここなのだ。糸井さんの文章がそこかしこにあって飽きないのもあるけど、意外とバトル回りの調整が良くできています。後半壊れてるのも含めて。問題なのはストレスを感じさせる事で、バランス崩壊はストレスとイコールではありません。持ち物枠が少ないと言う見過ごせない欠点もあったりしますが、同時代の物と比べるとマザー2の遊びやすさは別格です。


LALの話に戻しますと、この作品は短編のオムニバスの集合体と言う事でスーファミにしてはバトルのストレスが抑えられています。成長の要素が薄く、ステータスのカンストも早い。戦闘が終われば全回復し、MPの類が存在しない為、覚えた技も打ち放題。金の概念が無いので稼ぎの必要性も無く、上手くやると5分でその章の最強武器が手に入ったりします。数回戦って終わりの章や、ボス戦のみの章もあります。その分、そこにはイベントがみっしりと詰め込まれており、ダンジョンも短い物が多く、ほとんどの章であって一つくらい。

この引き伸ばしの無い濃縮された密度感がLALの最大の美点であり、テンポを重視する現代の価値観と合っている部分です
主人公ごとにやる事が全く違うのも素晴らしい点です。それぞれの時代のテーマに沿った小ネタが、そこかしこにギッチリ詰め込まれています。ダンジョンが短いと言いましたが、徹底的にダンジョンとギミックに特化した章(幕末編)もあり、プレイヤーを飽きさせない作りになっています。前述したオクトパストラベラーは、入口は違うけど中身の順路は全員一緒なのです。

また、レトロゲームにはシナリオの良いゲームもほとんど無い(と思っている)のですが、このゲームは例外的にシナリオが滅茶苦茶いいです。一つのシチュエーションを決めて、サッと決着を付けていく短編のお手本の様なシナリオが並びます。レトロゲームならぬ最近のゲームでもありがちな、「今オレ何やってんだっけ?」と迷う部分が比較的少ない。

この明解さはリメイクで加速しています。右下にレーダーがありまして、「入ってない出入り口」「一度入った出入り口」「ゲームを進める為の行先への道」がそれぞれ表示されており、さらに遊びやすさが増しています。また、マップ上の拾えるアイテムはキラキラと輝いていて取り残す心配が無くなり、戦闘中にそれぞれの技の属性や敵の弱点などが可視化された事で、弱点を突いて戦いやすくもなりました。

この辺を聞くと「簡単になりすぎだろ!」みたいな感想も出るかと思うんですが、「苦労させるのはそこじゃない」と言うのが昨今のゲームの答えかな、と思います。良く分からなくて迷う状態のタチの悪さ、現代のゲームとレトロゲームの大きなギャップの一つです。

"分からない"を避ける。これはゲームだけではなく漫画も、さらにはイラストですら強く言われている事です。「何がなんだか分からない絵」って実は多少上手くてもウケないんですよ。今の自分の最大の課題点だったりします。


例えばこれが最近描いたよくわからない絵です。この絵を文章にすると「半裸の女の子が本の積んであるベッドの上で赤面しながらこちらを見てる」って感じです。何で半裸なの?この本って何なの?って部分が繋がってないから分からない、つまりシチュエーションが伝わらない。これはダメなんですよ。これが「女の子がベッドの上で恥じらいながらも誘う様に服をはだけてる絵」とかそういう言葉で説明できる絵だと、もっとずっといい絵になります。絵の技術が同じくらいの場合、評価に天地の差が付きます。

なんでこんな絵になったのかと言われたら結局何にも考えてなかったのだ!ストレス解消でとりあえず剥いた絵に意味を後から付けたそうとして迷走したのである。良くやる

ドットの技術が凄い

大分脱線しましたが、続きを。まず、元々のLALはグラフィックの悪いゲームです。こちらが原作のスクリーンショット
いや、当時の平均からすると全然悪くないんですよ。でもスクウェアの同じ時期のゲームと比べると格段に落ちます。このゲーム、FF6より後発の作品なんですが、グラフィックのレベルは2年前の作品であるFF5相当です。このグラフィックの格差はFF6は24メガビットでLALが16メガビットである為……つまり容量の差だと思われます。

その欠点が今回のリメイクで解消されました。

オクトパストラベラーの時は気づかなかったんですが、上手い。デカいドットを実に自然に動かしています。原始編はセリフが無く、主にキャラクターのしぐさで話が進んでいきますが、まるで粗が見えません。特にヒロインのべる、元はギャグっぽい絵柄なのであまり気にならなかったんですが、ドット詐欺が働いてムチムチで色っぽくて声も可愛くて物凄い破壊力です。色気で後頭部をブン殴られた様な気分である。


何故か色気のない絵を挟む。

FFのピクセルリマスター、あれはあれで好きなんですが、このドットと比べてしまうと苦しい。30年の時を経て、完全に力関係が逆転してしまった感がある。最近多発していたリメイク群、どうしてこうできなかったのか。これくらい打てる人はやっぱり取り合いになるのかな……このリメイクを見て、ドラクエ3のリメイクが一気に期待大になりました。勿論プロデューサーが違うので同じ水準の物ができるとは思ってはいないんですが、そのくらい夢を見せてくれる画面作りでした。

声優の選択がパーフェクト

ライブアライブと言うゲームは、パロディのゲームです。あらゆる分野から色んなネタを拾い集めてあって、制作者の造詣の深さを感じます。声優のチョイスにもそれは色濃く出ておりまして、端的に言えば物凄く趣味的です。功夫編にはジャッキーとサモ・ハッカの吹き替えを、ハチマキ巻いた格闘家にはGガンダムの主人公の人を、西部のガンマンには二代目次元大介を、ブリキ大王のパイロットには真マジンガーのパイロットを……脇役に至るまで、一事が万事こんな感じです。近未来編に至っては端役の声をキャラデザの漫画家さんがやっとる始末。


そうだろ、松ッ!

元々暑苦しくて格好のいいセリフに定評のあるLAL。これに色んな媒体でよく聞くコテコテのベテラン声優たちが声を当てると、嫌でも興奮させられてしまう……いつもはボイスパートって結構飛ばしがちなのに、今回はじっくりみっちり聞いてしまいました。飛ばすと損した気にさせられてしまうのだ……特にストレイボウ、彼は凄いぞ。FF4のセシルの声優さんだそうですが、魂こもってます

ちなみに、元々のLALもちょっとだけ掛け声みたいなのが入っていましたが、声優さんがそれをマネをして似た様なボイスにしてくれているのも好きなポイントです。高原の「ヤオ!」って声とレイ・クウゴの「ハイ!」って高く抜ける様な声なんかが特にお気に入り。

賛否両論な点

ここまでは褒めちぎっていましたが、多少ひっかかる点もあるにはあります。まず戦闘バランスの調整。強力な要素は結構詰めてあります、中でも史上最強のデバフ技の通打はレベルダウンが削除され弱体化、バランスブレイカーハリケンショットはチャージ時間が向上し、さらに命中率が低下しダメージが不安定に。多段技は全般命中率が低下しています。


逆にダメだった技は強化され、大激怒岩盤割は気軽に使える範囲技に、ド産廃の最大技ホーリーゴーストは広範囲ダメージ&デバフ&状態異常の魔改造奥義になりました。これらの調整で全体的に技の性能が丸まった結果、ちょっと最終編の雑魚戦が固めに感じます。LALの無駄な戦闘時間が少ない利点が最後だけ薄れてる感じ。戦闘のテンポ自体も悪めなので、慣れるまでちょっと重く感じるかもしれない。戦闘とレベリングがある近未来編、原始編、中世編あたりは古さを実感しやすいです。

また、背景が3Dになったので自然物のマップだと迷いやすくなっています。自分の位置が把握できるマップがあってもよかったかな。

改悪点

明確にあります。セクハラ描写、暴力表現、飲酒、喫煙描写、宗教的、ジェンダー的な要素がカットされています。近未来編は昔の少年漫画のノリなんですが、孤児院の少年を脅して女性の下着をくすねさせる、と言う結構ヤバいイベントがあります。少年側も自分の下着を渡してきたり婆さんパンツを渡してきたりするんですが、これがへそくり等に差し替わりました。どっちにしろヤバいんじゃが!!!!意味も通じにくくなっており、辛い部分です。また、テレポートに失敗して風呂に飛び込むイベントも無くなり、タイヤキ屋の手伝いに失敗しても殴られなくなりました。アクセの変態パールもおしゃれパールに変わっています。よく考えるとへんたいパールってヤバすぎるな……近未来編はかなりの問題児です。


西部編でも下着泥棒要素があり、そちらも日記に変更されています。また回復アイテムの葉巻とバーボン、テキーラが薬草と干し肉等に変更されました。他の編でも老酒が鉄観音茶になったりと、酒は徹底的に消去されています。原作はステータスに酔いってあったんだけどな。

宗教要素はマリアのベールが聖者のベールになっただけで、ジェンダーはオカマのオッサンが単なるオッサンになったくらいの感じです。

こんな変更させられる社会のムードに息苦しくてイヤだなあ~と言う気持ちと、こりゃしょうがねえな……、って気持ちが半々くらいあります。近未来編ちょっとやりすぎなんだよな!!!改悪点として挙げましたが、そこまで問題視はしていません。惜しいな、ってくらい。

総評


ここまで語ってきましたが、これを新規の人に勧められるか、と言われると素直にハイとは言い切れない部分があります。タレントの伊集院光さんがリメイク版で初めてLALに触れて「オレ、当時このゲームをプレイしてたらワクワクしたと思う。でも今となってはゲームのテンポやギャグがどうしようもなく古く感じる」と残念がっている記事を読みました。恐らく作品の評価としてはこちらが正確です。レトロゲームはやはりレトロゲームなのです。それでも興味が湧いた方は是非遊んでみて下さい。今とはズレた文化で作られた意欲作、あなたの琴線に触れる部分があるかもしれません。

温故知新、私の好きな言葉です。


最後に

また、これはちょっとしたネタバレになるのでちょっとスペースを空けるのですが……








最終編に追加要素あります!
詳しくは語らないけど、まったく同じではない!この続きは君の目で確かめてみてくれ!

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流れ雪月花 2022/07/25 21:00

最近のイラストとヒロインステータスの話

ご無沙汰しております

\シェアアアァ/


お久しぶりです!イラストの方に血道を上げておりまして、製作が大分滞っておりました。絵を描くのが面白くてやめられない止まらないのだ……そんな訳で今回はイラストの事とシステムの進捗なんかを語ろうかと思っています。



イラストのお話

最近なんだか絵が上達している気がする。絵にやたら注力していた理由は、その一点に尽きます。例えば、去年の同時期の絵を見てみると……


これが昨年8月の絵。今見ると描きかけ感が凄い。


こっちが今年の7月。大分情報量が上がったぞ。このイラストはありがたい事にtwitterで2万いいねを超えました。このキャラクターは物凄くファンの多いVtuberさんなので、この数字が自分の力かと言われると全然そんな事は無いんですが、みんなに見て貰えたのは素直に嬉しい!励みになります。

自分はイラストを自分の好きな物をなるべく大勢に受け入れられる様に描くというスタンスでやっています。自分の作品もその好きな物の一部なので、もっと力を付けて色々な人に受け入れられる様にしたい!日々勉強でありますな。



ゲーム制作のお話

そんな訳で本題へ。一応作業自体はチクチクやっているんですが、システム構築はキャラを描いて実装、と言う手順と比べると地味すぎる!なかなか出せる進捗が無いのです。このブログも一応エンターテイメントだと思うので、なるべく面白い事を描きたいと思っているのですが……なかなかそうもいかぬのだ。そんな訳で、現在構築中のモノがこちら。


ヒロインごとのステータス画面です。この手弁当感よ……UIはシロウトなのでどうしようもないのである。滅茶滅茶ひどいのは分かるけど、まだ試作の段階だから!!!ホントだから!!!

色々と悩んでるポイントが多くて、まず一番の障害が「変数を画面に出せない」点。例えば好感度やイチャついた数を計測しておいても、画面に出せないのです。つまり、この画面は文字も含めて全部画像ファイルで作っています。これがもうハチャメチャに手間がかかってかかって……好感度100、とかタイピングするだけで済ませたい所を好感度90~100の場合はこの画像、みたいな形で画面を構築している訳ですね。ステータスが文章で表記されているのもその為です。制作の都合上、プライド高い場合も数えきれない表記になったりすると思いますが、許されて……普通に高中小微無表記のがいいかな……むしろゲージとかでもいい気がする。文章化してるとアイデア出るな……


もう一つの問題点が、言うほど表記するステータスが無かった点。あんまりギャルゲーとかやらないから思いつかなかった。とりあえずプリンセスメーカーを参考にしてモラルとプライドの値を作ってみました。プライドが低いとデートの終わりに誘われやすい、モラルが低いとこちらの誘いに乗りやすい、みたいな形にしようかな……とか妄想しています。ユニットによっては子供を作る前にそういう事ができるかもしれない。その辺は支援会話との整合性を取ってやります。

このシステム全般に言える事なんですが、とても無理だと思ったら投げ出すと思われます……なんか別のゲームを作り始めた様な気がしている。このステータスは完全にフレーバーの類なんですが、自分のプレイが画面に反映されるのはみんな好きだと思うので、できる限り頑張りたい所である。モラルとプライドは正直なんかあんまり納得いっていないので、「こんなステータスどう?」とかあったらお気軽にコメント下さい。




次回の更新は脱線してライブアライブのリメイクの話とかもしたいと思います。結構いい感じなので語りたい!

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