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2021年 05月の記事 (3)

Huyumi 2021/05/22 17:21

ブレイカーハーツ「キャラクター設定」

はじめに

 「ブレイカーハーツ」のキャラクター設定資料集です。
 主に制作中にわたしが各キャラの掘り下げ、確立を行うために色々書いていたものを見れるようにして公開。
 序盤に書いていたテキストも多く、結構修正したりしています。

 なんかまだ残ってるかもしれませんが、基本作中の描写やあなたの解釈が優先されます。
 あくまで軽い読み物や、小ネタとして楽しんで貰えたらなと。そこまで厳密にキャラを定めたいわけじゃない。

 また26000字ほどあるので、かなり長いです。

 2022/06/28頃、更新。
 「困難」の「メグミ」の項目が途中で途切れていたのでその後の文章を(なんか大丈夫な)フォロワー限定で追加。

基本

・トウカ

トウカ:「冬夏」 燈火 燈夏 とも読める。
 行動的、正直で明朗快活を基本とする。
長所:前向き 直感力に秀でる 行動派
短所:気が短い 挑発に乗りやすい
ギャップ:感情的。物事を客観的、理屈で見て取れる。

「少女は自分の正しさを信じています、しかし誰かの正しさを否定したくはありません」

趣味:ランニング(ストイックなスポーツ) 参考書、哲学書
人称:ボク、私 キミ、お前、あなた
イメージ:怒り 激情 青い炎

 行動的、正直で明朗快活を基本とする。
 基本的には明るく、誰かの前を進んだり、新しい意見を出すのが得意。
 活動のために動き始めるのはメグミ同様に早いが、日常的なコミュニケーションなどは一歩引いて傍観していたり、そもそも共有スペースに居ないことが多い。みんなとの時間自体は好き。
 シズクよりは積極的で、メグミよりは主義主張が強く、フウカよりは論理的なオールラウンダー。
 ホームが図書館であることには意味があると思い、世界の構造に辿り着くために自分の書庫を作り出してそこに籠り、様々な本を読んでいることが多い。
 それとは別に成長、進展のために知識を蓄えることは正しく、それでいて心地良いと感じているので読書や体を鍛えるような運動を率先して楽しんでいる。

 四名の中では最も現実主義者で、負の存在と向き合っている。
 ただ決して悲観主義というわけではなく、常に志は明るい場所を求めている。
 暗闇から光を目指す、燃料を燃やして光る薪、悲しいことがあるから、だからそれを乗り越えて行こう、と。
 本来は「私」だが真面目な口ぶりになるとその剣幕に恐れられる事が多く「ボク」という一人称を用いる。
 沢山の負を呑み込んで、青い炎は太陽を目指す。

 世界の構造を暴くという立ち位置ではブレインに近しい。最も主人公らしい。
 そしてブレイン自身には同族嫌悪を抱く。
 決して自分が立てない目線の位置を確保していることへの嫉妬、上位の位置に存在するだろうから、積極的かつ具体的にアクションをして欲しいという僻み。
 それとは別に自身が同じ役割へ行っても、決して行えないポジティブな行動や、輪の内側に居るトウカよりも皆と仲良くするのが上手い点は好感を抱いている。

→シズク
 矛盾が少女を苦しめる、矛盾が少女を強くする。自分がそうだったのだから。
 トウカはネガティブな物を背負って進むことに成功したが、シズクは未だ決めかねて、迷っている段階。
 根源は悲観を前提にした同類であると理解しているが、特に助言や共感などはしていない。
 率先して絡む要因は無いが、無言で同じ空間に居ても心地は良い。
→メグミ
 潰れる前に、恐怖の先へ行って欲しいと願っている。
 前提が他者優先であるため、トウカとしては尊敬しつつも、自分を優先して欲しいという気持ちもある。
 頼れるし、頼られて嬉しがっているのもわかるが、お願い事をするにはいつも躊躇う。
 逆にメグミから相談やお願い事がある時は内心大変喜んでいる。
→フウカ
 孤独を理解しているが、自身がそれを満たそうとは思わない。当人が満たすものだから。
 弱い存在だなと見下ろしていると同時に、そんな弱さを隠しながら、周りへと気を使ったり、気丈に振る舞っている様子は尊敬している。
 当人に怖がられているのに気づいておらず、少し距離を置かれている状況に理解出来ぬ気まずさを覚えている。
→ナル
 憎悪の対象、真にトウカの敵足り得る存在。
 喜びも悲しみも、愛情も憎しみも全て当人の物だと思っているので、それを奪い取れる可能性を持っているナルは明確な敵である。
 本当にその認識が正しいかは定かでは無いが、抱く憎悪こそ間違いなく純然たる物。
 理不尽ではあると理解しながらも目の前に存在すると理性を失って攻撃的な言動になってしまう。本能からの拒絶。そのためなるべく接触を避けている、ナルのためにも。自分のためにも。

・シズク

名前:シズク 「雫」
 冷静で大局的なものの見方をする
長所:穏やか 理性的 慎重派
短所:後ろ向き ストレスを溜めやすい
ギャップ:冷静、感情の表現が薄い。ノリが良い、内心は色々なことを思っている。

「少女は自分の正しさを信じています、けれど誰かの正しさも信じています」

趣味:ゲーム以外のサブカル 散歩 水泳
人称:わたし あなた、お前
イメージ:諦観 流されやすい 中立 ノリがいい

 冷静で大局的なものの見方をする、常に一歩引き気味の少女。
 真面目な場面では主義主張に薄く、誰かが仲良くしていれば気づけば輪に入り、誰かが喧嘩をしているのならそれを宥めるわけでもなくただ見ている。
 意外にもノリは良いほうで、誰かが作った並みに乗ってから話題を広げる役割が得意。もしくは自分からネタを振る。
 客観主義かつ諦観者でもある。他者が立てた波紋に水面は何も思わず。

 上記の生き方は誰かを優先したいという「少女」が願う物。
 当人の感情や主義が薄いのではなく、最も要である価値観がそれであるため冷静に見えるよう努めているだけ。
 時折一線を超えたり、不意を打たれる衝撃に反応して地が出ることも多く、粗野な強い口調で物を言う事もたまにある。
 これらは全て自己嫌悪から来るもの。
 他者に十二分の期待は出来ず、自身で他者のミスを補えるほど強くなれるわけでも無く。
 結局許容量の少ない自身が悪いのだという境地に至ったが、そこに居座れるほど心が強いわけでも在らず。
 ならば他者を優先しようと。成果も損失も自身が生み出すものでは無く、他者の喜びと悲しみに共感し、自らは望まれた時にだけ手を出す存在でありたいと、そう「わたし」を目指した。
 ただそれでも、好きな自分が居て、時々顔を出す。それのどこが、悪いと言うのだろうか。

→トウカ
 どこか似ているような感覚を覚えて、共に居て居心地が良いが、シズク自身はその理屈を理解していない。
 共に負に対して真っ向から向き合った存在であり、トウカは既に乗り越え御する次元に辿り着いている。
 シズクは諦観にも似た傍観を目指しているがまだ未熟で、どうしても我が出たり、自分の感情で悲しんだり喜んだりしてしまう。
 当然ながらその状況は健全であるため心地良く、傍観者への道は遠くなる。
→メグミ
 抱えている物はあるけれど、頑張っているお姉さん。
 当人がどれほど苦しんでいるかは理解し、力になりたいと願っているが、一番幼い様子のシズクが頼られることはほとんど無く、それでいて率先し助力できる矜持は持っていないためもどかしさに勝手に苦しんでいる。
 いつか潰れてしまったらと危惧しているが、明確にその場面に直面しても止めることが出来る程の意思は持てないと自覚しており、そのもしかしたらを時折想像し消沈するまでがセット。
 時折甘えたり頼ったりする相手で、それが彼女にとってどれ程の自信に繋がっているかは当人は理解していない。
→フウカ
 一緒にふざけられる仲間、少しでも孤独を癒せたら、少しだけ癒せたら。
 悪友、かつ一番気心知れた仲。気軽に絡めるし、楽しく過ごせるが、それ故に自らの弱さの露呈を特に恐れている相手でもある。今の距離感が心地良過ぎて。
 フウカが最も抱く孤独という苦痛に対して、共に過ごすという最適な対応をしているが本人に自覚は無い。気づいてしまったら自らの能動意思を拒絶して距離を取ってしまう、そのことを無意識に悟って考えないようにしているか。
→ナル
 見ている世界が違う。それでも寄り添おうとしてくれるのは有り難い。
 四名の中では最も距離感が近いが、シズク自身は不思議な生き物だなとコミュニケーションを取り、反応を楽しんでいる次元。
 理解出来ないし、理解しようともしていないが、交流は出来るし、原則敵対する理由も見当たらないため敵視はしていない。協力も得られる。

 物語の冒頭で、それも大きく変わったが。
「頑張りなよ。ナルのその想いが本物だって言うのなら、真にわたし達を壊せるのは、ナルなんだから」


・メグミ

名前:メグミ 「恵み」
 人間としての生活や伝統を重んじる
長所:仲間思い 母性愛を持つ 常識的
短所:頑固 常識の徹底 古風な考え
ギャップ:頼もしいお姉さん 恐れから強い

「少女は自分の正しさを信じています、でも誰かの正しさを否定することを恐れています」

趣味:読書(小説) 物書きをかじる程度 掃除
人称:私 あなた
イメージ:正義感 消極的 臆病

 人間としての生活や伝統を重んじる。
 常識、安全、仲間、これらを愛する典型的な善人。
 四名の中では最も理想主義者だが、それが容易く実現出来るとは思わず、それでいて理想に近づくための最もベターな手段として自己犠牲を行う。
 小説が趣味で、自分で文章を書く趣味も持っているが、現状特にこれといった分野を見つけられておらず、日々書き溜めては満足と不満足の繰り返し。
 頼もしいお姉さんとして、皆を励まし、皆を叱って肩を並べて生きて行く。

 それでいて最も臆病な人間。
 戦うこと、傷つけられること、傷つくのを見ること、傷つけてしまうこと、これら全てが恐ろしい。
 けれど本懐を果たせず、仲間が傷つくことのほうが更に怖いので、震えそうな体を抑えつつ皆の盾として頑張る。
 甘え方というのを知らず、一人で抱え込んで潰れてしまいそうになりがち。
 誰かを頼るということは悪いことではないのに、それに気づけない辺り色々と弱い存在ではある。
 ただし自らの弱さと、対峙する恐怖をよく理解した上で、それでもと叫べるのは誰よりも勇気がある証拠になるのではないか。

→トウカ
 とても鋭利な刃のよう。扱い方を間違ったら全てを傷つけてしまいそうで、容易には頼れないが確かな仲間。
 知性や価値観といった力を一番もっていることを理解し、頼れるとは感じているが力が強過ぎて扱いの難しい武器という次元で存在を測っている。
 プライベートなスペースで過ごしていることが多い事実に対して、
「もっとみんなで過ごしたら楽しいのに」
 程度に認識し、何故という疑問を掘り下げたり、直接アプローチをしない辺りトウカに対しては弱い。
 メグミとトウカの二人がリーダーとして前を歩く素質があると思い、自身に何かがあった時は次に率先してシズクとフウカの二人を導いてくれると信じているが、多分そのような状況だとトウカは好きに動くので叶わぬ夢。
→シズク
 小動物的な不思議ちゃん。気軽に頼れる。
 なんだか賑やかな場に居るなと認識しているが、周りがきっかけにならないためシズクが動き始めたり、場が温まった時点で彼女の言動が大人しくなる事実にメグミは気づいていない。
 時折露骨に甘えて来たり、他の人と比較しよく絡んで来るような感覚は抱いているのだが、それがメグミの苦痛を和らげるためであるとは気づいていない。盲目。
→フウカ
 可愛いワガママな子。やや苦手で困らされるけど嫌いには成り切れない。
 ムードメーカーであり、場を明るくしたり、険悪な雰囲気を和らげる第一人者であるという認識。シズクが同等以上に頑張っているのには気づいていない。
 自身とは違い明るく活発的な様子に苦手意識こそ持っているものの、フウカが意識して接するため、実際にコミュニケーションを取るとその事実を忘れる。
→ナル
 頼れるものの、不気味で恐ろしい。頼りきりにはなれない。
 ただ怯えがちであるものの、恐怖に耐性はあるので割と普通に接することが出来る存在の一人。
 何か困ったことがあれば手を貸すという奉仕の精神は、日頃何かと手を貸してくれるナルも対象である。
 世間話も気軽に出来る仲。彼女の真意は知らないままで。

・フウカ

名前:フウカ 「風花」で煌びやかな様子。 「風化」で寂しい感じも含む。
 自由奔放で束縛を嫌う
長所:常識に囚われない完成 芸術肌
短所:自分勝手 飽きっぽい
ギャップ:飄々としているが虚ろな孤独を抱えている

「少女は自分の正しさを信じています、そしてそれを誰かに認めて貰いたいです」

趣味:ピアノ演奏
写真鑑賞、撮影
 自分がその場所に居て景色を撮ったこと、感じるものがあって撮った物を誰かと共感すること。
 自己証明と他者共感が主な動機。
人称:あたし、私 あんた、あなた
イメージ:他者共感 不安 自己主張

 ムードメーカー。時折一線を超えてしまうけれど、誰かを傷つけたいわけじゃない。
 論理的思考は苦手だが着眼点は良く、他の人では中々気づけない物に気づける。
 四名の中では一番芸術肌。気ままに音楽を演奏していたりする一面も。

 日頃から誰かを傷つけないようにと意識しているが、超えた一線すらも受け止めて欲しいという、人の温もりを求めている。
 メグミと同等に臆病な性格。誰かを傷つけたくは無いし、誰かに傷つけられたくも無い。ただ彼女と違って自分自身が最も大切ではある。
 無条件に自身を受け入れて欲しいと願いながらも、誰かを許容出来るほど器が広いわけでもない。
 本当の自分を隠し、ありのままの自分自身が受け入れられないのでは? という怯えを抱き続けている。
 四名の中では最も依存気質かつ誰かを愛せる人間。愛されたのなら甘えるのではなく、相応以上に返せる。
 そして"誰かのために"という在り方を力強く貫けるポテンシャルを持つ。

→トウカ
 時折どこか遠くだったり、自分達を客観的なとても冷たい目で見ていることに気づいている。
 怖い存在ではあるが、輪の中から外れるのは寂しいと感じており、少しずつ距離を詰められないかと錯誤中。
→シズク
 友人。親友にも、恋人にも成れそうには無いけれど。
 一緒に楽しく過ごせるが、もし自身の弱さが露呈して、それを受け入れられてしまったら、甘えきりになると思っているので本音では向き合えない。
→メグミ
 好意を持っている相手だが、苦手意識を持たれていることに気が付いており、気を使って接している相手。
 メグミの負担が減っているのであれば、見えない場所でフウカが頑張っている証。
 全てを受け入れる母性を感じているが、本人が潰れそうなのはよく理解しているので頼ろうとはしていない。
→ナル
 どこか空虚な自分と同じ存在。
 だから深入りは出来ない、互いに依存してしまえば救われないから。
 結果互いに気を使い、どこかやり取りは虚ろな物になってしまう。
 それでも、いつか、仲良くなれると信じてる。

・ナル

名前:ナル
null 空っぽ 満たされない 一人だけ二文字の名前で異端感出せてる。他が漢字由来の命名なので尚更。

「少女に自分の正しさは存在しません、故に彼女は彼女足り得るのです」

ギャップ:相手の心情を重んじる

 虚ろな少女。
 自らの主義主張を持たず、奪うことも知らず。ただ与えられることにこそ意義を見出す。
 穏やかで、大きく感情がブレることはあまりない。
 ただ依存性は最も強く、執着し自ら寄ったり奪うことは無いのだが、手元にあるそれを病的に愛する。
 文字通り一歩引いて世界をメタ的に俯瞰でき、それ故に諦観主義者でもある。
 他四名とは違うという自覚は特別感では無く疎外感に落ち着き、ブレインへ最も近しいという実感は共感や切望に繋がらず、すれ違うような定めに涙なくして泣いてしまうような悲観に収まる。
 けれど現状を打破しようとも思わず、なんとなく悲しい程度で無視できる感情で、時折誰かと接すると嬉しいのだが虚しさは拭いきれず、喜びはすぐに忘れて此処では無いどこか、あるいは存在しない自分を漠然と感じる。

 当人の気質として自分のことすら他人事で済ませるきらいがあり、斜に構え日々を過ごしがち。作り物であっても、本気で生きられる彼女達は尊い存在であり、作り物であると自覚して、何も動くことを選べなかった自分はつまらない存在だと自己評価が低い。
 一歩引いた視線、価値観は自身の喜怒哀楽よりも、他者の喜怒哀楽に強く働く。
 彼女達が悲しまず喜ぶ日々は大切な物であると感じるし、明確に、特別に、活きているブレインと接すれば、自らの欲求も自ずと生まれて来る。
 シズクが目指している答えに近しいが、辿り着くことは無いだろうし、こんな生き方、辿り着く物でも無いとナルは願う。


→トウカ
 明確な敵意を感じるので引き気味の対応を。
 ナル自身はトウカの生き方をとても尊敬できる生き方だと思う。
→シズク
 目線が一番近しい。共犯者として頼れる。
 シズクが目指す諦観者としての在り方に自身は近く、碌な物では無いと理解しているので、珍しくナル自身の欲求として何かを説くことも、悟られることも意識して避けている。
 感情的、楽しい空気を意識して作り出す相手。
→メグミ
 責任者として頼れる。深く撫でなければ世間話も楽しめる相手。
 英雄に成り果てる一面も見たいと思いながらも、理想を捨てて腐ったり、等身大の人間としての生き方を歩む在り方も見たいと常々感じている。
 ただそれらの道を作るのは自分では無いだけで。
→フウカ
 無関心。自分と同じ"程度"の存在としか思っていない。
 自己評価が低く、他者評価が高いナルには珍しく、同じ穴の狢。
 誰かのために誰かのためにと生きるならメグミが最も英雄らしく、諦観しようと目指すけれど迷走している有様のシズクはとても人間的で。フウカは捻りの無い単純な悩みに迷っているので観察しても面白味が無い。
 ……のだが、彼女のココロに触れると話が変わって来る。

「愛してくれて、ありがとうございます――」


身体周り

・身長

メグミ>>フウカ>トウカ>ナル>>シズク
 メグミで160前半程度か。シズクは流石に140台。

・スタイル(ふくよかさ)

メグミ>ナル>フウカ>トウカ>シズク

・体重

メグミ>トウカ>フウカ>ナル>シズク

・トウカ
 かなり筋肉多め。結果小さく、重くなる感じ。

・シズク
 とにかく先天的に小さい。
 特に食べる方でも無いし、水泳もするが速く泳ぐことは意識していないので筋肉もあまり。

・メグミ
 先天的な物から、本人が意識している場所まで。
 ただまぁ脂肪の塊(おっぱい)は重いよ。
 本人気にしているけど、周りが細めなだけだからもうちょっと雑で良い。

・フウカ
 周りからの目を気にして意識して体重は落とすが、健康を損なうまででは無い。
 胸は盛りたいと絶賛努力中。乳に貴賤はないと言うのに。

・ナル
 栄養不足の苦痛もどうでも良く、気が向いた時に食事をする程度。自分自身のことはどうでも良い。
 そのため脂肪や筋肉は通常よりかなり落ちているが、出る所は残っているタイプ。女子の敵。


・利き腕

・トウカ
右利き
 両方ある程度は使えるが、大体右利き用に作られていることを意識して右を率先して使う。
 左も慣らしているのは緊急時のため。
 武器の二刀は、左を短めの物で防御寄りに扱う。攻撃重視。

・シズク
右利き
 一般的に。
 自然にそうなったというよりは、自然を目指してそうなった。

・メグミ
右利き
 幼少時、鉛筆やスプーンを右で取っただけ(1/2)

・フウカ
左利き
 感性自体は少数派なため、左利きとして現れる。

・ナル
左利き
 特に何も考えず、気づいたらこうなっていた。
 気づいたら少数派で、気づいたら身近では一人にしか共感されず。


みんなの生活事情

・洗濯物

 個別管理。
 ここはメグミも……たぶんあんまり手を出さない。


・トウカ
 最低限シンプルに。
 ただ運動後はすぐに着替えて洗ったり、書庫に籠る時は適当な管理になったりとムラがある。
  それぞれ優先度と効率の問題。

・シズク
 割と気まぐれ管理。
 気づいたら溜まっているし、気が向いたら早めに洗っているし。
 上手く畳めていなくてシワの付いた物を着ていって、メグミかフウカに直されることもあれば、綺麗に整理整頓する時もままある。

・メグミ
 形からは入るタイプ、健全な心は健全な肉体に。

・フウカ
 お洒落には人一倍気を付けているので、清潔さ含めてこまめに。
  他者評価を気にしている現れ。

・ナル
 お洒落は好きであり、細目に洗い整理整頓も綺麗な部類。
  自分のことを着せ替え人形と認識している節あり。


・洗い物

・トウカ
 助力を乞われたら手伝う。
 他の人がやることで上手く回っている現状、自分がわざわざ動く必要は無いと思っている。
 そもそも自分がやるという選択肢を忘れていることも多いが。

・シズク
 大変そうだったら手伝う。
 生活最低限のことなのでこの辺りは消極的ながら自主性あり。

・メグミ
 気づいたらやっている。
 誰かがやるのは自分がやればいいし、感謝されるのなら嬉しいし、感謝されなくとも自分で褒めるので無敵。

・フウカ
 誰かと一緒にはやらないが、コップがワンセット出ているのなら自分の物と合わせて洗う。
  一緒にという力。
 メグミが大変そうで溜まっているようならフウカがやっている。
  褒められたい、気を使う。
 未だに一つも出ていないのなら、逆に自分のだけ洗うなどはせずに放置する。
  自己主張と、これぐらいならいいかなという妥協。

・ナル
 一人暮らしなので最低限しか出ず、細目に処理する。
 自分一人分の後片付けにも、もう慣れた。


・お風呂

 共通の大浴場と、私室にある個別のお風呂がそれぞれ。基本みんな後者を使っている。

・トウカ
 考え事をしながらシャワーで手軽に。考え事がまとまったらすぐに外に出たい。

・シズク
 長風呂。特に何も考えずボーっとしており、何かを思いついても掘り下げはしない。
 髪の手入れも頑張らないのでフウカが文句言いながら手入れしている。
 長い髪も適当に伸びた結果であり、その自然な在り方が好ましく思っている。
 定期的にフウカに切り揃えられるが拒絶はしない。短髪にもしないが。

・メグミ
 長風呂。リラックスする趣味の一つ。
 湯船に浸かりながら色々と過去や未来について考えるのが好き、たまに苦しむ。

・フウカ
 湯船には定期的に浸かるが、結構短い時間で出て来ることが多い。
 変化が少なく、飽きやすいため。気が向いたら長く入ってる。

・ナル
 長風呂。好きな歌を色々と口ずさんだり、ハイテンション。
 日々のルーチンや変化にこそ喜びを見出し、理由を付けて気分を高揚させていこうとしている。
 きっとそうしないと折れてしまうから。


・料理

・トウカ
 ご飯が出てきたら呼ばれる側。基本的に書庫や自室、あるいは屋外に居る。
 一応作れるのだが極めて雑、食べられればいいの男の料理。そもそも自分が作る必要があるのならインスタントなどで済ませて、浮いた時間で他のことをしている。
 コーヒーや紅茶にはこだわる。

・シズク
 悪い方に味が独創的。作れなくも無いし、食べられなくも無い。
 シズク本人含め皆は微妙な味という認識だが、トウカは好きな味である。
 メグミやフウカに協力を頼まれると普通に手伝い、特に出来が悪くなるわけでもない。

・メグミ
 一番得意かつ、基本的に皆の分を作る側。
 苦に思っているわけでもなく、美味しいと言ってもらえたら幸せである。

・フウカ
 ちょっと独創的な味付けになりがち、どちらかというとお菓子が得意な気質。
 他がアレなので、メグミが動けない場合はフウカに期待が掛かりそれに答える。
 その場合大きな失敗が少ない無難な料理に逃げる。

・ナル
 かなり多彩に調理出来る。メグミよりレパートリーが多い。誰も食べる機会はないけれど。
 食べる歓びは忘れないようにしており、調達が必要な素材は取って来たり栽培している。
 自分がほとんど食べない食料を他四名のためにと調達する偉い子。
 作っている時はテンションが高いのだが、食べる時は相応に哀愁を纏う――「寂しいな」



・掃除

・トウカ
 雑。自室は乱雑で、共用スペースはどうでも良い。
 流石に衛生面は気を付けるが、他の人よりは無頓着。

・シズク
 自室に物が少ない。最低限はやろうとしているが、度々意識の外に行き忘れることもある。
 共用スペースが汚れていてもあまり関与しない。度が過ぎると片付けるが。

・メグミ
 主に自室以外の掃除が得意。
 自分しか使わない自室は優先度が低く、気づいたら埃が溜まっていることも多く、慌てて掃除している。

・フウカ
 自室はとても綺麗。共有スペースも率先して掃除するタイプ。
 私が綺麗にしました、私は綺麗です――大雑把に区分するとこの二種類の動機で大体生活している。

・ナル
 商店兼用なので綺麗にしている。
 私物は少ないが、一部気に入った物を収集していたりする。


・運動

・トウカ
 様々な分野に精通する。肉体も作られており、才能技術も申し分無し。
 本人は持久力が求められるジャンルを好む。

・シズク
 小柄で筋肉はあまり無い。柔軟性や技術に長けており、球技などを好む。
 水泳が好みだが、早く泳げるようになるというよりは、気ままに泳いだりぼんやりと浮いているだけ。

・メグミ
 インドア派。別にセンスがないわけではない。

・フウカ
 瞬発力があり、短距離走や体力が重視されない物が得意。
 運動自体にあまり興味はなし。

・ナル
 やる気無し。
 物資調達などで動く時は体調を整えるところから。


・読書

・トウカ
 小難しい物から様々な書物を嗜む。得られる感動よりも、知識や価値観を重視する。

・シズク
 絵本や漫画など、一目にて雰囲気を掴める物を好む。サブカル方面も好み。

・メグミ
 小説や詩集を主に。イラストはあまり重視しない。

・フウカ
 写真や画集などが好み。漫画、絵本、詩集も割と触れる。

・ナル
 小説を主に好む。
 作り物で得た感動は輝いているけれど。


・ゲーム

・トウカ
 ボードゲームやゼロサムゲームが好みかつ得意。
  自分のスキルを証明、確認できるものを好む。

・シズク
 パーティーゲームが好き。一人で遊ぶときはパズルをやることが多いが、別に得意ではない。
  歯車になったような作業感が好き。

・メグミ
 ノベルゲーム、ADV、RPGなど、物語性を重視する。

・フウカ
 育成や、収集要素のあるゲームを好む。
 特に他者と競ったり、共感を意識しているわけでは無く、コツコツ溜まっていく物を楽しむ。

・ナル
 繰り返し楽しんで遊べる物を好む。


・創作系

・トウカ
 特に無し。無から有を生み出す存在に在らず、AをBに変化させるに優れた存在故に。

・シズク
 特に無し。そうしたいという欲求も、才能も欠如している。
 或いは、こうでありたいという理想像が彼女の芸術なのだから。

・メグミ
 文章系。本人は隠している趣味で、実際バレてはいない。
 人には言えないような気持ちを好きに叫んだり、綺麗な物に加工して満足するための物。
 ジャンル、媒体自体は明確に見出せていない段階。

・フウカ
 生産性が高いのは写真撮影、ピアノ演奏。
 ただこの二つは彼女にとって、見られたい、聴かれたい、褒められたい――そういった欲求から無縁な物。
 一人でカメラを持って出て、気づけばアルバムが一冊増えていたり、誰も聴衆が居ない中、気ままに演奏を楽しんでいる。
 ただここ最近はそれも少し変わって来たかも。

・ナル
 特に無し。欲求、才能共に欠如。


・飲み物

・トウカ
 コーヒー 砂糖少し、ミルク無し
 紅茶 砂糖多め、ミルク有り
  カフェイン重視。苦いのか甘いのか欲しいので飲み方を変える。

・シズク
 レモン水、それが水そのもの。
  ただのお水に一味足して。

・メグミ
 お茶 (≠緑茶
  カフェインには依存しないもの。

・フウカ
 ハーブティー
  香りを楽しむ。落ち着いたり、活動中の休息用に。普段は水で。

・ナル
 特に無し。強いて言うなら栄養もいい感じに摂れる物。


精神面など

・ポジティブorネガティブ

・トウカ
 わかりづらいがポジティブ。
 物事の解決に当たってまず真っ先に欠点を見つけ、それをクリアしてからゴールを目指そうとする。
 悲しい状態から絶対に幸せになろうと這い、前に進むため苦難の中に居てネガティブに見えがち。

・シズク
 ネガティブ。
 自身に期待をしておらず、また他者にもあまり期待していない。
 けれど誰かが行った結果なら自分よりも他者の結果のほうが尊重されるべきという優先度は付いており、それは自身の行いでは無いからと言い訳に使える要因も秘めている。当然誰かの失敗で不利益を被っても、動かなかった自身は自覚しているし、自分が動いても他者より良い結果は得られないと思っているため、特に不満は抱かない。
 他者の成功には憧れと称賛は向けるものの、嫉妬はしない。聞き分けの良い諦観者。

 時折、我が出るのは彼女なりにラインがある。
 他者優先、利他的方針には相応の矜持を抱いており、それを害されたり、誰かの意志が尊重されない行いが発生すると激昂する。これには自らの意志も含まれる。
 ただし意思を持って害そうとしたり、不利益を与えることを分かっていて行われる所業には加害者側の意思を尊重することが多い。無意識が何よりの敵かも知れない。

・メグミ
 最もポジティブ。理想主義で、現実を見れない、見る気が無いとも言い換えられる。
 誰かがしなければならないこと、誰かが犠牲になれば皆が幸せになれること、そういった功利主義や摂理の被害者は全て自分かつ、自分が耐えきれば皆が幸せという理想を抱く。
 ネガティブ、悪い物と向き合っていないわけでは無いのだが、他者と比べるとどうしても鈍感。
 実際ほぼ実現出来てしまう辺りは強者、英雄の類ではあり、真に弱者の理解者になることは出来ない。
 そうした孤独は何となく感じており、自身の逸脱具合の認識も相まって、自分のような少数派に皆が共感していないことにすら安心感を覚える。

 ただ傷ついても立ち上がり続けることが出来るだけで、痛みは確かに感じる。
 当人は堪えらえるのだが、これが長くに渡って行われると傷つく彼女を見て周りが堪えられなくて折れてしまう可能性は高い。

・フウカ
 結構ポジティブ。
 ただ日々不安を抱いており、それを避けたり、上手く対応することでメンタルを保っている。良くも悪くも人間的な範疇。
 避けられぬ苦難に出会った時には、一人では立ち向かえる強さも、勇気も恐らく無い。けれど傍に誰かが居るのなら、その誰かのために身を挺して抗うことは出来る。そういった意味では依存気質を秘めている。

・ナル
 そこそこネガティブ。シズクほどではない。
 そもそも置かれている状況が悪く、諦めるなと言う方が無理がある。
 皆と接する時に冗談を言ったり、自分が率先して動く彼女が本来に気質であり、先天的にはポジティブ側の人間。
 実際ブレインに救いを期待し、条件が整えば喜んで動く。
 もしシズクが同じ状況に置かれていたら期待も抱かなければ、満たされた条件にも手を伸ばさない。


・メンタル

・トウカ
 強靭。最も意志の力が強く、苦難に率先して挑むため後天的に身に付けた耐性も高い。
 過剰な我の強さにも繋がりがちだが、共感能力も十分に持っているため、相手の主義主張に感じるものがあれば引くことも出来る。
 色々考え、そして自分の本心に従って動くため、余程の事が無い限り弱みは見せない。
 体が勝手に動いてしまい、もう取り返しのつかないような崖際に立たされてしまえば、流石に弱い。普段滅多に転ばないが故に、どう立ち上がって良いのかも迷ってしまうほどに。

・シズク
 一応強い。前提として諦観主義があっての物。
 諦めてはいけないと言われても甘えてしまうし、他者より頑張ることは苦手であるが、勝手に襲って来る困難や、与えられた嫌な役割自体は苦なくこなす。
 痛みを痛いと知るが故に、それを避ける方法を知っている。逆にこれらが通用しない状況になると、見た目相応なか弱い少女になるだろう。

・メグミ
 弱い。痛みを痛いと感じないが故に、結果強く見えるだけ。
 あるいは屈しても抗い、最終的には克服するためか。打たれ強くはあるが、それは理想と盲目という防具があってこそ。防御力は低いけれど、HPと自動回復が強い感じ。
 苦しい、恐い、不安、そう言った物には素直に弱さを見せる。大体乗り越えるが。
 そういう意味では全然強い部類。

・フウカ
 弱い。特に本編で弱さを見せないのは誰かが常に居るため、あるいは上手く困難を処理出来ているだけ。
 孤独には堪えられず、誰かしかいない困難には、その誰かに依存し、戻ることも非常に難しいだろう。
 良くも悪くも人の輪の中で輝くタイプ。逆に誰かが居て、望まれれば、比類なき心の強さを見せる。

・ナル
 状況を考えれば十分強い。
 どうしようもない絶望的な舞台だが、当人は自分なりの楽しみ、幸福を糧に日々過ごしており、諦めや悲哀に溺れることもあるけれど、希望を捨て、折れることは決して無い。
 役割を与えられず、何者にも成れなかった彼女は、何者でもない彼女に辿り着いたとも言える。
 きっとその在り方を、世間は普通の人と呼ぶのだろう。


・エゴ

・トウカ
 エゴイスト。
 行動はどこもまでも自分のため、仲間のための行いも、自分に利益をもたらすから行う。
 目的のためならば他者を切り捨てることも視野に入れ、罪悪感を覚えることも少ない。
 嫌われようと覚悟の上。協調性も最低限しか持ち合わせていない。
 ただ人並みには誰かを大切に思える人間。あくまで優先順位が自分なだけで。

・シズク
 他者優先。それが彼女の矜持ならば、エゴイストとも呼べる。
 そして逆鱗に触れた時は結局エゴイスト。

・メグミ
 他者優先でありながら、頼まれてもいないのに行動する辺りはエゴイスト。
 調和を重んじるが、人が本当に望んでいることを察することが苦手で、多くの人が、あるいは自分が誰かに求められるだろう行動を、他者に行うことが多い。概ね間違いでは無く、迷惑でも無いが、余計なお世話と感じられることも。

・フウカ
 他者優先。
 誰かが悲しい思いをしていないかな、誰かが自分に不満を抱いていないかな、そういった不安は常々働いており、世話を焼いたり、気づけば不憫な立ち位置に居ることが多い。
 別にそういった役回りに不満はない。誰かの幸せは自分の幸せ。

・ナル
 他者優先。
 自身が何をしても、望んでもまず無意味であり、なら必死に生き、死ぬために前へ進む彼女達の支援に徹した方が、この命に意義があると信じている。
 非常に低い可能性だが、彼女が望みが叶う未来は存在しており、消極的ながらも布石は打っている。そのきっかけとなり得、そして誰よりも自らを理解してくれるだろうブレインに対しては特に献身的な姿勢を見せる。
 もし望みが成就するのなら、きっと一つを除いて裏切るだろう。
 ただそこにも慈悲が残る辺り、やはりエゴイストには程遠い。


・カルマ

・トウカ
 悪人。手段を選ばない、自己優先といった気質から。
 秩序は重んじ、正しいことは素晴らしいし、犠牲も他者の苦しみも無い方が良いとは思っているので、社会的には善人の部類。
 有事の際、リーダーになるようであれば英雄の器だが、集団に属さないのであれば厄介な無法者になる。

・シズク
 誰かが悲しむのも、その人のための出来事だし、避けようとして避けられなかったのならその人の責任と、助力も慰撫もしようとしない辺りは悪人。
 基本不干渉を貫きながらも、自身の矜持に反する行為があれば積極的干渉を始める辺りやはり悪人寄り。
 悪人なりの正しさも尊重するし。

・メグミ
 善人。
 模範的、面倒見の良い、いいお姉さん。所々に目を瞑れば、だが。
 誰かを真に理解する事など出来ず、行動全てが皆にとって善い結果を齎すのは非現実的で、そう考えるとやはり善人だろう。

・フウカ
 善人。
 メグミが自分の正義のためにと動くのに対して、フウカは誰かのためにで頑張れる。
 誤った道を進もうとするのであれば協力することもあれば、諭して辞めさせようとすることも状況に応じて行うので、誰よりも調和を重んじることが出来るかも知れない。

・ナル
 善人。
 元々他者を尊重し、優先する気質は持っている上に、後天的に消極的ながらも奉仕の心に至った。
 時折わがままや自己優先を取るが、普通の女の子の範疇。


・リーダー

 リーダーシップ、適正、カリスマ など

・トウカ
 かなり高い。
 問題解決能力が高く、舌戦に強く、根はポジティブなのでこれ以上無いほどの逸材。
 ……に思えるが、何かと手段を選ばず、長期的に見た場合、前に進むのに最適と見たら躊躇い無くその道を選ぶので、どこまで功利主義者の彼女に着いていける人が居るのだろう。
 共感能力が高く、トウカに舌戦で負けず劣らずなフウカ辺りが補佐に付くと完璧。

・シズク
 皆無。
 とにかく自己主張意思が希薄な上、時折見せる我は誰かを率いるには悪影響。
 物事を俯瞰で見て最適解を見出したり、誰かの長所を見つけるのは得意なので参謀やスカウトのような適正はある。

・メグミ
 かなり弱い。
 積極性に薄く、誰かを導けるほど弁舌に長けているわけでも無い。
 ただし有事の際――絶望的な戦局の戦場や、過酷なサバイバル環境下では人々の希望として輝ける。
 心が弱った時、盲目的に縋る偶像としてはこれ以上無いほどに強い。実際それで状況を改善出来るかは時と場合による。

・フウカ
 やや適正あり。
 誰かのためを想い、誰かに想われることで成果を出す彼女は皆から好かれるだろう。
 ただ人を束ねる力と、集団を導く力は別。論理的思考が弱く、他者を巻き込んだ意思決定能力は一人のそれとは劣ってしまうので、長所と短所が出てしまうタイプ。

・ナル
 非常に高い。
 俯瞰的に物事を見ることができ、他者を優先する気質はリーダーの適正がある。
 決断能力自体は弱めで、背中を見せ誰かを引っ張る様な立ち位置は難しいが、集団の中、皆の意見を取り入れ、長所を見出しながら最適な目標を定める在り方は優れている。


・思考回路

・トウカ
 意外にも感情的。
 誰よりも頭を働かせているが、それは前に進むために最も必要なことであると考え、最終判断要因は理屈よりも感情を優先するし、考えている暇が無ければ迷わずに体を動かせる。

・シズク
 論理的。
 色々と考えた上で言動することが多く、そのため黙っていることや、行動が遅くなる事が多い。
 行動すればすぐに解決する状況でも一度頭の中で整理するため、考えた結果どうしようもない状況に陥ることも珍しくない。考えても無駄なことまで考え負担になり、ドツボにハマる典型的なタイプ。

・メグミ
 論理的。
 よく考え、筋道立てて動くタイプだが、決断力自体はそこまで強くはなく、最終決定は周囲の反応といった環境に依存することが多い。
 また思考力自体はトウカとシズクには劣るが、集団の幸福度を上げるための状況構築はメグミが得意。

・フウカ
 感情的。
 あまりロジックには頼らず感覚で、気の向くまま行動するタイプ。
 無意識下で最低限は考えており、何か意見を求められた場合は整理する時間を与えられるとしっかりとした言葉が出て来る。

・ナル
 感情的。
 思考回路は誰かの気持ち、自分の気持ちを優先して考え、客観的優位材料よりも、感情面での優位性を重んじる。
 フウカと違うのは、自分よりも他者の気持ちを優先しがちということだろう。


・INT(地頭

・トウカ
 そこそこ良い。
 考えることを好むだけで、大きな適切があるわけではなく、後天的に身に付けた知識を組み合わせてより良いアイデアを編み出すことが得意。
 知識に無いケースでは打開策を見つけることは苦手で、一度これだと思ったポイントには拘ってしまいがち。
 判断軸に感情面が大きく作用することもあり、客観的に見ればもっといい策があることも多々。

・シズク
 かなり良い。
 ただし思考、選択権の放棄が多々あり、その力が発揮されることは少ない。
 俯瞰的に物事を見つめ、客観的な視点から最適解を導ける適正があるのだが、それを主張しない性格が全てを台無しにしている。他にも根深い悲観から頑張れば出来る、誰かを頼れば実現できるプランの放棄も目立つ。
 意見を求められたり、本人がやる気を出す限定的条件を満たせば本領を発揮する。

・メグミ
 微妙。
 筋道立ててロジックを組み立てることは出来るのだが、回転率、発想力などイマイチ。
 理想に目が眩み、現実的なプランを軽視しがち。
 これらは誰かのために行われると冴え渡り覆る。

・フウカ
 そこそこ良い。
 要領が良く、すぐに最適解を見つけることに長ける。
 論理的に考えることは苦手だが、無意識下で集めている情報を組み上げて、ベストな結論を導きやすい。

・ナル
 そこそこ悪い。
 新しい概念を受け入れることが難しく、感覚で答えに辿り着くことも、思考速度自体も遅い。
 閃き自体はセンスがある。その一縷しか、彼女には残っていないのかも知れない。


・EDU(教養

・トウカ
 当然素晴らしい。
 どれだけ知っているかは、どれだけ幸福に成れるかに繋がる。
 シンズイに辿り着くまでに手に入れた副産物も多々。

・シズク
 あまり良くない。自分に関係が合ったり、興味が湧いた物にはそこそこ詳しい。
 結果、妙な事柄について詳しい知識を持っていたりする。
 一般教養? なにそれ?

・メグミ
 かなり良い。
 一般教養から、趣味に関する伝承やら、言葉に関するものなど。日常生活に必要な物も強い。
 逆に縁が無い物は微塵も知らないことも珍しくない。

・フウカ
 そこそこ。
 お洒落、流行り、生活関連、あと雑多な趣味の物は一通り。それと心理学。心理学。
 そこそこ止まりなのは広く浅くが原因。掘り下げられると詳しくは語れないことが多い。

・ナル
 結構良い。
 たくさんのことを調べた結果。調べた結果、どうしようもないことがわかった。
 日常生活はもちろん、サバイバルから機械工作なども。


各ステータスの意味と適応力

 バランス上ほぼ均一なのだが、もし自由に差を付けて良いのならどうなるか。

・攻撃力

 他者への影響力、自己主張能力、自身の正しさを信じる強さ、エゴの強さ、積極性。

・トウカ
 非常に高い。
 論理的、感情的にも強く他者へ働きかけることができ、率先して知識や経験を得ようとした結果、誰かの価値観に影響を及ぼすことが多いので強い。
 他者よりも自身を重んじることも多いので生きる刃。
 暴虐の性能が物語っているのだが、あらゆる場面で誰相手にでも強く出ることが出来る。

・シズク
 高い。
 普段は他者優先を意識して大人しいが、機会が訪れたり、やれと言われたら適正がある。
 誰かの価値観に影響を与えるというよりは、誰かの価値観に傷を付けやすい。トウカよりも攻撃性は高い。
 それを自覚し、日々オオカミはヒツジの夢を見る。
 理外の一撃、場外乱闘が得意ではある。突然キレるとほとんどの人が対応できない。
 実際プレイヤーへのアプローチを一足先に行っていたりするし。

・メグミ
 やや低い。
 誰かに何かをというより、自己完結が多い。
 彼女の背中を追う人は多いだろうが、それは彼女自身が誘ったことに起因しない。
 自己主張自体は強いのだが、静かに行って満足するタイプなので総じて低め。
 倍率低めの多段攻撃、勢いづいた時に更に強くなれる辺り、ごく限られた状況下、自身の理想に近づいたら他者の追従を許さない次元に辿り着く。

・フウカ
 低い。
 結構意見を言ったり、口論するタイプではあるのだが、それは別にフウカじゃなくてもいい。
 誰でもその人に伝えたいと思った結果、最もフットワークの軽いフウカが動くことが多いだけで。
 「寂しい」その一言さえも、誰に告げることも出来ない。

・ナル
 非常に低い。
 そもそも何かを強く意識することが少なく、想ったとしても資格が無いと押し殺すことが多い。
 積極的な行動を好みはするものの、一歩踏み出すのは余程の事が無い限り有り得ない。


・防御力

 頑固さ、自信。自身の正しさを疑わない強さ、盲愛力、価値観、人間性の成熟具合。

・トウカ
 高い。
 誰かの意見は積極的に聞き入れるスタンスを保っているものの、実際にそれを聞き入れるかどうかは、立てたロジックでトウカを屈服させてから。そこがまず狭き門。
 芯まで硬い刀剣であり、ふとした拍子に崩壊することがある。

・シズク
 非常に低い。
 頑固ではあるものの、それは未熟さの裏返しであり、ほか自信も確固たる矜持もまだまだ成長途中。
 何かを言われればそういう意見もあるんだと新しい判断材料として取り入れ、気に入らない意見を投げかけられてもその人なりの正しさを尊重してしまう。
 正しく雫。水であることを貫けるのなら、あとはもう何者にでも染まれるだろう。

・メグミ
 非常に高い。
 完成された人間性と言えば聞こえはいいが、結局自身の目指した妄執に狂い続けているだけ。
 誰かを守りたいと常に願い、夢叶い英雄に成れた時、傍に誰も居なくてもどこかの誰かが救われたと微笑む。
 誰か一人の英雄に成れたのなら、それこそ無敵なほど強く成れただろうに。

・フウカ
 普通。
 あくまで普通。属性付けに反した、等身大の少女と呼べる。
 気に入らないことがあってもそれが誰かの得になるのなら黙って居るし、自分に向けられた悪意なら感情的に怒る。
 不安も沢山ある、自信なんて本当にあるかも疑わしい。それでも少女は一生懸命生きている。

・ナル
 限りなく零に近い。
 彼女は自分を信じてなどいないし、価値ある存在だとも思ってなどいない。
 主義主張で殴られたのなら、それが正しいのだと信じ、どれ程の苦痛を伴ってでも在り方を目指す。
 ナルは無色だ、まだ何物でもない。少なくとも彼女自身はそう信じている。


・速度

 処理能力の速さ、決断力の強さ、考えるよりも体が動くかどうか。他者優先能力、後悔の頻度。

・トウカ
 かなり高い。
 上記全てに適正あり。ただし念を入れるタイプなので、最速とは言い難い。

・シズク
 かなり低い。
 何よりも他者優先が速度を遅くする。思考も判断も行動も、全て周りの言動を見てから。処理能力自体は速い。

・メグミ
 低い。
 シズク程では無いが他者優先の気質。それに頭の回転が速いわけでも無く、決断力も強いとは言い難い。
 迷いながらも前に進み続けるので、目的遂行能力はかなり高いかも知れない。

・フウカ
 非常に高い。
 考えるより先に手が出るタイプ。
 処理能力が速いというよりはなんとなくで動き、結果的に動機も手段も論理的筋道を通っていることになる。
 他者優先はするものの、誰かのためならばそれこそ、自身が先頭を駆けて判断材料になった方が良い。

・ナル
 最遅。問答無用で最遅。
 頭の回転速く、決断力もそこそこある。ただそれよりも、他者優先が何よりも優先されるが故に。
 彼女にとって先を歩く事に意味はなく、誰かが通った道を観察しながら進むことに意義がある。


・HP

 忍耐力、どれだけ他者の影響を許容できるか、その包容力。追い詰められた時に足掻ける力。

・トウカ
 低い。
 持ち前の忍耐力はあくまで肉体面の話か、防御力が機能している段階の話。
 全てのカードを切らされた時、彼女は感情に身を委ねて暴走するか、あるいは心が折れる。
 本当は弱いと知っているから、少しでも強くなろうと一生懸命。

・シズク
 やや低い。
 ふとした拍子にキレるし、汗水流して抗うスタンスも無い。
 ただ本当に、大切な物に対してはどこまでも抗える。

・メグミ
 普通。
 ある程度のことは許容できる。
 余裕自体はあり、不都合なことから目を逸らす処世術も身に付けている。
 痛みを痛みと感じない、それが強さか否かでこの評価は上下する。

・フウカ
 非常に高い。
 誰かを尊重し、それでいて自身も大切にしながらみんなと目指した未来を見据える。
 追い詰められた時には勇気を奮い起こし、本当に大切な者のためならば限界だって超え続けよう。

・ナル
 非常に高い。
 少女は待った。来たるべき日のために待ち続けた。
 どれだけ自らの役割に慈悲が無くとも、どれだけその日の可能性が薄くても。
 最期はそう、何時だって決まって、微笑んで消えるのだ。


他雑多なもの

・自死

「死にたいって思ったことある?」と質問した場合、その返答。

・トウカ
 いや、無いと思うな。
 自分で言うのもなんだけれど、ボクは強いからね。
 自分じゃ自分を殺そうとしないし、他の人にもそうそう殺されないと思うよ。
 何より、勿体無いと、そう思うかな。
 命を捨てるということは、それだけ可能性を捨てるということ。
 それに、そう思えない今の強い自分は、そんな世界を見ることが出来ない。
 幸福だと自認する一方で、いつかは言ってみたいよ「死にたい」って。
 今のままじゃさ、誰かの嘆きを蔑ろにしてしまうから。

・シズク
 ……。
 ねぇ、「ある」って言ったら、あなたはわたしに何を言ってくれるのかな。
 もし今も、そう思い続けているって言ったのなら、あなたにわたしは救えるのかな。
 逆にさ、「ない」って言ったらあなたは良かったって笑うのかな。
 見え見えの嘘でさ、死にたいくせにそうじゃないよって言った時、あなたはどうするのかな。
 わかっているくせに、良かったって話を終わらせるの?
 それとも勇気を出して訊いて見る? 「本当は死にたいと思っているんでしょ?」って。
 ……ねぇ。
 どういうつもりで口にしたの。そんな、誰も幸せにならない問い。

・メグミ
 無いわね。
 死は恐ろしく、正しくない。自死は尚更よ、それは私の道じゃない。
 ……自死は正しくない、か。
 確かにそうだわ。けれど、死にたがる人達が間違っているかと言われたらそうじゃない。
 むしろ他の人よりも正し過ぎて、どれほど怖くともそうした道を選ばざるを得ない。
 強烈な矛盾ね。とても、悲しくなるわ。

・フウカ
 なに悲しいこと言ってんのよ。
 自殺願望なんて誰もが抱く物じゃない、酷く少数しか持ち得ない物なのよ。
 それを誕生日みたいに訊いてんじゃないわよ。
 あたしが日頃からそんなこと思っていそうに見えた?
 それともあんたにはそんな衝動は日常的な物なのかしら。
 ……何かあったのなら、聞くわよ。
 こうしてお喋りして、んでたぶん的外れなアドバイスして怒らせちゃうかも知れないけど、あたしにはそれぐらいしか出来ないからさ。
 もしそれでもいいのなら、考えてみて。

・ナル
 ――訊ねて、どうしますか?
 わたしを叱りますか、それとも慰めでもしてくれるんでしょうか。
 それとも……。
 ――それとも、自殺じゃないようにしてくれますか?
 それは幸福でしょうね、幸福でしょうとも。
 それだけのリスクを背負って、私の冷め行く血潮を浴びて、ココへ直に触れてくれるのでしょう?
 幸福に、違いないじゃないですか。


・恋愛観

 同性恋愛、出産は当たり前な世界観。

・トウカ
 女性の方がやや好み、年齢は同年代。優しい人が好き。
 自分のわがままを許してくれて、自分のために犠牲になってくれる人を好む。
 取り返しのつかない段階になって初めて、彼女は自分の心に気づくだろう。本当に大切なことに。
 ふざけた前提さえ無ければナルが一番好きだったはず。

・シズク
 男女共に好み。年齢は若い方が好き。
 他者尊重を優先する人を好む。わたしがあなたのお姫様。
 そうした人にこそ本来我の強い彼女は心を許し、そんな人のために滅私奉公したいと思う。
 実態は利己的なメグミは無理で、フウカが最有力なのだが既に出来上がった友達の関係は、シズクだけには崩せない。
 ただそれよりも、自分自身を幸せに出来ていないのに、恋する相手を幸せに出来る自信がシズクには無い。
 結果、どうしても深い関係には、酷く、遠い。

・メグミ
 男性、頼りになる人が好み。
 ただその性質には「自分は要らないのではないか」という致命的な矛盾を含む。
 概して認めた相手に抱く恐怖を乗り越えるか、彼女自身が自らの理想を捨てなければ恋愛は出来ない。
 作中だとトウカが一番タイプか。恐怖に挑む前に屈していたが。

・フウカ
 男性、若い方が好み。共感してくれる人が好み。あたしがあんたを想うから、あんたもあたしを理解しようとしてほしい。
 目線を合わせようとすることが大切で、実際合わせられなくとも何も問題は無い。
 そこに相手の強さも弱さも関係は無く、ただその心持ちだけがあれば良かった。
 立場も相まってブレインが性別問わず最有力候補。他の少女達とは世界観的に相容れぬ恋愛観。

・ナル
 女性の方がやや好み。価値観が近しい人が好み。フウカとは違い名では無く実を取るタイプ。
 同じ場所から、似た景色を見れる存在を愛おしく思い、その共に歩める共感こそが何よりの物。
 トウカにはその可能性があった。シズクには姿勢が足りなかった。
 ブレインとは、そのどうしようもない距離があった。

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Huyumi 2021/05/20 17:36

ブレイカーハーツ「あとがき」

はじめに

 こちらは「ブレイカーハーツ」の後書きになります。
 何を考えながら作っていたとか、そう言った事含め好きにリリース後に振り返りの感想を書いて行こうかなと。
 性質上あらゆるネタバレを含みます。
 作者の解釈も含みます。
 けれど、あなたの解釈を大切にしてあげてください。

キャッチコピー

《死に寄り添うメタフィクション》

 開発当時、最果ての対応に一区切りが付き、そろそろ新作の開発を始めなければ日々が虚無過ぎて焦っていた頃、丁度知り合いの方が死別を体験して思い悩んでいる様子でした。
 何か声をかけたいけれど、今何を言っても後出しで、嘘臭く感じてしまうような気がして、何も言えなくて。
 まだ固まっていなかった次の作品の、メッセージの一つとして死生観を取り入れようと思ったことを今でも覚えています。

 メタフィクションというのはそのままで、主人公が存在せず、直接プレイヤーが物語に干渉して遊ぶゲームとしてキャッチコピーに入れています。
 「サージュ」シリーズや、「拡張少女系トライナリー」(以下カクトラ)を強く意識しました――というか、現状メタフィクションという存在は、プレイヤーを驚かせるギミックだったり、ちょっと笑えるような小ネタとして扱われる手法で、これらの作品以外に(少なくともわたしは)メタフィクションを前提として提供されるコンテンツを知りません。

 ゲームという媒体は数少ない総合芸術であり、その中でも「没入」という体験は他のコンテンツでは味わえない無二の物です。
 それを最大限精度を上げるメタフィクションを「当たり前」の物として扱わないのはとても勿体無いことだと感じ、その良さを伝える一人にでも成れたらなと。

 「最果てを目指す」では没入感は高かったものの、主人公は存在したため「=」とは言い難く、一部の選択肢の正当性を主張する根拠として弱いとわたし自身自覚していたので、今回は限りなく「=」に近しい手法を取りたかった、また主人公が存在しないことにより地の文が書けず、台詞回しのスキルアップもしたかったなど、様々な動機が存在します。

 メタフィクションという題材において、プレイヤーと登場人物達の別離はかなり要となる箇所です。
 ゲームクリア=お別れという図式は常に頭の片隅に入れておかないといけませんから。
 シェルノサージュ、カクトラではこの別離を明確に描いていて、同じディレクターのアルノサージュでは結構うやむやにしています(どちらが悪いという話ではない)
 またユーザー≒主人公である伺かでも、ゴーストを消滅させて別離を意識している作品も多いですし、デスクトップに常駐させることが前提ではあるコンテンツのため、別離はさせず、代償行為によるメタファーでこのジレンマに対抗している作品も多いです。

 そんな中でメタフィクションを扱うことに決め、わたしがやりたいのは「プレイヤーが居ない向こう側の世界の終わり」だなと感じたので、かなり残酷ですが彼女達の死は避けられない物として徹底しました。

キーワードとコンセプト

 コンセプトは「鏡」です。
 幾人かの考察や、ココロの反映基準を考えればすぐにわかると思っています。

 またキーワードは「悲しいだけじゃないから」になります。
 かなり曖昧な物になりますが、シズクが似たようなセリフを早々に口にしていたと思います。

「死は悲しいだけじゃない」「死を悲しいと思うのなら、その生は喜ばしい物だった」

 たとえばトウカの「激情」 たとえばシズクの「諦観」
 それに恐怖や不安など、そういった感情はネガティブな物だが、必ず先に繋がり、ポジティブな物が生まれるはずだろう、というのがわたしの祈りです。

 またこれにはコンセプトも関わっていて、鏡というコンセプトはわたしが過去二作品で扱っている物でした。
 色々と甘くてまるで評価されなくて――それでもわたしは、このコンセプトを捨てたくなくて。
 それは「未練」でしたし、「後悔」でも「復讐」でもありました。
 そんなネガティブな感情がもし新しい作品を生み出せたのなら――色んな人から良かったと言ってもらえるのなら……うん、悲しいだけではなかったんじゃないでしょうか?

 このコンセプト扱い切りたいと思ったのは「カクトラ」のココロがこうした役割を完全には持っていなかったことと、「リンゴの樹」というゴーストで属性分けし性格診断するミニゲームがとても楽しかったからですね。
 この二つが噛み合って、ブレハのココロシステムは生み出されました。

音楽

 今回から全ての曲をループ加工しています。
 曲が途切れてしまうと少しでも現実に戻ってしまい没入がそこで終わってしまうので、かなり制作リソースが苦しかったんですが、題材的に死ぬ気で取り入れました。

 音楽用語もサッパリで、当然音楽系ソフトもほとんど知らなくて。
 そんなゼロからの導入で一つ目の曲がループ出来るようになるまで15時間ほど掛かりました。
 インディーズ規模のゲーム制作者、みんなループ加工しよう!
 ……とは気軽には言えないんですが、よくよく考えると15時間で基礎的なスキル身につけるのって、あらゆるタスクに時間が掛かり過ぎるゲ制だと大したものじゃない気がしますね。わたしは消費者としてかなり評価するポイントなので良ければ。

 さて、前回同様選曲を褒められたのですが、どう選んでいるかと問われたら「ひたすら聴く」ぐらいでしょうか。
 ちょっと前回よりは環境を整えまして、

1.素材に使える曲を聴く
2.良かったら制作者毎にフォルダ分けする
  この時URLや利用規約、作風なども簡単にまとめておくと後で楽。
3.作業中気に入った曲を聴き続ける
4.場面のテキスト、登場するキャラを見ながら、合う曲を探す

 みたいな流れを作りました。
 ただ結構今回は曲数が少なく、使い回していたり、手を抜いている感じになってます。同じ曲の捉え方が変わったり……などもついでに狙いつつ、コストを抑えられないかなと。
 特に場面場面で曲変更は管理が難しく、一部のエロゲが採用しているキャラテーマを模倣し、そのキャラの空気感を出すことを重視しました。


 珍しく選曲理由がメモされていたので載せますね。
 あんまり興味ない人は、結構長いので適当に飛ばしてください。


▼▼▼▼ 選曲理由 ▼▼▼▼

・『月影』のホーム採用基準
 一定の旋律で奏でられる綺麗な世界。
 盛り上がりではベースの音に対して、短く高めの音がメインになる。
 このクライマックスでは焦り、期待を感じるが、しゃぼん玉を突き抜けるが微妙な度合、かつ突き抜けるか躊躇ってしまうような、いつまでもこの居心地の良い空間に居たいと後ろ髪を惹かれるような感覚を覚える。

 実際作品の根底にはこうした匂いが存在するので、大部分で頼って良さそう。



・トウカ
『Collapse dance』
 少しだけズレて聞こえるトーンと、音と音が絡み合うように音楽を奏でつつも、すれ違ってばかりで、それでも前には進めている、何か欠けてはならないものを代償に何かを成しているのに、一体なにを燃やしてそれが輝いているのかわからない、わかろうとしたくない心の迷い。

 テンポがそこそこ早く、明るい音が使われているはずなのに物悲しさを消し切れないどころか、音が鳴れば鳴るほど暗い部分が強調されるように踊る感じ。
 悲しいことなんて何処にも無いよと、口元だけ笑いながらそれでも現状が十分の幸せと抱きしめて。

「これが、望んだ結末なんだ」



・シズク
『落涙』
 楽し過ぎず、悲し過ぎず、不思議過ぎず、そんな、彼女。
 ピアノのソロは孤独感や、ありのままの自分に繋がる。
 元気になろうとして、寂しさは振り切れず、このままのんびりと沈んで居ようかなと思ってもたまに変化を望んでしまう。

「"今のままで良い"
 魔法の言葉が"仕方ない"から変わったのは何時だろう。
 あの時から、何も変わっていないままなのかな」



・メグミ
『紫苑 -追憶-』
 紫苑の花言葉は「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」
 シオン属全般の英語の花言葉は「patience(忍耐)」「daintiness(優美、繊細)」「symbol of love(愛の象徴)」

 もう全ては過ぎ去ってしまった。
 それを過ちだと認めることなんて出来なくて、少しでも良かった所を見出し、美化して思い出は瓶に入れて蓋をする。
 その輝かしき過去に、今もなお過ぎ去る現在に恥じることが無いよう、もっと良く、もっと素晴らしく、明日へ未来へと歩みを進める。
 きっと辿り着けるのだろう。
 隣に居た大切な人はもう無理だと別れを告げる。それに彼女は仕方なさそうに笑って「今までありがとう」と前を向く。振り返ることなんてしない、もうそれは過去なのだから、思い出と共に見た素晴らしき楽園にたどり着く約束は残っているから。
 残り火だけが突き進む。今の私も何時か見た夢。

「本当の私は消えてしまった」



・フウカ
『Letters in your mind』

 寒空の下、待ち人が何時来るかわくわくしながら待って、遠くに見えたらマフラーで一瞬口元の笑みを隠しながら、それでも結局マフラーからは手を離して気づかないフリを一生懸命バレバレにして向こうから来るのを待ってしまうような。
 伝えたいことはあるけれど、それが強い言葉になってしまうことは避けて、それでも相手のどこかに自分の言葉が残っていることを願ってしまうような。
 そんなもどかしさや人との繋がりを奥底では求めている奥ゆかしさというか、素直に成り切れない感じ。


「ねぇ、明日も今日みたいな日かな。来年も、そのずっと先も、そう願ってるかな」



・ナル
『この宇宙のどこかで』

 基本ショップ共通のため、そちらにも合っている物を。

 繰り返される毎日、変わらない日々。
 明日は何が起きるのかなと、お風呂の中、確かに笑っていた日中のことなど思い返さずに。
 いつも、空を見ていた。いつも、明日を見ていた。
 笑っているはずなのに、時々どうしようもなく寂しくなって。


「植えた種がどんな花を咲かせるのだろう。そんなことを毎日考えている」


▲▲▲▲ 選曲理由 ▲▲▲▲

イラスト

 まず、物語を先に考えていません。
 使いたい素材を決めて――今回ならシズクの見た目がめっちゃ好みだったので、この子を使ったゲームを作りたいと思い、これらの素材でどのような物語を作れるかと色々考えました。

 細かく表情を変化させたかったため、素材の時点で八個の表情を目元と口元で切り取り8*8=64の組み合わせに増やし、その中から使えそうな物を探して大体一キャラ辺り20表情前後の三倍に増やしています。
 シズクに至っては右目を閉じている表情が無く、覚醒用画像の両目閉じのためにコラ的加工をして強引に両目を閉じている画像を作りました。
 この画像は表示時間が短いため気にはならないと思いますが、他画像含め違和感を感じない仕上がりになっていると嬉しいです。

キャラクター

 大体四方向へ散らせるような性格。
 それぞれの属性にある印象の他に、喜怒哀楽など分けられる物はなるべく分散して。
 ただこの役割分けを徹底するのは避けました。
 似たような趣味を持っていたり、こういう傾向があるけれど、この子はこう思うはずと自然に動く時は流れに委ねる。
 この自立は創作においてとても大切で、また揺らぎは人であるなら誰しもが持つものだろうから、揺らぎを取り入れることで人間味を出したかったこともあります。

 またキャラクターの魅力を引き出す手法の一つとして「ギャップ萌え」を用いました。
 第一印象――キャラの容姿や、普段口にする言葉、日常での立ち居振る舞いとは別に、全く印象とは異なる一面を入れた。
 これは各キャラ早期に見せることで、可愛いだけでは、一筋縄ではいかないな? という闇の深さや、どっちがこの子の"本当"なんだろう? もしもああいった一面を抱えているのなら、今このシーンでこの子は何を思ってこう言動しているのだろう? とプレイヤーの気を引く狙いがあります。

 トウカは理知、悲観的なギャップが主体になってしまったり、フウカももっと小悪魔的なキャラを意識していたんですが、大分早期に会話シーンを作っていてバランス悪いなと気づいてしまい、狂言回しで場を温めるのはシズクに一任し、結構彼女の我が当初より強くなりました。
 初期構想を投げてから本番よ。


# トウカ
「青い炎」
 恐らく見た目とのギャップが一番強烈なキャラでは無いでしょうか。
 火属性、赤色と言えば、感情的で前向きかつ快活。典型的な主人公気質を連想します、しかもポニテだし。
 彼女にこれらの気質が存在しないわけではありません。
 楽しいのは幸せで、悲しいのは嫌だから、だからどうすればより幸福になれるのかを考え求めます。
 希望である光を目指すため、燃やすべき絶望を求めます。
 故に誰よりも、目を逸らしたくなるような過酷さと向き合って。
 そして、皆がワイワイとしている中、彼女だけはどこか遠くを見ていることが多いです。
 この世界がなんなのか、真実を求めるために。主人公と等しい、プレイヤーと近しい立ち位置に居ます。

 「理屈的」「悲観的」「非日常を求める」
 これらは「感情的」「希望主義」「日常を愛する」と反する物では無いと、わたしは思いました。

 トウカも一人称を使い分けている一人で、最もその扱い方がわかりやすい存在だと思います。
 普段の「ボク」や「キミ」が意識して作っているものであり、その証としてカタカナを使用しています。
 感情が高ぶったり、本当の自分を見せるタイミングだと「私」に戻ります。
 彼女だって恐れられるのは本意で無く、簡単に被れるペルソナがあるのなら扱わない理由が無いでしょう――そのありのままが、どうしても他者と比べて鋭利過ぎるだけで。
 猫を被るのがまだまだ未熟だけれど、本性はむき身の刀のようなトウカ。
 猫を被るのは非常に慣れているが、本性は荒い鈍器のようなシズク。
 対照的かつ、見た人によってどちらがより怖ろしいかは変わると思いますが、まぁわたしはトウカの方が怖いですね。


# シズク
「岩砕く水滴」

 初めに男性的な口調で怒り狂った時、恐らくあなたは戸惑ったと思います。
 あれは彼女が隠そうとしている一面であり、ギャップでもあります。
 ただそれとは別にもう一つ、明確に別の顔の"シズク"が居ます。
 三つの内、どれが本当の彼女かと問われたらわたしは全てが彼女そのものであると答えますが、当人はこの三つ目のシズクは自覚していないかも知れません……どこか意識の挟間では、理解しているのかも知れませんが。
 これからの顔は全てバラバラのように見えて、どうしてそうなったかのロジック自体は通ります。

 なんにせよ彼女は一滴の雫を目指しました。
 ただそうでありたいという意思は色ですし、生きている以上何かに染まっていくのは必然なので、それは無理という話。結果的に岩も砕きかねない雫になってしまいました。

 余談ですが、アルビノでちっちゃい子、不思議ちゃんっぽい見た目はわたしのどストライクです。
 上記のように、このイラスト素材で作品を作ろうと思った一番の動機は、シズクのイラストが使いたかったからです。
 このままでは彼女を特別視して、四名主人公体制が崩れてしまうと危惧してしまったわたしは、シズクのキャラクター構築に作者の人間性を詰め込みました……特に悪いところを重点的に。
 特別扱いは避けた上で、あと何が起こったかと言いますと、あまりにも自分に近し過ぎて同族嫌悪が酷いですね。見た目こんなにも好きなのに推せねえ! どうしてこんな酷いことに!!


# メグミ
「臆病な英雄」

 頼れるお姉さんです。見た目からの印象はそのままで、開発初期から一切ブレていないキャラクター性です。
 ただその裏にどれだけの物を抱えて皆の前を歩いているかはあなたも理解していると思います。
 彼女は誰よりも怖がりです。
  ――それ以上に、仲間が傷つくのが怖いだけで。
 彼女は誰よりも理想主義です
  ――現実がまともに見えていないと言っても過言では無いでしょう。幼い、そうとも形容できます。

 開発では一番困ったキャラです。何と言っても、わたしはお姉さんキャラの魅力をほとんど理解出来ていないのです。
 沢山理屈で魅力を詰め込んだつもりです。ただわたしは感情ではまるで自信を持てていません。
 うぉー! どうかみんな彼女を愛してくれー!


# フウカ
「不安な隣人」

 フウカにはギャップらしいギャップはありませんが、強いて挙げるのなら自分本位に動こうとして何だかんだ周りの人を優先してしまうことでしょうか。
 どこまでも素直で、純粋で、そして愚かな少女かも知れません。
 人からどう見られているかと気にせずには居られない一方、自分らしさを探し、主張し、認めて貰いたいという欲求も抱えています。
 ベクトルは違いますがナルと同じ等身大の少女であり、弱く、弱い故に強い片鱗も秘めています。

 個人的推しです。表情一杯あるので感情メチャクチャにしてやりたかったです。

 一人称に関してフウカは「私」と「あたし」を使い分けています。
 ……が、何度考察してもどう使い分けているかは作者にはサッパリわかりませんでした。
 言動のスタンス、言葉の強弱、ペルソナの性質など色々と考えてはみたのですが、まるでどの法則も機能していないように思え「その上でこの場面ではあたしだったな」とか「この場面では私で合っている」と無意識化に潜むルールに従ってセリフを書いていました。
 一体なにが起きているんだ……キャラが自立している証拠なので従いましたが、一人称という目立つ箇所なのでキャラ崩壊しているような印象を受けないで貰えると嬉しいです。
 そして誰か法則を知っている人が居れば教えてくれると嬉しいです。


# ナル
「虚ろな少女」

 (一応)サブキャラです。
 他のメンバーとは名前の性質が違い、二文字であることと、他メンバーが漢字由来の命名であることに対して彼女はそうではありません。

 世界から役割、属性の与えられなかった女の子です。
 そして彼女が誰よりも、我々によく似た普通の人間らしさで満ちていると思います。
 誰しもが強い信条や衝動と共に生きているわけでは無いのですから。

 素材の段階で、服装同様に各キャラ二種類の顔があるんですが、この子が好きと適当にチョイスしていったらトウカと同様に赤系統の髪色になってしまいました。
 そしてナルが炎属性っぽい激情を抱くとはまるで思えず、サブキャラとして裏方に回ってもらうことになりました。
 この役回りを悩んでいた時期に、フウカの素材が販売開始されて「あ、この四名なら上手く属性を担当できる!」とピッタリ頭の中でイメージが当て嵌まりました。
 もし素材が販売されなかったのなら、もしかするとナルが何かしらの属性を担当してメインキャラになっていたかも知れません。今以上に輝けはしなかったでしょうが。

 ナルは人称などについてかなり気を付けている存在でした。
 たとえば「彼女達」とは良く言いますが決して言わない人称があります。
 またあなたと二人きりの場合は、強調する場合を除いて「あなた様」以外の呼び方を避けます。
 他の誰かがいた場合「ブレイン様」と積極的に呼びます。
 理由は、語ってしまえば無粋になるでしょう。

 ちょっとここで触れますと、ブレインのぬいぐるみがどこから来たのかという描写は徹底的に避けました。
 世界が与えた物なのか、ナルが生み出した物なのかはどうぞご自由に。



 各キャラについて軽く語るならこのようなものでしょうか。
 後日、このような形の記事で詳しく掘り下げる予定です。
 キャラを固めるために色々と書いていたテキストが25000字ぐらいあるので、設定資料集として出すべきかなと。

心装

「心に装備して戦うから心装なんだよぉー!」
 という主張の繰り返しはおいておいて、スキルやアビリティとして分けると管理が面倒なのでまとめました。格好良いし。
 あと世界観やシステムとのマッチもしていて、慣れるまで時間が掛かるのを無視したらいい感じだったのではないでしょうか。


 各キャラの心装は個性出しました。

・トウカ
「紅蓮赫怒」「日向の嘲り」「罪火の輝き」
 炎、光、赤い物関連に、悲観的な物を足してプラスマイナスゼロを目指す感じで。本人の気性を表す。

・シズク
「水刃」「回復」「鏡霧」
 シンプルな物に努め、装飾されないありのままを意識しました。
 フレーバーテキストも他キャラより短めながら、短文に純粋な彼女の想いが感じられるような作りに。

・メグミ
「撃鉄のエジタシオン」「虚栄のアリア」「朽翼イデア」
 格好良さげな漢字に、外国語を合わせて理想、幻想主義なイメージです。
 詩的、中二病な感じともいいます。当然一番考えていて楽しかったです。
 フレーバーテキストは弱音だったり、悲観的な物が多く、表に出せず他者に伝えられない叫びが籠っています。
 現実に対し盲目ながらも、本心では気づいているのに気づかないフリで虚勢――そんなイメージです。

・フウカ
「結い裂きの風」「制縛の空」「片翼の比翼連理」
 風、空、鳥、自由に束縛、依存などのワードをいい感じに組み合わせて心装名にしています。
 四名の中では一番テーマが定まっていないものの、彼女らしさは一番出ているのでは無いかなと自分では思っています。


 ステータスの場合、抱いているイメージに則したテキスト、属性耐性は属性に関する印象か、属性を担当するキャラに対してのコメントといった形式で普段通りに書きました。
 名前とは違ってびっくりするほど濃いフレーバーになりました。シンプルな名称との差異で更に際立ったかなと。

 必殺技に関しては、タイトルに合ったようにハートブレイクで統一しました。
 心臓破壊でもしそうな名称ですが、傷心系のイメージを意識しています。

 実際に英訳すると、
「Heart breaker/ハートブレイカー」
 相手を夢中にさせておきながらつれなくする人(特に女性)
 胸が張り裂ける思いをさせる人、もの。
「Heart breake/ハートブレイク」
 傷ついた心、失恋

 といった意味になるらしいです。色々と彼女達にはピッタリな言葉ではないでしょうか。


 ちょっと流れでタイトルに触れると「ブレイカーハーツ」は恐らく造語になります(英語よわよわ)
 「キングダムハーツ」よろしく、響きだけで何となくどんな意味を目指したか感じ取ってくれると十分嬉しいです。

戦闘中セリフ

 はい。開発中凄く困っていたんですが「戦闘中セリフ」です。長い、わかりづらい!
 戦闘中に敵の撃破や、固有技の仕様で彼女達が喋るあれです。
 「バトルボイス」と命名したら舌の滑りが良くて呼びやすそうなんですが、あくまでボイスは存在していないので意地でも改名は避けました。直感と違うのはちょっと……。

 開発中困っていたのは名称だけでは無くて、戦闘中にセリフを流すシステムは根本的に画面デザインへと影響を与えて扱いづらいんですよね。
 これがボイスでも付いて居たら、テキストなんかは隅に追いやるか、そもそも表示せずに余った空間を活用出来るんですけれども。

 ……何故実装したのかと問われたら病気なんです。
 戦闘中にキャラが喋っていないと寂しくて寂しくて堪らないため、今回もなんとか実装しました。わたし以外にも需要があるといいな。

 さて、戦闘中のセリフで確認出来るのですが、かなり覚醒や暴走は彼女らの精神へと影響を与え、言動に大きな差異を齎します。
 一際大きく力強い仮面を被ったり、あるいは仮面を全て落としてしまい迷いばかりに振り回されたりと、色々と方向性が出るのですがそれが彼女らの戦闘能力に直結するのは必然で。
 後遺症などの強い影響力はありません。
 あくまで本来彼女達が持ち得る人間性、あるいは一面を酷く強調するようなシステムなだけです。
 わたし自身全てが彼女達であるとは言い切れませんが、普段の様子から豹変したという表現も違うのでは無いかなと悩ましいところ。

 戦闘勝利時に、暴走中のキャラにセリフが回って来たら結構ネガティブなことを言うと思います。
 勝利は心地良い物であるべき、というわたしの矜持からは反する仕様ですが、覚醒、暴走中の彼女達の言葉というものは貴重な物で、ここはゲームとしての快感よりも優先して表現するべきだと感じました。

覚醒

 「最果て」で言う意思システムに相当する、重要なシステムです。
 気づいたら使えるようになっており、戦闘時には要の動きをしますが、ただその存在は物語ではほとんど触れられません。
 出来て当たり前です。あなたがそう望むのであれば。
 深く知れば、より強く覚醒も行えます――彼女達を浸食するように。

 物語としては特に知る必要の無い物なので本編では語りませんでした。
 あなたがよくわからないのであれば、ただの戦闘システムに一味足す存在で構いません。
 ただ世界観や、彼女達との繋がりの一つとしては大切な物として意識しました。

暴走

 力を限界まで引き出してしまうとデメリットが生じるようにしました。
 デメリット自体が生じること自体は、終わりを見据えて覚醒というカードを切って欲しかったという一点。
敵の撃破でも、層の突破でも、覚醒した彼女の役割でも何でもいいのですが、しっかりと活躍と、その後を意識して欲しかったなと。

 他の要因としては暴走自体も攻略の解放として利用出来たら面白そうだなと感じていたためです。
 あらかじめ設定した作戦の無視に、通常攻撃というオーソドックスな攻撃。
 最近「通常攻撃、要る?」と度々話題に上がるそうじゃないですか。
 わたしも訊ねさせてください「暴走攻撃、便利でしたか?」

選択肢

 システムの解説というよりは、小ネタをのんびり語ろうかなと。

 何故左に動くのか?
 一般的なノベルゲームのように、中央にパッと選択肢を出してプレイ感覚をスムーズにした方が良いのでは? という疑問が生まれると思います。

 「アイ・パターン」もしくは「アイ・アクセシング・キュー」と言うものがあります。
 人が嘘をつく時に、思わず右上を向いてしまうって言うとわかりやすいかも知れません。
 視線は右側に動く時、主に想像と未来について脳が働きます。
 逆に左側へと動く時は、想起と過去について脳が働きます。
 ブレハの選択肢システムは左側へと出現します。
 これは今まで経験してきた彼女達との時間、あるいは自分自身の人生から、どのような選択を選ぶか、に重きを置いているためです。
 もちろん彼女達のことを思って、誰かのためにと言葉を選ぶのも良いとは思うのですが、ある種無駄な演出を使ってまでも今回は前述の動機を優先しました。

 選択肢を選ぶとUIが消えて、視線が中央、右側へと動く必要が生まれます。
 これは選んだ答えがどのような未来を生み出すか――と、思考の切り替えになると思います。
 ……まぁ流石にここまでは狙ってません。左に動かしたら右に動かして戻さなきゃいけませんもの。

 また「EMDR」という心理学的技法がわかりやすいのですが、眼球の動きは心を動かすと心理学では定義されています。
 視線を動かすと人は疲れてしまうので多用は出来ないのですが、やはり大切な場面では視線移動を誘った方が良いと思います。
 選ぶとは大切なことだと特筆したく、ブレハでは採用したシステムでした。

 小難しく語りましたが目に見えた成果は上げづらいと思うので、批判が少ないと良いなって程度の小ネタの域を出ません。
 基本中央にキャラが存在するので、なるべく被らないように隅に置きたかった。まぁその一言でいいのですが、格好付けさせて?

戦闘システム

 バトルシステム自体は「封緘のグラセスタ」を強く意識しています。
 このエロゲのRPG部分が独特、というか、オートのシステムが非常に面白く、アルゴリズムを自分で組んでそれに沿ったオートバトルをしてくれるわけですね。
 これをPTの編成、装備、今攻略しているエリアや、進行or稼ぎのためのプレイなのか、と考えて最適化して組んでいく作業がもう面白く面白く。
 流石にボス等の強敵相手は手動で調整する必要があるのですが、じゃあ「ボス相手でもオートで戦う必要があるのなら?」「しかもエリアごとに連戦する必要があるのなら?」と疑問が浮かぶわけです。この辺りが差別化に繋がると思いました。

 オート戦闘の戦闘は面白いのか? という疑問に関しては、結構既存作品が答えてくれます。
 たとえば「ドラクエ5」は一度ロールプレイを重視して、主人公以外「めいれい」をせず、また家族編成で確か裏ボスまでクリアできました。かなり感慨深い物がこみ上げていました。

 「魔機人形と棄てられた世界」では主人公の周りで人形達がぽかぽか戦います。
 この作品で出来る事は編成の構築、戦闘開始時の立ち位置、戦闘中のアイテム使用です。
 他にも細かな立ち位置変更から、呼び出し突撃指令を駆使したコントロールで被害を抑えられたりして面白かったです。この辺りはクリアに必須じゃないのも好印象でした。

 「主人公が戦わない」「戦闘に干渉できる要素が少ない」これらの要因を含みながらも戦闘がとても面白く感じるのは、まだまだ「戦闘の面白さ」に関するゲームの可能性を見ましたね。
 というか編成して出撃するだけの「艦これ」の戦闘が面白いので、戦闘に至る経緯がしっかり組めているのであれば戦闘そのもので出来ること少なくても面白いわ。
 ただ一切干渉出来ないのはちょっと味気ないと感じたので、同じDMM系列の「花騎士」からワンアクションできないかという着想を得て覚醒システムを作りました。


 ……。
 ……えっと、以上です。
 ガンビットという概念があるそうですね(震え声)
 最低限戦闘システムが動くようになってTwitterに進捗を上げたら、反応している人が居て気づきました。
 他にも開発終盤でAIをカスタマイズして戦う作品が他にも色々あることを知ったり……。
 この辺インプット不足であまりに痛いです。
 初期に知ることが出来たらもっと戦闘が楽しく、万人向けになっただろうなぁ――とは思うのですが、まぁ反省会場はここじゃない。次。

フレーバーとバランスの実装

 心装周りの作業は、
1.キャラの構築
2.記憶イベントの書き起こし
3.心装の効果の大枠を作成
4.心装のフレーバー作成
  この時点でつらい。
  キャラ、記憶イベント、心装効果の三つを意識してフレーバーを書かないといけない。
5.記憶イベントの並び、心装のエリア配置順を決めながら、敵データを作っていく。
6.以上の工程に影響されながら全力でバランスを取る。

 あまりにも苦しかったです。
 記憶に関連していい感じの心装が解放されたり、敵の名前に応じて特定の心装が効果的だったりとは意識しましたが、当然詰め切れてません。見逃して。

エンディング

 「スクライド」というアニメがありまして(唐突な老人会)
 主人公と、そのライバルが実質二人主人公のような進行をするのですが、この二人えらく仲が悪く、それでも最終話一つ前では世界の危機に協力し戦うんですよね。
 そして最終話。世界も救い終わったし、気に入らないアイツをぶっ飛ばしに行くか――のノリで死闘が始まります。
 後者が「男の子のための最終話」前者が「女性のための最終話」と揶揄交じりで評価されているのですが、じゃあ揶揄抜きの女性向け最終話、ないし闘いとはどのような物なのだろうか……と、自分なりの答えの一つがBエンドです。
 はい、Bエンドが真っ先に生まれました。

 次いでココロが何の代償も無く強化に扱わるのは違和感を覚え、Cエンド。
 その後にこの二つだけだと後味が悪過ぎると思いAエンドを追加しました。

 Aエンドは王道である分、相応に盛り上がる戦いになりました。
 想定の四倍ぐらいの仕上がり。セリフ挿入自体は考えていたものの、初めは状態異常周りなかったもの。

 Bエンドはどう足掻いても演出を強化できる余裕がなく、かなり寂しい物になりましたが悲壮感が増したのでこれはこれでいいのかなと。
 またトウカがかなり弱くなり、かつ矜持は捨てていないのでブレインの殺意が届くように。
 逆にシズクは新しい価値観を手に入れたため、殺意が届かなくなりました。


 Cは、Cに関しては、初期とは大幅に展開が変わっています。
 本来、彼女はただの裏切り者で、捧げ過ぎたココロで欲しかったブレインを掠め取り、みんなが助けようとしても力差が酷く諦めるか、そもそも救おうという気持ちが無くなってしまったか、みたいな展開でした。

 そのまま制作を進めて行き、後半もいいところに辿り着いた所、モチベーションが尽きかけていたわけですね。
 前回と違い、元々わたしがどうしてもこれをしたい、これを伝えたいというものが始まりに存在せず、この創作の原動力に成り得る衝動不足に悩んでいました。

 その時、突然天啓が降りて来まして。
 サブキャラに過ぎなかったナルと、作者と、ブレインが同じ場所から同じ方向を向いて歩けたらとても気持ちいいのではないかなと。
 彼女は虚ろを壊し、わたしは自己表現を行い、あなたは鏡と向き合う。
 言い換えればナルが物語の主人公と解釈出来る展開に変更するため、一連の因子イベントを追加し、結末を覆しました。
 本当に彼女がみんなのココロを奪っていったかは――あなたの思う通りです。

 またこのタイミングでTwitterやCi-enのヘッダーをシズクからナルに変更しています。
 メインキャラの一人をここに配置するのは贔屓に過ぎず問題で、サブキャラのナルを置いておこうと思ったのですが、今度は逆にナルを特別扱いし過ぎている感は否めない……。

タイトル画面とエンドロール後

 さて、ブレハのクライマックスとはなんなのか。
 訪れるのは彼女との別れ。ここが最も要にしたかったです。
 ただ予想は裏切っても、期待は裏切ってはいけない。
 死は絶対不変の物であるとプレイ前からプレイ中に渡り何度も繰り返されました。
 避けられぬ死に対して、あなたが本当に彼女達との別れを悲しんでくれるのだろうかと。

 そんなクライマックスを際立たせるにはどうするかとなれば、感慨を味わっているエンドロール後に追い打ちするのが効果的に違いないと、思いつく限りひたすら盛ることにしました。
 EDで耐えた? 想定済みだ! エンドロール後に逃がすな! 皆殺しだぁ!!

 変わらないのに変わってしまったBGM、UIの変化。
 いつもは誰かがそこに居たのに、唯一例外に見えるショップにすら救いなど無く。
 ショップに関してはCエンドは格別に。
 タイトル画面も要らねえ! オートセーブとオートロードすらも武器にしろ!
 彼女達をもう一度見るには回想から。
 その回想すら思い出に過ぎず、気まぐれに違う選択肢を選んでみればまるで見たことのない会話内容が続き、共に歩んだ彼女達は確かに死んでしまったのだなという実感。
 まだ見ていないイベントの確認に、まだ見ているイベントはテキストの追加で追いうち。


 ただ下品な手法を取らないようにとても気を付けました。
 彼女達の生と死を蔑ろにしたり、あなたを無為に傷つけることは避けたり。

シナリオ

 あんまりここで深く語れることはありませんが。

 ブレハは基本的なシステムや、戦闘システムが最低限動くようになった時点で余力を七割持っていかれてました。
 特に後者は酷く、AI改造はデフォルトで800行しかないところを、3000行まで魔改造しています。
 制作時期的には1/3程度で、しっかりと動くにはまだまだだし、作っていないところはまるで作っていなかったので、ここで燃え尽きている場合じゃなかったんですね。

 さて、その結果、リソース不足に対する一つの策として、シナリオに関しては好き放題することにしました。
 起承転結、序破急、情報開示の仕方や、わかりやすい作品構造、万人向けの物、説教臭くならないように――など、これらエンタメらしいものを全て捨てました。
 ほんとうに、書きたいものだけ。
 これによりコストを抑え、シナリオを書くことで体力と気力は落ちるが、意欲は向上するスタイルを作れたわけですね。

 ここまで好きに主義主張を叫ぶわけでも無く、ここまで重苦しい雰囲気になることも初めは想定していませんでした。
 大体選別の記憶――程度と言うのもおかしな話ですが、あれぐらいのノリで抑えつつ、覚醒の記憶だったり、トウカが居ない食卓のシーンだったり、そういった軽かったり、コミカルなシーンを交互に入れる予定だったんですよ。

 何が言いたいのかと言うと、付き合ってくださった方々ありがとうがございます。
 戦闘も人を選ぶ、シナリオも人を選ぶ、そんな二重のふるいで、多くの人にDLされ、好意的な評価が多いのは、わたしにとって救いなんです。

 何度も挫けそうになりました。
 このまま世に出しても満足のいく評価はされない、リメイクする余裕は無い。
 なら一度作品を破棄して、次の作品に向かった方が良いのではないかと。

 でも、このままだと、彼女達がわたし以外の誰かに出会えることはなくなってしまう。
 それは、完成しないことの中で最も悲しいことで。

 例え完成したとしても、いびつな作品を出してしまうと、悪評を貰ったり、前回積み上げた"Huyumi"というブランドを傷つけて今後の活動に影響を与えてしまうことかも知れないけれど、それには辛うじて堪えられたとしても、彼女達があなたに出会えないことはどうしても堪えられないと思ったから。

 そうして、今、彼女達はブレインと出会うことが出来ました。

カクシン

 シナリオに関しては上記の欠点を自覚しているので、出来る範囲で工夫して抗っています。
 ナルが色々とネタバレしてしまう「カクシン」イベントがわかりやすいでしょうか。
 シンズイ含めたあれやこれ、結局なんだったの? という疑問が生まれてそれが不満に繋がるぐらいなら、初めから全部説明することも出来るんだぞ、と。
 メタフィクションだからこそ扱える爆弾だったなと思います。気を付けて確認を取るようにしたので、現状ネガティブな感想は聞かないのでよかった仕様かなと。

 さて、カクシンなんですが。
 あれはあくまで彼女の解釈で、わたしの解釈とも違う箇所が幾つかあります。
 ただそれを語ってしまうことは野暮と言うものでしょうが、そうですね、一つだけ言えることがあるとしたら。


「ナルが指揮をとれば、彼女達はシンズイに辿り着けていた」


おわり

 以上、後書きでした。
 今後もキャラクター設定や、未公開テキストなどを公開していく予定です。
 良ければ、使命を達成した後も、少しだけ付き合ってくれると嬉しいです。

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Huyumi 2021/05/13 18:48

新作「ブレイカーハーツ」公開

本文

新作「ブレイカーハーツ」公開しました。
フリーゲームです、こちらからDLどうぞ。



こんなゲームで、女の子と仲良くなったり、ならなかったりしながら、AIカスタマイズして上手いこと敵を倒して色んな物と向き合う作品です。


余談

な、長かった……一年ぐらい掛かった……。
途中何度も危機感覚えつつ、なんとか無事にリリース出来たのはひとまず安心。
初動十分稼げるのかとか、納得出来る成果出せるのかとか、フィードバックに対応し切れるのかとか、リリースして終わりじゃなくて始まったばかりなんですが、一区切り付けられた実感は嚙みしめておきます。

もう二度と半年超える制作計画は立てないぞ☆

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