景山民夫『虎口からの脱出』を読んで
2014年12月、フォロワーさんよりお勧めされて以来6年……ついにページを繰り始め、わずか数日で読了しました。
舞台は戦間期の中国。
宮本輝の『オレンジの壺』や、山口恵以子の『月下上海』を髣髴とさせるバックグラウンドです。
物語の前半は歴史小説、後半は冒険小説のテイストです。
冒頭から中ごろまでは権謀術数渦巻く満州での張作霖爆殺事件発生までの経緯を追います。それにしても関東軍、やばすぎるだろ……
中盤から脱出ゲーが始まります。
まさかのヒロインが中盤になって初登場。なんか他にもこういうキャラいたような気がするんだけど、何だったっけなぁ……
ちなみに相方のオライリーは序盤でも登場していたので私が見落としているだけでヒロインの麗華も普通に最初らへんで出てきていたのかもしれません。
脱出ゲーが始まってからは本格的なサスペンス。
アリステア・マクリーンの『ナヴァロンの要塞』を思い出します。拳銃をくるくるさせるシーン、ちゃんとピースメーカーを使わせてる。やはりシングルアクションのリボルバーはロマン。それにしても長銃身とはいえ400メートル先の人間を撃つというのはどうなんだ……(※このシーンはコルト45じゃなかったかもしれません)
それにしても中国でかすぎる。奉天から上海までの1,600km。日本でいうと本州縦断ってところか?
ところでこの作品、Twitterでは感想が多々投稿されているのですが読書メーターではレビューが3件しかありません。
なぜなんでしょう?