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普通のメンダコの記事 (2)

VAGUES GAMES 2019/08/09 19:25

<オタマボヤ>制作記

『事象の地平メンダコ』に登場するボスキャラクターのひとつ、
オタマボヤを作っていきます。

(事象の地平メンダコに登場する敵キャラクターは前作とは違い、
生物そのものではなくて「〇〇型」の敵キャラクターなので、
正確にはオタマボヤではなくて「オタマボヤ型の敵」です。)

前回書いたとおり、今回のゲーム(メンダコ)の制作目標は「手抜き」です。
どの敵のパーツ数も、前作のカンブリア・ソードの4分の1程度で作ってあります。
手探りで作り始めた前作よりはスキルアップして効率よく作業を進められたと
思いますので、どのキャラクターもカンブリアの4分の1以上の見た目には
なっているような気がしています。
その中でもこのオタマボヤ型の敵キャラはものすごくパーツが少ない割りに
他のボスキャラクターと比べても極端に見劣りすることなく仕上がりました。
今回の作業の「最・時短キャラ」のひとつです。

用意したパーツはこれだけです。

前作カンブリアでも大変だった部類の生物のひとつ、ケリマチェラ(シリウス
バセット生物でいちばん有名?なディクティオン種)用に用意したパーツ数と
比べてみましょう。下の赤枠で囲まれた部分が今回のオタマボヤ用パーツです。
いかに描画の手間がかかっていないかがわかります。

まず本体。頭を作ります。中身の目玉はひとつのパーツではなくて、せっかく
3つ独立しているので、タイミングをずらして濃度をループさせます。
本物のオタマボヤにこのような3つの目はありませんが、ゲーム上でなので
弾を「ここから撃っているよ」という場所を作ってあげたほうがいいでしょう。
大きめの敵キャラクターが弾を撃つ場合に、砲台、口、目などからではなく
漠然と中心から撃ってきていたりすると、クオリティが一気に下がって
しまいます。

あとは、なるべく違う弾を撃つ場合は違う場所から撃ってきた方が
プレイヤーの攻略の助けにもなります。
このオタマボヤ型の本体攻撃は結局あまり目立ちませんでしたが、
違う攻撃用に(攻撃パターンを組む前から)目を3つ作っておきました。

私は敵の攻撃方法を(最初からアイデアがある時以外は)決めてから敵キャラを
作ったりしないので、漠然と砲台などをいくつか付けておいて、外見が完成
してから細かい攻撃方法を決めてゆくことが多いです。

続いて尻尾を付けてみます。
オタマボヤは幅広の尾を縦に動かして泳ぎます。
でも縦に動いているように見せるのは少々面倒なので、簡単な横の動きに
してみます。

徐々に濃度を下げる弾を連続発射して、やわらかい尾のように見せます。
エフェクトとしては良いですが、横の動きだと単調で迫力に欠けます。

次に、細い弾を対称方向に連続発射して、幅広の尾が縦に動いている感じに
見せかけてみます。普段ならアニメーション表現で描いてみたいところですが
時間がかかるので我慢です。

さっきよりは良い感じですが、迫力は無いです。なので、
先ほどの2種類の尾を組み合わせてみます。

太い尾と細い尾のコントラストで良い感じです。
4本にするのも良いかなと思いましたが、このあとオプションも作るつもり
なので、こんな感じでも十分でしょう。

次にオプションです。オタマボヤは「ハウス」と呼ばれる防御やプランクトン
摂取用の殻を作ります。
肋骨のようにも見えるこのハウスを、先ほどの尻尾と同じように弾扱いで
連続発射して作っていきます。

色調の他に、拡大~縮小して残像がハウスを形成しているように見せかけます。
左右で広がり方を変えたい(外側を強く、内側をゆるめに)ので、輪を
制作ツール内に取り込む際、中心点を左右それぞれにずらして別々に登録します。
中心点がずれているので、片側だけ大きくふくらんでいるようにみえるはずです。

小さいバージョンのオプションも作り、ハウスを厚みがあって立体的に見える
ように重ねます。大きいリングと小さいリングの発射速度が同じだと重なって
しまって見えないので、発射タイミングをずらします。また厚みを出すために
大小リングそれぞれ発射間隔と後ろに流れてゆく速度も変えます。

本体の左右に装着して完成です。

ひとつのオプションから大小両方のリングを発射してオプションを2つ
にすればさらに手間を省くこともできますが、大リング発射用オプション、
小リング発射用オプションを別々に作ることによって破壊可能な箇所が
5箇所になります。(オプション左右2つずつと本体。)
色々な場所を破壊できるとプレイヤーの楽しみも一気に増えます。
大オプションはガード可能の通常弾、小オプションはレーザーを発射
することにしました。また、オプションがひとつ破壊されるごとに
本体に信号を送り、本体から発射される弾数が増えるようにします。

この記事を読んだ後にオタマボヤ型の敵と戦ってみると、また一味違って
見えるかもしれません。
ノーマルモードでの出現場所はかなり後半ですが、そこまで到達するくらい
ゲームの方も楽しんでいただけたら幸いです。

以上、超時短の敵キャラ制作記・オタマボヤ編でした。

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VAGUES GAMES 2019/07/28 18:10

<事象の地平メンダコ>制作記

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<事象の地平メンダコ>制作記

突如、シンプルなミニゲームを作ってみたいと思いつき、
製作途中だった<次回作>の作業を一時的に止めて作ってしまいました。
ですので、VAGUES GAMESの作品制作順としては正確には3作目になります。
作業期間は丸1年、無事に完成しました。

思いついた当初は製作期間1ヶ月の予定でしたが、いつもの癖できちんと
作りたくなってしまい(自分の好きな「海」「宇宙」モチーフで描き始めたため、
詰め込みたくなってしまうのです...)、なんとか1年に収めました。

今回の真の制作目標は「短期決戦」。凝り性な上に作業の手が極限に遅い私が
如何にして1年でゲームを完成に導くのか、そこが問題です。

そこで今回、自分へ、2つの課題を課すことにしました。
どうするべきか迷った時は、これを念頭/軸にして作業を進めるべき指針です。

①薄っぺらくする
②手抜きする

の2つ。言葉だけ聞くとひどい感じです。


①薄っぺらくする
は、そこまで自然科学へのこだわりを強くしすぎないこと。
資料調査ばかりして作業スピードを遅くしないようにしました。
さらに、「知識自慢」みたいな感じもなるべく薄くしておかないと
受け取り手も疲れてしまいます。
生物や宇宙に関して「問われれば答えられるけれど、無理には言わない」
というスタンスです。

前作(カンブリア)では、生物はエディアカラ/カンブリア/オルドビスに限定し、
舞台も系内エッジワース=カイパーベルト天体群まででした。
今回はもっと広く浅く、漠然としています。
生物もフシエラカメサンツバメガイ(フシエラガイとツバメガイとウミウシの
特徴を併せ持ったもの)なども2~3体出てくるアバウトぶりです。

今回は音楽も全曲ライトな感じにしました。BGMに徹すると言うか。
前作と次回作のハードコアな路線を極力排除し、一般的雰囲気に近付けました。

多方面から、今回の作品を全体的に柔らかい感じに仕上げてみたつもりです。

②手抜きする
手抜きは技術です。私は手抜きが非常に下手なので、この機会に手を抜く
練習をすることにしました。
「何事にも手を抜かない」も魅力的な作品を作り上げる重要要素で、
カンブリアの時はそっちの方向で作っていました。

「この生物、背中の体接5つあるけれど、それぞれを装甲板みたく別々に
動かしたら、(すごく面倒で時間かかるだろうけれど)見栄え良いだろうなあ…」
と思ったとします。
カンブリア製作時だったら、迷うことなく「5枚別々に描くとしぬほど面倒だ
ろうな...よし、30枚に増やして、さらにそれぞれ左右に4枚ずつ付けてみよう!」
だったのですが、そこをなんとか我慢して描きたさと戦い、動かさないように
します。ツラいです。

でもそのおかげで、製作期間を縮めてもステージ分岐用の面がたくさん
作れるのです。実際に手抜きして作った敵キャラクターたちは、後ほどの記事で
書ければなと思います。



妥協点でいちばん大きかったのはシステム面だったかもしれません。
ゲームを思いついて、作ろう!と思ったときは、多くの色々なアイデアが
頭の中を埋め尽くしているものです。
新しいアイデア、変わったアイデアはほとんど全部カットしました。
とりあえず第一段階の完成品としては「生き物と宇宙の旅を楽しんでもらおう」
に焦点を絞りました。
今回は最初からフリーのミニゲームにしようと思っていたので、シンプルに。

基本的なシステムで作品として完成していれば、それを根幹にして、あとで
アップデートや別バージョン、有料ソフト化などの機会に恵まれた際に
アイデアをプラスすることもできます。
いろいろなアイデアスケッチ集も、後々記事に出来ればと思います。


現在は、冬のイベントに向けてメンダコのエクストラディスクを制作するか、
それとも一時保留にしていた次回作に全力投球するか悩んでいるところです。

深海の熱水噴出孔のように暖かい目で見守っていただけると幸いです。

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