<事象の地平メンダコ>制作記
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<事象の地平メンダコ>制作記
突如、シンプルなミニゲームを作ってみたいと思いつき、
製作途中だった<次回作>の作業を一時的に止めて作ってしまいました。
ですので、VAGUES GAMESの作品制作順としては正確には3作目になります。
作業期間は丸1年、無事に完成しました。
思いついた当初は製作期間1ヶ月の予定でしたが、いつもの癖できちんと
作りたくなってしまい(自分の好きな「海」「宇宙」モチーフで描き始めたため、
詰め込みたくなってしまうのです...)、なんとか1年に収めました。
今回の真の制作目標は「短期決戦」。凝り性な上に作業の手が極限に遅い私が
如何にして1年でゲームを完成に導くのか、そこが問題です。
そこで今回、自分へ、2つの課題を課すことにしました。
どうするべきか迷った時は、これを念頭/軸にして作業を進めるべき指針です。
①薄っぺらくする
②手抜きする
の2つ。言葉だけ聞くとひどい感じです。
①薄っぺらくする
は、そこまで自然科学へのこだわりを強くしすぎないこと。
資料調査ばかりして作業スピードを遅くしないようにしました。
さらに、「知識自慢」みたいな感じもなるべく薄くしておかないと
受け取り手も疲れてしまいます。
生物や宇宙に関して「問われれば答えられるけれど、無理には言わない」
というスタンスです。
前作(カンブリア)では、生物はエディアカラ/カンブリア/オルドビスに限定し、
舞台も系内エッジワース=カイパーベルト天体群まででした。
今回はもっと広く浅く、漠然としています。
生物もフシエラカメサンツバメガイ(フシエラガイとツバメガイとウミウシの
特徴を併せ持ったもの)なども2~3体出てくるアバウトぶりです。
今回は音楽も全曲ライトな感じにしました。BGMに徹すると言うか。
前作と次回作のハードコアな路線を極力排除し、一般的雰囲気に近付けました。
多方面から、今回の作品を全体的に柔らかい感じに仕上げてみたつもりです。
②手抜きする
手抜きは技術です。私は手抜きが非常に下手なので、この機会に手を抜く
練習をすることにしました。
「何事にも手を抜かない」も魅力的な作品を作り上げる重要要素で、
カンブリアの時はそっちの方向で作っていました。
「この生物、背中の体接5つあるけれど、それぞれを装甲板みたく別々に
動かしたら、(すごく面倒で時間かかるだろうけれど)見栄え良いだろうなあ…」
と思ったとします。
カンブリア製作時だったら、迷うことなく「5枚別々に描くとしぬほど面倒だ
ろうな...よし、30枚に増やして、さらにそれぞれ左右に4枚ずつ付けてみよう!」
だったのですが、そこをなんとか我慢して描きたさと戦い、動かさないように
します。ツラいです。
でもそのおかげで、製作期間を縮めてもステージ分岐用の面がたくさん
作れるのです。実際に手抜きして作った敵キャラクターたちは、後ほどの記事で
書ければなと思います。
妥協点でいちばん大きかったのはシステム面だったかもしれません。
ゲームを思いついて、作ろう!と思ったときは、多くの色々なアイデアが
頭の中を埋め尽くしているものです。
新しいアイデア、変わったアイデアはほとんど全部カットしました。
とりあえず第一段階の完成品としては「生き物と宇宙の旅を楽しんでもらおう」
に焦点を絞りました。
今回は最初からフリーのミニゲームにしようと思っていたので、シンプルに。
基本的なシステムで作品として完成していれば、それを根幹にして、あとで
アップデートや別バージョン、有料ソフト化などの機会に恵まれた際に
アイデアをプラスすることもできます。
いろいろなアイデアスケッチ集も、後々記事に出来ればと思います。
現在は、冬のイベントに向けてメンダコのエクストラディスクを制作するか、
それとも一時保留にしていた次回作に全力投球するか悩んでいるところです。
深海の熱水噴出孔のように暖かい目で見守っていただけると幸いです。