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2020年 01月の記事 (3)

【雑談】3作目を公開しての雑感(ネタバレなし)

「ガラクタの森のエデンにて」シナリオ完結版を公開しての所感です。こちらはネタバレなしのゆるめの記事です。

★★ネタバレありのあとがきはこちら:「ガラクタの森のエデンにて」あとがき


自己評価

◎シナリオ・キャラ
とてもよい。自分好みの極み。自画自賛。
今までもシナリオは満足するまで好きなだけこねていましたが、今回は特に完成してからの満足感が高いです。
システム上の縛りがなく、イベントの長さをあまり気にする必要がなかったのも大きいかもしれません。

強いていうならば、魔族や魔物といった存在がやや説明不足か。魔法技師という職や魔法具があることもちらっと出ている(湯沸し器の話)のですが、文化レベルも読み手によって認識に差がありそうです。
でも、いつも説明しすぎなのかなあと悩ましいので、案外丁度いいのかもしれません。わからん……。


◎BGM
お借りしたものなので素晴らしいのは当たり前なんですが、どれも本当に良い曲です……。
アコギ曲とピアノ曲が多め。BGMを褒めていただけることが多く、私もとても嬉しい。

フォロワーさんのゲームで、一言コメントがついたサウンドテストがあって素敵だなーと思ったので、ちょっと実装検討中。気が向いた時にでも。


○絵全般
イベント絵などは昔より空気感出せるようになっていい感じじゃないでしょうか(自画自賛)
探索マップも慣れないなりに頑張りました。村も最初は探索マップにしたかったのですが、主に時間の都合で描けませんでした……。
立ち絵のお気に入りはエファ(現在)とホールン。表情差分を含めると旅人も気に入ってます。

余談ですが今回のグラフィック作業はUI全般と色塗り仕上げ以外はすべてiPad(クリスタ)でやりました。複数のファイルから切り貼りする作業はまだPC(SAI)の方がやりやすいのですが、描くだけならそろそろiPadだけで完結できそうです。


△イベントスチルの量
これはプレイヤーさんから言われたとかでもなく、私自身もあまり制作中は感じなかったのですが、完成直前になり「プレイ時間の割にイベント絵が少なすぎるのでは!?」と思いました。
既存作よりは多めに描いているのですが、それでも自分が知っているノベルゲームに比べると十の位が1か2足りない気がします。どうして皆そんなにたくさん絵を描けるんです??


△演出
もう少し立ち絵に動きつけたり、フィルターとか、なんかいい感じに演出できたのではないかなあと。認識さえふんわりしてる(具体的にどうしたらいいかわかっていたら作品に反映していますし)
前述のイベント絵の量も関係ありそうです。GIFアニメはいい感じになったので、もっと視覚的に面白くする方法を他の人の作品から学びたい。


実質分作での公開となった反省

余程のことがない限り、今回のようにアプデで章を追加していく公開方法はもうしないと思います。理由は心理的負担が大きかったり、公開済みの部分を修正するのが難しかったり。

過去記事でも書きましたが、完成前にChapter.1から公開したのはティラノゲームフェスへのエントリーのため8月末までにノベコレさんに登録する必要があったためです。
未完成のものを出すのには抵抗があったのですが、次回もティラノフェスが開催される保証もないので、ひとまずCh1を公開しました。
「まあアプデ期間もあるし、すぐに完成版を出せばいいじゃろ~」と鼻ほじしていました。まさか年明けても作業してるとか思わないじゃないですか……。
結局スケジュール管理が駄目ないつものやつじゃんとか言わないで……。


今後について

やりたいことが多すぎるので何からやろうか悩み中です。遊んだり、絵の練習もしたいですが、既にもうゲ制もやりたい……。
あとがきにも書きましたが、「ガラクタの森のエデンにて」関連でやりたいこともいくつかあります。

2月から生活環境が変わってしまうのもあり、しばらくゆっくりめの創作活動となりますが、今後ともゆるくお付き合いください。


おまけの過去絵。ワンドロで描いたエファです。

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「ガラクタの森のエデンにて」あとがき

このページは自作ゲーム「ガラクタの森のエデンにて」のあとがきです。
Extraを含めた作品全体のネタバレを含んでいますので、クリア後の閲覧を強く推奨いたします。


★★制作終わった所感などの雑記はこちら:【雑談】3作目を公開しての雑感(ネタバレなし)


もはやいつものことですが長文です。あと、語る作者のドヤ顔が浮かぶのが嫌って方は十分気を付けてください!







制作のきっかけなど

ティラノゲームフェスに参加したい!ティラノスクリプトでさくっと短編を作ろう!と思ったのが「ガラクタの森のエデンにて」制作のきっかけです。
もはやお家芸かってくらい、気付けばシナリオも制作期間もボリュームアップしていました。

少年と青年が主役の物語にしよう、というのは最初から決めていました。理由は茶川あくたが少年と青年という組み合わせが好きだからです。
既存作でもそれとなく少年&青年という要素を混ぜ込んでいましたが、一度くらいは全力で少年青年ゲーを作りたいと思っていたため、今作の主人公たちとなりました。


作品全体の話

本作の主人公は、冒険物語の主役(勇者)となるような人物ではなく、勇者の親友、勇者の息子といった位置にいる人物たちです。エファとアリヴィオ以外の登場人物も、勇者(アダン)という存在に大なり小なり影響を受けている人たちです。
脇役にされがちな立ち位置の彼らが、主役である人物から何を感じ、どのように生きようとしたか、そんなお話になりました。


作品で伝えたいメッセージはずばりこれ!というのは特にないのですが、「何事も良いことばかりでもないけれど、悪いことばかりでもないよね」というのは随所でふんわり意識していたと思います。

ある物事に対してひとつ嫌なことがあったからといって、全部なかったことにすれば幸せだったのか。だからといって「あの人も悪いところばかりじゃないんだよね」と一縷の幸せを信じて我慢するのがいいことなのか。両方あると思います。
そういったどちらにも割り切れない難しさに悩んだり、それによって時に周囲を巻き込んでこじれたり、簡単には逃げられない現実に溜息ついたり。世知辛い。

エファもアリヴィオも作中で多くの後悔をしていますが、ではその選択をしなければよかったのか?というものはたくさんあります。

エファがアダンへの献身をやめたり旅を諦めるよう引き止めていたならば、アダンはもっと早く精神崩壊していました。そもそもアダンと旅に出るべきではなかったのかといえば、あの旅が無ければ野営地でアリヴィオと出会うこともありませんでした。
アリヴィオも父と兄と旅を続けていたならばどこかで戦死していたかもしれませんし、エファから記憶を奪うことを選ばなければエファは間違いなく衰弱死していました。
当然、エファもアリヴィオも、選ばなかったら選ばなかったらでもっと良い結果になった可能性もあります。

それでも多くの選択を重ねた結果が、本作のEND1のエファとアリヴィオになります。色々なものを失っても、ほんの少し残ったものでささやかな幸せを掴んでほしいなと思い、お話を締めくくりました。



各章のコメントと簡易解説

◆Chapter.1「親友」
「エファ」と「現在」の話です。
舞台が"崩壊"という災害によりほぼ滅んだ世界であること、小さな島でエファたちがどんな生活をしているか、現在に焦点を当てた話になっています。
記憶喪失の主人公は昨今珍しくもないですが、あの世界では"崩壊"の影響(精神的ショック)で記憶を失っている者は多く、エファもその一人に過ぎない、という位置付けです。

ちょっと楽しい感じを出すために(あとティラノスクリプトの機能を使ってみたかったのもあり)探索マップを入れました。特に自宅はこんな感じで生活してるんだろうな~という同居人たちの暮らしに妄想を巡らせながら描けて楽しかったです。


廃小屋のシーンは書きたかった場面のひとつです。むしろこの場面を書くために世界設定を詰めていったまであります……。

なんとなく気付いている方も多いと思いますが、エファ=ドイツ語の「Eva」=イヴ、アダン=フランス語の「Adam」=アダムで超有名なあれになります。結局ふたりはアダムとイヴにはなれませんでしたが……。前作といい創世記ネタ好きですね

ちなみにアリヴィオはその辺りのネタは一切関係ない、ポルトガル語で「安心」を意味する「alivio」が名前の由来です。


◆Chapter.2「楽園の護り手」
「アリヴィオ」と「過去」の話です。
Ch1のアリヴィオ視点にアリヴィオの過去+エファとの出会いなどを絡め、どのようにして現在まで至ったかの話になっています。
冒頭では旅人、中盤の野営地編ではオレガノやへルックなどCh3で重要人物となるキャラも複数登場します。

アリヴィオは口数が少ないものの、内心ではかなり色々と考えているということを彼の視点によって書くことができました。地の文がたくさん書けるノベルゲーム形式なくしてその人物像は描ききれなかったと思います。

アリヴィオが父アダンや兄フラテとの旅をやめると決断したのが15歳、エファがあの野営地で不安定なアダンを身体を張って支えていたのが15歳と、そのあたりの対比も意識しています。
野営地編の最後の独白にあったエファ=「鞘」はダブルミーニングです。(アリヴィオはそういう意図では語っていませんが。)


END2で村人がガラクタの森に"魔獣"がいると語ったのは、かの草原にいた"魔獣"と同じ行為を彼が行なっていたためです。楽園を守るために道を踏み外したのは父親だけではなかったようです。
また作中では明記されていませんが、エファは家とその周囲以外の外出を許されていない軟禁状態にあり、それまでとは異なる「関係」を築いています。


◆Chapter.3「奇跡なき世界にて」& Last Chapter
「エファとアリヴィオ」と「未来」の話です。
"崩壊"の混乱も大半が収束し、再び変化しつつある世界の象徴として、アダンの名を騙る旅人やかつての仲間であるオレガノがある思惑で島へやってきます。
そして騒動のさなか記憶を取り戻したエファと、それを受け入れざるをえないアリヴィオが、過去を清算した上でやっと未来へ歩み始める話です。

島の外からの来訪者によってエファは内側から、アリヴィオは外側から存分に暴力を振るわれます。楽しかったです。
エファはディープ以上のことはされていません。一応!念のため!

オレガノは旅人のせいで正気を失ったとか騙されたとかではなく、アダンたちと旅していた頃から「理解したかった」ため、そういう存在を見つけられたことにむしろ安堵し、全て自分の意志で行動しています。何も変えられなかったかわりに、友人であるエファの考え方に近付きやっと「理解できた」ことが、彼女にとっての心の支えになっています。騒動の後、島を去った彼女たちがどのように旅をしているかは、彼女たちと、手紙を受け取っているマロウしか知りません。
ちなみにオレガノの花飾りは芍薬→馬酔木(あせび)に変わっています。気になる方は花言葉をググってね。


Ch3とLast Chapterはどの場面もテキストを書くのに時間がかかりましたが、ガラクタの森でのエファとアリヴィオの氷解~エピローグは特に大事に仕上げました。書きたいと思ったシーンは全部入れました。お弁当は渾身のいちゃいちゃ(?)シーンです。
エピローグ後のエファとアリヴィオは、世界や周りほど大きな進歩はないけれど、小さな歩みをゆるやかに二人で一緒に進んでいきます。


◆Extra「ある嵐の夜にて」
本編のその後の話です。
Last Chapterが7月頭、エピローグが8月、この話が9月上旬くらいの想定です。

しがらみが無くなったからすぐに全部すっきり解決というわけではなく、その後まだ少し尾を引くものもあるよね、という方針で書いています。

記憶を全て取り戻したことで、しばらくエファは本人の意志に関係なく豆腐メンタル状態が続きます。本人も薄々その自覚はあるものの、作中でマロウに相談するのも迷っていたように、アリヴィオにもなかなか言い出せないままでいます。
アリヴィオはエファをよく見ているので同居人がそんな状態にあることになんとなく気付いていますが、今まで散々エファに干渉したこともあり、求められてもいない行動に出ることを躊躇います。
が、そのままじゃまた繰り返してしまうのはお互い理解しているので、嵐の夜の日、アリヴィオが先に歩み寄ったことを契機に、エファもつらい時はちゃんとつらいと伝えるようになります。


超余談ですが、2019年某日の夜に台風の音がうるさすぎて眠れなかった時に思い浮かび、次の日に一気に書き上げたお話です。田んぼや川の様子を見に行ってはいけない。


◆Extra「ある旅人の手記①②」
あの人の手記です。
旅人の出自、何も特別な力を持たないある一人の人間の吐露、ある研究者の思惑の一部などが綴られています。

旅人もまたアダンという存在にいい感情を抱かなかった人物の一人ですが、若い頃から特別な才能を持たず何をやっても中途半端な自分に強い劣等感を持っていました。教師だったあの人は、彼のような学生を多く見てきたことで何か思うところがあったようです。それもまた「優しさ」のひとつだったのは間違いないのでしょう。


おわりに

長くなってしまいましたが、本作をプレイしてくださった方、本当にありがとうございました!

続編や関連作については現時点では未定ですが、この作品関連でやりたいな~と思っていることがいくつかあるので、のんびりやっていこうと思います。
今後も思い出したころにそっと見守っていただけたら嬉しいです。

茶川あくた

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「ガラクタの森のエデンにて」シナリオ完結版公開&挨拶

ティラノスクリプト製ADV「ガラクタの森のエデンにて」ver.1.03に更新しました。

■ゲームページ
ノベルゲームコレクション(win/mac/ブラウザ)
https://novelgame.jp/games/show/2254

ふりーむ(winのみ)
https://www.freem.ne.jp/win/game/21886

※ノベコレ版は現在ver.1.03申請中ですが、ver.1.02でもシナリオ進行上問題ありません

chapter.3を追加しました。これにてメインシナリオを最後まで読めるようになりました! やった~。
あとchapter.2の冒頭にほんの少しシーンを追加しています(以前のバージョンからプレイ済みの方は読まなくても進行上支障がない程度の加筆です)


作品について


◆あらすじ
「崩壊」によって七割の土地が失われた世界。
世界崩壊前の記憶の一部を失っている少年エファは小さな島のガラクタの森で「崩壊」によって沈んだ他の島からの漂着物を集めながら、剣士の青年アリヴィオと共に穏やかな日々を過ごしていた。
エファはある日を境に、かつての親友だった「彼」との過去の記憶を取り戻していくが――

◆注意
内容の一部に「R15程度の性描写」「若干の同性愛をほのめかす描写」「暴力描写」が含まれます。
上記が苦手な方は十分ご注意ください。

◆プレイ時間
3~5時間(全3章)

【※プレイ環境について】
PCにダウンロードしてのプレイを推奨しております。
また、ブラウザ版の場合はGoogle Chromeでのプレイを推奨しております。

挨拶

無事シナリオ完結となり一人反省会もしたいのですが、まずご挨拶をさせてください。

chapter.1から読み続けてくださった方、完成版まで待つよと言ってくださった方、自分の創作に対してこういうことを言うのは正直烏滸がましいのではないかとも思ってしまうのですが、本当にお待たせしました。待ってくださった方、本当にありがとうございます……!

予定よりもずっと延びてしまっての完結となりましたが、自分が満足できる形でエファとアリヴィオの物語を締めくくることができました。
自分でも良い話だと思うので、というよりめっちゃ頑張ったので、あらすじやスクショを見て興味が湧いた方はぜひお手に取ってくだされば嬉しいです!(ただし注意書きは読んでくださいね!)


あと、おそらく終幕まであと一週間もないと思われるのですが、ティラノゲームフェス2019に参加しているので、よければ拍手とかコメントとかくださると元気出ます。コメント投稿することで抽選でいいもの(Switchとか)が貰えるらしいです。

めっちゃ頑張ったので遊んでね(二回目)

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