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2023年 02月の記事 (7)

上顎 2023/02/25 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その6- ノベルパートについて

ロボット少女は夢を見る の6回目の記事はノベルパートについてです。

ノベルパートとは、画像のようにキャラの立ち絵とそのセリフを表示してストーリーを進めるものです。

ゲームのジャンルには、このノベルパートのみで構成される「アドベンチャーゲーム」「ノベルゲーム」と呼ばれるシャンルがあったり、
最近だとスマホゲームでもよく使われるため、結構なじみ深いものかもしれません。


さて、本作ではこのノベルパートによってストーリーが進みますが
皆さんはこのノベルパートについてどう思いますか?

ポジティブな意見では
・ただの小説よりも立ち絵やボイスがあるため分かりやすい
・複雑な操作がないのでとっつきやすい

ネガティブな意見では
・立ち絵しかないので何が起こっているかわかりにくい
・同じ立ち絵や背景を複数回使いまわすため手抜きに感じる

と良い面と悪い面があるでしょう。


では、本ゲームのノベルパートでは
これらの悪い点を解消するためにどんな工夫を行うか?

そこで思いついたのが、
「ノベルの途中に特殊な演出を再生できるようにする事」でした。

例えば、このゲームの主人公の初登場シーン
主人公はゴミの山の中に埋まっており、
ひょんなことから目が覚めてゴミ山から出てきます。

しかしこの特殊な状況、文章で説明するとかなり分かりにくいです。

そこで実際のゲームではこんな感じで進行します。

これなら主人公がゴミの山の中から目覚めるというシーンがかなり分かりやすいです。

正直、ゲームを制作する上でのコストは高めです。
しかし、作品のクオリティを上げるうえではかなり有効な手法と考えています。


ノベルパートは、手を抜こうと思えばいくらでも手を抜くことができます。
しかし、それはユーザーがプレイした際に確実に悪い影響を与えます。

私は自分が作ったゲームを遊ぶユーザーには、できる限り楽しんでもらい、自分の作品を好きになってもらいたいと考えています。

ですのでこういった、コストは高いがクオリティが上がる実装は進んで実装したいと考えています。

その分、ゲームの完成には時間がかかってしまいますが、今後も温かい目で見守っていいただけたら幸いです。

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上顎 2023/02/18 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その5- 戦闘について

ロボット少女は夢を見る の5回目の記事は戦闘についてです。

ゲームといえば戦闘、戦闘といえばゲームというくらい、ゲームと戦闘は密接に関係しています。


日本だとポピュラーなゲームといえば、ドラクエなどのRPG。
ストーリーも重要ですが、戦闘を繰り返してレベルを上げて強くなるのもRPGの醍醐味ですよね。

もちろん戦闘や争いがないゲーム、争いを回避できるゲームもたくさんあります。


これで有名なのはUNDERTALE。
敵を倒さなくてよいRPGとして有名ですが、もちろん倒すこともできます。
プレイヤーが敵を倒す倒さないの選択ができるのは自由度が上がりとても良いです

さてそんな戦闘ですが、ロボット少女は夢を見る ではどのように扱うか?


タイトルの副題として「Robot Battle Championship」とあるようにロボットバトルが本筋のストーリーなので当然戦闘はあります。

内容としてはロボットVSロボットで、ロボットバトルはスポーツのようなものとして扱われて基本的に命のやり取りはありません。

と言っても、ストーリー上で悪党と命のやり取りが行われたりもしますが…
よくある負けたらゲームオーバーでセーブからやり直しではなく、そのままゲームが進行していきます。

この辺りは参考にしている育成ゲームの「パワプロのサクセス」や「ウマ娘の育成」と同じです。


そんなわけで現在作成中の戦闘画面がこちらです。


自分のターンは下の選択肢から技を、上画面から移動先を選択します。

そして、実際に操作したのが以下の動画です。

現在はまだここまでしかできていません…。
それでも遠くへ移動するときはクルクルジャンプ、近場だとぴょんと飛んで移動するとか自分の好きなモーションを少しづつ組み込んでいます。

今後は
・見栄えが良く、操作もしやすいようにUIを調整する
・使える技を増やしてプレイヤーの攻撃モーションを多彩にする
・敵キャラの種類や攻撃を増やす
・戦闘に影響を与えるスキルを追加する
などなど対応が山積みですが、どうか温かい目で見守ってください。

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上顎 2023/02/15 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その4- 操作方法について

ロボット少女は夢を見る の4回目の記事はゲームの操作についてです。

皆さんはゲームを操作する際に何を使いますか?
コンシューマーゲームなら大抵は専用のコントローラーですが、PCゲームには選択肢があります。


1つ目はキーボード
キーボードにはキーがたくさんあり、たくさんの動作を割り当てられます。
しかしその分、操作の説明がなければユーザーが困るケースも多いです。

例えばキャラクターの移動には、上下左右キーとWASDキーがあります。
昔のゲームだと大体は上下左右キーだったのですが、3Dゲームでは右手に持ったマウスでカメラ操作などを行うためキーボードの左側にあるWASDキーを移動に使用します。


2つ目はマウス
先ほどのキーボードの話でもあったようにキーボードと併用することが多いですが、マウスのみで操作することもあります。

マウス操作のみで遊べる有名なジャンルはノベルゲームでしょう。
クリックでゲームが進み、ホイールでログ、セーブ・ロード・オート・スキップなどのボタンが画面に配置されていて、クリックによりそれらのアクションができます。


3つ目はコントローラー
このコントローラーが開発者にとって曲者で、ものによって配置やボタンの数が違ったりします。
なのですべてに最適な対応をすることは不可能ですが、有名なXBOXやPSのコントローラーで操作できればおおよそ大丈夫でしょう。


他にも選択肢があるかもしれませんが、主要なのはこのあたりでしょう。

では、どの操作に対応するのがよいでしょうか?
答えはすべてに対応することです。

例えば、よくゲームをする人はコントローラーで操作したがります。
コントローラー操作は好きな姿勢でプレイできて楽ですし、キーボードに比べてボタンの押し間違いなどが起こりにくいからです。

しかし、すべての人がコントローラーを繋いでいるわけではありません。
ライトユーザーほどわざわざPCにゲーム用の機材を繋がないものです。

では、コントローラーorキーボードで十分では?と思う人もいるでしょう。
プログラマ目線で見ても、
コントローラーのボタンとキーボードのキーを対応させれば
実装はそんなに難しくないですし、
私の作った前作もコントローラーorキーボードでした。

けれども、マウス操作にも良いところがあります。
マウス操作は画面上のボタンなどを押すため直感的でわかりやすく、そして素早く操作できる場合が多いです。
しかも近年は、スマートフォンの普及によりそういった操作のほうが慣れ親しんだ人が多くなりつつあります。

ユーザー目線で見ても、多くの操作に対応されていれば喜びこそすれ、
迷惑に感じることはほとんどないでしょう。
(対人戦の競技性の高いゲームだと議論の対象になるかもしれませんが…)


さてここからが本題、
今回作ったゲームではどのような対応を行っているか?のお話をします。

と言っても基本的な対応は簡単で、画面上のUIのほとんどにボタンを配置するだけです。

このように、操作可能な場所を分かりやすくしておけば、マウスで操作したい人はそこへマウスを重ねます。

その際に以下の動画のように、音と見た目で反応すれば触る前にそれがボタンと分かり、ユーザーに分かりやすく伝えることができます。

さらに、本ゲームではマウス操作でしかできないのですが
以下の動画のように各種ボタン以外にも、パラメータや中央にいる主人公にもマウスオーバーすることで説明を表示するようになっています。

ボタン操作だと、すべてのパラメータや画面中央のキャラクターにカーソルが移動すると操作の妨げになり邪魔になりますが、マウス操作だとそうでもないんですよね。

ボタンとの見分けも音や見た目でつき、こういうことができるのはマウス操作の利点に感じました。


他にも以下の画像のようなスクロールがある選択画面では、

マウス操作の場合、左のスクロール上下にある小さな三角のボタンを押してスクロールさせるのは面倒なので、マウスホイールでスクロールできるように…などなど
できるだけユーザーの操作が楽になる工夫を追加するようにしています。


こういった対応はユーザーにとって得になる反面、実装とデバッグの作業の量を倍増させるため作り手としてはやりたがらない人も多いです。

ですがクリエイターの方は、できるだけ多くの人に楽しんでもらえるように対応を試みてはいかがでしょうか?
またユーザーの方は、こういった遊びやすくする工夫を見つけた際は、このゲーム制作者は頑張っているな、と感じていただけたら幸いです。

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上顎 2023/02/11 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その3- 多言語対応について

ロボット少女は夢を見る の3回目の記事は多言語対応についてです。

「多言語対応」というのは言葉通りの意味で
オプションなどから日本語以外の言語に切り替えることができる機能です。



■多言語対応の理由

多言語対応のうまみはもちろん売上アップです!
Steamは様々な国で買われ、日本なんて全体の1~2%くらいです。


2022年の記事では、
1位 中国 約1兆3,272億円、2位 アメリカ約4,232億円の中で
日本は約440億円みたいです。(*参照1)

あとこれは琴葉姉妹のゲーム(日本語対応のみ)を発売した実体験なのですが、
メール、SNS、Steamのフォーラムで結構
「絵が好みです。○○語対応しますか?」って質問されました。

そのゲームに関して多言語対応できるようにゲームを作っていなかったため、
こういうメッセージをもらうたびに申し訳ない気持ちになりました‥‥

というわけで「多言語対応」はたとえ個人製作であってもするべきです!


■多言語対応の準備

さて多言語対応、今どきの会社が出すちゃんとしたゲームでは
当然のように対応されていますが‥‥
めっっっっっっっっちゃめんどくさいです。

というよりも最初から多言語対応しやすいように作っていなければ
非常にめんどくさいです。

では、どのように対応しておくと後々対応が楽になるのでしょう?
おそらく最も簡単な方法が、ゲーム画面に表示する言葉のすべてを
エクセルorその他のゲーム外のファイル
にまとめておく事です。


■エクセルにまとめる

例えば、先ほど張ったUIの文字列は
こんな感じでゲーム内データに変換されています。

ゲーム内の UI には画像右列の textID が設定されていて、
オプションで設定された言語に合わせて対応した文字を引っ張ってくる感じです。

これなら、このエクセルファイルを翻訳してくれる会社に渡し、
対応する言葉を埋めてさえもらえれば、すぐにゲームに反映することができます。


■その他のゲーム外のファイルにまとめる

しかし、これにも問題と言いますか…
UI なら良いのですが会話パートはこの対応が結構めんどくさいです。

なぜなら会話パートは途中で絵を表示したり、演出を入れたり、
文字以外の情報が多くなってしまうからです。

ということでこのゲームでは、
会話パートのテキストはエクセルではなくてこういうデータで保存しています。

これを見た大半の人は
「プログラムのソースコード?」
「これでは他人が文章を翻訳するときに面倒では?」
「そもそもこの形式で会話パートを作るのが大変なのでは?」
と思うでしょう。

しかしこの会話データは画像のようなエディタで作成されています。

これであれば使い方さえわかれば他人でも編集できそうですよね?

このエディタはUnity上でしか動かない開発専用のものですが、
これとは別に翻訳用会話エディタを作成する予定で、
翻訳を外注する際には会話データ + 翻訳用エディタを渡して翻訳してもらう予定です。


翻訳の話をたくさんしましたが、多言語対応は本当に大変でめんどくさいです。

しかもここに書いた内容はあくまでゲーム開発の際の対応で、
実際にはゲーム完成後に翻訳会社にお金を払って翻訳してもらう作業もあります。

ほんと、キャラクターボイスまで対応してあるゲームってどうなっているんでしょうね?

といったところで今回はここまでです。

もしゲーム開発者の方が見ていましたら、
早めに多言語対応をしながらゲームを作りましょう!



参照1 Game*Spark様
https://www.gamespark.jp/article/2022/04/18/117852.html

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上顎 2023/02/08 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その2- キャラクターの設計

ロボット少女は夢を見る の2回目の記事はキャラクターについてです。

ゲームでも漫画でも、物語のキャラクターというものはとても大切です。
そして私は、キャラクターを作るうえでいくつかこだわりを持っていますので、今回はその1つをお話をします。


こだわりその1
まずは、自分が作成した前作の「琴葉姉妹とライサント島の伝説」を例に以下の画像を見てください。

我ながらかなり多くのキャラクターを描きました。
フードを被った顔の見えないキャラや複数いる敵キャラ以外はほぼ使いまわしを行っていません。

これが私のこだわりの1つで「なるべく使いまわしを行わない」ことです。

なるべくというのは絶対に使わないという意味ではありません。
むしろ演出として有用であれば、使いまわしは時間も素材数も節約できて有効です。

では、なぜ使いまわしを避けるのか?


理由の1つは単純で「現実では完全に同じ見た目の人間はほぼいないから」です。

ゲームでよくある村Aと村Bに同じ顔の人がいたとして、ゲームを遊んでいる人は「汎用モブ男の顔」と無意識に納得します。
でも現実なら双子か疑ったり、ドッペルゲンガーのようなホラー展開を思わせたりもします。

このような「ゲームだから仕方がない」みたいな感覚はストーリー物のゲームではできるだけ排除したほうが良いと私は考えています。
こういう現実とのズレは、1つひとつは大したことが無くても積み重なることで読み手に違和感を与えてしまい、世界観への没入を妨げてしまうからです。


理由の2つ目は物語を作るというのは「1つの世界を作ること」だと考えているからです。
主人公は確かにこの子ですが


この世界にはこの子以外にも多くの住人が存在します。

それは人であったりロボットだったり、男性だったり女性だったりそれ以外だったり、いい人だったり悪い人だったり、お金持ちだったり貧乏だったり、とにかく色々な人がいて世界が成り立っています。
そんな世界をより鮮明に、高い解像度で作ろうとするとキャラの使い分けは避けるべきなのです。

私は女の子が好きなので女の子をたくさん描きたいですが、このゲームの世界観でゴミ捨て場というスタート地点だと


こんな感じのキャラクターが出てくるべきだと考えますし、実際に出てきます。

逆に「型が古くなって廃棄された旧型ロボット」みたいなキャラを出して、見た目がみんな同じ使いまわし‥‥みたいなことは世界観をより鮮明にできるので多分します。
こういうのは演出としてよい使いまわしだと思います。


ただしその場合も、キャラの掘り下げや行動原理に合わせたちょっとしたアクセントは絶対に付けたい。

長くなりましたがキャラクターへのこだわりはまた今度お話します。
それではまた次回

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