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メガドライブの記事 (2)

プロジェクト:K 2022/11/12 21:34

メガドライブの色

最初に断っておきますが、かなりマニアックな内容になっております。



メガドライブで使用可能な色は512色です。

今回メガドライブの色制限の中で素材を作ろうと思って、最初にやったのは「メガドライブの使用可能色512色のパレットを作る」というものでした。
これが意外とやっかいでして、ネットで調べてもいまいち使いやすそうなものがなく、


例えば、こんな感じのものしか出てこないのです。たしかに完璧にメガドライブで使用可能な512色を網羅しているのかもしれませんが…
直感的に使いにくい!

調べてみると、メガドライブで使用可能な512色というのは別の言い方では「9bitRGB」というらしく、「9bitRGBで調べたらもうちょっと使いやすいパレットあるかなあ」と思って調べました。
それで見つけたのがここで、いろんなゲーム機のパレットが載ってるんですが、その中にメガドライブの9bitRGB512色もあったので、ちょっとお借りして自分なりに直感的に使いやすい形に並べ替えようと思いました。

やっぱりこのままだとかなり使いづらいです。
だって例えばこの中から純粋な無彩色の灰色を選ぼうと思っても、どれかわからないわけですよ。なにかしら色がついているように見えてしまう…。
でもイラストソフトのスポイトツールでHSVの値を見てみるとSaturation(彩度)が0になってるものがいくつか見つかるんです。

自分はイラスト制作で色選びをするときはHSV色空間を使うので、なるべくそれを模した形に並べ替えられないかなと思い、スポイトツールで1つ1つ確認しながらやってみました。
完全に力技ですね。
ほかにスマートなやり方が思いつかなかったもので…。
それでできあがったのがこちらです。


色の塊をだいたいHue(色相)ごとにわけて、それぞれの色相の中で最もSaturation(彩度)とValue(明度)が強い左上、最もSaturation(彩度)が強くValue(明度)が弱い右上、最もSaturation(彩度)が弱くValue(明度)が強い左下、という3点を頂点とした三角形に並び変えました。

で、並べ替えて初めて分かったのですが、RGBとCMYといういわゆる原色に関してはHSVの幅が最も大きく、また色相のぶれも全くないのですが、そこから色相が遠ざかるほど、三角形が小さくなって、また同じ三角形のなかで色相のずれができてしまうということでした。

何故?と言われても全く分かりませんし、その辺の理由を追求したいとも思わないのですが、なんとなく「メガドライブの色ってビビッドな色が強いような…」と思ってたのでその裏が取れたような気分です。

ただ、この私お手製のメガドラパレットですが、正直ちょこちょこミスってます。
やっぱり手作業でやったせいか、いくつかの色が重複しています。
ですが、他に使いやすいパレットもないので、今回の素材制作にはこのパレットを使用してます。
この画像を元にクリスタとAsepriteというソフトにパレットファイルを作って使ってますが、上記のようにミスがあるので、一般公開は止めておきます。

もし、使いたいという希少な方がいましたら、このパレットよりもっといいやつを最近見つけました。
Genesis 512 Color Palette
↑これです。

説明文を機械翻訳したものを読むと、なにやら最大限の精度を得るために゛すべてのRGB値はSega Genesis VDPカラーランプにスナップされている”そうです。
なんのことやらよく分からないんですが、より正確っぽい。

もっとはやくこのパレットを見つけていたら僕も使ったのだけど…!

それにしてもやはり「クリエイターが使いやすいように並べ替えよう」と自分と同じようなことを考える人もいるもんですね。

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プロジェクト:K 2022/10/23 11:45

メガドライブの魅力

タイトルを「メガドライブの魅力」としましたが、僕自身はリアルタイムでメガドライブを持っていなかったし、その後も遊んだことがないです(大人になってからファンタシースター2をちょこっと触った程度)。

なのでかなりおこがましいタイトルで恐縮なのですが、僕が言いたいのは「クリエイター目線でメガドライブ作品のゲーム画面を見たとき、不思議と魅力を感じる」ということなのです。
前回メガドライブのことをショボいとか言ってすいません。
でも僕が感じるメガドライブのゲーム画面の魅力というのは、そのショボさが故に結果として起こってるのではないか?というのが僕の考察です。


例えば、ここにスーファミ版ストⅡとメガドライブ版ストⅡのリュウがいます。
スーファミもスプライトのパレットは16色なので、オブジェクトそのものの色数自体はどちらもかわらないのですが、選べる色がスーファミはメガドライブの比ではないので、より微妙で的確な色選びがされています。
その結果、メガドライブ版に比べてスーファミ版は服や肌のグラデーションがよりなめらかに見えます。

ただ、ここが落とし穴で、同じ色数ということはおのずとグラデーションの階調数も同じになるわけですが、そのグラデーションがなめらかということは、逆を言えば最も明るい色から最も暗い色までの幅が狭くなりがちということです。
そしてメガドライブは選べる色が少ないため、グラデーションの色跳びが起こりやすく、明るい色はより明るく、暗い色はより暗くなりがちです。要はより荒いグラデーションになります。

2つを見比べれば一目瞭然ですが、スーファミ版は全体的に明るくふわっとした印象なのに対し、メガドライブ版はくっきり濃くみえませんか?

今回こうやって分析してみるとよく分かるのですが、それまでなんとなく「なんでスーファミのグラフィックって全体的にぼんやりした印象なのが多いんだろ?」「メガドライブの画面はなんでスーファミに比べてメリハリがあるように見えるんだろう?」と思っていました。
つまりこういうことだったのです!

手前味噌で恐縮ですが…

こんかい16bit素材のサンプルとして制作した顔グラフィック(ちなみに共通の2パレット使ってます)ですが、出来上がったとき「なんか色合いがメガドライブっぽい!」て思いました。
もしもなんの制約もなく無数の色から選べたとしたら、その環境に引っ張られるようにもっとぼんやりした絵になったかもしれません。
つまりこれは自分の個性ではなく、制約によって作られたテイストなわけです。
今回(そんなに厳密ではないですが)メガドライブ縛りで素材を作ろうと思ったのは、こういった制約が自分の個性では出せない、テイストを引き出してくれるという新鮮さがあるからなんですね。


あと、グラフィックとは関係ないですが、メガドライブに搭載されているFM音源も好きです。
なんだろう、スーファミって音に関してもより高性能だと思うんですけど、なんかメガドライブよりぼんやりした感じがするんですよね。

そんなところも含めてメガドライブの魅力について語ってみました。

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