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ミニフィギュアの記事 (2)

くろあめ工房 2022/11/01 22:00

ミニフィギュア頒布検討②:形成から型取りまで

【前回までのあらすじ】
くろあめは、いつも説明書に載せている
マイキャラたちのミニフィギュアを頒布できないか検討していたが
頒布に至るまでは課題が盛りだくさんだった…
(詳しくはこちらの記事をどうぞ!)


というわけで、ミニフィギュア頒布検討の第二回は
実際のミニフィギュア作成工程(形成~塗装直前まで)の紹介と
前回のアンケート結果の発表となります。

作業工程とかどうでもいいんよ、という方は
最終章まで飛ばしてくださいね。

型抜き工程

私のミニフィギュアは、基本的に塗装前に後述の手法で型を取るため
大まかなコピー体(ただし精度は悪い)を複製することができます。

新作を作るときには、このコピー体をベースに
盛ったり削ったりを繰り返すのですが
今回はロダネとユーディアの次号を作るため
型抜き後は形成作業のみとなります
それが長いんだけど。

今回の見出しにもなっている
ロダネとユーディアを型取りした、型抜き用の型に
エポキシパテを詰め込んで固まるまで放置、取り出します。

見ての通り、手が欠けちゃったり穴ぼこ開いたりで
到底見出し画像のそれのコピーとは言い難いですね。

そこで、欠けた部分に「光硬化パテ」を盛りつけて
再度、型の中に戻します。

光硬化パテは、紫外線に反応して硬化し、プラスチックになるパテです
この日の作業は昼だったので、最強の紫外線である日光に当てて速攻硬化させましたが
蛍光灯・LEDライトなんかでも硬化させることができます。

光硬化パテ硬化後に取り出したのが左です
このあと、たい焼きのバリみたいになった部分を切り取って
日向に一日置いて完全硬化させたのが右になります。

ここまでやってようやく、好きな人は好きでたまらない
形成工程に入ります。

形成工程

形成工程については、あまり詳しく描くことがありません
ので、模型の基本も交えて話を進めます。

ざっくり纏めると、型取り時に歪んだ部分の形を整えて
表面を塗装用に奇麗にならすだけ、なのですが
模型をやったことある人はご存じの通り、長い旅路になります。

こちらは、原型段階で目に見える傷や歪みを
デザインナイフやリューター(電動の切削工具、回転金属やすり)
大番のやすり(#120~400)でざっと形成して
最初のサフ吹きが終わった段階です。

「サフ吹き」とは、サーフェイサーと呼ばれる下地塗料を吹き付け
原型を一色にして、形の歪みやシルエットの破綻がないか
細かい傷などが残っていないかを確認する工程です。

また、サーフェイサーを吹き付けることで
後に控える塗装工程の塗料の食いつきを促進させます。

この時点では、まだ凸凹が残っていたり
本来局面であるべき場所が、角ばっていたりしますね
ここから、さらに様々なツールを使って形を整えていきます。

各種彫刻刀の類や、ペンシル型プラスチックやすりなどなど
形成ツールに関しては書ききれなくなっちゃうので
またの機会にでも紹介します。

次のサフ吹き後がこちら
細かいところを、引き続きデザインナイフやリューターで整えつつ
耐水ペーパー(水研ぎ用の紙やすり)の#400~600番で表面を慣らしています
だいぶそれっぽい形になってきましたね。

三度目のサーフェイサーは白に切り替え、最終的なシルエット等を確認します
全体的なシルエットがきちんと整っているか確認しつつ
ミニフィギュア的に大事な、ほっぺのラインに歪みがないかなどを確認し
#600~1000番の耐水ペーパーで形を整えていきます。

余談ですが、私はやすり掛けの時
耐水ペーパーと「神ヤス」というスポンジやすりを半々で使ってます
これも、模型をやる人にはおなじみのツールですね
曲面に強いのがありがたい…

最終チェックの後、肌色のサーフェイサーを吹いて
形成工程はおしまいになります
この肌色、キャラクターにもよりますが
そのまま地の肌色として使うことが多いです。

さあこれで、晴れて塗装だ
…と、言いたいのですが、もうひと工程あるんですよね。

型取り工程

舞台は変わって、私の作業机から台所に
この段階で、次回のミニフィギュア制作の型抜き用に
型を取っておくわけですね。

上記が型取りセット一式になります。

まずは、プラスチック粘土「おゆまる」を茹でます
このプラスチック粘土は、温めることで柔らかくなり
冷やすことで硬化するという特性を持っています
これを利用して型を作るわけです。

文房具が置いてある本屋さんなら
扱ってるとこもあるかと思いますが
私はいつもヨドバシで大量に買ってます。

本来、模型の本格的な型取りは
油粘土とシリコンを使ってレジンの流し込み型を取るのですが
こっちは下ごしらえからして色々大変なので
模型慣れしてる人でも、簡単な複製を取る場合は
プラスチック粘土を使う方も少なくありません。

茹で上がっておゆまるをこねくり回して馴染ませたら
ミニフィギュアの本体を「半分だけ」押し込む形で型を取ります。

この時の「半分」が、次回の型抜きの際の分割線になるので
極力次回の手間を省く位置にもっていきたいのですが
中々うまく行かないのが正直なところです。

押し込む、と言っても
上からぎゅっとやるだけでは綺麗に型はとれないので
その辺はいろいろコツがあったりするのですが
それをカメラに収めていると、その間に熱が退いて硬化が始まってしまうので
今回そこは割愛です。

上手いところ半分の型が取れたら、いったん氷水にドボンして
急速硬化を促します。

十分な硬化を確認した後、ミニフィギュア本体を避けて
型の方にオロナインを塗り付けます
「なんで!?」ってなるかも知れませんが
これはこの後被せる、後ろ半分の型となる蓋部分と
前半分の型が癒着しないようにするバリアの役割を果たします。

台所近くにあるからオロナイン使ってるだけで
実際はオロナインの軟膏部分であるワセリンや
ベビーパウダーでもいいらしいです。

なにはともあれ、オロナインを塗ったら
蓋部分になるおゆまるを茹でて、被せていきます。

ロダネとユーディア、それぞれのヘッド・ボディに対して
前後両方からおゆまるで挟んだら
氷水にドボンして十分な硬化を待ってから
型からミニフィギュアを取り出します。

取り出す際には、ミニフィギュア、型共に
傷つけないよう注意しつつ作業します
基本的には硬化後も弾力性のある、型の方に無理をしてもらいます。


ここまでで、塗装工程前の全工程完了です!
何かと我流でやってる所が多いので
この辺もうちょっと簡略化できるよ、などあれば
模型有識者の皆さんのご意見、頂戴できればなーと思ってます。


アンケート結果について

前回の記事のアンケートを締め切ったので
こちら結果になります。

まあ正直、殆どの人が
「ゲーム制作時間削るなら頒布検討せんでええよ」だと思ったんですが
なんと完成品を1万円以上でも買うって人が4人ですよ4人、マジか
大丈夫?日本円だよ?

今回の工程記事を見てもらえれば分かるかと思いますが
原型頒布の場合「工程のどこで私の手を放して、欲しい人に渡すか」
という問題も出てきそうなので
やはり当初の想定通り
余剰のミニフィギュアを作れたら
その都度一個ずつ、BOOTHにお出しするのが無難
かなーと考えてます。

まあ、買うと言ってもキャラ次第なところはあるでしょうし
その辺は追々詰めていきますが
とりあえず、次回ミニフィギュアを作ることになったときは
頒布用1号(ロダネかユーディア)も一緒に作ることを考えてみます。

というわけで
以下、後半の「塗装工程」に続く!

※次回の記事はゲームの方です、天気に左右される面もあるので
 掲載時期については未定でお願いします。

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くろあめ工房 2022/10/01 18:00

ミニフィギュア頒布検討①:概要と頒布形式

以前、別の記事でも話題に触れましたが
くろあめ工房作品の説明書にお約束として載せている
自家製のオリジナルミニフィギュアについて
頒布できないかどうか、検討を進めています。

頒布検討の記事、第一回は
元々の用途や、大きさや材質、塗料の種類などなど
このミニフィギュアそのものの紹介と
現時点で判明している頒布するにあたっての大きな問題点
および、プレイヤーの皆様に対する
頒布形式アンケート(初回)となります。

ミニフィギュア紹介

元々、このミニフィギュアは
私がデザインしたキャラクターをドットに落とし込むための
立体見本として作り始めたものです。

処女作「だいちのちから」のレマが人外だったこともあり
初期のころはその役割を全うしていたのですが
ドットを打ち慣れてきてからは、見本なしでも行けるようになり
実質、最近の作品では作品完成の記念として作るようになっています。

基本的には手持ちのプラモのマテリアルで作るモノなので
材料は全てプラモのそれから流用してましたが
現在は、こっち専用の用途でマテリアルを買う事も少なくありません。

本体はエポキシパテ、塗装の本体色部分はラッカー塗料
目や口、頬のチークなどはコピック&水性塗料で書いた後に
ラッカークリアでコートしています。

サイズは見ての通り、百円玉よりちょっと背が高いくらいです
超小さいですね
ですが私は、小さいモノにしか宿らない尊さがあると信じるので
このサイズを変えるつもりはありません。

そんなサイズなので、こんなふうに小物と絡めるといい感じになります
私の部屋では普段、大事な本を納める本棚の番人として
本の前で全員陣取ってもらってます。

頒布上の問題

ありがたいことに
作品公開の度に、販売予定がないか聞かれているわけですが
現時点で、頒布に至るには大きく分けて2つのハードルがあります。

問題点1:原型の精度の悪さ

こちらは、後日改めて
原型複製~塗装準備までの工程を記事にするかもしれませんが
このミニフィギュア、量産を考えていたわけではないので
原型複製の精度が非常に悪いです。

現在は、サーフェイサーを吹き終わった段階で
「おゆまる」というプラスチック粘土を使って原型を複製し
次の個体を作るとき、そこにパテを詰めて複製しています。

おゆまる自体がそこまで細かい型取りに向かないことと
レジンの流し込みではなく、パテの手詰めでの複製であることが
精度を著しく低下させています。

一発抜きの状態だと、腕が欠けてたり割と散々な状況ですね
この後、もう一回パテを詰めて再硬化させるのですが
時間の問題もあって、初回とは異なるパテを使うことが通例です。

つまり本体が複合材状態になっています
これは、仮に原型状態で頒布する場合
人に渡す原型としては、わりとよろししくありません。

問題点2:塗装工程

こちらも、後日改めて
塗装工程を全容を記事にするかもしれませんが
このミニフィギュア、見た目に寄らず塗装工程が面倒です。

まず、上記の原型の話題を見ても分かる通り
頭と体の2パーツ構成の超シンプルなパーツ割です。

つまり、各部の塗り分けは全て手作業です
本来パーツが分かれているところに影を入れるため
塗装後にコピックのスミ入れもしないといけません(勿論ペンで一線ずつ引きます)

加えて、この極限までシンプルにした顔もコピックでの手書きです
塗装工程で一番神経をとがらせる工程が、この顔の手書きだったりします
こんなデフォルメでも「人形は顔が命」ですね。

くわえて、ぬいぐるみみたいなふわふわ感を出すために
クリアコートをちょっと梨地気味にすることで、プラっぽい質感を消しています。

実際はぬいぐるみというより砂糖細工のほうが近い感じですが
ともあれ、これをやってあげないと若干味気なくなります。

つまるところ、原型頒布の場合でも
説明書を付けたところで、私が作ったそれと同じ雰囲気になるかは
けっこう怪しいところがあるんじゃないか、と思ってます。
(特に手書きの部分が面倒かと思われます)

頒布形式アンケート

そんなわけで、現時点での頒布には課題が山盛りです
今後の記事執筆と共に、各工程を最適化していくつもりではありますが
その前に、ここを見てくれているプレイヤーの皆さんの
正直な意見をお聞きしたいと思います。

以下に、現時点で構想している頒布形式を列挙しますので
これで行ってほしいと思う形式に、投票していただければと思います。
(複数回答可能です)

アンケートの回答にしっくりこない場合は
コメントでの回答でもかまいません。

※価格はあくまで現時点での見込みです。変更の可能性があります。

端的に言うと、これにだけ専念しているわけにはいかないので
ある程度方針は絞れたらなーと思ってます。

何卒、ご協力よろしくお願いします。

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