こんばんは!
今回はゲーム開発の裏話的な話題で
- そろそろ「より長く楽しめるゲーム」を作りたい
- そのためにはどうしたらいいか?最近の個人的な取り組みについて
という点についてのお話となっております。
私は以前まではミニゲーム・短編ゲームを量産していたのですが、近頃有料ゲーム開発にシフトする中で
(特にSteamでは)ミニゲームや短編ゲームだとなかなか手に取ってもらえないし、高値で売れないので得られる利益も少ない
といった問題に苦しめられてきました。そこでそろそろ「長く遊べるゲーム」を作りたいなぁと思ってアレコレ試行錯誤しています。
そのような中でいくつかの気づきがあり、どうしたら長く遊べるゲームを作れるか?が朧気ながら分かってきた気がするのでここではその辺について私なりに書いてみようと思います。
※以下、長文なのでご注意ください。
すぐ飽きるゲームばかり作ってきた話
まず、冒頭で
- 自分は今までミニゲームや短編ゲームを作りまくってきた
- でもそういうゲームは有料で売るのは厳しい
的なことを書きました。しかし「ミニゲームや短編ゲームだとダメ」というよりは、正確に言えばすぐに飽きるようなゲームばかり作ってきたので有料販売するにあたって壁にぶち当たったということです。
すぐに飽きるゲームとは具体的に言えば
- ゲーム内容が薄い
- リプレイ性がなく1回遊んで終わりになってしまう
- 遊んでいてイライラするなど不快感が上回ってしまう
というようなゲームですね。ではなぜそういうゲームばかり作ってしまうのかという話をしようと思います。
なんですぐ飽きるようなゲームを量産してきたのか
主な理由は二つあります。
- 技術力不足によるもの
- ゲーム開発が自己満足で終わっていた
技術力不足
一つ目の理由は単純に技術力が足りなかったからです。
長く楽しめるゲームを作るためには、基本的には技術力や発想力が求められます。したがってそういった部分が足りないと未熟でつまらないゲームを作ってしまいがちです。
私に関して言えば技術的に未熟なうえに発想力も弱く、その上完全に独学でゲームを作ってきたためもしかしたら効率の悪い方法が染みついているかもしれません。つまりゲーム開発を長年続けているのに技術の習得が遅く面白いゲームをなかなか作れないということになります。
ゲーム開発が自己満足で終わっていた
二つ目の理由はゲーム開発が自己満足で終わっていたからです。
私は元々「自分で考えたキャラクターをゲーム世界で自由に動かせたらいいな」と思ってゲームを作り始めました。つまり面白いゲームを作って他の人を楽しませようとかは当初は全く考えていませんでした。
そんなわけで作りたいゲームを勝手に作って満足していたし、その当時は全部フリーゲームとして公開していたので別に出来が悪くてもまあいっか!とさえ思っていました。
こんな調子でゲームを作っていたので、例えば「面白さを磨いてプレイヤーさんに楽しんでもらおう」とかそういう努力を全くしておらず、結果としてすぐ飽きるようなゲームばかり量産する結果になってしまいました。
使い捨てみたいなゲームは話題にならず儲かりもしない
ところが調子に乗って有料ゲームの開発にチャレンジしたところ、このままじゃダメだなと思わずにはいられない出来事が色々ありました。特に
少なくともプレイヤーさんに喜んでもらえないゲームは全く話題にならない
→結果として全然売れない
という点はかなり痛かったです。ただ痛みは感じましたが、だからといって具体的になにが悪いのかは今まで全く分かりませんでした。
しかしそんな中ふと気づいたことがあります。それは私のゲームは
長く楽しめない「使い捨てゲーム」ばかりだった
ということです。とても情けないことですがこのことについ最近気がついて、これじゃあダメだよなと妙に納得したんですよね。
使い捨てみたいなゲームの悪いところは、一回遊んだらポイなので話題にもならないし、価格が割高だと買ってもらえないという点です。だから全然儲からない。
…まあもちろん、長く楽しめるゲームだからといって必ず売れるとも限らないとは思います(※例えば全く宣伝していなかったらそもそも誰も買わないかもしれない!)。でも長く楽しめるゲームは話題になる可能性が高いし、熱心なファンもできるかもしれないので売れる大きな要因の一つになると思います。
長く楽しめるゲームは長編ゲームとは限らない
ところでこの辺で一つ補足しておくと、ここでは
長く楽しめるゲーム
を作りたいなぁという話をしています。注意していただきたいのは、この「長く楽しめるゲーム」とは必ずしも長編ゲームを指すわけではないことです。
詳しくは後述しますが、ゲーム内容が長いからといって長く楽しめるとは限りません。長編でも途中で飽きてやめたくなるゲームもあれば、逆に短編でも長時間繰り返し遊びたくなるようなゲームもありますよね。
つまり「ゲーム内容の長さ」は長く楽しめるかどうかにはそこまで大きく影響しないんじゃないかなと私は思っています。
長く楽しめるゲームが持つ要素とは
さて以上のような点を踏まえて、長く楽しめるゲームとはどんなゲームなのか?を具体的に考えてみます。
個人的な考えですが長く楽しめるゲームは主に次のような要素を持っていると思います。
- 内容が充実しており密度が高い
- ランダム性があるなど飽きにくい作りになっている
- 負けてもまたやりたくなる仕掛けがある
内容が充実しており密度が高い
一つ目はゲーム内容が充実していて密度が高いことです。これは一番わかりやすい特徴で、スカスカのゲームよりもみっちり詰まったゲームのほうが長く楽しめるに決まっています。
ただし内容を充実させてゲームの密度を高くするのはかなり難しいと私は思っています。私みたいな並以下の開発者がそういうゲームを作るのはそれこそ無理ゲーかもしれません。もちろんゲーム内容を練る努力をするのはとても重要ですが、ここで無理せずその他の工夫に力を入れるほうが無難な気がします。
ランダム性があるなど飽きにくい作りになっている
二つ目は飽きにくい作りになっていることです。例えばローグライクゲームはランダム性があって毎回新鮮な気持ちでゲームに挑戦できます。
全く同じ内容でも魅力が高く繰り返しやりたくなるゲームがある一方で、ランダム性などの工夫によって何度も挑戦したくなるようなゲームもあります。
こちらはゲーム内容をみっちり作りこむよりは若干作りやすいような気もしますが、例えばランダム要素が強い場合は運ゲーになってしまったり、バグの特定が難しかったりするなど技術的な部分でのハードルの高さは確実にあると思います。
負けてもまたやりたくなる仕掛けがある
三つ目は負けてもまたやりたくなるような仕掛けがあることです。
例えば負けてしまっても、プレイヤー自身やキャラクターの成長が分かるゲームだったら「次は勝てるかも??」と思えるでしょう。このように何度も遊びたくなるような動機づけがあれば長く楽しめるゲームになる可能性があります。これは上二つと比べれば手軽に実装できそうですね。
長く楽しめるゲームを作りたいので、アレコレ工夫しているという話
というわけで、ここまで長々と
- このまま使い捨てみたいなゲームを作っているようじゃダメだ
- より長く楽しめるゲームを作りたいなぁ
というようなことを書いてきました。そこで最後に、長く楽しめるようなゲームを作るために最近始めた取り組みなどについて書いてみようと思います。
Unityの弱点と向き合う
一つ目はUnityの弱点と向き合ってそれを克服できるように基本システムの開発を進めています。
Unityは単純なアクションゲームなど、必要なデータやフラグの数が少ないゲームは簡単に作れます。逆に言うと
データやフラグの数が多いゲームはかなり作りづらい
という弱点があります。そこでその弱点を補うために、自作の基本システムにおいてフラグ管理機能を強化するような仕組みを作ったりしました。
フラグ管理をしやすくなれば、アイテムのアンロックなどゲーム進行によって変化する要素を作りやすくなります。つまり遊んでいるうちに味が出るゲームを作りやすくなるというわけです。
このような工夫は次回作あたりから導入できそうなので、私自身新しいゲームの開発が楽しみです(※なお今作っているFPSは基本システムが昨年のもので、上記のような新機能を導入できないのが残念ではあります…)。
やり込み要素を考える
二つ目はやり込み要素についてちょっと考えています。どんな要素を入れたらゲームをやり込んでもらえそうか?とかですね。
この点に関しては色々なやり方があると思うのですが、割と手軽にできてコスパが良さそうなのは
の二つだと思っています。
まず「探索+アンロック要素」とは、例えばフィールドで寄り道をすると
- 新しいアイテムを発見できる
- 図鑑に新しい項目が記載される
とかそういうやつね。これはお店でアイテムを買うとかでは得られない楽しさがあるし、開発者としても実装がそこまで難しくない割にゲーム密度を高められるなどのメリットがあるのでまさに一石二鳥です。
あとはSteam等では実績機能が提供されているので、それをゲームに導入するとプレイヤーさんのやる気を刺激できます。その辺も上手く活用したいところです。
おわりに
以上、長くなってしまいましたが「長く楽しめるゲームを作りたい」というお話でした。ご覧いただきありがとうございました。
今まではちょっと残念な出来のゲームしか作れませんでしたが、次回作以降では今工夫している部分の成果を出せそうなので私としても今後のゲーム開発が楽しみです。
最後に、今作っているFPSは結果がどうなるかわかりませんが(正直あんまり良くないと予想しています)、引き続き7月のリリースを目標に開発を進めていきたいです。
ではまた何かあれば投稿します。