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2023年 12月の記事 (4)

夢幻台 2023/12/25 00:00

「今年の活動から思った5・6個のこと」

※この記事は「ツクールアドベントカレンダー2023」25日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/9046

はじめに

 縁あって今年もツクールアドベントカレンダーの大トリを務めさせていただきました。今回は今年の自分の活動を振り返るとともに、それらを通して思った事をまとめさせていただきました。ツクールアドベントカレンダーの大トリを飾るに相応しい内容かどうかは怪しいですが、ぜひお付き合いいただければと思います。

割と幅が広かった今年の活動

 自分はツクラーとしては、個人制作にしてもコラボ作品にしてもひたすら「ゲームを作る」に終始していることが多く、それ以外の活動に関しては実は意外と多くなかったイメージがあります。しかしながら今年は、直接にゲームを作る以外の活動も多く行い、活動の幅が広かったようにも感じます。以下に今年の活動を並べていきます。

(1)「プレイングゲームデー」の名付け親
 「プレイングゲームデー」は今年の1月にshinさんが提唱した、月に1回他の方のゲームをプレイして感想を出し合おうという趣旨の日です。アツマール終了後、気軽にゲームの感想を言い合える場が減ってしまったので、少しでも盛り上げようと始まった特別な日だったと記憶しています。そしてこの日、実は最初は名前も、いつにするかも決まっていませんでした。募集的な流れになっていたので、「せっかくだから」くらいの軽い気持ちではありましたが「毎月最終日曜日『プレイングゲームデー』なんてどうでしょう?」と提案したらshinさんがとても気に入ってくださり、そのままその名前が採用された…という流れです。最終日曜日という日程はともかく、名前に関してはもう少しひねっても良かったかも…と考えた事もあるのですが、結果としてはそのシンプルな名前がいい意味で浸透し、たくさんの方に参加してもらえる日として、今も続いています。

(2)「アツマールRecors」企画
 アツマールのサービス終了が決定し、自分も含めたツクラーさんの気持ちも沈んでいたのですが「嘆いているヒマがあったら最後に何か作ろう」ということでコラボ2023の企画として「アツマールRecords」を立ち上げました。
「短い制作期間」
「大作にはしない」
「ゲームというより作品展」
という割と緊急の企画だったにも関わらず、沢山の方に参加して頂き、アツマールのラストを飾るにふさわしい企画となったと自負しております。

(3)クロックルーラーのお手伝い
 ダークアイビスさんの共同企画作品「クロックルーラー」にマップ制作&アドバイザーという形で参加しました。企画開始は昨年の8月からで、公開が今年の4月。レビューでは割と手厳しいご意見も頂きましたが、最終的には新人フリコンの佳作を受賞するというとても良い形でまとめることができました。主宰という立場が多かった自分としては久しぶりの参加者側での企画参加でしたが、それはそれで主宰とは違った楽しさと難しさがあり、今回も色々と勉強させていただきました。

(4)RPG Maker Uniteとの激闘
 兼ねてより注目していたRPG Maker Uniteの発売。延期が続き、しかもドル立てでしか買えず(これは今現在も)、まず買う時点で結構なハードルの高さでしたが、それはそれで今まで未経験だったWeb上のカード決済などを経験する機会にもなりました。そして「100日後に公開するUnite」と称した100日企画の果てに「Party×Unite」の制作によって、念願の「ツール最初の正統派RPGの公開者になる」に実質成功。ツクールMV・MZと2作続けて先を越されていたリベンジをここで達成できました。何故達成できたのかや、Uniteのあれこれについては色々と思う所はあるのですが…、その話はいつか別の機会にお話しすることがあるかと思うので、ここでは省きます。

(5)スターズパーティー2制作
 Unite作品「Party×Unite」公開後、次の作品どうしようか…と思っていた矢先に飛び込んできた「ニコニコ自作ゲームフェス」の開催告知。これは自分も作品を作って出さねば!という衝動に駆られました。じゃあ何を出すか。RPGでも良かったのですがここは制作期間の兼ね合いもあるので、自分の好きなアクションゲームで勝負しよう…ということになり、どうせなら一番自分らしい主人公の作品ということで、実に15年ぶりとなるスターズパーティーの続編の制作を始めたのが9月。現在進行形で今は公開しつつ最終調整の真っ最中ですが、多くの方に遊んでいただけたら嬉しいです。偶然なのですが前々回のニコニコ自作ゲームフェスにもアクションゲームで参加しています。動画でアピールするならアクションゲームは相性がいいかな…とも思っています。
↓皆様のプレイ、お待ちしております!
https://freegame-mugen.jp/action/game_11758.html

(6)「マイゲームフェス」への参加
 星空照美さんからのお誘いで、自作品のキャラであるスピカをポスターに参加させて頂いたのをキッカケに「マイゲームフェス」に参加させていただきました。自作品の宣伝だけでなく、他の方の作品や、ネット上ながらリアルタイムで動く作者さんとの交流もあり、いい経験でした。自分はこういったもののリアルイベントには参加経験が無いのですが、こういう形でなら無理なく参加できるので、機会があればまた出たいな…と。むしろこれまで参加してなかったことをちょっと後悔するレベルでもありました。(※参加したいけどできなかった理由は実はあるのですがそれは後述)

活動から思った5・6個のこと

(1)キーワードは「巡り合わせ」
本当に「巡り合わせ」というか、天運に恵まれた年でした。
・プレイングゲームデーはshinさんの提唱をリアルタイムで発見できた
・クロックルーラー企画に声を掛けて頂いたのは昨年の8月。偶然にも「パーティー×ナイトmare」完成直後
・Uniteが4月発売から5月に延期になった事で、アツマールRecordsともクロックルーラーとも制作期間が被らず、最高のタイミングで「100日後に公開するUnite」の企画に入れたこと
・「Party×Unite」完成直後にニコニコ自作ゲームフェスの告知が来たこと
・無料だったら参加したい(有料はどうしても遠慮したい)気持ちがあった矢先にマイゲームフェスのサークル参加が無料になったこと

 ビックリするくらい制作期間が被らず、1つ終わるとまた1つ…という感じで、まるで「やってみなよ」と天から声が聞こえてくるくらいの神がかり的なタイミングでした。

(2)待っているだけでは運は逃げる
 上記の通り、運に恵まれていたとはいえ、ただ待っていただけでは掴めなかったチャンスが多かったこともまた事実。ゲームを作ったり、企画を立ち上げ・参加にはそれなりにエネルギーも使うので、どうしても躊躇する気持ちも分かります。でもそこで待つか、一歩踏み出せるか。僅かな違いではありますが、その違いがその先の大きな差になると思うのです。

(3)人を動かすには、まず自分から
 企画モノは立ち上げたらドンドン動いてアピールするのが重要だと感じました。自分に限りませんが伸びる企画は、企画を立ち上げた人が積極的にアピールしているのがかなり大きいと思います。shinさんのプレイングゲームデーや照美さんのマイゲームフェスがその好例です。そしてその逆もまた然り。伸びない企画は割と「企画を立てたっきりほったらかし」になっている(少なくとも外から見るとそう映る)ものが多く、伸びないと嘆かれても「そりゃそうだよね」と思わず言いたくなるケースもありました。

(4)ネガティブにはなってもいい。でもなりっぱなしには注意
 自分自身も結構ネガティブになることが多いのですが、でもなりっぱなしにはならないように極力気を付けています。…というのも人は「期待するほど見てはいないが、油断していいほど見てなくもない」です。ネガティブな言動が過ぎると「関心が無い」から「避けたい」へとマイナスポイントを増やしてしまいます。前述の「伸びない企画」に関しても、アピール不足なのに「全然関心持たれない」というネガティブな言動とコンボすると参加しようか、止めようか迷っていた人の足を遠のけてしまう事になり兼ねません。正直今年は(今年に限りませんが)「この人、文句ばっかり言ってるなあ…」とか「後ろ向きの発言ばっかりだなあ」という方が目に付いた年であったことも事実です。

(5)「我慢」は程々に。黙って出来るレベルが丁度いい
 「〇〇するまで△△を封印」とか「〇〇するまで□□を我慢」と、自分自身に圧をかけることで制作意欲を高めようとしている方をそこそこ見る気がするのですが、正直その成功率はあまり高い気がしなかった…というのが本音です。口に出して実行するいわゆる「有言実行」は「〇〇する!」だけでいいかなと思います。出来なかったらどうするとか、出来るまでこれを我慢するとか、そういうのは正直ご本人だけの問題であって、大事なのはその結果としてできる「〇〇」の方だと思っています。なので自分は「〇〇する!」だけ言うように心がけています(それでもまだまだですが)。実はその裏で我慢していることも0ではないのですが、それは表に出さず、黙って我慢できる範囲に留めるくらいが丁度いいです。とにかく無理はいけないので。楽しく、のほほんと作る方が気持ちいいし、結局それが近道だったりします。

(6)基本は「ガンガンいこうぜ」でいい。やらない後悔よりやって反省
 特に今年の企画では「100日後に公開するUnite」の開始前に迷いました。100日で完成まで持っていけるのか、そもそも100日も継続して続けられるのか。大体見てくれる人はいるのか、需要はあるのか。自分にとっても過去に例のない企画だったので不安が特に大きかったのは事実です。それでもやっぱり「やって良かった」と思うし、あの時に踏み出した一歩が実を結んだことも多かったと感じます。やっていなかったら今頃は「やっておけば良かったな」と後悔していたことは間違いありません。何しろ念願の「新ツクール初の正統派RPG公開者になる」チャンスを棒に振る事になったでしょうから。万が一、途中で頓挫したとしても、完成できなかったとしても、そこは素直にごめんなさいで済む話かなと思います。全部が全部それでは良くないものもありますが、個人的にはツクールは遊びです。迷ったらとりあえずやってみる、上手く行かなかったらごめんなさいして反省し次に生かす。それでいいんじゃないのかなと思うのです。

終わりに

 今年も例によって(?)まとまらない文章になってしまいましたが、積極的に色々と挑戦する、前のめりのスタイルは来年以降も続けていければと思っています。「基本は緩く、時にはアツく」2024年もどうぞよろしくお願いいたします。

最後に1つ宣伝を。
現在公開中の新作「スターズパーティー2」。中性的な「カッコ可愛い」スピカを操作してモンスターをなぎ倒していく、クリアまで20分くらいで楽しめる爽快感マシマシの痛快アクションゲームです。皆様のプレイ、お待ちしております!
https://freegame-mugen.jp/action/game_11758.html

夢幻台 2023/12/17 18:47

スターズパーティー2更新!

新作アクション「スターズパーティー2」のバージョンアップを行いました。

今回はスコアを実装。またステージタイムとトータルタイムを別表示にしました。タイムとスコア、ハイスコアやタイムアタックといったやり込み要素が増えたことでさらに上級者のプレイの幅も広がったと思います。コンボによるボーナスもあるので、ぜひハイスコアを狙ってみてください。まだ未プレイの方もぜひどうぞ!

https://freegame-mugen.jp/action/game_11758.html

※お願い
フリーゲーム夢現さんでのレビューを募集しています。もちろん高評価なら嬉しいですが、本作はまだバージョンアップの予定が多いため、その優先順位や更新内容にも可能な範囲で反映していければと思っておりますので、プレイ後はぜひ★付レビューを書いて頂ければ、参考や励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

夢幻台 2023/12/09 15:52

「スターズパーティー2」一般公開開始!

新作2Dアクションゲーム「スターズパーティー2」の一般公開を開始しました。

前作から15年の時を経ての続編。8方向への空中ダッシュ「ホープホバー」を筆頭に、とにかく気持ちよく動かして進めることを第一に、お手軽に遊べる作品を目指しました。1周クリアまで約20分。最多コンボ狙いやタイムアタックなどのやり込み要素もあります。また今後も、新ステージ・新モードなどの追加も続々行っていきたいと思っております。皆様のプレイ、心よりお待ちしております。
https://freegame-mugen.jp/action/game_11758.html


※お願い
フリーゲーム夢現さんでのレビューを募集しています。もちろん高評価なら嬉しいですが、本作はまだバージョンアップの予定が多いため、その優先順位や更新内容にも可能な範囲で反映していければと思っておりますので、プレイ後はぜひ★付レビューを書いて頂ければ、参考や励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

夢幻台 2023/12/01 00:00

「襟を正して表舞台か、刺激を求めて裏路地か」 ~フリーゲームの向かう先とは?~

これは「ゲームにかかわる人が自由な記事を作る Advent Calendar 2023」12月1日の記事です。
https://adventar.org/calendars/9118

はじめに「あくまで個人の見解です」

「住み分けしたらいいんじゃないですか?」

 フリーゲームのダウンロードサイト最大手「ふりーむ!」の表現規制・審査が厳しくなったことについて、フリーゲームクリエイターさんが様々な見解を示していました。こんなに規制だらけになったらフリーゲームじゃない、そういった意見も多く感じます。結局、規制って一体何なんだろうな…?ちょっとモヤモヤしたこの問題に対して、自分個人の見解を書かせて頂ければと思います。アドベントカレンダーの初日を飾るにはちょっと暗い話題かも知れませんが、普段は気楽に作っている自分でもちょっと真面目に考えた方がいい話題でもあると思いました。これをキッカケにして考える方が少しでも増えたら嬉しく思います。

昔の「ふりーむ!」は本当に何でもアリだった

 自分自身が「ふりーむ!」を利用し始めたのは2003年。今から20年前になります。ID107番なので最古参といっても過言ではない部類だと思っています。当時は個人でゲームを作って公開する、いわばフリーゲームクリエイターというのは今と比べれば絶対数が少なく、趣味がゲーム制作というのはまだまだマイナーな趣味だったと記憶しています。そして「ふりーむ!」自体も決してメジャーなサイトではなかった。当時、フリーゲームのダウンロードサイトとして最大手だったのは「Vector」でした。かつて「ふりーむ!」と「Vector」の両方に同じゲームを置いた時、どこでこのゲームを知りましたか?というアンケートを取ったところ「Vector」の方が多かったのを覚えています。

 いわば「Vector」がメジャー、「ふりーむ!」がマイナーなサイトであったと言えるでしょう。そしてメジャーであった「Vector」は審査が割と厳しく、審査にも時間がかかり、細かな点で掲載見送りとなるケースも多々。一方で「ふりーむ!」は審査期間が短くて規制も緩く、比較的手軽にゲームが掲載できるという魅力がありました。ただしその「規制が緩い」が必ずしもいい方向に向かなかったのも事実で、中にはどう考えてもタイトルを見ただけでアウトな作品(今現在は公開停止していますが)も投稿されており、コメント欄に「ちゃんと審査して規制してほしい」(※実際にはもっと辛辣な書かれ方を
していましたがマイルドな表現に変更している点はご容赦ください)とまで書かれることも。まさに今現在起きている批判と真逆のものが寄せられていました。そんな批判を受けながらも、それでもお行儀の良い「Vector」では投稿できない「マイナーだから許される」直球で言えばお行儀の悪い作品でも掲載できるのは大きな魅力でもあったようです。

 「ふりーむ!」はその後、着々とダウンロードサイトとしての地位を確立し、今や最大手。フリーゲームダウンロードサイトとしての立ち位置もマイナーからメジャーへと変わり、在り方も変化が必要になったんじゃないかなと感じます。それ故に今回の規制強化は仕方のないことかもしれないな…と思っています。

「お行儀が悪い」は刺激的で面白い

 規制に関して色々な意見が飛ぶ中、シンプルに思うのは、お行儀が悪いのがダメなら、お行儀よくすればいいんじゃないの?という考えかもしれません。ところが皆が皆そうはいかない。全てに当てはまるとは思いませんが、お行儀が悪い作品は刺激的で面白いという側面があるからです。それを止められたら一気につまらなくなる。それは困る。そんな考えもあると思います。
 
 別ジャンルになりますが「最近テレビが面白くなくなった」という声を聞きます。その理由には「刺激が無くなった」が原因の1つだと思っています。「あれはダメ」「これはいけない」のオンパレードでテレビにもドンドン規制が引かれるようになり、お行儀の良さを求められ、かつての刺激的な番組が作れなくなったというのが大きいと思います。もちろんお行儀の良い面白い番組も、作ろうと思えば作れるのでしょうが、そのハードルは恐ろしく上がったと言わざるを得ません。これも時代の流れ、ちょっと安易な片付け方ですが「面白ければ何でもアリ」の時代はもう既に終わっているということになります。

フリーゲームが「これまでは」許されてきたワケ

 ではなぜテレビがこんなにも規制されるようになったのか。理由は大きく2つ。「多様性を認める世の中になり、少数派の思想にも配慮し、それらを傷つけると思わしきモノは慎むようになった」「テレビは不特定多数の方が観る一大コンテンツであり、上記の多様性を傷つける恐れが非常に高いから」この2つだと考えます。

 前者に関しては前述の通り「時代の流れ」なので逆らうことはできません。でもこれは全コンテンツに言える事でテレビやフリーゲームに限った話ではありません。ポイントになるのは後者で「多くの方の目に留まるコンテンツ」である事だと考えます。逆に言えばマイナーなものであれば、最低限のルールはあれど、そこまでの規制は引かれないんじゃないのかなと思っています。フリーゲームに限らず市販ゲーム自体もまだまだマイナーなジャンルであった初期ファミコン時代は、今では絶対修正されそうな表現が使われているゲームがあったのも事実です。リメイクの際に修正対象になったものもあります。その後ゲームは一大コンテンツとなり、CEROレーティングも行われ、市販ゲームは襟を正しお行儀の良さが求められるようになりました。そうでない作品はレーティングでしっかりと住み分けがされる、店舗なら置き場所も分けるようになったのです。

 一方でフリーゲームはまだまだマイナーコンテンツの側面が強く「フリーゲームだから許される」過激な表現も多く出回る時代『でした』。でも今は違う。登録作者数10000越え、ゲーム登録数30000を超える「ふりーむ!」を見ても分かる通り、フリーゲームの文化はもはや1マイナーコンテンツではありません。フリーゲームだから、マイナーだから許された時代はもうとっくの昔に終わったと思っています。

「メジャーになるなら襟を正せ」の流れはフリーゲームだけではない

 この、コンテンツがマイナーからメジャーになるにあたって襟を正さなければならない流れはフリーゲームに限った話ではありません。記憶に新しいものとして、eスポーツ・格闘ゲーム部門における不適切発言が問題になったことがありました。その時に、もちろん全部が全部ではないですが「もともとこのジャンルにはそういう煽りの文化があったのに、それが無くなるのは何だか寂しい」という、自分からすれば意外な意見があった事に驚きました。自分はアーケードで格闘ゲームをやっていた経験もあるので、そういうある種の煽り、行儀の悪さも1つの文化としてある事は知っていました。中には表でやったらダメだよね的な言動も多かったと思います。本当は裏でもダメなんですが、表に出ていないから許されていた(ように見えていた)形になっていました。そしてそこには表では体験できない圧倒的刺激がある。そこに大きな魅力があったのにそれが無くなるのは寂しいし嫌だ、という気持ちも分かる気がします。
 
 メジャーになるなら襟を正さなければいけない、でも襟を正すという行為は本来あった文化の否定にも繋がる。そしてそれはもの凄くつまらなくなる可能性、というか危険性を含んでいる。だったらメジャーになんかならない方がいい、人目に付かない裏路地で、お行儀を無視して圧倒的な刺激を得る。そこに快楽を見出す、それが楽しかった人にしてみれば表舞台に出て、その刺激に規制がかかることは迷惑極まりない状況なのかもしれません。

表舞台か裏路地か、フリーゲームが向かう先は?

 メジャーな表舞台に出るなら襟を正し、お行儀良くしなければいけない。それが嫌ならマイナーなコンテンツのまま、刺激を楽しむ道があってもいい。冒頭の「住み分けしたらいいんじゃないですか?」これが自分の見解での1つの結論になります。

 最近は傾向も変わってきているみたいですが、動画サイトの例で言えば「Youtube」がお行儀の良いメジャー側、「ニコニコ動画」がお行儀無視のマイナー側だったような気がします。フリーゲーム掲載サイトでもかつては「Vector」がメジャー側、「ふりーむ!」がマイナー側だったのは先ほども述べましたが、時代を経て「ふりーむ!」がメジャー側になった。だったらやはり襟を正し規制するべきはキチンと規制するのは当然の話だと思います。そしてそれに合わせて、空席となったマイナー側のサイトがあってもいい。メジャーな「ふりーむ!」では掲載できない、お行儀の悪い刺激的なゲームが掲載できるサイトが必要なのかもしれません。

 そしてゲーム制作者は自分の作品や嗜好に合わせて掲載サイトを選ぶ。結果としてそれらが向かう先がどうなるのかにはちょっと興味があります。襟を正して表舞台か、刺激を求めて裏路地か。フリーゲームが向かう先はその作者次第。要は全部自分たち次第だと思うのです。

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