餓鬼郎党 2023/08/15 22:41

『祟女 -TATARIME-』の答え合わせ

この記事は、私のゲーム作品『祟女 -TATARIME-』のネタバレを含みます。
是非、先に本作をプレイしてから読んでいただきますようお願いします。

『大多数の受け手は、言葉になっていないことを読み取れない。逆に言葉で表現されたことは何でも信じてしまう』

この言葉を初めて聞いた時、「なるほど」と思ったものですが、自分でゲーム作品を発表すると、改めてこの言葉に強く共感できるのです。それを肝に銘じて作品を作らないといけないと、反省しています。

本作は第15回ウディコンに出展しており、その感想のコメントをたくさんいただきました。嬉しい限りです。ありがとうございます。

しかし、結構多くの人がこの作品の結末を誤解していると感じています。


TRUE END を見た人の多くは、次のような感想を持ったのではないでしょうか。
「作中で起こる全ての怪奇現象の原因はヒロインで、全てはヒロインが仕組んだこと」

それが、言葉で表現したオチなので、そう解釈してもらっても良いのですが、作者は別の意図をもって作品を作っていました。
「作中で起こる一部の怪奇現象の原因はヒロイン。ヒロインが仕組んだのは怪異の一部のみ」


玄関やリビングで襲われた時の写真素材の女性と、風呂場で襲われた時の写真素材の女性は明らかに別人です。
全ての怪異が仕組まれたものなら、自殺した大学生とその後の入居者の話も嘘になり、キヨシはミサオとグルということになりますが、そんな描写は一切していませんので、過去の入居者の話は本当ということが考えられます。ということは作中に本物の怪異がある可能性も考えられるということになります。
……といっても、厳密にどこからどこまでが仕組まれた怪異なのか、明確に分かるように描いてはいないので、分からないのは当たり前です。
更に、BAD END で主人公の右横に現れる女性が式神なのか本物の怪異なのか、作者も分かりません。というか、決めていませんでした。「どっちなんだろう?」と思いながら作っていました。
それが、作者が考える、本作の真相です。

本当はこんなことをここで書かなくても良いように、作中で分かるようにすべきなのかもしれないですが、あまり分かりやすい作品って私が好きじゃないんですよ。
最近は何でも分かりやすいのが好まれますね。漫画でも映画でもゲームでも。誰が見てもすぐ理解できて楽しめるようになっています。
独りよがりな作品と難解な作品は一緒ではないと私は信じています。伝わらないと分かっていても、全てを言葉で説明してしまっては、なんだか野暮な作品になってしまいそうで。
別に、商業作品じゃないんだから良いと思うんです。独りよがりな作品でも、発表して、遊んでもらえる。だからフリーゲームって素晴らしいと思いませんか? だから個人製作って素晴らしいと思いませんか?




以下、特典オマケ漫画。

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