【ぼすせん】すーぱーとうにゅうを手に入れるお!でっかいぼすせんだお!
■
まるスターは、ぴゅーんと進んでいく。
草原を越えて――丘を越えて――
やがて。
すぅ……
すこしだけ、空気が変わる。
「……?」
ふわふわしていた風が、ぴたりと止まる。
とすっ。
まるスターが、地面に降りた。
「おわっ!」
ぽよん。
しゃちんくんは、おちる。
「いたた」
でも宝が近い。
「ありがとだお」
ぴゅーととんでいくまるスターにおててをフリフリ。
そこからトコトコ、トコトコ。
「……ここだお」
目の前。
小さな広場。
まんなかに――
ぽうっ……
やさしく光る、“たから”。
「……とうにゅう……」
一歩、近づく。
とことこ。
そのとき――
どすん。
「……!」
地面が、すこし揺れた。
どすん。
どすん。
奥のほう。
大きな影が、ゆっくり近づいてくる。
もふん。
もふん。
「……もも!?」
~ぼすがあらわれた~
あらわれたのは――おおきな、でかい魔物。
ふわふわしてるけど、でかい。
目が、じーっと見ている。
「トゥリー……」
低い声。
さっきの魔物とは、ちがう。
「……でけぇボス、だお」
しゃちんくんは、小さく息をのむ。
でも――
「……すーぱーとうにゅうが……目の前に」
まるちゃんのからだをいっぱいいっぱいげんきにして心もあたたかくしてくれる伝説のすーぱーとうにゅうが目の前にある
ぎゅっ、としゃちん剣を握るしゃちん君。
あたたかさが、すこしだけ勇気をくれる。
「……やるお」
ぽよん。
しゃちんくん、前に出る。
どすん!!
ボスが、巨体をゆらす。大きな体で――
どーん!!
「わっ!」
ぴょん!
ぎりぎりで回避。
でも――
「……はやいお……」
すぐに、また。
どすん!
どすん!
連続で跳ねてくる。
「よいちょっ!」
ぴょん!
ぴょん!
避ける。
でも、タイミングがずれる。
どんっ。
「あいたっ!」
ちょっと、ぶつかる。
ぽよん、と弾かれる。
「……っ」
体が痛む。息が、少し乱れる。
「……でも」
ぎゅっとぶきを握る。
「……やるお」
しゃちんくん、目をぎゅっと閉じて――開く。
「まるちゃんのためだお!」
ぴょん!!
前に出る。
ボスが、跳ねる。
その一瞬――
すっと懐に入る。
「よいちょーー!」
ぽふっ!!
光が、ボスに触れる。
「とぅりっ!」
少し、ひるむ。
「……きいたお!」
でも、すぐに――
どすん!!
また、大きく跳ねる。
「まだだお!」
ぴょん!
ぽふっ!
ぴょん!
ぽふっ!
何度も。
何度も。
当てる。
避ける。
当てる。
「わっ……!」
どんっ。
また、当たる。
体が、ちょっとだけ沈む。
「……はぁ……はぁ……」
息があがる。体が、重い。
でも。
「……まだ……いけるお……」
まるちゃんの顔が、浮かぶ。
ぽぽっと笑う顔。
「……しゃちん、いくお……」
最後の一歩。
踏み出す。
ボスが、大きく跳ねる。
どすーーん!!
その瞬間――
「いまだお!!」
ぴょん!!
真上にジャンプ。
ふわっ。時間が、すこしゆっくりになる。
「よいちょーーー!!」
ぽふぅっ!!
しゃちん剣の光が、大きく広がる。
「とぅりいいぃ!」
ボスが、ゆっくりほどけていく。
ふわ……
ふわ……
やさしい光になって、消えた。
しん……。
静けさ。
風が、もどる。
ふわぁ……
「……かったお……」
しゃちんくんは、その場にぺたんと座る。
ぽよん。
「……つかれたお……」
でも。目の前。
ぽうっ……たからが、まだ光っている。
「……すーぱーとうにゅう……」
とことこと、ゆっくり近づく。手を、のばす。
そっ……
ふわっ。
光が、やさしく包む。
じんわりと
体に広がる
あたたかさ。
「……あったかいお……」
頭も、体も。
すこし軽くなる。
「……これ……すーぱーとうにゅうだお」
ぽよん。
しゃちんくん、ちょっと笑う。
「……まるちゃん、よろこぶお」
ぎゅっ。
たからを、大事に持つ。
そのとき――ぴかっ。
また、空から光。
くるくる、くるくる――
ぽふん。
まるスターが、あらわれる。
「まるすたー!」
ぽよん、と乗る。
「いくお!」
ふわっ。
体が浮く。
「つぎのたから、さがすお!」
しゅるるるっ――
まるスターが走り出す。
風をきって。
空をぬけて。
「わーーーーー!!」
やさしい光の中へ。
しゃちんくんのたびは――まだまだ、つづく。
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