まっちー 2024/02/10 16:57

(姉シュヴァ)薬のせいで小2になったトレーナーをお世話し自分に依存させようとするシュヴァルグラン2

「うん、健康状態に異常は見られない。1週間お疲れだったね。もう問題ないかと思うけど、激しい運動は控えるように」
「はい、ありがとうございました。」
「ああそうだ、一応処方箋も用意しておくよ。何か考え事をするときに使ってみてくれたまえ」

聴診のためにまくっていた服を直す。
少し薄暗い一室でアグネスタキオンの診察を終えた俺とシュヴァルグランお姉ちゃんはようやく解放された。
1週間、集中治療という名目でお姉ちゃんと一緒に同じ空間に過ごすことになった。
俺はともかくお姉ちゃんに何かあったらそれこそ心が引き裂かれる思いだった俺は大丈夫だという彼女を引っ張って入れさせた。

俺はお姉ちゃんと過ごしていたことがある。一緒に寝やを共に過ごしていたし、お風呂も入ったこともある。そしてなにより、永遠の愛を誓い合い、俺の性癖を壊すほどのキスは俺の人生に大きく影響している。
たった1週間だったが、決してセピア色になんかならない素晴らしい記憶だったと言い張れる。
だから、おねえちゃんがこの学校に在学していて、そして年も下だと判明した時は驚いた。
これを話すとき人から呆れられるし、ドン引きされる。それはそうだ、だって、今隣にいるお姉ちゃんは生徒で、俺は立派な大人だ。それなのに、どうして一緒に過ごしていた記憶ができるのだろうか。

だが他人からどういわれようと、俺は自分の記憶を信じている。
現に今までの生活はすべてお姉ちゃんに出会うために過ごしてきたからだ。
お姉ちゃんに自慢できる立派な男になるためにどんなことでも努力を惜しまなかった。
お姉ちゃんに浮気だと思われないために、どれだけ泣かれようとも告白は受け入れなかった。
お姉ちゃんに立派になったねと褒められるための行動だったら何でもしてきた。
髪のセットも肌のケアも計画的な食事管理、服もおしゃれなものにしたし、勉強もしてきた。
今までの行動すべてお姉ちゃんが起因しているのだ。

お姉ちゃんは俺との記憶がないらしく、最初お姉ちゃんと呼んだら気味悪がれた。
だが、何とかごまかし口八丁で勧誘をし続けた結果、何とか担当トレーナーになれた。
最初懐疑的だったヴィロシーナの視線は痛かったが、結果を出すにつれやわらかくなったのを今でも覚えている。

でも、お姉ちゃんは俺との記憶を思い出せずにいた。
多少意味深なことをいったり、あの1週間でお姉ちゃんがしてくれたほめ方も実践した。しかし彼女の記憶を想起させるに至らない。
1年2年過ぎて彼女がどんどん自信を身に着けるたび、あの時のお姉ちゃんの顔がよぎって頭から離れなくなる。
あの時みたいにぎゅっとだきしめてほしい。
俺の気持ちを受け入れてほしい。
そう心で叫んでも彼女には届かない。

集中治療といっても学園内の寮への自主的謹慎も終わり、今日からはお姉ちゃんはもういなくなる。
1週間のことはあまり記憶は定かではないが、とてもいい気持だったことだけが脳に残っている。

タキオンの部屋から出た俺たちはトレーナー室に戻る。
歩いているとき、お姉ちゃんがところどころ俺の顔を伺うからやけに緊張した。
髪とか、鼻とか、いつも見ているだろうに
まるで俺を初めて見るように、興味深そうに目線が泳ぎ、気をもっているかのように少し赤らめた表情が俺を困惑させる。

「飲み物入れるけど、飲む?」
「……」
「おね、……シュヴァル、何飲む?」
「……えっ? ああ、お願いします。」

何か変だ。心ここにあらずという感じだ。
それはともかく彼女のために飲み物を準備する。
あの1週間で言ってた彼女が好みだと言っていたココアを用意するために、戸棚を開くが……

「あれ。……ないな」

なかった。いつもおいてあるところなのに。
おかしい、俺の記憶ではここにしまっておいたはずだ。

「おと、トレーナーさん。どうかした?」
「いや、ココアを用意しようと思っていたんだけど、どこにもなくて。ここにおいてあったはずなんだけどな」
「ココア? それだったら上の戸棚の方ですよ」

彼女の言う通り、確認してみると、そこにはちゃんとコーヒーや茶葉、ココアの元があった。

「あれ、ほんとだ。……なあシュヴァルが片づけてくれたのか」
「いつもそこにしまっているのトレーナー、……いや、えっと……僕が片づけました。」

本当かと視線を送る。

「いや、あの、えっと………」
「こっちこそごめん、困らせること聞いちゃったな」

自信は身に着けたとしても困らせるのは毒だ。
だが、おかしな違和感というのが拭え切れない。
まずこの部屋の内装。確か俺はストレッチを欠かさないために丸めた簡易的なマットを用意していたはずだ。それに、お姉ちゃんにくさいと思われたくないから制汗剤もおいていたはず。あと、自分のトレーニングメニューのメモも貼ってあるはずだ。
でもない。俺の記憶通りじゃない。でも、同じ部屋だし、間違いない。
だけど、感じる強い違和感。
なんだ?

「考え事するのなら、タキオンさんからもらった処方箋を飲んだ法がいいと思います」
「あ! 確かに」

なんでも集中力を高める効果があると渡された処方箋を開けると、20錠ぐらいのカプセルがあった。
段ボールからペットボトルを取り出し、服用する。

すると、目の前が少しぼやける。
ゆらゆらして、まるで自分の目がおかしくなったかのようだ。
足元もふらつき、誰かに支えてもらう。
……あれ、誰だっけ?
ていうか、ここはどこ?

「…えっと、確かタキオンさんは、調整薬は服用後1分間、服用者が見聞きしたものに対して違和感を感じなくさせる薬で、支援者が言語化をすればするほど効果が高まるって言ってたな。あと、あくまで過去を改変する力はなくて、現状に対して違和感を感じなくさせる程度の力しかないって」

だれかがしゃべる。
しゃべるないようもわかる。
でもあたまがとろけてうごかない。

「すー、はー。…トレーナーさん。ここが僕たちのトレーナー室だよ。この3年間、ずっと大事に使っていた部屋だよ。ちゃんとわかったら返事をして?」

ゆがんだしかいでへやをみわたす。
タンスの位置、ソファの位置、デスクの位置。
だんだんと視界が鮮明になってくる。
そして、感じていたはずの違和感がないことに気づく。
そうだ。ここは俺たちの部屋だ。何の問題もない。

「うん、わかった。ここは俺たちの部屋だ。」
「そうだよトレーナーさん。……思い出せてよかった」

うん。この人が言ってくれたんだから、きっとそれが真実に違いない。
シュヴァルの名前を思い出すまで十数秒後かかった。その間何か悩んでいたような気もするがそんなことはなかった気もする。
買い物に出たはいいものの何を買えばいいかわからなくなった時と同じ感触だ。
だが、気にしなくてもいいだろう。

「ねえ、今日は僕のトレーニングメニューを作るはずだったんじゃないの?」」
「あ、そうだった」

疑問は山積みだ。だが、やらなければならないことをきっちりやる。それがかっこいい大人というものだろう。
PCを開き、内容をまとめる。
うーん、やっぱりpcの方も変だ。1週間前はこんな内容だったのかな。

「ねえ、トレーナーさん。僕が、ココア入れますね」
「ああ、よろしく頼むよ」

視界の端でシュヴァルがお湯を用意しているのが見える。
まあ別にいいか。
どんな違和感でも、お姉ちゃんがそばにいる。それに俺のためにココアを準備してくれる。
あの幸せな1週間が形だけでも戻ってくるのだとしたら、それだけで満足だ。

トレーニングメニューはおおよそ変更しなかった。
俺よりも優秀でユニークなものが多かったからだ。
お姉ちゃんを助けるためにトレーナーになったようなものだったから、お姉ちゃん専用のメニューになりがちな俺とは違って、ほかのウマ娘たちの交流をヒントにした戦術も編み込まれている。
……考えたくはないが、別の次元に飛ばされたとか? いやいや、ありえないだろう。
おそらくだが、1週間で予定を組んだか何かをしたんだろう。

「トレーナーさん。ココア、用意できました。……なにか悩んでます?」
「えっ? ああ、ありがとう。いただくよ。なあシュヴァル、治療期間中俺はトレーニングメニューを作っていたか?」
「いや、作っていませんでしたけど」
「今の俺のアイデアじゃ逆立ちしても出てこないものがあるから、違和感があるなって思って」

お姉ちゃんはわかりやすく狼狽している。目線が泳ぎ、しっぽも落ち着きがない。
だが、気っと話してくれないだろう。だから、これ以上は問い詰めなかった。
…こんなメニューでトレーニングしていたら、過去の俺よりも優秀な成績を納めているのかもしれない。
そうだ! 過去のレースの記録が残っているはずだ。そこから俺の記憶と整合すれば違和感の正体に気づけるかもしれない。


「……ねえ、トレーナーさん。いつも僕を支えてくれてありがとう」
「えっ、ど、どどどうしたんだ、いきなり」
「僕、トレーナーさんのおかげでここまで来れたから、だから感謝が言いたくて。……よーしよし、よく頑張ったね」
「え、……おね…いや! そんな子ども扱いしないでもいいだろ」

頭の撫で方、その体温、俺の記憶の奥と情報が一致して、ノスタルジック的な涙が出てきそうになって、おもわずうつむく。
違う。勘違いするな。お姉ちゃんはシュヴァルグランなのだ。お姉ちゃんじゃない。
だっておかしいだろ。1週間なんかで今まで気づかなかったのに、ここで突然思い出すなんて、そんなご都合展開あるわけがない。
だから、この撫でることも、彼女がからかっているだけで、何か特別な意味もないんだ。
ないはずなんだ。

「トレーナーさん。……どうして僕に抱き着いているの?」
「……えっ?」

気が付けば俺は手をお姉ちゃんの腰まで伸ばしていた。
あの時よりも伸びた腕は容易にお姉ちゃんの腰をつかんで離さない。

お姉ちゃんはそんなのを気にせずに撫で続けている。もっとテンポをゆっくりにして、子供をあやすように何回も何回も。
それは俺にとっては許可なのだ。撫でている間は抱きしめ続けていいよという、あの思い出の中で確かにあった暗黙の了解
だから、そんなつもりはないのに、腰に回している手に力が入る。

違う。そういうつもりじゃない。誤解しないでくれ。
そんな釈明文を言おうとしても、彼女が撫でている間は脳が溶け、まともな思考を許さない。
何十年、このぬくもりを待っていたか
何十年、お姉ちゃんに褒められるために行動してきたか。

「トレーナーさん。本当によく頑張ったね。」
「……そんなことないよ。……でも、もっと、してほしい、かも」

大の大人が何ということを、なんて恥という感情も、彼女のぬくもりの前では蒸発していた。
気が付けば、あの時おねだりしていたように、声に出していた。
お姉ちゃんにほめてもらう、その一心で居るのかすら怪しい人のためにこれまで活動してきた。
その人と出会えたものの、俺との記憶はなくて、何もかもが嘘だったんじゃないかと思い、さみしくなって眠れない日々もあった。
でもそんなお姉ちゃんは今、俺を受け入れ、あの時のように甘えさせてくれる。

お姉ちゃんも俺の気持ちを察して、片手で俺の頭を固定しながら優しくなでる。
もう髪型のセットことは頭にはない。
ただ、この時間がいとおしい。
あの時のどんなことしても許されるぬくもり
ミルクのような甘い匂い
確かにいる実体。
それがたとえ彼女の気まぐれであったとしても、それだけで、架空かもしれないお姉ちゃんに認められたと思えるから。

「ねえトレーナーさん。今も僕の文字、練習してる?」
「……えっ?」

どくんっ
心臓が跳ねる。
それはあの1週間の思い出に合って、それは彼女も覚えていなくて

「僕を悪いやつから守ってくれたおまじないは、トレーナーさんは今でも覚えていますか」

動悸が激しくなる。
そんなことあるはずがない。だって、俺が大人で彼女は子供で、そんな関係はあるはずないのに。

「僕とトレーナーさんでお互いの思いを確認しあった夜から、トレーナーさんは本当に努力してきたんだね。」

思わず彼女の顔を見る。
いつものように少しおびえ気味で、それでも信頼を獲得していくうちに朗らかになっていた彼女ではない。自分よりも小さいものをいつくしむような慈愛に満ちている顔だった。
まさしく、あの、思い出通りの顔で。成人男性に向けるような顔じゃなかった。
でもそれが、俺にとっては涙が出るくらいにうれしくて、あの思い出が嘘じゃないことを証明してくれたようで、意を決して、ずっと彼女をこう呼びたかった名前を口にする。

「……おねえ、ちゃん……?……」
「なあに、弟君」

俺は、いや、僕は彼女の胸の中で目頭が熱くなるのを感じた。


そのあと、俺は今までたまった鬱憤を吐き出すようにお姉ちゃんに吐露した。
どうして、今まで気づかなかったの。
なんで、今思い出したの。
いろんなことを言ったけど、結局お姉ちゃんに褒めてほしくて、お姉ちゃんのために髪型を選んだこととか、ほめてほしくて体型をかっこよくしたとかで話は広がっていった。
それに、ずっと申し訳なさそうにしているお姉ちゃんは観たくなかったからだ。好きな人を困らせるのは違う。それにお姉ちゃんだったら俺を裏切ることはないって思ったから。
俺がお姉ちゃんにほめてほしいことを言うと、すごいねとか、自慢の弟だもんと言ってくれて、すごくうれしい気分になる。
あんなに昔なはずなのに、俺たちはあの頃に戻ったように話を続けていた。

キーンコーンカーンコーン

気が付けば、学校のチャイムが鳴っていた。
「あ、そろそろ戻らないと」
「えっ?」
「姉さんやヴィブロスと一緒にご飯に行く約束したからね」

待って、行かないで。もっと一緒にいたい。あの時みたいに過ごしたい。
そう口から出かかってもうまく口から出てこない。
迷惑だったらどうしよう。嫌われたらどうしよう。
久しぶりに出会ったお姉ちゃんの距離感が俺にはわからなかった。
あの時永遠の愛を誓い合ったはずなのに、早ければ結婚してもおかしくないような年齢になった俺を足踏みさせた。

お姉ちゃんは僕に振り返り、「じゃあまた明日」といってドアに向かう。
あの時みたいに、悪者に会いに行くみたいに俺から離れていく。
さっきまで撫でてもらっていたところが急激に冷める。
だけど俺はあの時みたいにしがみつくこともできない。
なんて情けないんだろう。
若かった時の方が勇気があったなんて酷な話だ。
だから俺はうつむくことしかできない。

「……ねえ、弟君」

なんだろう? 挨拶しなかったから? それで不安にさせた?
でも俺の口は動かない。言ってほしくない気持ちを言葉に出すと、お姉ちゃんを困らせちゃうから。

「お姉ちゃんのここ、……空いてるよ」

髪を上げて、首が見える。
細くて、きれいで、一度や二度じゃない、俺が傷をつけたあの部分が。
甘くて、すべすべで、おいしそうな首が俺のためにあらわになっている。

気が付けば、お姉ちゃんは俺の腕の中にいて、俺はその首を堪能していた。
あの時のようにかわいい首を無造作に無秩序に○す。

「……もっと、いいんだよ?」

そんなこと言われたらもう止まらない。
顎のラインもうなじも、全部に俺の刻印をつける。
お姉ちゃんは俺のものだぞ。
ほかのだれにもあげない。
10数年間燻っていた思いが炸裂し、艶めかしいその首は俺の脳を焦がす。

やめるころには息が切れていた。
肺活量にはあんなに鍛えたはずなのに、彼女にかかればそんなものかもしれない。
お姉ちゃんは満足したように俺を見上げて、とろけた表情で俺を誘う。

「これでまた、僕は弟君のものだよ」

お姉ちゃんはうれしそうに笑う。

「次は、どんなことをしようか。一緒にご飯? それともお風呂? なんて、えへへ。……ほんとは恥ずかしいけど、弟君の頼みなら断れないよ? だって、……僕は弟君のものだから。弟君が僕をものにしちゃったから。」

俺を誘うように、来てほしいように
うるんだ瞳で俺を見る。

「僕、どんなことでもするよ。あの時みたいに接してっていえば、僕は頑張って弟君をいっぱいほめるし、僕のこといらなくなったら、……ちょっと寂しいけど、多分いう通りにする。だから、ね、なんでも頼んでよ。僕はどんなことでも聞き入れるよ」

誘惑するように彼女は言葉を紡ぐ。
俺に一歩近づいて胸あたりで上目遣いになる。

「ねえ、あの時みたいに僕を欲しがって僕に頼って僕で癒されて? 君の全部を僕が満たして放さないで? それとも、あの時みたいに、キス、する?」

ドクンっ!
全身の血流が早まる。
思い出すのはあの暴力的で暴虐的なあのキス。
俺の意思を魂を人生をすいだすようなあのキス。
あのキスはいつだって日常の中にあった。昼も夜も、風呂に入る時も布団に入る時も。
もう一度味わいたい。もう一度手にしたい。そんな欲望で勉強に身が入らなくなったときはやばかった。体が勝手に震えて、興奮が抑えきれなくなる。

「……でも、どうしよう? こんなに跡が残ったらしばらく誰かとお風呂入れないよ。その間、お風呂はどうしようかな? …………弟君」

とすん

彼女が俺をソファに向けて押し出す。
重力にされるがままになり、ソファに横になるように倒れる。
シュヴァルは俺にまたがり、俺に顔を近づける。

ちゅっ…………じゅる…………ちゅるちゅう…………れろっ…

キスをした。
キスをしただけなのに。

「!!!???」

俺の体の全部が歓喜する。
よみがえるのはあの1週間のキス。
暇があればキスをしてた。お絵描きの時も、ゲームしているときも、お風呂に入っているときも、布団に入っているときも。
当たり前のように、日常のように、狂ったようにキスをしたあの時。
体が期待する。あの時の快感を。
体が反応する。あの時の快楽を。
俺の今までの体験とか成功とか達成とか、すべてを凌駕する圧倒的快楽が目の前にあり、今味わっている。それがどれほど俺が待ち望んでいたか。

舌が絡まるたび、唾液が増える。血流の音がうるさいのに、舌をうごめかせるたびに脳内に響く水音。
お姉ちゃんの唾液がぬるっと舌を通り、のどに行く。花の蜜のように甘く、毒のようにしびれる味。
舌のざらついた感触も、温泉のような温度も、その行為のすべてが俺の思考を奪い、凌○し、支配する。

なごりおしそうに舌を離すと、きらめく線が俺と彼女をつなぐ橋になった。

「…………ねえ、弟君。…………僕のこと、好き?………」

「……好きだって言ってくれたら……僕、苦しそうな弟君を助けられるかも……」

「………好きだよ。弟君。……だから、言って? 僕が欲しいって。僕がいいって。僕じゃないと嫌だって。…………言って?」

真っ白になった俺の思考にするりと入る彼女の言葉。

俺はもう言葉を発することができなかった。だから、彼女の手を握って答えた。

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