活動内容について

暇な時や応援してくれた時にひっそりと書くよ。大学の休みと木曜の休日に書く。
土日はイベントを頑張るからそんなに書けないと思う。

プロフィール

 我は消失の鳥<ロスト・バード>なり。我の存在に恐れ慄くが良い。
貴様の存在ごと消失<ロスト>してやろうか?

 忌み子だったロストは、ハーピィの一族のはずなのに翼ではなく人間の腕だった。
ハーピィの一族は彼を人間と判断し、人間の村に捨ててきてしまう。

幼い少年のロストは、捨てられたときに頭から屋根に落ちて記憶を失っていた。
拾ってくれた人間の家族に居候となるロストだが、足は鳥の足でうまく歩けない。
村の人は彼をハーピィのスパイと判断し村八分を受ける。耐え切れなくなった家族はロストに出て行ってくれと手切れ金を渡す。

人間からもハーピィからも嫌われ者となった少年ロストは怒りに燃えていた。
ちゃんとハーピィに産んでくれない母のルーピィと冒険者の盗賊をやっていた父のギル・ムーヌス。そして中途半端な我の身体に攻撃を加えた両種族。

そんな時に冒険者達が技の練習で、
ヤギの角が生えた人間。レベル3のモンスターを実験台にしていた。
麻痺、スタン、毒、やけど、様々な状態異常のエフェクトを見て喜んでいるヤツら。
一目散にたいあたりをするがレベル1のロストのダメージは少なく、回転蹴りを食らう。
地面に倒れ伏したロストの髪を引き上げ、首を絞めながら「お前もこいつと同じで状態以上のエフェクトを見たいな」歪んだ笑い。それを「やめなよー人間の市民だよw」「悪趣味な勇者★」と戦士や遊び人がケラケラ笑いながら言う。

 道具による攻撃でライフが赤ゲージになるロストと角の少女。
「倒す価値もねー糞経験値だし、ハイハイ死の宣告~」二人のHPゲージの上に60のカウントが表示されて、59と1ずつ減りだす。少女に数字の意味を問うと数字がゼロになると死ぬらしい。

 自分の人生に何の意味も無いことを悟るロスト。たった一人の少女ですら救えない弱い自分。ぬののふくで武器もなく素手。「すみません。私を助けようとしたばかりにこんな目に遭ってしまうなんて」泣きながらかすれた声で言う少女。

「いや、我が弱いから悪いのだ。
だが、こんな少女を見捨てて生きていく人生を選ぶくらいなら死を選ぶ。」
チッチッチとカウントダウンがまだ鳴っている。40秒も残しているので、会話が尽きてしまった。少女の角が気になる。一本は先ほどの冒険者が奪っているから残りの一本しかない。「ポーチから回復の水をくれませんか?蹴られた時の吹き飛ばしで茂みに入っちゃいました」これから死ぬのに回復をしてどうするんだと疑問に思うロスト。
「私のスキルはこの角で周りの音や背景を頭の中でイメージ出来るセンサーです。」
スキルは一人一体まで、それはモンスターと呼ばれる存在の最後の抵抗であった。
一気に飲み干して、ぷふぅ…。とラムネを飲んだような感じで息を吐いている。
「だけれど、HPが満タンの時しか使えないんです…。しかも角が一本しかないからHPは半分で済むんですけど効果範囲も半分になってしまって…。」MPは消費しないスキルで自動的に発動らしい。
ステータスを開き、センサーの説明を読むロスト。そこで自分はハーフである事を思い出す。ステータスに書かれているスキルは消失の翼と明記されていた。
少女はHP満タンで元気に「何の能力!?炎とか水の攻撃魔法?」
「消失の翼だってさ…。スキルですら翼がないハーピィの俺を馬鹿にするんだ。」
仕方なく説明文を見ると消費MP20で22の一発しか使えない技。
「効果を打ち消す消失の力。自分か相手にかけられた魔法を一つ消すだってさ。」
何が打ち消す力だ。今消したいのはこの死の宣告だ。20秒を少し切っている。
「この力で消せるかもよ!自分にかけてみなよ!そうすればあなただけでも助かるから…。」その言葉を聞き安心する。効果の対象を選び消失の翼と宣言して使う。
「何やっているんですかあなた!!あなたが死んでしまうじゃないですか!私に使ったら2にしか残らないのであなたは死んじゃうじゃないですか!」そんな彼女のHPの上のカウントダウンは消えていた。
そんな事は分かりきっている。でも、家族や村で愛されている少女と家族や村に見放された我では身分や命の価値が違うのだ。ついでにレベルも1だし。
「最後にその赤色のポーションをくれないか?君の飲んでいる上位互換で体力が回復するんだろ?」彼女はポーチの中からポーションを取り出し渡す。
少女に負けないつもりで一気に飲み干そうとして味に驚く。
以上に苦いのだ。途中でむせて少し口から出してしまった。
「よく、こんな不味い飲み物を飲めたな。しかも赤ゲージのままだし」

視界が赤く染まったまま。HPゲージは一向に増えず、青色のゲージが回復している。

「それ母さんが間違えて入れた魔法の水です。MPが20回復するんです…。時々間違えて渡すんですよ…。お姉ちゃんのポーチと間違えて入れちゃったんですね。私は魔法が使えないので家まで使わずに残しておくので…。」

MPが20になり、はぁ…。とため息をつく。むせて減った分回復が減っているのだ。
 カウントは残り10秒と警告。『あなたは死にます。』構わずメニューバーを開きステータスから技を選択する。毒で血を吐くのは嫌だ綺麗に死にたい。
と消失の翼を選択して効果対象を選ぶ。自分にして吐血ばっかりの毒でも治そう。シャックリみたいで話しづらい。
 自分のメニューの毒を選択しようとして止められる。「あなたが選ぶのはこっちに決まっているでしょ!!」人差し指で操作してるのに腕ごとずらされた。
消失の翼と口が勝手に動き、
黒い羽根を自分の心臓辺りに突き刺す。
死の宣告のカウントが3あたりで止まり。数字と死神のマークが消えて行った。
「何やっているんだ。我の死を邪魔するのか?生きてる理由もない。
死ななかったら自分がこれから悪の道に進むしかできない事を伝えるが聞いてくれない。
 「だったら私が生きる希望になってあげるよ。お兄ちゃん。あなたは命の恩人だし。そのさっきの私を見てたいあたりをしたのはお兄ちゃんだけだもん。」
何故?いつ?この少女の兄になった?訳が分からないが気持ちが昂ぶる。
「センサーに妹萌えの属性って書いてあるよ。お兄ちゃんと呼ばれると凄く喜ぶって。」
いまいち分からない属性だが、妹萌え?そしてこの胸の高鳴りはお兄ちゃんと呼ばれて喜んでいるのか??」

「私はラーゼブ。鹿の種族で生まれた町娘です。」
「我は消失の鳥ロストだ。よろしく頼むな」
お互いににっこり笑い。突然倒れるロスト。HPは毒のダメージでなくなりそう。
手を引っ張られて宿屋に眠らされるロスト。

 後から聞いた話、自分のお墓を作ってほしいとの発言だったらしい。
とりあえず、近くの宿屋に一晩した。

 この少年ロストと角の一本の鹿少女の最弱二人が出会いがこの腐ったMMOに終止符を打つ。




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