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上顎 2023/09/09 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その30- セーブについて

ロボット少女は夢を見る の30回目の記事は
ゲーム進行のセーブについてです。

ほとんどのゲームでは現在の進行状況をセーブして、
電源を切っても前回プレイの続きから遊べます。

昔のバイオハザードでは
「インクリボン」というアイテムを使用することでセーブを行い、
アイテムの数しかセーブできないという制限があったり、

第四の壁を超える…ゲームキャラが我々プレイヤーを
認識しているタイプのゲームでは
セーブデータそのものがストーリーのギミックに使われたりします。


(画像はOneShotってゲーム 面白かったです)

今回はそんなセーブについて悩んでいるので色々書いていきます。


まずセーブについて最初に色々書きましたが、
基本的に大きく分けて2種類あります。

それは「手動セーブ」「オートセーブ」です。

手動セーブはメニュー画面からセーブしたり、
マップ上のセーブポイントに触ってセーブをします。

オートセーブはゲームが一定まで進行すると自動でセーブする方式で
キャラが即死してもオートセーブの場所からすぐに復活したりします。


(大体、画面のどこかにセーブ中のアイコンが出てくる)

さて本題、今悩んでいるのは以下の2つです。

セーブをオートセーブのみ or オート+手動セーブ どちらにするか?
オートセーブをどのような作りにするか?


まず1つ目
セーブをオートセーブのみ or オート+手動セーブ どちらにするか?

現在はオート+手動セーブで進めていますが、
これをオートセーブのみにしようか悩んでいます。

その理由はプレイヤーの負担が減るからです。


どんな負担があるのか?
まずは人によってセーブを行う頻度は違いますが、
こまめに セーブ画面を開く→セーブする と操作するのは面倒です。

面倒なうえに大切な場面で忘れると
最初からやり直し…なんて事もあるので
自動でセーブしてくれる機能は上手く作ればとても有用です。

また、現在のロード画面を見ていただければ分かるのですが

手動でセーブする際、セーブデータを分割すると
セーブデータが増えてこの選択画面が見にくくなります。

この画面自体を改修すれば?とも思うかもしれませんが、
そもそもオートセーブのみになれば
こんな悩みをプレイヤーが抱える必要が無くなります。


そして2つ目、オートセーブをどのような作りにするか?

先ほどオートセーブはプレイヤーの負担を減らせると書きましたが、
もちろん欠点もあります。

私が思う一番大きな欠点は
セーブ&ロードで様々な分岐を見ることができない事です。

選択肢などでゲームが分岐した後にオートセーブか入ると
選択肢を選ぶ前に戻ることができません。

もしゲームをオートセーブのみにするのなら
この欠点を解消する必要があります。


この問題を解消する単純な解決方法は
オートセーブで複数のセーブデータを保存することです。

この方式は最近遊んだゲームだと
NEEDY GIRL OVERDOSEで採用されていました。

このゲームはゲーム内時間で30日を過ごし、
パラメータでエンディングが分岐するのですが、
1日ごとにオートセーブされて上書きせずにどんどん増えていきます。

この方式ならこのゲームと相性が良さそうですし、
オートセーブのみにするのなら
前に作った日付変更演出のタイミングでセーブすると良さそうですね。


セーブのお話、いかがでしたでしょうか?

セーブ方法そのものはゲームの面白さには関係ないですが、
ゲームの快適さには大いに関係あります。

プレイヤーの方が遊び終わった後に
「いいゲームだった」と思ってもらえるように
できるだけ良いものにしたいです。

それでは、また次回!

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上顎 2023/09/02 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その29- キャラクターの紹介③

ロボット少女は夢を見る の29回目の記事はキャラクターを増やす話の第3弾です。

キャラクターを増やす話は第7回第19回でもしましたが、
今回は今まで話していたゴミ捨て場がおおよそ出来上がったので、舞台となる街の他の地域のキャラクターを作った話です。


今回紹介する最初のキャラはこの女の子です。

名前はスミレちゃんと言って
コンセプトは「他人と距離があるけどそれ以外普通の女の子」です。

住んでいるのは全体マップのこの辺り
この都市の住民たちが多く住む住宅地区に住んでる普通の子です。

ただ、発展が目覚ましいこの都市に最近引っ越してきたため
友達が少なくて、ふとした出来事から主人公と友達になります。

以前キャラ紹介の記事で同じくらいの女の子を実装してたじゃん!
とブログを読んでくれている人は思うかもしれません。

確かに多少キャラは被っているのであまり良くないのでは?
と疑問に思うかもしれません。

しかし本作は選択肢によって出会う人が変わってくるゲームです。
似たようなキャラがいたとしても両方に出会えるかはプレイヤー次第です。

むしろこうした可愛い女の子は
たくさん実装しないとプレイヤーが出会えない可能性があるため、
キャラ被りをしても複数実装する必要があります。

しかも場合によっては
この2人と同時に仲良くすることで発生するイベントも実装できて一石二鳥です。


女の子を紹介したので次はコイツです。

なんだこの手抜きロボは?
と思うかもしれませんが、コイツのコンセプトは「とあるロボット集団の下っ端」なのでこのデザインは当然です。

このロボット集団はマップでいうとこの辺り

様々なパーツが売り買いされる商業地区にいて、
このロボット集団はこの地域にいる色々悪い噂のある集団です。

コイツの数少ない特徴がこの後ろに付いているコンセントで、
他の仲間たちもこのケーブルが生えていて「ケーブロイド」呼ばれます。

で、彼らに関してどのようなストーリーが展開するか?と言うと
こんな女の子型のロボットが出てきます。

片目が隠れていていかにも引っ込み思案な子ですが、
この子にもケーブルが生えています。

この子はさっきの「ケーブロイド」とは無関係で、
おしゃれの一環でケーブルがついているのですが、

これに対して上の奴らが

「お嬢ちゃん、すげー可愛いケーブル付いてるじゃん
 俺たちと遊ばない?」

と人間には理解し難い価値観でナンパされます。

この世界はロボットが感情を持ち、彼らの感性で暮らしていますが、
そんなロボットの価値観が垣間見えればなぁと思っています。


今回のキャラ紹介いかがでしたか?

今後はゴミ捨て場の外に出て行き、
これまで以上にいろんなキャラが出る予定です。

まだまだ完成は遠いですが、
個性豊かなキャラ・世界観が作れればなぁと考えています。

それでは、また次回!

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上顎 2023/08/26 18:00

雑談回 ゲームエンジンの話

雑談回の第5回はゲームエンジンのお話です。

ゲーム制作を始めたい人が一番最初に悩むことは
「何を使ってゲームを作るか?」だと思います。

そこで今回はゲームを自作しようと調べるとたどり着く
ゲームエンジンについての話をします。


まずゲームエンジンとは何か?
簡単に言えばゲームを作るためのツールです。

ゲームはどう作るの?と良く知らない人に聞くと
「プログラミング…とかする?」と答えると思います。

実際にプログラミングしますがやることはめちゃくちゃ多くて
・絵や3Dモデルを表示する処理の作成
・音楽を鳴らす処理の作成
・物理演算の実装
・パラメータの管理
etc…

本当に面倒です。
これをC言語みたいなプログラミング言語だけで作るのはヤバイくらい面倒です。

そこでゲームエンジンは
そんなゲームを作る際に必須の処理を最初から大体実装してあって、
楽にゲームを作れるめっちゃ便利なツールというわけです。


ロボット少女は夢を見る 制作中のUnity画面

さてそんなゲームエンジン、調べるとめっちゃ種類があります。

有名どころを挙げると以下のようなものがあります。

・Unity … ポケモンGOなどスマホゲームから家庭用ゲームなど色々
・Unreal Engine(以後 UE) … FF VII リメイクなど高画質なゲーム
・GameMaker … Undertale など
・Cocos2d-x … モンスターストライク など
・RPGツクール … 青鬼などのフリーゲームが多い印象

種類が多くて初心者はどれを使えばいいか分からなくなってしまいますが、
有名どころから順に触って自分に合うものを使えばいいと思います。

しいて言えばUnityとUEが広く使われており
・どちらも無料で試せる
・分からない時に検索すると、先駆者が書いたブログにヒットしやすい
・ゲームクリエイターとして就職するなら現場で使われる確率が高い
などお得だと思います。

この2つでどちらか悩んでいるのなら
・スマホゲームならUEだとちょっと処理的に重めなのでUnityがオススメ
・ダークソウルのような高画質アクションゲームならUEがそういうの得意
くらいの認識で大丈夫だと思います。


さてゲームエンジン…
例えば Unity をダウンロードしようとした場合にはこんな画面があります。

先ほど無料で試せると書きましたがそれではUnityの会社に利益が出ません。
場合によってはお金を払う必要があります。

Unityの場合は
・利益が出たとき、
 10万ドル以下なら無料
 10万~20万ドルならPlus(5万円/年)
 20万ドル以上ならPro(27万円/年)

UEの場合は
・売上が100万ドル以上を超えると5%をロイヤリティとして払う

他にもRPGツクールはソフトを7000円前後で購入する必要があったり
ツールによってお金がかかったりするので
こういうのもゲームエンジン選びの指標になるかもしれません。


ゲームエンジンのお話、いかがでしたでしょうか?

個人でゲームを作るうえで
ゲームエンジンはほぼ無料で使える上にめちゃくちゃ便利です。

私は大学生のころ、ゲームエンジンで簡単に作るよりも
プログラム言語で苦労して作る方が勉強になると考えていましたが
就職面接で
「なんでゲームエンジン使わないの?使った方がいいよ」
と言われて、
ゲーム会社の実務ではほぼゲームエンジンでした。
(稀に外注でc++で作ったりもしました)

もしこれからゲームを作る人は
遠慮せずにゲームエンジンを使いましょう!

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上顎 2023/08/19 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その28- 専用の翻訳用のソフトを作った話

以前の記事で多言語対応の話をしました。

その時にお話しましたが、
Steamなどのゲーム販売サイトでは海外の市場がとても大きいです。

そこで日本語以外の言語にも対応したいのですが、
私が作っているゲームはテキストノベルな部分が多いため翻訳する量がとても多いです。

しかも中身は以下の画像みたいな形で
知らない人からしたら何の文章なのかまったくわかりません。

自分で翻訳するのなら何とかなりますが、
翻訳サイトで雑に翻訳すると訳の分からない文章になり魅力が半減します。

そこで専門の翻訳業者に依頼する予定なのですが、
そのために上の画像から
会話文を抽出して翻訳するためのツールを作成したのでそのお話をします。


まずはそのツールの動作を動画にてお見せします。

基本の機能としては以下の感じです。
・翻訳したいファイルを指定して翻訳できる。
・翻訳元or翻訳後の文章が実際のゲームでどう表示されるか確認できる。
・翻訳が終わった文章の色を変えたり、メモを入力できる。
・翻訳が必要な日本語の文字を計算できる。

最低限、翻訳さえできればよいのですが
せっかくなので使いやすいように
こだわったポイントがいくつかあるのでお話します。


こだわりポイント1つ目が
翻訳時に余計な情報が見えないことです。

開発者の私が会話スクリプトを組む際は以下の画像のようなエディタを使います。

その際には上記の画像の緑色の部分のように
ゲーム会話中にフラグを立てる処理があったりします。

他にもお金やパーツを付与したり、背景をアニメーションさせる情報も
会話スクリプトには仕込まれているのですが、
この翻訳ツールではそれらの情報は必要がないため表示していません。

翻訳するのは会話の話者名+本文と選択肢で選ぶ文章の3つだけなので
それらと分岐時の移動先などの情報しか表示されません。

これによって通常の会話スクリプト作成エディタよりも情報が減り、
翻訳しやすくなります。


こだわりポイント2つ目が
翻訳した文章がゲーム中でどのように表示されるかすぐに確認できることです。

日本語だけを見てそれを外国語に翻訳することは可能ですが、
実際にその会話が再生される状況によって
同じ言葉でも違った意味合いを持つことは多いです。

翻訳者の方が少しでも翻訳を正確にできるように、
より良いものを仕上げていただけるようにこの機能は絶対に入れたかったです。


…ちなみにゲーム中ではパラメータなどによって会話が分岐するのですが、
この翻訳ツールを使用する場合はゲーム内で勝手に分岐する場所が

上記の画像のように自分で選択できるようになります。

他にも選択肢がパラメータによって選択できないことがあると
以前の記事で書きましたがこれも翻訳ツールではすべて選べるようになります。


こだわりポイント3つ目が文字数の計算です。

実際に翻訳してくれるサービスを探していると
翻訳に必要な金額が「○○文字につき○○円」みたいなことが多いです。

この記事を書いた段階ではまだ実際に翻訳を発注していないので
実際にはどのように金額を決めるのかは分からないのですが、
翻訳してもらう際は文字数が分かっていた方が話がスムーズに進むのでしょう。

そこで先ほどの私の会話スクリプト

ここから翻訳してもらう文字数を数えるのは絶対にやりたくありません。
絶対に数え間違えます。

そこで文字数を数えてくれるボタンを作っておきました。
これで翻訳してくれる会社とのやり取りがスムーズになりそうです。


翻訳ツールを作ったお話、いかがでしたでしょうか?

このツールはゲームを遊ぶユーザーからは見えないものですし、
ゲームを作らない人にはよく分からない話だったかもしれません。

ですのでゲーム制作者はこんな苦労もしているんだなぁ…と
ゲーム制作の裏側の与太話程度に読んでいただけたら幸いです。

それでは、また次回!

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上顎 2023/08/12 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その27- バックアップは大事!

皆さんはパソコンのデータが飛んだことってありますか?

突然の停電で1日作成したデータが吹き飛んだ…なんてよく聞く話です。

ですがこれがパソコンの故障で
数ヶ月、数年の作成データが吹き飛んだ…と言うならどうでしょう?

そんなことになったら多くの人がやる気を失い、
場合によっては開発費が無駄になり洒落になりません。

なので個人制作のゲームであってもバックアップを取ることは必須で、
今回はそんなバックアップのお話です。


まず個人でバックアップを取る場合、
ポータブルHDDなどの外部記憶に保存する方法と
ネットのクラウド上に保存する方法があります。

ポータブルHDDは
容量や種類によりますが購入に5000円前後かそれ以上が必要ですが、
その分容量も数百GBからTB単位であるのでかなり保存できます。

クラウドは
GoogleドライブやDropBoxのような無料で利用できるものの、
その場合容量は少なくて増やす場合は月額課金が必要です。

さらに各々に利点があるため
私の自作ゲームでは購入したポータブルHDDと無料のクラウドの両方を使い、
HDDの方は容量が大きいのでかなり古いデータまで保存し、
クラウドは容量が小さいので最新のもののみ保存しています。


では企業ではどうやって保存しているのでしょう?
私が働いていたゲーム会社では、
どこでもバージョン管理ソフトを使用していました。

バージョン管理ソフトとはGit、SVN、Perforceなどのソフトで
原理としては先ほどのクライド保存と似ていて、
ネットからアクセスできる場所にデータを保存し、
作業をする人たちがそこからデータを落としてきます。

そして何かしら作業を進めて一区切りついたところで
自分の変更をアップロードして、

他の人たちもタイミングを見計らって
アップロードされたデータを落としてくることで
複数人が同時並行で作業を共有します。

バージョン管理ソフトは
このアップロードやダウンロードを管理してくれるソフトで
誰が?いつ?どのような内容を?変更したかを記憶してくれるため、
バックアップを取るだけでなく、
バグった際にいつ頃にそのバグが発生したか?なんでバグったかを調べるのに有効で非常に便利です。

準備が面倒なうえサーバーを用意する必要があるため
個人製作では準備さえすればバグを追いやすくて便利…程度ですが、
複数人でのソフトウェア開発においては必須と言える存在です。


バックアップのお話、いかがでしたか?

バックアップって面倒ですし、
やっても結局使わずにゲームが完成する事もあります。

ですが世の中何が起こるかわかりませんし、
Steamなどで販売するためにガッツリ長期間作るのなら
バックアップはきちんと取った方が良いでしょう。

それでは、また次回!

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