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2023年 07月の記事 (3)

teamAimaigo 2023/07/29 00:00

【ゲーム制作】ヒサとヨミ⑦クリスタの素材を使ってマップチップを作る(にせ)

今回も「ヒサとヨミ」のグラフィックとゲームシステムを担当されているにせさんに記事を書いていただきました。
お題はずばり! 横スクロール画面にあったマップの制作についてです。

  • 頭身が違うと素材集めが大変!
    • ツクール素材が使えない?
    • 問題は奥行き
  • 救世主「ClipStudioPaintの3D素材」
    • ClipStudioPaintの3D素材のよさ
    • 3Dも苦手なところ
    • おすすめダイレクトマーケティング

頭身が違うと素材集めが大変!

ヒサとヨミはキャラクターのサイズが、RPGツクールMZのデフォルトサイズ、48×48pxではないので、ツクール用に作られている素材が全然使えません。
しかし、グラフィックを全て一人でやっている手前、全部のモチーフを一から作るとなるとどう考えても時間が足りなくなります。

ツクールの素材が使えない?

はじめはツクールの素材を流用する予定でした。
丁度Unite用のPiXelScaLerが公開されたこともあり、拡大すれば使えそう!と安易に考えていたわけです。
ただ、私の作る素材はドット絵ではないので、ドット絵は浮くのでは……というのが懸念点はありました。しかしツクールの素材は割と細かい描写がされていて、ドット絵でない私のつくるキャラチップと並べても、そんなに違和感なく使えることがわかりました。なんならちょっとイラスト調に寄せるだけで十分使用できるくらいです。


……ところが、問題はそこではなかったのです。



問題は奥行き

ツクールのデフォルト素材は奥行きの圧縮がされていません。
パースの勉強をした人はおそらく聞いたことがあるであろうパースの圧縮。
奥行きは圧縮して描くことで人間の目で見た感じに近づけられ、絵として気持ちよくなるというアレです。
アレがツクールのデフォルト素材にはないのです。

例えば棚の天面がめっちゃデカい。

見下ろし型のマップであれ納得できる描写も、横スクロール画面にした「ヒサとヨミ」の画面ではとても許容できません。
棚は天板を変形させるだけなので変形処理が簡単なのですが、植木鉢なんかは木と鉢を分割して~と作業も結構面倒くさいです。
その上修正が楽な棚系の素材は中身のサイズ感が合わないのでこれはもうツクールの素材はあきらめた方が良いかも……となりました。

救世主「ClipStudioPaintの3D素材」

そんなときに使える素材……そう、それは3D素材です!
blenderももちろん大活躍!なのですが、絵描きや3Dに疎い人にも優しい3D素材……それはクリスタの3D素材です!

ClipStudioPaintの3D素材のよさ

クリスタのアセット素材には3D素材が豊富です。
白黒の素材が多かったのですが、最近はWebToonの台頭によりカラーの3D素材も増えてきています。
これを使用することでblenderを使わずともいい感じのマップチップを作成することが可能になったのです!

クリスタアセットの素材はそんな安くて大丈夫? みたいな格安素材が多く(素材を作るものとしてそれはそれでどうなんだ……という気持ちもありつつ)仮画像などを作るのも楽々。
白黒の素材も、陰影をつけた状態でグラデーションマップなどで色を付ければマップチップに早変わりです!

ClipStudioPaintの3Dの苦手なところ

建物や小物は本当にたくさんの種類があるので、使用していてそんなに困ることはなさそうです。
しかし、クリスタの3Dがあんまり得意じゃないものがあります。それは植物です🪴
クリスタはあまりレンダリングが得意じゃないため、植物みたいな複雑な造形のモチーフは難しいみたいです。

しかし!
安心してください。クリスタには植物系のブラシが山ほどあります!!
絵心が無くてもブラシをさっと線を引くだけで草から花から蔦まで結構色々な植物が描けます。

## おすすめダイレクトマーケティング

ここでダイレクトマーケティングです!
以下はヒサとヨミでも使用しているブラシ達……実は私が作りました。
10秒で水面が描けるブラシ
水彩の雑草わさわさブラシ
蔦ブラシ
桜枝ブラシ

おまけ⭐️意外と素材が作りやすいClipStudioPaint

クリスタは素材が豊富なので、実は意外とマップチップなど作るのに向いているなぁと思っています。
ドットを描くためのツールセットも配布されているのでドット系のゲーム作っている方も使えそうです。
無料体験期間があったり、月額制のプランもあるので、試しに使ってみてはいかがでしょうか。
月額の一覧がのっているページ


🌕ここまでご覧いただきありがとうございます!
🌕次回更新は8月12日(土)予定です。お楽しみに!
🌕実は「ヒサとヨミ」のホームページを作りました。ぜひこちらもご覧ください。「ヒサとヨミ」HP

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teamAimaigo 2023/07/15 00:00

【ゲーム制作】ヒサとヨミ⑥ゲーム画面のデザインについて(にせ)

今回は「ヒサとヨミ」のグラフィックとゲームシステムを担当されているにせさんに、デザインのポイントについて記事にしていただきました。

  • 横スクロールのメリット
    • キャラクターの頭身を高くしてサイズも大き目にできる
    • 操作が楽
    • ループで伸縮可能
    • 疑似的な前後感を演出しやすい
  • 横スクロールのデメリット
    • デメリットと解消方法

横スクロールのメリット

みなさんは横スクロールのゲームは好きですか?
私は好きです!
なので、「ヒサとヨミ」は制作の初期段階からRPGツクール主流の見下ろし型のマップは採用せず、横スクロールのマップで作っていくことを決めていました。
せっかくなので横スクロールでマップを作る利点などをメモしておこうかなと思います。

キャラクターの頭身を高くしてサイズも大き目にできる

キャラクターの頭身とサイズを大きくできることで、キャラクターの動きをより印象的にプレイヤーへ見せることができます。
今回はSpriteStudioとキャラクターのアニメのコマ数を増やせるプラグインを使用して3コマから10コマまで増やしてアニメーションを制作しています。
キャラクターの動きが気持ちいいと動かすのが楽しいと思えるので、通常のツクール素材より作るのは大変なのですが、自分にとってはそれだけの価値はあるかなと思っています。
キャラクターのアニメーションについての記事もいつか書けたら書きたいですね。

操作が楽

横スクロールにしたことで基本的にマップは左右移動になります。プレイヤーは左右どちらかに進めばいいため、思考がシンプルになり、結果的に操作が楽になっていると思います。
このメリットは裏返すと後述のデメリットにも繋がります。しかし分かりやすいというのは良い事だと思っています。

ループで伸縮可能


素材をユニットのように作成し、ループさせることで簡単にマップの伸縮が可能になります。
上の画像は廊下のユニットですが、縦幅を画面のサイズに、横は7マス分くらいで作成しています。この画像をループさせて表示すれば、横方向は画面サイズ~マップの限界サイズまでツクール上で伸縮可能になります。
あとはリージョンで通行設定できるプラグインを使い、通行可能な場所を設定するだけで簡単なマップができてしまいます。
実際はこれに演出用の前景や遠景、装飾を追加したり、利便性のためにマップチップを作って併用していたりもするので、もっと手間はかかっているのですが……

疑似的な立体感を演出しやすい


奥行きが無いので、その分近景遠景の幅が広がっている気がします。
多重スクロールを使う事で疑似的な立体感を生み出し、ゲームの臨場感を演出しています。結構こだわって作っているポイントです。
画面の美しさにも関わってきそうなポイントかも……?
※画像は分かりやすいように3層になっていますが、実際の森マップは10層くらいの遠近景を重ね合わせています

横スクロールのデメリット

デメリットと解消方法

最大のデメリットは何と言ってもマップの狭さです。
マップの広さはどうやっても見下ろし型のマップには敵いません。テキストアドベンチャー的なゲームであれば気にしなくても良いですが、探索メインのゲームの場合は広いマップの方がよさそうです。
「ヒサとヨミ」では、上下に少し奥行きを付けることで多少ではありますが、マップに広がりをもたせています。
探索できる場所が広がるので、横スクロールで探索系のゲームを制作する場合にはよいかもしれません。


※緑色の部分が移動できる範囲、このマップでは3マス分の奥行きがある

ちなみに、階段をつければ階層状のマップも制作可能です。
今回はキャラチップを大きくしている関係で、階段の移動は助長になりそうだったので、(各階の高さや移動距離が小さいキャラより沢山必要になる)
エレベーターによる移動にしています。古いエレベーターって格好いいですよね!

なお、アクションゲームであれば上記の助長になる階段移動も問題にならなさそうです。
ジャンプが出来ればサクっと上方向に移動ができる上に楽しいですし、マップの広さや複雑性を表現できそうです。
ただ、「ヒサとヨミ」はキャラクタチップの大きさを大きくしてコマ数を増やしているせいか、ジャンプ系のプラグインがうまく機能させられなったので諦めました……



と、ここまで色々書いてきましたが、結局マップの狭さのデメリットを解消してくれた一番の要素はシナリオと探索ギミックであり、それを考えてくれたどこさんなのでした……!

🌕ここまでご覧いただきありがとうございます!
🌕次回更新は7月29日(土)予定です。お楽しみに!
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teamAimaigo 2023/07/01 22:00

【ゲーム制作】ヒサとヨミ⑤水鏡の塔について🌕

【ゲーム制作】ヒサとヨミ⑤水鏡の塔について

今回は「ヒサとヨミ」の舞台となる『水鏡の塔』について紹介します。

『水鏡の塔』は魔法の塔?


水鏡の塔にはお花畑や図書館、森などさまざまなフロアが広がっています。プレイヤーはそれらのフロアをエレベーターで行き来しながら探索し、物語を進めいくことになります。
時間や空間が揺らぐ歪な塔は、動画内で言われている通り、本当に魔法の力でできいるのかもしれません。

『冒険者の記録』

塔を探索していく中で、プレイヤーは『研究者の記録』という手記をいくつか手に入れることができます。


以下一部抜粋……
『「研究者の記録1」
ついに、ついにたどり着いた!
間違いない。ここがあの水鏡の塔だ。
ここまでたどり着くのに一体どれほどの時間と労力がかかったことか……(中略)
さて、どこから調査しようか。
なあに、時間ならある。
何たってここには無限の時間が流れているんだからな……』

塔について以前から調査している人がいるようですね。物語を進めていくうちにどこかで会えるのでしょうか……?

おわりに

ヒサとヨミの2人はどうして水鏡の塔に迷い込んでしまったのでしょう。また塔が本当に魔法でできているというならば、これほど巨大な魔法を維持するための魔力はどこから供給されているのでしょうか……
この辺りが物語に大きく関わってきます。

🌕ここまでご覧いただきありがとうございます!
🌕次回はゲームのプログラムを担当されているにせさんが記事を更新予定です。
🌕更新は7月15日(土)予定です。お楽しみに!

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