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2022年 02月の記事 (1)

もっきゃりぺお 2022/02/24 22:28

世界を破壊する魔法 よもやま話②

こんにちは!
サークル『もっきゃりぺお』のみるきーの方です。
今回は登場人物にスポットを当てて、ファンの方の想像力や解釈を損なわない程度のお話と、あと製作中はこうだったああだったみたいな話をしていこうかと思います。
すごいネタバレまみれです。クリアするまでは読まないでね!

というわけでまず1人目は『夕暮 鴉』!

夕暮 鴉についての所感

性格が悪いですね。このゲームに登場する女は全員性格が悪いですが……
しかし、そもそも性格が悪い女しか出ない話をやろうと思ってやった訳ではなく、
『世界』という一見とても巨大で果てしない印象を受けるもので、
ごく個人的で小規模なものをやろう、というところから出発しました。
あと暴力がやりたかった。暴力をやりたいという出発からはじまったらそりゃみんな性格悪くなるよ。

イマジナリーフレンドが好きなのでそれにまつわる話をやろう、というのもかなりはじめの方から決まっていて、『世界を破壊する魔法』というタイトルについても、平野 蛟の存在がいなかった頃から思いついていました。はじめの頃は夕暮と朝野、そしてフェアリーハートしかいなかった。

だいたいやりたい要素を考えて、それが達成できるような主人公、と考えると……

『イマジナリーフレンドを頭の中に飼っている少女。
強固な世界観と思い込みの激しさを持つが、
そのぶん自我がふわっとしており矛盾が本人を苦しめることになる。
基本的に自己中心的。
自分とイマジナリーフレンドのことしか考えていない。』

こうなりました。

でもこれも、シナリオを全部書き終わってからあらためてこの子ってそうだよね、と書き直した人物紹介であって、創作中のメモ書きには、なかなかヘンな事が書いてあります。

『夕暮鴉(ゆうぐれからす) 団地に住んでる少女。イマジナリーフレンドがいる。本当のことしか言わない。』

そうなんだ……。(自分で書いたのに)

フェアリーハートは嘘をつかない妖精の女王とされていて、
朝野 光が作中、「あんたって嘘つかないんだよね」と夕暮 鴉に問いかけるように、
嘘、というのは『世界を破壊する魔法』においては重要なワードです。
嘘をつくのは大人だけ、子供や妖精は嘘をつかない、と夕暮 鴉はのたまいますが、
それは彼女の理想の世界の中だけの話であって、子供も嘘をつきます。
というか、視点を変えてみれば、フェアリーハートも結構な嘘つきと言えます。
結局彼女は妖精の女王を自称しているだけの、親との関係がうまくいっていない子供なので……
正しく言うと、『なんらかのものごとを嘘として認識するかどうか』が、作中の大人と子供の違いなのではないでしょうか。そしてそれは、黒と白でわけられるほどはっきりしたものではなく、グラデーションがかっています。

朝野 光を嘘つき呼ばわりしはじめ、平野 蛟と本格的に交流を持ち始めた頃の夕暮 鴉は、それまで描写されていた、夢見がちな少女ではいられなくなっていっていますね。

ちなみにこれ、メモしたときの日付が2021/1/11って書いてある。
私は自分用のディスコードサーバーを持っていて、そこには私一人しかいないんですが、そこに創作のメモとかをちらほら~っと書いています。

こんなふうに。
(この ねこ っていうのは私のことです。なんでねこなの? わからない……)
物語らしい物語をほぼ書いたことがないため、書き出しに非常に苦労し、
苦労したために、とりあえずなんか書いてみよう!と書いた『はしりがき』ってメモがなんと3つもあります。
正直めちゃくちゃ恥ずかしいですが、せっかくなのでその1つを見せてしまおう。

教室
「何寝てんだよ、ブス!」
夕暮鴉「……」
「うわ、お前授業中ノートとらなかったの?何書いてたん?見してみ」
夕暮鴉「……」
(ノートには羽の生えた少女の絵が描かれている)
「きも!下手くそ〜オタクかよ!幼稚園児かっての!」
夕暮鴉「………ト」
「は?」
夕暮鴉「フェアリーハート。その子の名前」
「お前、名前つけてんの!?」
夕暮鴉「……浅野さんにはいないの?」
「はあああ〜〜!?きも!!日本語つうじないわあ!」
(浅野光は夕暮鴉のノートを床に叩きつけ、踏んだ)
「さっさと死ね!メーワクなんだよ!」
夕暮鴉「……」
(本当のことを言っただけなのに。)

**夕暮自室
夕暮「どうしてすぐ死ねって言われちゃうんだろう?」
フェアリーハート「どうしてだと思う?」
夕暮「フェアリーハート…… 来てくれたんだ。」
フェアリーハート「もちろん!私はあなたのお友達だもの」
フェアリーハート「あなたがツラいときには、こうして隣にいて……」
フェアリーハート「満足するまで、抱きしめてあげるわ!」
夕暮「あはは、くすぐったいよ」

夕暮「……たぶん、みんな、本当のことを知るのが怖いんだと思う」
フェアリーハート「本当のことって?」
夕暮「例えば、妖精は心のキタナい人には見えなくて、心の綺麗なコにしか姿を見せないとか」
フェアリーハート「うんうん」
夕暮「本当はみんな、妖精と同じ羽が生えて生まれてくるのに、赤ん坊の頃に大人がハサミでちょんぎっちゃうとか……」
フェアリーハート「そうね。 私の可愛い夕暮は、本当のことしか言わないもの」
フェアリーハート「本当のことは、本当を知らない人にとって、よくわからないものに見えるの」
夕暮「うん……」
フェアリーハート「だから攻撃されてしまうのね!でも、あなたは間違ってない。間違ってるとしたら……それは、世界のほうなんだわ」

……。
いやっ、朝野 光って、昔は浅野だったんですね。
っていうかテンション高いな!!世間の流行り、オタクに優しいギャルの流れに逆らうようにストレートに罵倒してきますね、この人。
朝野が属性としては合ってるけど微妙にコレジャナイ感というか、今と比べるとブレているのに対して、夕暮とフェアリーハートはあんまり変わっていません。
彼女は自分の中の強固な世界観があるから、あまりひねった変則的な考えを持たせなくて済んだのもあり、そのせいなのでしょうか?
ほかのはしりがきには夕暮の母親が喋ったりするものもありました。作中では一言も発しませんが。(夕暮が呼びかけようと、無視)
この話には大人に痛めつけられている子供の描写はありますし、大人、子供、というワードは頻繁に出てきますが、大人そのものの存在感はとても薄いです。
こんな凄惨ないじめが行われていても、先生の存在もめちゃくちゃ薄いです。
別に大人、子供の話がしたかったわけではなくて、
子供が大人になっていくグラデーションがかった時期の話がしたかったので、
大人にあえてカメラを向ける必要はなかったんです。ので、省きました。
省いただけで設定はあるので、夕暮の私服のワンピースは父親が贈っているとか、そういう裏設定はあります。夕暮は父親のことをよく思っていませんが、父親は夕暮のことを結構気にかけています。
というか、再婚した、あとから来た父親なので、夕暮と血が繋がっていないように見えますが、じつは繋がっています。夕暮は夕暮の母親が不倫相手と作った子供で、その不倫相手が夕暮の現在の父親です。

あとは……なんだろう、私は絵を描くタイプの人間なのですが、
三人のキャラクターデザインを決定したのは『世界を破壊する魔法』のシナリオを執筆しはじめてから、結構経ったあとのような気がします。
boothのイラスト100枚パックを購入された方は、まだキャラデザを練っている段階の絵も見てくださってると思います。背が高いというイメージだけが先行し、八尺くらいありそうな感じの、キャラデザがふわふわした夕暮がいたはず。

結構話しましたね……
ではこのあたりで、2021年の3月(おそらくシナリオの執筆がほぼ終わった時点?)
で改めて書いていた夕暮 鴉の人物メモを貼って終わりにします。

内向的な少女。
朝野光にいじめられている。フェアリーハートというイマジナリーフレンドがいる。 友達に対して執着するが、友達の意味がよくわかってない。自分のこともよく分かってない。なのでとにかく自分に自信がない。あと思い込みが激しい。何をされても怒らないように見えて、自分の内面の世界を揺らがすようなことをされたときはなんでもしてしまう。自分の世界さえよければそれでいいような振る舞いをしているが、その実社会的な立場や役割を獲得したがっている。

それではこのへんで!
次回は朝野 光の話とかするかも。

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