さて僕です。
今日は唐突に黒歴史を語ってみようと思います。
あれは確か23歳くらいの頃、僕は焦っていました。
京都にある大学を卒業後、バイトを掛け持ちしながらバンドをしていたのですが、一向にうだつが上がらない
同世代の友人は就職し新入社員をやっている、一方自分はあいも変わらずその日暮らし。
やってる音楽もメタルハードコア、この音楽で成功しても到底生活ができるようになるとは思えない。シーンのトップを走るバンドのボーカルでも普段は長距離トラックに乗ってるらしい。このままでは一生この暮らしは変わらない。なんとかしなくては。。。
そんな焦りと悩みの中、ある日
「そうだ、Jpopみたいな曲作ってデモテープをレコード会社に送ろう」
という考えに至りました。
なけなしの金で録音用CDRを20枚ほど買い、これもまたなけなしの金で買ったMTRで作ったデモテープ(デモCDか)を作りました。
居酒屋のバイト終わりの深夜、翌日早朝のカフェバイトまでの仮眠時間を削り、漫画喫茶のインターネットで「デモテープ 募集」「新人アーティスト 募集」みたいな単語を検索し、出てきた事務所の住所を片っ端からメモし家に帰ったタイミングで郵送というそれはもう涙ぐましい作業をしていました。
デモテープを送り始めて数ヶ月、なんと一社から連絡が来ました。
社名を聞いてもどんな会社か思い出せない、一気にいろんな会社に送ってるんで仕方ない、とりあえず嬉しい!
有頂天になり、とりあえず会って話をと言われるがままに東京まで向かいました。
着いてみると
そこは声優事務所でした。
うん。酔っぱらって事務所検索してたから間違えたのね。
でまあ話を聞くと
声質が良いから事務所に所属しないか?ただそのままだと無理だから提携してるスクールに通いながらデビューを目指してくれ。
うん。完全に詐欺なんだけど、当時の僕は心が綺麗だったからすっかり騙されたのね。
正確に言うと多分数パーセントくらいは疑ってたんだけど、現状を抜け出す蜘蛛の糸のように思えてあれよあれよという間に入学金のローンを組み引越しの段取りを始めたわけです。
まあ通ってみると完全に詐欺だったわけなんですが。
まあなんだかんだダラダラとバイトとバンドを続ける生活を辞める良いきっかけにはなったかな、と今は思います。
とまあそんな話。
この手の詐欺はいまだに結構多いと思うんで、知人に引っ掛かってる人がいたら優しく諭してあげてくださいね。