広川なつき 2020/10/16 22:56

明るいゲーム選手権に参加したこと、のブログ

自サイトのブログに書いた内容の転載です!


遅くなりましたが改めて、8月に結果が発表された「明るいゲーム選手権」にて、自作ゲーム『光が縁取るのは日々の影』がいいね!賞をいただきました。

明るいゲーム選手権
光が縁取るのは日々の影

5月から受け付けが開始されていたこのコンテスト、当初から、いいな~と思っていたものの、具体的に参加することは考えてませんでした。
いちおう、もし参加するとしたら以前作ろうとしていたRPGを完成させる良い機会になるかも……と考えたりはしてましたが、当初の締め切り6月中旬までに作れるような内容ではなかったし、まあなんとなくその時は考えただけという感じ。
そんな中、締め切り4日くらい前かな?そんなぎりぎりになってTwitterでこのコンテストの話題になったので、じゃあ作ろう、3日くらいで!となって参加を決めました。
その時はこれとは別に「1分ノベルコンテスト」に参加するためのゲームも制作中だったしまあ余裕無いよね、ということで。参加を決めたのが夜だったんだけど、完全に何も無い状態から翌朝までに何を作るか決めないと無理……という状況で、ぼんやり考えはじめました。普段ゲームを作る時は、勢いで作り始めることも無くはないけど、だいたい最初におおまかなイメージだけしか無いことが多い。物語とか舞台とかのイメージとか、グラフィックはこんな感じ、とか。それから、そのイメージをどうゲーム化するか、という仕様決めにかなり時間がかかる。でも今回はそもそも最初のイメージすら無い状態。

とにかくまずはコンテストのテーマが「とにかく明るい気持ちになれるゲーム」ということだったので、そのテーマをどう表現するかというところから。
参加を決めたツイートをした時、たまたま本を読みながらツイッターをしてたんだけど、その本というのががレイ・ブラッドベリの『ウは宇宙船のウ』で、その中の『いちご色の窓』を読んでたんだよね。本当にたまたまなんだけど。
『いちご色の窓』は未来小説だけどストーリーとしてはノスタルジックな内容で決して必ずしも明るい雰囲気ではなくて、でも読み終わった時に過去ではなく未来に希望を持てるような、タイトルの通り日常が色づくような雰囲気の物語。偶然このお話を読んでいて、それからその場で「明るい気持ちになれるゲーム」のことをぼんやり考えていたら、「明るい気持ちになる」ってこういうことでいいんじゃないかと頭の中で思って、それでなんとなく最初のイメージができた。明るい内容の物語ではないけど、エンディングの後に未来が明るく色づくようなお話。
物語の舞台はゼロから作るんじゃなくて、前に作った『shotgun one's feel.』と同じ舞台にした。駅が印象的な舞台として登場するこのゲームの世界で、他にも色んな登場人物が交錯するように物語を広げたいということは前から考えてた。ので、そこで未来に希望を持てるような出会いもあるんじゃないかとなんとなく自然に思いついた。

そしてゲームシステム、仕様についてはもう作りながら考えるしかなさそうなので、翌日すぐに制作開始。
とりあえず1日でグラフィックくらいは完成させないと絶対間に合わないので、設定画とかは用意しないでいきなり登場人物と舞台になる街のグラフィックを描く。ゲームシステムの制作はその次の日から。
最初はもっと選択肢とか展開が多いゲームを考えていたんだけど、結局さすがに時間が無くてとても短いノベルゲームのようなものになった。というかそれでも最初のアイデアの名残りもあって多少の分岐はあるものになって、シナリオも考えながら文章を打ちこみ続けないと間に合わないという感じでこれはけっこう精神力を試されるよね。作ったシナリオを読み返してる時間すら無いので内容に自信が持てないわけで。。。
客観的にプレイしなおす時間すら無いので、最初に思った「明るい物語ではないけど終わった後に明るい気持ちが残るもの」が出来てるのかどうか、そもそも謎だった。もし出来てなかったら単純に明るくない物語のゲームになるだけなのでね!笑 それはもう提出して、駄目だったら失格でいいやっていう気分で応募した。なので、いいね!賞をいただけたのはありがたすぎるよね……
あとこれだけの短期間でBGMまで作れたのは自分の中では新記録だった。前作の『shotogun one's feel.』の時は普通に時間があったのにBGM制作は途中で断念したし、、、駅っぽくてかつ物語のテーマに合うBGMというのがなんか定まらなかったんだよね。今回も駅のイメージで、さらに物語のテーマに合わせて余韻が残るような音楽、って感じにしたくて、難しそうだったけどなんか一瞬で出来た。締め切りが無茶すぎて逆に力が出せた……しかも自分でも、ここの展開が好き!っていう部分のある音楽ができたので何度も聴けて嬉しい、、、

そういえば、締め切りが近すぎて断念したけど、最初に考えたもっと選択肢とか展開が多いバージョンを作るべきかどうか、、、完成を見てみたい気もするけど、そのバージョンがより面白いものになるかどうかがよく分からないので、今のところは未定だなあ……やってみたいというご意見があれば作るかもという感じかなあ。。。
とにかくめっちゃよい経験でした、、、! 色々に感謝、、、!
レイ・ブラッドベリの小説みんなも読んでね。

トナカイウサギソフトウェアの公式サイトはこちら

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索