Blankmap情報局 2024/06/02 19:00

B面 ~BlankMapの裏面図~ 第四回「かいたひと:サトガミ」

物語のネタは、何も頭の中にしか無い訳ではない。
日々の生活の中、人との会話の中、何気ない日常と思い過ぎ去っていく日々の中に、思いがけない面白さが含まれていたりするものだ。
そして、その中に一つ、最も我々が接しやすく、ネタになりやすいものがある。

そう、夢だ。

将来的な話ではなく、寝ている時に見る方。この世界において最も現実離れした体感が出来る一番の方法である。
勿論良い物も悪い物もある。が、そのどちらもただ日常を送るだけでは味わえないスリルや興奮がある。
これをネタに出来れば、どれだけ有意義だろうか……寝てる時にまで創作するんか?流石に変態が過ぎんか?……うるせぇはっ倒すぞ……私は考えた。

そうしてふと思いついた。そうだ、記録だ。
メモを取る、絵を描く、音声を残す、どうせなら起きてすぐ書く……出来ることは幾らでもある。善は急げだ、早速やってみよう。
布団に飛び込んだ。

寝た。

実に深い睡眠であった。それこそ夢を見たかすらも定かではない。見たのかもしれないが、深過ぎて目覚めた時にはそれすら分からなかった。
残念ながら、その後のことは何も覚えていない。
お布団あったかいナリだったのだ。
メモは何処かへ行った。何も携帯のメモアプリを咄嗟に開ける程、寝起きは器用ではない。というかそれ以前に、書く事を覚えていない。
音声は聞くに耐えなかった。加湿器の音がうるさくて何も聞こえない。
パソコンの起動は早かったが、それを待つ間にトイレに向かい、尿意諸共夢の記憶も流れていった。
なんてこった。これはもうおしまいだ。

夢を記憶するというのは技術がいる、という話は聞いた事がない。技術云々の前に、楽しい話は覚えていられないのだ。
トラウマになりそうなものばっか覚えている。キッショ


まあ。夢を書こうなんて話がそもそも夢物語なのかもしれない。
夢を見る為の力でも無い限りは、現実におこすのは夢のまた夢なんだろう。南無三。

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