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前回の基本の使い方①〜パーティクルを表示【TRP_Particle】に引き続き、今回はテストプレイ上で動くパーティクルエディタを使って自作パーティクル設定の作り方を解説します!
花火会場マップの左側の岸壁に、ナイアガラ花火(滝のように壁を覆って下に落ちる花火)を作ってみましょう!
まずは、壁の上端中央にパーティクルを表示させるための空のイベントを作ってイベントIDをメモします。
作成していくパーティクル設定名はfireworks_niagala_1としますが、自由に名前を付けて大丈夫です!(すでにある設定名と被らないように)
このパーティクル設定で表示させるコマンドは↓のようになりますね。イベントIDは壁に作ったイベントIDを入力してくださいね。
MV版コマンド
「particle set fireworks_niagala1 event:5」
(このまま実行しても設定データがないのでエラーとなります)
この設定データを編集するにはsetをeditに置き換えましょう。
それ以降のパラメータはset,play,editコマンドですべて共通です!
「particle edit fireworks_niagala1 event:5
」
MZ版コマンド
MZ版では通常の再生コマンドを選択し、「_Editモード」のパラメータをON/trueにすればOKです。ターゲットのevent:5はイベントID5はイベントID5のイベントを表します。
テストプレイを実行すると・・・
このような編集画面が表示されました!
壁のイベントから光の粒がすごい勢いで放出されていますね。
右側のパラメータを変更してイメージするパーティクルの出方に調整していくのですが、パラメータが多くていきなり手探りで設定するのは大変かと思います。
まずは、似た感じのプリセットデータを読み込んで、そこからパラメータを修正してみることにしましょう。
画面右で表示している吹き出し花火のデータ(fireworks_dragon_c)を読み込んでみましょう。
吹き上げの向きを下方向に変えるとなんとなく実現できそうです。
プリセットデータの読み込み
画面下のプリセットボタンを押しましょう。(Ctrl+P(MacはCmd+P)のショートカットでもOK)
画面左にピッカーウィンドウが現れます。
それぞれの行に設定データ名とコメント説明が書かれています。
マウスホイールでスクロール。
左クリックで選んだ行の設定を読み込みます。
(プリセットデータは推奨の対象ごとにカテゴリが分かれてます。もし、fireworks_dragon_cのデータが見つからない場合は左右キーでカテゴリを切り替えてみてください)
fireworks_dragon_cを左クリックで選ぶと画面上に表示されていたパーティクルの出方が変わったのが分かると思います。
プリセットデータの読み込みができたのでEscキーを押してピッカーを閉じましょう。
方向を変えてみる
ここからパラメータをいくつか変えていきます。
まずは吹き出し方向を下向きに変えてましょう。
右側のパラメータの中からstartRotationの行をクリックしてみましょう。
(startRotationとキーボードで打ち込むことでも編集できます)
startRotationはパーティクルの射出方向を決めるパラメータです。
右方向が0度で、時計回りに下方向が90度、左方向が180度、上方向が270度(-90度でもOKです)となっています。
現在はmin(最小値)が-75で真上より少し右方向、max(最大値)が-105で真上より少し←方向となっています。
試しにminを0、maxを360にしてみましょう。
そのまま数値を「0」と打ち込めばOKです。
数値を打ち間違えた場合や変更する場合はbackspaceキー(Macはdeleteキー)で値をクリアできますのでもう一度打ち直しましょう。
左右キーで編集するパラメータを切り替えられます。
同じ用にmaxの値を360にしましょう。
パーティクルの動きは↓のように変化します。
0~360度、つまりすべての方向に満遍なく放出されるようになりました。
(パラメータの特性を理解するにはいろいろと値を変えて遊んでみましょう!)
さて、今回は下方向に射出させたいので、真下を表す90の値を入れてみましょう。
minとmaxを両方90にすると綺麗に下向きに表示されます。
(少し角度に幅をもたせたいときは+-10度で、min:80、max:100と設定したりします)
真下向きに放出されるようになりました!
発生方法を変える
今は1点から発生したパーティクルがそのまま真下に落ちていますが、崖全体を覆うように出現する幅を広げたいです。
パラメータの下の方を注目してみてください。
オレンジのパラメータだけ、他のパラメータと様子が違うのが分かります。
pointだけが表示されていて、他のrect/circle/ring/burstは閉じています。
オレンジのパラメータは発生方法を指定するパラメータで、どれか1つの種類だけ設定することができます。
また、他のパラメータと違い、上下キーで選択することはできないので「rect」のようにパラメータをキーボードで打ち込むか、マウスでクリックすることで変更・編集ができます。
では、長方形の中からランダムに発生する「rect」に切り替えてみましょう。
([rect]をクリックすればOKです。rectはrectangle(レクタングル)の省略で長方形の意味です)
↓のようにpointの項目が閉じて、新たにrectのパラメータが表示されます。
rectの発生方法では長方形の左上の点(x,y)と幅(w)、高さ(h)を指定します。
まずはx,yを変更して崖の左上になるように調整しましょう。
それから、幅(w)の値を大きくして崖幅全体を覆うようにしましょう。
今回は崖の上端から降り注ぎたいので、高さ(h)は0のままでOKです。
頻度/発生数を変える
幅を広げた分、パーティクルの発生量が少なくて寂しい感じがするので量を増やしてみましょう。
パーティクルの発生頻度を表すfrequencyのパラメータを調整してみましょう。
少しややこしいのですが、frequencyの値はパーティクルが発生する間隔秒数となっており、小さいほどパーティクルがたくさん発生します。
ここでは0.003という値にしてみましょう。
0.003秒に1回パーティクルが発生し、1秒間で333個発生する計算になります。
崖と色が同化してわかりづらいですが、パーティクルの数が大幅に増えたのが分かると思います。
(メモ:発生量を増やすにはparticlesPerWave(1回ごとの発生数)を上げる方法もありますが、基本はfrequencyを調整すると覚えておきましょう)
拡大率scaleの調整
火花のボリュームを増やすためにscaleを調整します。
(メモ:frequencyをさらに小さな値にすれば発生数は増えますが、その分処理が重くなるので不自然にならない範囲でサイズを大きくしてボリュームを出すとよいでしょう。)
[scale] 0.2 0
とありますが、これは1つ1つのパーティクル出現時に0.2、つまり拡大率20%ではじまり、消滅時のときに拡大率0まで縮小するという設定になってます。
左の値(出現時の拡大率)を0.2から0.3に変更して出現時の大きさを調整します。
崖上部でのボリュームが出ました。
消滅時のときは拡大率0で終わりたいですが、崖の下半分部分でももう少しボリューム感が欲しいです。
alpha(不透明度)、scale(拡大率)、speed(スピード)、color(色)の紫色の4つの基礎パラメータは出現から消滅までの間の数値の変化を細かく設定することができます。(この4つをノードパラメータと呼びます)
左端の出現時が時間=0、右端の消滅時が時間=1にあたり、そのあいだの0~1の時間に対して数値を割り当てていくことになります。
崖の下半分でのボリュームが欲しいので、消滅直前まで縮小の幅を抑えてみます。
終わり間際の時間0.8のときにようやく最初の半分の拡大率0.15になるようにしてみましょう。
キーボードで「@」を打ち込むと左に黄色のスペースに@と表示され、中間値挿入モードになります。つづけて「0.8」と打ち込みEnterで確定しましょう。
0.3と0の間に「0@0.8」と表示されました。(時間0.8のときに拡大率scaleの値が0ということを現します。)
そのまま0.15を打ち込み時間0.8のときの値を変更すればスケールの編集完了です!
(メモ:もし時間を0.8から他の値に変更したい場合は「Shift+@」キーで変更することができます)
speedの調整
続いてパーティクルの速さ/speedを調整します。
speedの値を見てみると、
[speed] 500 200@0.3 0
出現時にスピード500で勢いよく噴出し、出現して少し経過(時間0.3)してから半分以下の200まで急減速し、そこから消滅までなだらかにスピード0まで減速しています。
ナイアガラ花火は下方向に自由落下していく感じに、徐々に早くなっていく設定にしましょう。
今回は中間値はなしで、出現時に10、消滅時に350と設定します。
(※このとき、出現時の速度は必ず0以外の数値にしてください。)
200@0.3にカーソルをあわせて「Shift+BackSpace」(Macの場合はShift+delete)で中間値を削除しましょう。
滝の流れ具合を見ると、崖の途中で消えてしまって下半分のボリュームが足りないように見えますが、よく見るといくつかのパーティクルは地面近く近くまで届いています。
スピードを早くすると下部分まで届くパーティクルは増えますが、一部のパーティクルが地面よりも下に移動して不自然に見えてしまいます。
スピードの変化設定はこのままで、より多くのパーティクルが地面に届くようにバラけ具合を調整していきます。
バラけ具合の調整
speedの1つ下にあるminimumSpeedMultiplierというパラメータを編集します。
長ったらしいパラメータ名ですが、直訳すると「スピードの最小倍率」という意味でスピードのばらけ具合を表す数値になります。
この値を1とすることですべてのパーティクルのスピード変化が同じになります。1に近いお好みの数値を入れましょう。
(この値が0.5であれば設定した速度500から半分の速度250の間のランダムな速さでパーティクルが射出され、よりバラけてみえるようになります)
つづいて、lifetimeも調整していきます。
lifetimeはパーティクルが出現してから消滅するまでの寿命の秒数です。
min(最小値)が0.7秒、max(最大値)が1.0秒とばらつきがありますので、これもminを1秒に近づけてばらつきを少なくしてみましょう。
だいぶボリュームが出て見栄えがよくなったと思います!
(メモ:lifetimeと似たパラメータにemitterLifetimeというのがあります。これはエミッターが消滅するまでの時間を指しています。-1というのは寿命がなく永遠にパーティクルを出現させ続けることを指し、これを1などのプラスの値にすると1秒後にパーティクルの噴出がおわります。)
保存
パラメータの編集が終わりましたら忘れずに保存ボタン(またはCtrl+S)で設定を保存しましょう!
今回はこれで編集を終わるので保存&終了ボタン(ctrl+E)で編集画面も終わらせます。
イベントのプラグインコマンド「particle edit fireworks_niagala event:5」のeditをsetに置き換えて通常の再生コマンドに戻せば完成です!
お疲れさまでした!
(メモ:画面左上に赤色で表示数制限と表示されていますが、これはパーティクル数が1000以上にならないよう制限しているためです。複数のパーティクルを再生している場合は、それぞれの発生能力に応じて制限がかかるため自然な感じで全体の発生数が調整されます。この制限数はプラグイン設定で変更可能です。)
エディタでもう少し遊ぶ(おまけ)
プラグインコマンドのsetをeditに変えて再度エディタを表示し、画像選択ボタン(Ctrl+I)を押してみましょう。
画像の変更
パーティクルとして表示する画像を変更することができます。
(プリセットピッカーと同じくキーボードで頭文字の検索ができます)
また、左クリック長押しで「個別選択モード」と「複数選択モード」を切り替えることができます。
複数選択モードで複数の画像を選択すると、複数の画像のうちランダムに表示されます。
タイル画像の使用
「タイル選択ボタン」を押してみましょう。
画像ピッカーと同じように、今度はタイルセットの画像が表示されました!
タイル画像と通常画像の複数同時選択はできないという制約がありますが、アイデアしだいで面白い演出ができると思います!
(メモ:タイルマップを使うときはblendModeのパラメータを0にして色/colorもすべて白にすると綺麗に表示されます。また、タイルセット画像はサイズが大きく余分にロードするとメモリを圧迫するのでなるべく表示中のマップのタイルセット画像を使うと良いでしょう)
設定のコピペ保存
なんとなくパラメータをいじって面白い演出ができて、「他の設定名のデータに保存したい!」というときがあるでしょう。
別名で保存する機能は残念ながらありませんが、「Ctrl+C」のショートカットキーで設定データをクリップボードにコピーすることができます。
クリップボードにコピーした状態で、改めて別の設定名で編集して「Ctrl+V」で設定をペーストすることができるので活用してみましょう。
(メモ:コピーされるのは普通のテキストデータなので、メモ帳などに一時的に保存しておくこともできます)
色の変更
ノードパラメータの1つ、color/色の値を変更してパーティクルの色を変えてみましょう。
colorパラメータは特殊で、項目を選択すると左上にカラーピッカーが表示されます。
右側のバーで好きな色合いを選択し、左側のパレットから好みの明るさ・彩度の色を選択しましょう。
カラフルな色のパーティクルが出るようになりました!
しかし、他の紫色の基本パラメータと違って、時間経過で1つ1つのパーティクルの色が変わっていません。
これはcolorパラメータの下にあるcolorModeの値が1になっているためです。
colorModeの値を(デフォルトの)0に変更してみましょう。
今度は発生直後の崖上と消滅直前の崖下で色が変化してるのが分かりますね!
colorModeは0でパラメータで色が時間変化するようになり、
colorModeが1で発生時の色がランダムに分布されるようになります。
終わりに
今回説明しなかったパラメータについても、それぞれのパラメータ編集時に左下に簡単なパラメータの解説が出ますので参考にして調整してみてください!
また、↓のページではそれぞれのパラメータを変えた場合の動作の変化を動画にまとめていますので一度見てみることをおすすめします。
パラメータ一覧【パーティクルプラグイン】