こんにちは! 今日は少し早いですが、5月最後の土日ということで、5月進捗まとめと今後の方針を整理したいと思います。
5月の進捗:概ねゲームの「型」ができた
5月最大の進捗……それは、ゲーム開始からゲームクリアまでの、基本的なループ、「型」ができたということです!
こちらをご覧ください:
忙しい人のためのタイムスタンプ:
(分:秒)
00:00 ゲーム開始・街
00:03 NPCと会話
00:27 1面ADVパート
00:55 1面ACTパート
01:43 1面ボス戦
02:07 1面クリアアイテム
02:09 1面ADVパート・エピローグ
02:11 1面クリア→街へ
02:20 2面ADVパート
02:53 2面ACTパート(現状1面とほぼ同じ)
動画を全部見るのは大変だと思うので、ゲームの流れをスクショで説明します。
ゲーム開始・街
最初は街から始まります。ロサンゼルスです!
街ではNPCと会話したりできます。
1面ADVパート
ADVパート……という概念には企画当初から何度か触れているんですが、最終的にこんな感じになりました。
ここでは主に依頼を受けることができます。依頼、と言っていますが、いわゆるクエストのようなものではなく、アクションゲームの「ステージセレクト」に近い概念だと思ってください。
↑「依頼を受ける」を選択するとステージへ行き、断ると街へ戻ります。
アクションゲームでは、ステージセレクトは簡素なことも多いですが、 Hijack 新作ではアドベンチャーの流れになっています。
アクションアドベンチャーゲームのよくある構成では、
- ステージセレクト
- ステージ内でADVパートがある(会話シーン等)
- 会話が終わるとステージへ
というものが多いと思います。 Hijack 新作の構成は、ステージセレクトとADVパートが一体化している感じです。
ステージセレクトがはさまっていないおかげで、かなりシームレスな体験になっています。
1面ACTパート
ADVパートでステージを選択すると、いよいよACTパートに突入します。1面は砂漠です。
↑スタート地点
↑まずは橋で上に登ります
↑コインや動く床があったり…
↑アヤシゲな洞窟の方へ
↑ボス戦!!! 巨大な敵な映える!!
↑まだ開発中ですがこのアイテムに触れるとクリアできるようになっています。実際には、ボスを倒したら出現するなどの方法で手に入るようにしたいと思っています!
2面以降
1面→2面に行くという基本的なループは、システム的には早めにfixしておきたかったので早い段階で開発しましたが、動画的には現状、1面と同じような内容です。こちらは今後開発予定です。
ただ、基本的にはこの街(ロサンゼルス)→ADVパート→ACTパート→街……、という流れが基本になります!
方針整理会
さて、恒例の(?)方針整理会です。過去の方針整理会はこちら:
過去記事を読むと、当初から「ADVパート」「ACTパート」という概念が出てきて、ようやく表現できたと感慨深くなりますね。
今回は大枠の「型」の方針変更はありませんが、いくつか、もうすこし深堀したい点について思考を深めたいと思います。
ACT+ADVゲームとして
Hijack はアクションアドベンチャーゲームを目指して(?)いるんですが、アクションアドベンチャーゲームの中でも、かなり独特な体験になってきた気がします。
いわゆる3Dのアクションアドベンチャーゲームは、会話シーンも3Dのことが多いです。そこであえて2Dのアドベンチャーパートをはさんでいるため、かなり独特な雰囲気がありますね。
好感度のような概念を入れる予定はないので、いわゆるアドベンチャーゲームとして遊ぶにはやや物足りないかもしれませんが、ステージのクリア状況に応じて分岐したりイベントが発生したり、前作にもあるマルチエンディングなどはさせたいと考えており、単なる「会話シーン」ではなくそこそこちゃんとしたアドベンチャー要素もある感じになると思います。
ボス戦の体験
昨日タイムリーな動画があがっていたんですが、ボス戦の体験をどういう方向にしようかな、と悩んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=LNh-ERDf6iU
ボス戦の方向性として「攻略法が決まっている」のと「プレイヤーが自由に攻略できる」というふたつがある、というのは上記の動画で触れられていることです。
Hijack は、基本的には後者の方向性で考えています。
ただ、それでも一定、攻略法を想定してボスをデザインしたほうが面白くなる、とも思っています。
たとえば、近距離攻撃がメインで鈍重な動きのボスは、遠くから攻撃するというのが基本の攻略法になると思います。近づいて戦ってもいいですが、難しい。ここで「近距離攻撃に対しては無敵」「遠距離攻撃ならダメージが通る」とすると前者、しないと後者、という違いになるのかなと思います。
難しくても、プレイ自体を否定しないほうが面白い、と私は考えています。たとえば装備一切なしで、裸一貫でモンスターを倒す。というのは、難しいですができたらすごいですし、面白いです。
そういうふうに「初心者向けの、オーソドックスな攻略法」と「あえてそれをしない、縛りプレイ的な攻略法」のふたつを用意したい、と思っています。また、基本的には後者のほうがスコア・タイムなどで有利になるようにしたい、とも考えています。
難易度についての考え方
難易度については、色々考えていることがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=f3xrpItJhdU
難しいほうが楽しい、という考え方もあります。ただ、それはクリア不可能なほどの理不尽な難しさではなくて、きちんとクリアできる、ぎりぎりだから面白いという話でもあります。
で、そのぎりぎりの基準は人によって違うので、難易度調整は難しいわけです。
簡単、普通、難しいといった難易度選択をできるようにするというのはシンプルかつ間違いない考え方だと思いますが、これは実質的に3つゲームを開発する(3種類のレベルデザインをする)ことにもなったりして、想像より難しいです。
さらに、わざわざ「簡単」を選ぶということに対する屈辱感のようなものもあります。名前を「普通」「難しい」「鬼畜」のように変えるという案もありますが…。
Hijack の方向性としては、「デフォルト簡単」「RTAもできる」という方向性にしたいと考えています。
ボス戦の考え方とも似ていますが、「クリアするだけなら簡単」だけど、いろいろ倒し方だとかを探求する楽しさの方向で「難しい目標にも挑戦できる」というふうにしたい、ということです。
具体案としては
- 過去のエピソードにも「回想」という形で再挑戦できる
- 回想はまだ実装されていませんが、選択肢に追加する想定
- 「回想」ではひとつのエピソードで複数の目標が提示される。「クリア」「N秒以内クリア」「スコアN以上」「コイン全取得」等……。「クリア」は簡単だけど、目標をすべて達成するとなると、そこそこ難しい。
という感じです。
前作(ヒンジヤノホコリ)を遊んでくれた方ならわかると思いますが、あちらでも過去のエピソードに再挑戦してコインを集めることができるようになっています。そんな感じで、タイムやスコアにも挑戦できるようにするイメージです!
「売ること」について
さて。はい。
1, 2 作目の開発の目標は、正直なところ「完成させること」でした。
一応 DLsite 等で売ってもいますが、「売るための施策」を全くと言ってよいほど打っていません。この施策というのは、宣伝だけでなくゲームのクオリティをあげたり、需要を調査したりするなども含めてのことです。
もちろん、ゲームのクオリティはできるだけ高めたいと思っていますが、スキル・時間の問題で限界はあります。たとえばゲームエンジンやアセットを使って時短する……なども、ある意味では「売るための施策」ではありますが、前作までは全くしていませんでした。
3 作目では、「売ること」と真剣に向き合いたいな、と考えています。具体的には、プレスリリースを打つなどが現状有力です。
また、 Steam にできるだけ早い段階で(発売の半年~1年前?)ストアページをつくる……なども必要そうな雰囲気があります。クオリティ面では、テストプレイヤーを募ってフィードバックをもらったり、価格面で「相場」を検討することも重要そうです(※無料は無料で激戦区なので、無料にすればいいというものではなさそうという前提)。
このあたりは水面下で色々試行錯誤していますので、乞うご期待!
感想戦
実質的に、開発が始まったのは5月に入ってから
……これはものすごく反省したいことなんですが。
新作は今年の始めから開発を始めていましたが、事実上、~4月末までほとんど「勉強」に時間を使ってしまったと思います。今ある進捗のほとんどすべては、5月に入ってから開発したものです。
実に4ヶ月、1年の1/3が実質的には勉強だけで経過してしまい、作品制作としての進捗はほとんどなかったわけです。
とはいえ、勉強も大事です。勉強・練習を全くせずに良い作品をつくれるわけがありません。
一方、勉強の時間をとりすぎるのも考え物です。勉強それ自体が楽しい、という感覚もありますが、勉強したことをなんらかのアウトプット・アウトカムに繋げてこそ価値があるというものです。
要はバランスな気もしますが……。
理想を言えば、開発が始まった時点で必要な知識・スキルはすべてあるのが望ましい。無論、それは難しいですし「達人になってから戦場に出るつもりか?」という言葉にもあるように、気の長い話になります。
このあたりのさじ加減は難しいですが、5月に入ってやっと方向性が固まってきた部分もあり、最近は急ピッチで開発しています。
覚悟・行動・漆黒の意思
最近、ツイート(ポスト)する時間が減りました。代わりに、こうして ci-en で記事を書いていたり、作業していたりします。
ゲーム開発に必要なのは第一に、毎日習慣的にゲーム開発に集中することだと思っています。あと睡眠。睡眠、大事です。
Just Do It! とか とにかくやれ! とか、色々言い方はあると思いますが同じことです。狂気が大事と言う人もいます。個人的には最近、「覚悟」や「漆黒の意思」という表現が気に入っています。
漆黒の意思というのは、(ネタバレ防止のため深くは立ち入りませんが)スティールボールランの言葉です。
結局のところ、やるしかないんですよね…。それがすべてです。
そうして開発が進んでいる反面、コードはどんどん汚くなってきています。
いや…… Unity なので、コードだけではありません。 GameObject の命名とか…。 GameObject (2) とか (3) とかたくさんあって、ほんとひどい感じになってきています。
汚い……けれど「美しい」とも思います。
働き者のきれいな手というのは、風の谷のナウシカに登場する言葉です。美しいコードというのは、そういうものなのだと思います。
なぜ美しいと思うのか。それは「汚くても先に進む」という覚悟、「漆黒の意思」があるからです。
汚いというのは、悪いことです。必要悪ではなく、完全な悪です。
しかしそれが悪だとしても、どんな手段を使っても実現する。それが「漆黒の意思」なのだと思います。