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アクションRPGの記事 (14)

ぬるぬるの話(1)

ぬるぬる感は結果

さて、ざっくり『天翔のマーキナリエ』および英訳版『Soaring Machinariae』ご紹介の土台部分のお話をしてまいりましたので、ぼちぼち内容の話題に移っていきたいと思います。
昨年6月のアツマール版公開時よりありがたくもおおむねご好評をいただいていると思っている本作ですが、中でも「ぬるぬる動く」と評されるところを多くみております。

作者の僕の立場から言うと「ぬるぬる動いている」のは結果であります。アクションゲームとしての属性をもつ本作、特に個人的にもまあまあ気合を入れて作っていましたので、手数をかけるところは決め打ちでやれることはやっていく方向でと「バトルの気持ちよさ」に重きを置いて可能な限り作り込みました。プレイヤー的にはここがこう動いてくれたら気持ちいいと感じるだろうと思う点ひとつひとつを積み重ねた結果、ぬるぬる動いてるねという印象をもってもらえたということになります。


アニメーション

第一の要素としては、キャラのモーションをはじめとしたアニメーション。何を当たり前のことをって感じですが。


これはアイリスの歩行モーションですが1ループ6コマの動作になっています。ツクールデフォの歩行グラフィックが3コマであることを考えれば倍のコマ数で描画していることになります。ちなみに6コマという数はスーパーファミコン時代のアクションRPGを参考にしています。
なお僕は絵も描けなければドットも打てませんのですべて素材の加工で作っています。1モーション6コマ×4方向はだいぶしんどいです。

しんどいので攻撃モーションにいたっては斬りで3コマ、突きで3コマです。意外と少ないと思われるかもしれませんが、省略のポイントをおさえつつ他要素との合わせ技でなんとかしています。

エフェクト

グラフィカルなエフェクトは2種類活用していて、まずはツクールデフォの機能にある「アニメーションの表示」です。剣の軌跡やヒットマークなどを表示しています。ちょっとリッチに見えるようにAnimationFrameRateプラグイン(ツキミ様作)を採用して時間あたりのコマ数は増やしています。
もうひとつ、さまざまな細かい演出用にパーティクル表示を取り入れています。ParticleEmitterプラグイン(ツキミ様作)
ヒットエフェクトの飛沫のような飾りの他、ダッシュ時の土煙、水場を走るときの水しぶき、ファイアブラストの火の粉、草を斬ったときに舞う葉っぱなどなどいろんな場面で活用しています。

合わせて改めて見るとこんな感じです。


ちょっと開発中の古いキャプなんですけど

簡単ではありますがビジュアル面ではだいたいこんな感じで、ドット絵としては無理ない範囲でベースを用意してあとはエフェクトでの演出でそれらしくしているというお話でした。


そしてさらにここから「動き」という別のアプローチとの融合という話になるんですが、そこまでやると長いので別途続きということで追ってご紹介します。お楽しみに。


■天翔のマーキナリエ(ゲームアツマール)

■音楽素材集&サウンドトラック(DLsite)


天翔のマーキナリエの英訳版がSteamにて配信決定!

2021年6月11日 Gotcha Gotcha Games様より発売です。

■Soaring Machinariae(ツクールシリーズ公式)

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日本語追加の経緯/翻訳のお話

英訳版『天翔のマーキナリエ』に日本語版が追加決定

天翔のマーキナリエの英訳版『Soaring Machinariae』にオリジナルの日本語版が追加されることが公式より発表されました。

https://twitter.com/tkool_dev/status/1401790484985487362?s=20

こちらを希望されてた皆様、たいへんお待たせいたしました。そしてギリギリのお知らせになりすみません。



日本語追加の経緯など

まず申し上げておきますとこの日本語追加は仕込みでもなんでもなく本気の緊急決定です。そしていろいろな方々の名誉のためにちゃんと説明いたしますが僕がすべてを振り回した張本人です。本当にすみませんでした。

というのも、まずこの『天翔のマーキナリエ』というゲームに対して基本的にFreeToPlayであるべきという考え方を持っていたところから始まります。グラフィックやプログラミングなど各セクションにおいて到達できるレベルとかそういうものを主観的に見た場合、「これはフリーゲームである」と定義して作ってきていたわけです。また僕は元来作曲家であり音楽を聴いてもらうためにゲームという舞台を自前で用意しただけ、という意識もあります。(この話はまた別の機会に)



そこで今回の英訳版を販売するというお話が出たときに、非常に考えました。もともと無料でできるゲームでありお金をいただく以上付加価値は何か持たせないと、ということですね。英語に翻訳されるならそれだけでも付加価値はあると言えるでしょう、しかし日本語は? 原作すなわちすでに公開されていていつでも無料で最後まで遊べるアツマール版がある以上それはどうなの?と。単純な移植なのであれば有料のソフトに組み込むのではなくて、追っ掛けで無料のDL版を用意するのが筋なのではと僕は思ってました。英訳版の発表が出るまでは。



正式に最初のリリース案内が出た数時間後には自分の思い違いを確信しました。僕がイニシアチブを持たせていたと思い込んでた日本語が「外されている」という声が雨のように降り注ぎ、これはやらかした!と感じて即座に販売元であるGGG様に相談。幸いDL版用に日本語の最新バージョンのリポジトリのブランチも切ってあったので、何とか実装は間に合いそうですねということで追加していただきました。そして諸々の準備が整い、執筆日の今日6/7に無事日本語追加発表と相成りました。



反省。

とにかくユーザーの皆様の心情を読みきれなかったこと、それにともない敷いていたロードマップがそもそも見当違いだったことが今回の僕の反省点です。結果ユーザー様には気を揉ませ、GGG様には電撃の如き対応を余儀なくさせてしまいました。何がズレていたか自分なりに考えてみると、

  • このゲームに対する客観的な価値観を持てなかったこと
  • Steamというプラットフォームが備える利便性を考慮できていなかったこと
  • PCローカル環境でのプレイの重要性を甘く見ていたこと

なのかなと思っています。(またさらにズレてるかもしれないけど…)

特に最初の客観性はときに致命的な事態を招くことを身をもって知りました。結果的に「元のままでは売り物などにはできない」と思っていたのは自分だけだったようで、過度な謙遜みたいなものは認識に歪みを生むし、なによりお金を出しても良いと思ってくれる人たちに失礼でした。「フリーでこれはすごいですね」という言葉に気を良くして謙遜するのは本当にフリーのうちだけにしようと自戒することにします。



付加価値の話

さて付加価値という話が出ましたが、ちょいちょい触れていますが今回の英訳版は本当に英訳版という位置づけでゲーム的に大きな内容変更はされていません。(詳しくはまた別記事にて)

しかしこの英訳という付加価値がなかなか面白いことになっています。翻訳者様および仲介のGGG様とタイトルや固有名詞の対訳を決めるときには僕の意見や伝えたいニュアンスを存分に汲み取っていただき複数案出してもらったものから選んだり、日本語特有と思われた言葉遣いや口調の違いを出してくださったり、日本語のジョーク的な言い回しを細かく検討してくださったりと、とても血の通った素敵な翻訳になっています。「あそこのセリフどうなってるのかな?」を追っていくだけでも相当楽しめると思います。

そんな素晴らしい翻訳をしてくださった翻訳者様をご紹介します。

vgperson 様

https://twitter.com/KerokeroCoder



実はDLsite様で販売中の音楽素材集&サントラに英語の曲名やタグが入ったデータを追加したのですが、そちらでも記載されている英語の曲名BGM31+ME2曲もvgperson様によるものです。ゲーム本編にMUSICモードがあるので、そこで翻訳していただいたのをご厚意で転用させていただいた、ということですね。
重ねてこの場で御礼申し上げます。




以上、いろいろ反省などもありますが最終的には皆様に楽しんでいただけるものとして準備が整ったと思っております。

天翔のマーキナリエの英訳版『Soaring Machinariae』発売は2021年6月11日、あと4日となりました。

どうぞよろしくお願いいたします!

■Soaring Machinariae(ツクールシリーズ公式)




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なぜアクションRPGなのか

こくちこくち

天翔のマーキナリエの英訳版『Soaring Machinariae』

あと5日後、2021年6月11日 Gotcha Gotcha Games様より発売です。

■Soaring Machinariae(ツクールシリーズ公式)

※こちらの紹介やお話もこれからやっていきます


本題

なぜアクションRPGなのか

…もちろん僕が伝統の『聖剣伝説』シリーズや『イース』シリーズに代表されるアクションRPGが昔から好きだからに他なりませんが。RPG的なマップ上で直接武器を振って敵をなぎ倒すという動きがたまらないんですよね。


まあそれはともかく、実際アクションRPGにどんな利点があるかと言えば移動とバトルがシームレスリアルタイムにスピーディなゲーム進行ができるストレスの少なさみたいなのはあると思うんですよね。

昨今ではエンカウント式のRPGでもプレイヤーが任意に戦闘を回避したりタイミングを選んだりできたりと「ちょっとストレスだな〜」と思われがちな部分を排除する工夫がなされているものが多いです。そのひとつの手段としていっそマップ上でそのままバチバチやってしまえというアクションRPGがあるとも言えるんですが、いかんせんモーションやアニメーションをたくさん用意しなければいけなかったり既存素材が少なかったりゲームバランス調整が面倒だったりという面が大きくてあえてこれを選ぶ制作者は少数派なのが実情です。

それでも自分のように「アクションRPGが良いんだ!」という方も少なくなくて(しかもありがたいことに拙作を見てアクションRPG作れるんだと思ってくれる人もいたりして)、RPGツクールでもってアクションRPGを作るぞというところも結構見るのでみんなで是非アクションRPG制作というジャンルを盛り上げていきたいです。



なぜRPGツクールなのか

よく聞かれるのが「なんでアクションゲームツクールじゃないの?」ってことなんですが、これはもうRPGツクールの方があらかじめ用意されている仕組みがたくさんあるからという回答になります。

新規プロジェクトを作成してテストプレイ起動したら、その時点でグラフィックと各パラメーターを持ったキャラクターがマップの上で4方向に動かせてXキーを押したらメニューが開くんですもの。イチから作ったらどれだけ時間がかかるかわからないところが0秒で出来ているって! これって「まだ敵キャラや攻撃の動作を設定していないアクションRPGの土台」と同義だと思うんですよね。もちろんそこから拡張していかなきゃならないところは多いですが、アクション部分に時間を多く使えると考えればRPGツクールを採用するアドバンテージは大きいと考えています。


どうやってアクションRPGを?

RPGツクール(MV以降)でアクションRPGを作ろうと思った人はほぼ必ず同じ記事を読んでいるはずです。

RPGツクールと数学のブログ(フェルミウム湾様)

ツクールMVにおけるアクションRPGの作り方の決定版を紹介された偉大な記事です。

僕も通ったし、こちらを参考に作られているゲームは見れば判別できるものがほとんどです。というか何なら『天翔のマーキナリエ』に至るまで基本はここから変わっていません。この内容をプラグイン化したり、やりとりされる数値をアクターやエネミーのデータベースを参照できるようにしたり、剣を振るモーションをリッチにしたり、当たり判定を細かくしたりなどなど……ひとつひとつ手数を増やしていった結果ああなったということなので、いきなり何か特別なイリュージョンを仕掛けたわけじゃありません。だってわたしプログラマーじゃないですもの……

ただいろいろと試行錯誤した結果辿り着けたところなどももちろんあるので、そういったことの技術情報の共有などはここでやっていくつもりです。せっかくたくさん文字数書けるようになったし。



めっちゃ文字だらけになっちゃいましたがまた次回。




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天翔のマーキナリエの英訳版がSteamにて配信決定!

2021年6月11日 Gotcha Gotcha Games様より発売です。

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はじめまして:代表作『天翔のマーキナリエ』のご紹介から…

『天翔のマーキナリエ』45000プレイ突破!

去年2020年6月に「ゲームアツマール」にて公開したフリーゲーム『天翔のマーキナリエ』が、6月5日付けでめでたく総プレイ回数45000を突破しました!


多くの方に触れていただいて嬉しい限りでございます。

【こちらからプレイ】


『天翔のマーキナリエ』とは

さて、Ci-en初投稿ってことで初めましての方もいらっしゃるかもしれないので改めて作品のご紹介をば。

本作はRPGツクールMV製のアクションRPGとなっております。

特徴を簡単に言うと…

  • コンボや必殺技など多彩なアクションを簡単操作で繰り出せる爽快バトル重視
  • プロ声優さんによるフルボイスで会話もバトルも盛り上がる
  • BGM30曲Overすべてオリジナル楽曲書き下ろし

僕がツクールMVに触れはじめて何作か習作を作って研究を重ね、その期間も含めて足掛けおよそ2年で公開まで至った、現在の代表作となります。

https://twitter.com/kensei1203/status/1270561285550125057?s=20

…と、動画含めいろいろ紹介もできることは多々ありますが普通に今最後までプレイできる状態なので、とにかく触ってもらえれば話は早いです(笑)

想定プレイ時間は2~3時間、PCでもMacでもブラウザでそのまま遊べます。(スマホも一応動きますがゲームの特性上ちゃんとは動きにくいです)



これからこのCi-enでは、Twitterではお話できなかったちょっと長めの語りだったりツクール的なワザだったり裏話だったりというネタで更新していきたいなと思います。

ぜひよろしくお付き合いください。




■天翔のマーキナリエ(ゲームアツマール)

■音楽素材集&サウンドトラック(DLsite)


天翔のマーキナリエの英訳版がSteamにて配信決定!

2021年6月11日 Gotcha Gotcha Games様より発売です。

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