シャープペン10本勝負!第1回 ぺんてる「SHARPLET 500」
シャープペン10本勝負!第1回はレトロな縦縞シャープペンです。
スペックシート
- 名前:SHARPLET 500(シャープレット500)
- メーカー:ぺんてる
- 価格:500円(税抜)
- 芯径:0.5mm
- 長さ:約13.9cm(やや短い)
- 太さ:グリップ 約9.2mm(普通) / 軸 約7.9mm(やや細い)
- 重さ:約9.6g(軽い)
- 重心:わずかに後寄り
- 買える?:すでに製造終了。入手困難です。(2020/6/12)
遠征先のデパートにて
ぺんてるの500円シャープペン、SHARPLET 500です。500なので500円(税抜)。値段がわかりやすいと店員さんとしてもうれしいのでしょう。小学6年生か中学1年生くらいの頃に札幌まで遠征に行く機会があって、試合が終わった後にデパートの文房具売場に行って「おっ、おもしろそうなのあるじゃん!」とおこづかいで買ったシャープペンでした。
しばらく気に入って使っていたのですが、ある日突然姿が見えなくなってしまい、あのシャープペンはどこに行ったんだろうとカバンの中を探したり、家の中を探したり…。半年ほど出てこないまま時が過ぎ、大掃除の時にベッドの下に落っこちていたのを見つけたのです。ベッドの下にえっちな本を入れた覚えはありませんが…。それからはもう、なくさないようにと心に決め、今に至ります。
ペン先、グリップ、書き味
先端部は至ってシンプルな円錐状で、2mmのガイドパイプが付いています。4mmのガイドパイプが付いたDRAFIXと比べると少し手元が見にくい感じはありますが、一般的な筆記用シャープペンと比べると十分な見通しが確保されているため、さほど気になりませんでした。機能的にはシンプルなノック式シャープペンで特にこれと言ったものはありませんが、500円(税抜)としては十分な感触です。
個性的なのはグリップで、固めのラバーグリップに縦には深く、横には細かく溝が入ってます。縦に12本、横に56本。緻密な計算の上でここまで溝を刻んだのかと思うと頭が下がる限りです。DRAFIXよりはややソフトなグリップ感ですがベタ付きは一切なく、力を入れすぎても指が痛くなるようなことはありません。グリップ部がやや短く持つ位置が制限されてしまうのが難点でしょうか。
わずかに後重心ではありますが書き味としては快適そのもので、ちょうどいいグリップ感と10gを切る軽快さが持ち味となってます。0.5mmのシャープペンではBを使うことが多いのですが、このシャープペンはHBで薄く書いていくのが好みだったりします。同価格帯の製図用シャープペンと比べてもひけを取らない安定感はさすがのぺんてるというところ。この時代のぺんてるが作るシャープペンは製図用に限らず、300~500円の筆記用でも油断できない完成度なのです。
クリップ、キャップ、消しゴム
クリップは左から下に向かって伸びていくデザインで、他にはない個性を放っています。今でもほとんど見ない形で、普通のシャープペンのように見せかけて普通では終わらせないぞ!という意欲を感じますね。機能的にも左側が平面になることで転がり防止の役割を果たしていて、見た目と実用性を兼ねた優秀なクリップと言えるのではないでしょうか。少し長めなので指に引っかかるのが気になる人がいるかもしれませんが、一応外すことはできます。しかしクリップを外すと見た目としても機能としても損なわれてしまうのが惜しいところかな…。
キャップは一般的な円筒状のもので、少しきつめな感じはあるもののしっかりしてます。ノック感も重すぎず軽すぎず、一般的なところでしょう。1回のノックで芯が繰り出される量はやや短めかもしれません。軸には黒と銀の縦縞にモダンなロゴがプリントされていてなかなかいい雰囲気が漂ってますが、ここがとても悲しい泣きどころ。使ってるうちにどんどん削れてしまいます。日に日にロゴが削れていく痛々しい姿を見るのが嫌になって、結局ロゴを全部削ってしまいました。当時の技術や500円(税抜)という価格を考えてもひどいもので、せっかくの意欲作なのにもったいない限りです。
消しゴムは昔のシャープペンによくある青緑色のものが入ってます。当時はそこそこ消えていたはずですが、さすがに今ではさっぱりですね…。サイズとしては一般的なものなので、どうしても消しゴムを使いたい人は文房具店に持ち込んで相談してみるとぴったりな消しゴムが見つかることでしょう。
チャック、安定感、そしてかる~く分解
先端部を外すとチャック…と思いきやゴムが出てきました。古いシャープペンでは時々外れてしまうことがあってね。このゴムはノック時にシャープペンの芯が飛び出さないように止めておくためのもので、なくしてしまうと1回のノックで芯がドバーッと出てきてしまいます。ゴムが外れた時の解決方法としては先端部を分解して、シャープペンの芯にゴムをはめた状態でゴムの先端にボンドを付け、芯ごとシューッと通してあげるとそれなりにくっついてくれます。くれぐれもなくさないように、ぴたっと止めておくのがおすすめです。
チャックは一般的な3分割の金属チャックで、ごくまれに短い芯がチャックに引っかかってしまい誤作動を起こすのはDRAFIXとそんなに変わりません。芯が詰まったらまず先端部を外して、芯をかき出すといいでしょう。消しゴムにクリーナーピンが付いてるのでまずはピンで突っついてみるのもいいかもしれません。
分解してみると先端部、ラバーグリップ、クリップ、キャップ、消しゴムとパーツが分かれます。ただ、プリントが簡単に削れてしまうのであまり分解はしたくないかな…。なにせものが古いのでラバーグリップも硬くなってます。外した後につまんでぷにぷに感を…なんてやってるとバリッと割れてしまう可能性があるので気をつけましょう。
バリエーション
軸色は黒と赤があります。おそらく青もあることでしょう。緑があるという話はまだ聞いたことがありませんが、もしかするとどこかにあるのかもしれません。他にはSHARPLET 501という別バージョンも出てきました。プリントが削れにくく改良されたのかどうかはよくわかりませんが、見た目はそっくりで使い心地も変わらずです。型番はSHARPLET 500がQ545、SHARPLET 501がQ555になります。もしSHARPLET 502やSHARPLET 503があったら今頃どうなっていたのか、いろいろ夢見てしまいそうですね。
まとめ
うれしい!
- 緻密なラバーグリップによる感触と軽快な書き味。
- 見た目と実用性を兼ね備えたクリップ。
- 先端部が分解でき、クリーナーピンもあるため比較的修理しやすい。
物足りない!
- グリップ部分が短く、持つ位置が制限される。
- 軸やキャップのプリントがとてもはがれやすい。
- クリップを外すと見栄えが悪くなる。
評価
- 作りの良さ:★★★ 15/25
- 感触の良さ:★★★★★ 25/25
- お買い得感:★★★★ 20/25
- 書きやすさ:★★★★☆ 22/25
- 合計 82点
思い入れの割には意外と普通の点数に落ち着いてますね。心の中ではダントツのナンバーワンなんだけどなぁ~。控え選手も確保しているのでなくしても安心です。
次回予告
次回は青いシャープペンです。お寿司が食べたくなってきました。