自然の音と癒し効果の関係
こんにちは。
今日私の地元では雨が降っていますので、自然音と癒し効果の関係について書いてみようと思います。
ヒーリングミュージックを検索すると必ず出てくるのが、波音と雨音です。
youtube等の無料動画サイトではもちろんの事、これらはヒーリングCD等、有償の癒し音声においても古くからその地位を確かなものにしています。
ではこれら波音と雨音になぜ癒し効果があるのか、あるいはなぜ癒し効果があると信じられているのか、という事を考えていきたいと思います。
体験からの連想
一つ考えられるのは連想による効果です。
例えば、
以下のものを想像してみて下さい。
砂浜、穏やかな波音、晴れた空、麦藁帽を被った白いワンピースの少女。
これらを想像した時に、登場人物の少女が「今から自殺しようとしている」と考える人は稀で、「穏やかな気持ちで海を眺めている」と考える人が多いと思います。
私たちは幼いころからドラマやアニメ、漫画や小説等の創作物を通じて、このようなシーンに触れており、波音から穏やかなシーンを連想してしまうという事が考えられます。
雨音の場合はどうでしょう?
雨はネガティブなイメージを連想させる事も多いと思います。
前に挙げた創作物の中でも、殺人現場で雨が降っていたりすることは多々あると思います。
勿論、雨⇒外に出られない⇒ゆっくり過ごす
という連想も考えられるのですが、
連想という観点からだけだと雨音の癒し効果については疑問が残ります。
音響的な観点から考えると
次に連想ではなく音響的な観点を踏まえて考えてみます。
波音、雨音に代表される自然音にはホワイトノイズが含まれています。
またどちらも1/fの揺らぎを持っています。
簡単に説明すると
ホワイトノイズ
可聴域を含む全周波数が出ている状態の音
1/fの揺らぎ
自然が持つ一定じゃないリズム
です。興味のある方は別途調べてみて下さい。
ホワイトノイズの効果については、原理は不明ですが、確かに効果があると体験的に分かります。
憂鬱な時の脳内(心の中)の動きを注意深く観察すると、以下のような現象が起きていることが分かります。
・嫌な事Aについて考える
・嫌な事Aから波及して起こる嫌な事Bについても考えてしまう。
・嫌な事A,嫌な事Bについて考えている事によって、全然関係ない嫌な事Cまで思い出してしまう。
・嫌な事A,B,Cが脳を占領していることによって、普段なら取るに足らない事も嫌な事Dとして認識されてしまう。
・以下ループ
みなさんにも経験はありませんか?気持ちが落ち込んでるとき、不意に昔あった嫌な事を思い出したり、友人が機嫌悪そうにしているように感じたり。
これを私は嫌なことが乱反射している状態と表現しているのですが、
この乱反射をホワイトノイズによって掻き消す事が出来るという効果があります。
私は実はデスメタルというジャンルの音楽が好きで、
落ち込んだ時、鬱な時など、自己破壊的な衝動に駆られた時、ヘッドホンから大音量でデスメタルを聴く事が多いのですが、一時間も聴いていると気が晴れる事が多いです。
高速かつ全周波数の楽器が隙間なく鳴り響き、ヴォーカルはシャウトによって歌詞も聞き取れない、そんなデスメタルというジャンルは図らずしてホワイトノイズに近い効果を発揮し、嫌な事の乱反射を掻き消す効果があると考えると中々妙な気がします。
1/fの揺らぎについては、自然が持つ一定じゃないリズムの事でこれが癒し効果を持つという事は広く知られており、現在では扇風機やエアコンの風等で利用されています。
風の音
ホワイトノイズと1/fの揺らぎを感じられるものは波音、雨音だけなのかと言えばそんなことは無くて、風の音にもホワイトノイズは含まれています。
風の音というと語弊があるのですが、風が何かに触れた時の音ですね。草木を揺らす音などです。
こちらは波音と同じように、連想という面でも優れており、
日のあたる草原、木々を揺らす風、白いワンピースの少女、
を想像したら、大体の人が、平和な少女を連想できるでしょう。
ちょっと変わった癒し効果のある音
今まで自然音の癒し効果の話だったのですが、最近ちょっと変わった癒し効果のある音についての説があります。
というのも飛行機の機内で聞こえる音に癒し効果があるという説です。
機内の音とは何か、機内では何が聴こえているのかという事を考えると、
中低域を幅広く発するエンジン音と風の音
不規則に聴こえる各種機器の音
また私語は少ないものの他の乗客が発する様々な音(吐息、姿勢を変える音など)
これらが相まって癒し効果のある音空間になり、
結果よく眠れる****という説があります。
もし皆さんもこれから飛行機に乗る機会があれば、
「ああ、今癒されてるんだなあ」
と考えながら乗れば、退屈な移動時間、少し得した気になれるかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。